鈴木康士のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでる間じゅうずっとぞわぞわしてなんだか変な気分がつきまとった。最後に謎が解決してもオールハッピーエンドとはいえず少し暗い気持ちにもなった。
よく練られてはいたが、その分濁すような文が多くてじれったいのと、徐々に分かって来るにつれて伏線がわからなくなってページを行ったり来たりしたのが残念。その点は正直いらっとしたところも。
ただいつものように専門知識はとてもあり、読みながら場面にふさわしいクラシックの名曲が頭の中に流れてくるのはよかったし、そういった書き方はとても好き。
個人的には奈緒美と秋穂という名前、それにフルート奏者とヴァイオリン奏者というところも感情移入出来てにやっとした(笑)
石倉 -
Posted by ブクログ
人間の醜いところが鮮明に書かれていてすごく怖かった。気持ち悪いとも言えるかもしれない。
あそこまで登場人物のほとんどを気持ち悪く書ける作家も少ないと思う。
ただ醜さの方が際立ってしまい、主人公の位置にいるはずの朽木奈緒子のキャラが弱い気がしました。
最後まで犯人が分からないような書き方や、複数の人間による犯行はアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせましたが、最後の種明かしで「あ、やっぱ違うか」と投げられたような。もやっとしたものが。
勘違いした私が悪いのですが、そういうオチもありかもと考えて読み進めていただけに何故か残念に感じてしまいました。
最後の松崎と新垣の会話はシリ -
Posted by ブクログ
「心霊探偵八雲7 魂の行方」
「友だちが、神隠しにあった」、晴香のもとに助けを求める電話をかけてきたのは晴香が以前教育実習の際に担当となったクラスの児童・大森真人だった。それを聞いた八雲は調査のため一路長野へ向かう。一方、石井のもとには、護送車が事故を起こしたとの緊急連絡が入った。その車は、あの七瀬美雪を乗せていたというが・・・。
心霊探偵八雲シリーズ第7弾。今回の鬼伝説では、いつもの霊との対話から事件を調べていくということともう一つ大きな軸があります。それは親子です。
鬼の伝説の元となった事件の被害者である女性とその息子、事件の真相を知るかもしれない老刑事若林とその父、親になった後藤 -
Posted by ブクログ
「心霊探偵八雲6 失意の果てに(下)」
お堂で一心が刺された?監視の目をかいくぐり犯人はどうやって事を成し遂げたのか?石井をはじめ皆が疑心暗鬼になる中、八雲は拘置所で殺人を告げた七瀬美雪と対峙する。一方、一心が収容された病院では院内を少女の幽霊が彷徨っているという噂が?
心霊探偵八雲シリーズ第6弾(下)。「下」を読んでまず感じたのが「石井刑事の成長」です。後藤刑事にいつもびびっていた石井が事件の重要な所で刑事としての生き様を見せたり、刑務所から出れないはずの七瀬の犯行に対して推理したり、宮川に後藤のことを託されたりと大きく強くなっています。まあ相変わらずの所もありますが、そこはご愛嬌でしょ -
Posted by ブクログ
「コンダクター」
フルート奏者の朽木奈緒美はこれから始まる音大時代の仲間との新しい仕事に心を躍らせていた。そんな中とある場所で謎の変死体が発見されてから彼女の周辺で奇妙なことが起こり始める。毎夜の悪夢、首なしの白骨、壊れ始める友情、そして怪事件を狂信的に追う刑事・・・、音楽を奏でる若者たちの日常が、一見つながりのない出来事により崩壊の道へ。
初めて八雲シリーズ以外の神永学氏の作品を読みました。内容は八雲とは全く違う本格的な推理物でした。彼女の周りで起こり始める奇妙な出来事は一見どれも関連性のないように思えるけど、それが実はしっかり繋がっていた、それを絶妙な書き方で書かれていた所がとても良か