カミュのレビュー一覧

  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人が人を裁く時、人間はこうあるべき、という倫理のもと理由をつける。人が神を信仰するのも、何か理由を求めてのことだろう。弱さゆえ、こうすれば救われると信じたい。主人公のルムソーはそんな弱さを超越した自身の真理をもっている。強い光だと思った。夏の太陽みたいに。

    ルムソーの生き様、わたしはめちゃくちゃかっこいいと思ったし憧れすら感じたけど、実際にこんな人間がいたら理解されないんだろうな。悲惨な事件があったとき「何でこんなことが出来るのか理解できない!」という声をよく聞く。犯人の動機、背景を突きつめていく。みんな理由がほしいんだ。

    理由って本当に必要なんだろうか、って考えてしまうね。太陽のせいだと

    0
    2026年03月11日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    個人的にめっちゃ好きな作品。コロナ禍に読んだこともあり面白かった。
    ペストという病気が流行った封鎖された社会で、人々の動乱を描いた作品。人の心理がよく書かれている。
    ラストが急だった気がして、そこが少しモヤモヤした。

    0
    2026年02月23日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    残酷ではないのだろう、きっと何も知らないまま生きていただけ。愛も悲しみも幸せも感じられないまま育ってしまったのだろう。海の美しさに目を奪われながらも怒りや憎しみが抑えきれない彼を誰も許すということはできないのだろうか。何かを訴えかけるような太陽のせいという言葉にやはり引っかかる。考えさせようとしてくる作者が好きだ。

    0
    2026年02月22日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今までで一番揺さぶられた小説。主人公ムルソーの言動は読者の生活、人生そのものの基盤を根本から揺るがす。ムルソーは明らかに真理である。そしてそれは悲しいほどに非人間的で無関心な真理である。読んでいて苦しくなるが、これほどの重大な問題を突き付けてくるという意味で素晴らしい小説である。

    0
    2026年02月21日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    頂上を目がける闘争ただそれだけで、人間の心をみたすのに充分たりるのだ。いまや、シーシュポスは幸福なのだと想わねばならぬ。

    0
    2026年02月15日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これが「異邦人」か。ムルソーが不条理な人物なのだろうか、不条理な男が不条理な殺人を犯した話なのだろうか。生まれたら死ぬのが宿命だ、それを人為的に行うのが不条理なのだろうか。
    44歳でノーベル文学賞を受け、当時活躍中のサルトルと並んでさまざまな見地から評される作品を書いた。
    「実存主義に沿った作品かそうでないのか」当時、難しいサルトルの哲学をあてはめてよいやら悪いやら、という風潮もなかったとは言えないが、カミュとして、彼の作品はそういったサルトルの思想とは関係ないと断じている。

    裁判に入り、ムルソーに対する裁判長の言葉はあながち間違っているわけではない。冒頭の「きょう、ママンが死んだ」にしても

    0
    2026年02月08日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    最近、太陽の光が思考を狂わせる国に引っ越したので、「太陽の国で異邦人になった今こそ、カミュの異邦人を読むべきでは?」と思い読み始めた。

    主人公の
    「太陽が暑かったから」。

    わかるぞ。アルジェリアは行ったことはないけど、大学生の時隣のチュニジアに行ってアルジェリアとの国境まで行ってみたことがある。
    暑すぎておかしくなりそうだった。
    海が美しかった。

    不条理文学の主人公の敵はやはり神父さんなんでしょうか。
    このメタ的な展開はもしかしてこの小説が始めたの?

    0
    2026年01月28日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マリイに愛しているかどうか二度聞かれて二度愛してないと正直に答えるのが一貫してて良い。ここでムルソーがどういう人物かある程度掴めた。その変わっている彼をまとめて理解し、結婚を申し出たマリイは素敵な人だと思った。

    死刑が確定する前と後で、泣きたいという気持ちにさせた私への憎しみが孤独を感じさせないための望みになっているのはすごく自然な流れだと思った。

    最後のムルソーの叫びは胸に刺さるものがあった。特に「私はこのように生きたが、また別な風にも生きられるだろう。私はこれをして、あれをしなかった。こんなことはしなかったが、別なことはした。そして、その後は?私はまるで、あの瞬間、自分の正当さを証明さ

    0
    2026年01月21日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私とでは時代も国も違うから理解の及ばない事柄もあったけど、ムルソーはあそこまで責められなければならなかったのかは疑問です。ムルソーもムルソーで困ったヤツなのだけど。
    とても人間臭い物語で、短いながらも読みごたえ抜群でした。
    じりじりと容赦なく照り付ける夏の太陽はとても理不尽で、猛暑のたびにこの作品を思い出しそうです。

    0
    2026年01月07日
  • 異邦人(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    カミュの代表作を読めて良かった。ムルソーと同じことがいつ誰に起こるか分からないことを改めて思い知った。

    0
    2025年12月13日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    作中のペストの災厄は、経験したコロナパンデミックとよく類似していて驚いた。
    そして、そのリアリティ、解像度の高さに感嘆。

    パンデミックの不条理の中で、様々な人が何を感じ、あるいは感じなくなっていくか、本当にコロナで見た光景だった。

    文体は、原著は読めないですが、本訳を読んで感じるところは、正直まどろっこしい感じで好きではないです。これがフランス文学流?

