温又柔のレビュー一覧

  • 来福の家

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    ネタバレ

    台湾生まれ、日本育ちの楊縁珠

    台湾語と中国語と日本語に囲まれて育った彼女は日本語を話し
    見た目も日本人と変わらないけれど、名前も国籍も、日本ではない。

    日本人の恋人との関係、日本語があまりうまくない母と
    祖国が二つある少女の多感な心の行方。

    好奇の目で見られたり、名前を必要以上に指摘されたり
    自分がいったい何人なのか、わからなくなる感覚かな?

    そんなに気にすることはないだろうとか軽く思ったりもするけれど
    本人にとっては大事なことだよね。

    ひとつの場面にとらわれずに
    今も過去も織り交ぜて話が作られている。
    意外と読むのに時間がかかった)^o^(

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    2012年08月19日
  • 来福の家

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    ある家族の日常を描いた2作品。恋、姉の結婚と出産、専門学校での生活とありふれた日常なのに台湾・中国・日本語がミックスされた日常に何故か心魅かれる・・・。
    在日で普通に暮らしている彼女達を普通としてみない日本人の目にもドキっとさせられます。
    興味深く面白い作品でしたが、一気に読み進めるというよりは、ゆったりと同じ世界の住人になった気分で読みたいお話でした。

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    2011年04月14日
  • 来福の家

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    幼児の頃から家族で駐日する台湾人女性。
    家では両親の中国語と台湾語、そして日本語の適当な会話。
    見た目は日本人と変らない・・。

    頭の中では何語で考えるのだろうか。「文字」より先に音として言語をマスターしている母国語、そしてあたりまえの日本語。
    自分のアイデンティティについて考えることも多いだろう。

    昨晩、TVで津田梅子のドキュメントを見た。
    6歳で渡米10年滞在して帰国。「日本語が口から出ない」・・・。
    元祖帰国子女の「浦島物語」も、心に残った。

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    2011年03月03日
  • 来福の家

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    第33回すばる文学賞(2009年)佳作となった「好去好来歌」と「来福の家」の二編を収録。「好去好来歌」は著者自身の来歴を綴ったような一編。台湾生まれで3歳から日本で育った若い娘・楊縁珠(よう・えんじゅ)の言葉への思いと自己のアイデンティティーを探る物語だ。母語を持たない者の漠然とした心理的不安がよく描かれた一編。まさに著者のような立場の者ににしか書けない作品だ。このタイトルに使われている「好去好来歌」とは、本来、山上憶良が唐への出発を目前に控えた遣唐大使・多治比広成へ送った歌のことで、北京へ留学するボーイ・フレンド田中への惜別と縁珠からの励ましと受け止めた。「来福の家」は一転、明るいお話。前作

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    2011年07月16日
  • 来福の家

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    読み始めは取っつきにくさを感じましたが、読み進むうちに、だんだんと笑笑ちゃんの世界を理解することが出来るようになった様に感じてきました。小説を読んでいると自分の知らなかった世界を疑似体験したように感じるときがある。この本もそんな感じを抱かせてくれました。台湾で産まれて日本で育った笑笑ちゃんとその家族。その方々と知り合いになれたような感じです。

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    2011年07月16日