温又柔のレビュー一覧
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ネタバレ芥川賞とった人のエッセイかあっと思って手にとる
あとで調べたらわたしが思ってたの楊逸さんだった
中国の人でもとれるんだーっと当時思って
温さんも名前が中国系だったのでなんかごっちゃになってた
名前が中国系だとみんなおんなじになってしまうのって
これもまた問題なのやろか。
とはいえそこまで興味のないことへの認識がざっくりしてしまうのはどうしようもない。
が、これを読んで温さんは私の中で温さんになった。
のでもうざっくり認識ではない
日本語は日本人の言葉、と思っていた。
日本語は日本人だけのものじゃない、とか
日本国籍をもたず、でも日本語で育つ人がいる、とか
あんま考えたことなかった
何か境におか -
Posted by ブクログ
国際的にビジネスをする男性が、娘が性的少数者であることがわかったことで自身のルーツを見つめ直す話。
男性は自身が受けたような差別意識を娘にも向けてしまうのだが、その考え方の描き方がとても自然でわかりやすく、自分もそのようなことを知らず知らずのうちにやっているのだろうと考えずにはいられなかった。
また、性的少数者の議論では「子どもを作るか作らないか」という議論がセットされることが多いがそこへの言及もされていた。
女性が感じる「子どもを作らなければならない」というプレッシャーはすさまじく、またその価値観を内面化は自身を傷つけるほどのものなのだろう。
自身の価値観を放棄して人(自分他人問わず) -
Posted by ブクログ
日本、中国、台湾、3つの国で生きる家族の物語。
主人公の明虎は3つの国を行き来するビジネスマン。
両親は大陸から台湾に渡ってきて、台湾に古くからいる人々の中で様々な困難の中で生きてきた。
明虎の娘瑜瑜と喜喜は日本で育った。
瑜瑜は日本の学校には馴染めず日本人以外は不正常と言って学校へ行かなくなってしまう。
そして妹喜喜の結婚式で同性の恋人がいることを告げる。
そのことを感情的に受け入れられない明虎。
理解しようとする中で両親の苦労や自分自身のことにも思いを馳せる。
瑜瑜が言った不正常と言う言葉、正常ではない、周りとは違う状況、というのがこの家族の底に流れていて、その中で一生懸命生きてきたのだろ -
Posted by ブクログ
ネタバレ単純に娘を受け入れるか否かという話ではなく、人間味を感じる父の複雑な心境の描写は、とても興味深かった。
自分は娘の良き理解者という立場であり続けたいと思いつつ自信を無くし、娘を避ける明虎。
また、固定観念も相手を理解しようとする明虎の邪魔をする。
「年頃になると異性と結婚して家族を持ち、我が子を育てることが人生」といった価値観の社会の中で生きてきた明虎。固定観念が強すぎると、足枷にもなるということをまざまざと感じた。
ー 娘が「正常」でない。家族でそう感じているのは自分だけのようであり、自分の気持ちを誰とも分かち合えない。ー
同性が好きだと告白する娘にはもちろん苦労があっただろうが、告 -
Posted by ブクログ
日本語の中に、台湾語、中国語(北京語、上海語)が混じり、ピンインがあり、カタカナ表記がある。最初は面食らうのだが、あれ?こんな経験をどこかでしたぞ?と思いだす。学生時代、中華街の広東料理屋でアルバイトをしていた時だ。雇用主は華僑、厨房は香港人、お運びの日本人。毎日、複数の中華系の言葉と日本語で、まくしたてられた。まだ注文は手書きの頃だったので、繁体字で書き取りし、だんだん面倒になってきて簡体字の存在を知り、愕然としたのを覚えている。人間関係もいろいろあったが、学生で人生経験が浅かったこともあり、当時のことは非常によく覚えている。
日本はいろんなルーツを持つ人たちの吹き溜りという意味で極東であ