    ただ、主人公医師のリウーの倫理観、というより作者カミュの誠実さ?は大好きです。どうしようものない不条理、絶望や虚無、無意味が取り巻く中で、愛や倫理を失わず、生きようとする様は、そうあるべきだと深く共感できるところです。
    その観を、パンデミ

    0
    2025年12月05日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    高校生の時、カミュの異邦人を読んだのにサッパリ分からなかったのが、45年たってこのペストを読んでみたらよく分かった。やっぱり読解力が着いて来たんだろう。

    0
    2025年11月05日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    言葉にできない感情を表現するのが上手すぎる。それ故に印象的で心に残る言葉がたくさん出て、ずっと感情を揺さぶられている感じがする。

    ひたすらに先の見えない暗い話で、絶望に絶望を重ねる話なわだけど、絶望の中ですがるように、もしくは不意に見えた友情だったり愛情だったりがことさら輝いて見えるのが良い。
    それすらも不条理に飲まれてしまうんだけど、その虚しさが味わい深い。

    0
    2025年10月14日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    ペストの混乱の中にあっても、それぞれが自分の心を裏切らないように生きているところが、何よりよかった。
    個人の力ではどうにもならないことがある世の中だけど、自分の中にある道徳みたいなものに従って生きるのが、後悔しない生き方なんだろうと思った。

    0
    2025年12月08日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    コロナ禍の前に読みました。カミュ、フランス文学って食わず嫌いでした。名作古典ておじさんになってから紐解いた方がいいみたい。読み終わるまで体力を使います。若い時に読んだ方がいいみたいです。

    0
    2025年07月13日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

     とても読みにくいが、とても面白かった。難解な文章でも読み進めさせるストーリーのリアルさに惹かれた。ロックダウンされた街で、住民たちが恐怖と疑心暗鬼でさらに事態を悪化させる、という展開を勝手に思い描いていたのに、フィクションというより人間観察記録と感じた。
     昨年5月頃の緊急事態宣言中に、異様な雰囲気を肌で感じながら読みたかったな。

    0
    2025年01月31日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    ペスト
    著:カミュ
    新潮文庫 か 2 3

    ペストは、14世紀、東アジアで流行が始まり、中央アジアを経由してヨーロッパで猛威をふるった。
    人類の歴史史上、14世紀は、唯一人口が減少した世紀であり、その原因はペストであった

    現在もマダガスカルをはじめ、散発的にペストの流行が発生している

    本書のように、ペストが突然、大都市を襲うというようなことはあながちあり得ない話ではない

    一方、作者のカミュは、「シーシュポスの神話」、「異邦人」といった、不条理を扱う作家である

    ペストの初期から、都市がロックダウンしたあとの人々の生活と、その心理をリウーという医師の目で描いたのが本書である。ある意味で、「

    0
    2024年05月15日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シューシポスとはギリシア伝承で言うところのシジフォスである。石を山の上に運び上げる重篤で虚無的な刑罰に処せられた悲劇の男である。そんな虚しさ空しさに就いてを徹底的に語り尽くしたアルベール・カミュの代表的な評論。シューシポスの神話を読んだらぜひとも旧約聖書の伝道の書またはコヘレトの言葉を読んでみよう。此の世の空しさが痛いほどに理解できることだろう。

    0
    2023年08月30日
  • 転落

    Posted by ブクログ

    定期的に本作を読み返しており、今回新訳が出たということで早速手にしてみた。

    この新訳版には適度に注釈が付け加えられ、文章も従来の訳書より読みやすくなった様に思う。
    しかし最も新訳の恩恵にあずかっているのは、本書を通してたった一人の語り手であるクラマンスである。彼を露悪的かつ魅力的に、そして親しげに表現することは、本書の仕掛け(罠)上で欠かせないからだ。


    話の大筋は以下の通りである。

    語り手であるクラマンスは、かつてパリで名を馳せた弁護士で、私人としても善行やその振舞いから評判であった。
    当時の彼は順風満帆な人生を送っており、自身が「高みにある」ことを信じて疑わなかったが、あるきっかけか

    0
    2023年04月06日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    何をグダグダ書いてるのだ?と最初は思ったが、読めば読むほど染みる。人間は皆、死という運命から逃れられない。平和に暮らしていると忘れがちだが、80歳90歳まで生きられる保証もない。では何のために生きるのか?

    本書は、異邦人の著者として有名なカミュによる、哲学、小説評論のエッセイである。短いのだが、他の哲学、小説の知識が前提なところもあって全ての文意を理解するのは難しいが、全体として言いたいことは一貫しているので、分かったような気になれる。人生への態度として共感できたので、手元で時々読み返したい。

    0
    2023年03月17日