誉田哲也のレビュー一覧
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音楽に向き合う2人の歩みを追いながら、近さと遠さが揺れ続ける関係に引き込まれる物語。専門的な表現に戸惑うところもあったけれど、礼二と航それぞれの視点が切り替わるたびにモヤモヤする気持ちが残る。読者は両方の立場を感じられるのに、当人たちにしてみれば「アイツにだけは負けたくない」という思いが強く、素直になれない距離感が続いていく。
中盤までは奈央が2人を秤にかけているのでは、と疑いながら読んでいましたが、最後まで本心が掴みきれないところも青春らしい曖昧さとして印象に残った。
読んでいる間、自分は何かに本気で向き合ったことがあっただろうかと少しさみしくなりつつ、終盤は「今からでも何か始められるかも」と思わせてくれるラストに元気をもらえた気がします。音楽に深く関わってきた人なら、きっともっと鮮やかに響く物語なのだろう。専門的な世界に触れながら、好きなことを続けることの難しさと希望を改めて感じられる一冊でした。 -
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誉田哲也氏のデビュー作らしいですね。書店で見つけて、新作だと思って買いました。
読んでみて、デビュー作というのは納得。
警察小説の皮をかぶった吸血鬼ホラーみたいな作品で、読んでみて面白かったけど、少し粗さが目立つ感じだった。
最初に、東京で異常な事件が起こる。獣に首を噛みちぎられたような死体が発見されるも、その場に血痕が見当たらない。
他所で殺してここに運んだとか、警察は推理するが、実は吸血鬼の犯行で、それに気づいたのが、のちの姫川玲子シリーズにも登場する井岡刑事。
直接担当する富山刑事は後に悲惨な結果になるんだけど、ここまででも、警察内部と、ヒロインで吸血鬼の紅鈴周辺と、コロコロ視点が変わって、なかなか集中できない。
それと、三人称一人視点で書かれた小説内で、富山刑事が変化する以降だけ、一人称になるのが少し違和感あり。
一般的に三人称単視点と一人称は、それほど違いはないんだけど、一人称のほうが直接視点人物の内面を語れるというのがある。
でも、それほど富山一人称の部分で、他と違うほどの効果は感じれなかった。
読んでいて、少し描写がくどいところがあったけど、内容は面白かった。萩尾望都の「ポーの一族」を現代風のヤクザも絡めた話にして思い切りリアルで気持ち悪くした感じかな。
このあと、「妖の掟」という続編が2022年に刊行されている。
こちらは、この作品の前日談になるようだ。
早速買って読んで、作者の変化も見てみたい。
それから、どうでもいいことですけど、ヨシキの印象。
ドラマ「キツイ奴ら」の時の玉置浩二に変換して読んでました。 -
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【2026年91冊目】
新宿管内で発見された身元不明の死体からは子宮が抜き取られていた――捜査開始から2ヶ月経った今もなお、身元は不明のまま捜査は難航を極めていた。一方、「歌舞伎町セブン」の一人、陣内のもとにNWOの一員である土屋から依頼が舞い込んできて――ジウサーガシリーズ待望の第10弾!
なんというか、大丈夫ですか、作者さん消されませんかね?と心配になるほど切り込んだ一作。いや、フィクションですと言ってしまえばそうなのかもしれませんけど、あまりにも現実を反映しすぎていて、「こ、ここまで書いちゃって大丈夫なの?!」と思ってしまいました。
気になる続きは、次に刊行予定の11作目に持ち越されるかたちとなりましたが、上手くまとまる気が全然しません。
NWOの言ってることは結構わかるし(手段は別として)「そうだよなぁ」と思わせられる表現もしばしば。日本ってなんでこんな国になっちゃったのかしらと思わせられる一作でもあります。
作者さんの身を心配しつつ、次回作も楽しみにしたいと思います。 -
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ネタバレ読んでいて何度も目を背けたくなるほどグロテスク。鮮明に想像しながら読むのはおすすめしません。
「人間はここまで他者を踏みにじれるのか」という恐ろしさが強く印象に残った。読み進めるのが苦しくなる場面も多かったが、それでも先が気になって最後まで一気に読んでしまった。
物語の終盤では事件の真相が明らかになったが三郎と聖子のその後については詳しく描かれておらず、「結局この二人はどうなったのだろう」と少し物足りなさも感じた。苦しみ続けてきた二人だからこそ、幸せになった姿や穏やかな日常を見届けたかったという気持ちがあるが、あえてその後を描かなかったことにも意味があるのだろう。事件が終わったからといって、二人の心の傷が簡単に癒えるわけではない。読者にその先を想像させる終わり方だからこそ、現実の事件のような余韻や重みが残り、作品全体のリアリティをより強く感じさせているように思えた。すべてを説明しない終わり方だったからこそ、この作品は読後も長く心に残るのかもしれない。
グロテスクな描写が苦手な人には勧めにくいが社会派ミステリーや重厚なサスペンスが好きな人には、一度は読んでほしい作品。 -
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ネタバレ姫川シリーズ第6弾
これまで私は菊田の良さがいまいちわからんと言っていたのですが、今回の菊田はかっこよかった…!
寝ずに3日も張り込みができるなんて、シリーズ6作目にして初出し情報では?!
菊田お前良い男やん…と気づいた今作ですが、既婚者に
姫川がまた誰かを好きになることはあるのでしょうか
ブルーマーダーの手口は凄まじく惨いもので、被害者の接点もなかなか見えてこず、とんだサイコパスかと思いきや、動機が明らかになりはじめるとダークヒーローのような魅力を感じます。
最期が胃がんだなんて切なすぎます。
解説のキャスティングがはまっていておもしろかったです。
ただ、木野に関しては、町田啓太をキャスティングさせていただきたく…! -
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誉田哲也『ジウ X《ジウ》サーガ10』中公文庫。
ジウ・サーガの第10作。
今回は政治色が強く、そんな中で『新世界秩序』の暗躍と『歌舞伎町セブン』に迫る危機が描かれる。
余りにも感情が感じられない猟奇的殺人の描写は非常にグロい。
突っ込みどころはある。2ヶ月もの間身元不明だった女性の惨殺死体の身元がある人によりあっさり判明してしまうという不可思議。一般人は拉致されて直ぐに殺害されるのに『歌舞伎町セブン』のジロウは激しい拷問を受けるが殺されないというのも腑に落ちない。『新世界秩序』と『歌舞伎町セブン』では組織の規模が釣り合わないと思うのだが、『新世界秩序』側が苦戦するという不可思議。
都内で生きながらにして子宮を摘出された身元不明の若い女性の死体が発見される。新宿署の東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、2ヶ月が経っても被害者の身元さえ判明しなかった。
一方、『歌舞伎町セブン』のメンバーの陣内陽一の店『エポ』にボブカットのスタイルの良い女性を筆頭に奇妙な客が集団で訪れた。緊張感漂う店内で、ボブカットの女性は、歌舞伎町封鎖事件を起こした『新世界秩序』について話し始める。『新世界秩序』が『歌舞伎町セブン』と手を組もうというのか。
やがて、『新世界秩序』の国際戦略の方向性が見え始め、『歌舞伎町セブン』の土屋が保護した中国人少年を巡り、両者で激しい死闘が繰り広げられる。
本体価格880円
★★★★