カミュのレビュー一覧

  • ペスト
    この本に書かれていることを完全に理解するにはまだ至らない。だから、これから何度も読み返したい、あるいは、自分の成長を測る物差しのようなものとして持っておきたい。
  • 異邦人(新潮文庫)
    ただ何となく、ムルソーが許されることを願った。裁判中ずっと、1人の人生がこんな簡単に決められて良いわけが無い!って思ってたけどそれは殺されたアラブ人も同じ事で、共感は同調を生むなと思った。取り返しのつかないことが自分の手から離れたところでどんどん進んでいく浮遊感が不安で不安で最高だった。
    また、どん...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    超かっけえ!
    イギリスのキュアーというバンドがこれに影響を受けて「アラブ人殺し」という曲を出しました。
  • 異邦人(新潮文庫)
    短い。3時間かからず読んでしまった。1部2部に分かれてるがその構成力がすごい。前半自由に生きてた主人公が内省的になったりの変化もあり、対比的で面白いし、1部のすべてが2部の伏線となっている。1部も映画みたいで良かった。主人公像をどう解釈するか、太陽を何の象徴と捉えるかで味わいが変わる。自分は主人公は...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    フランス映画を1本見終わったような読後感。
    ムルソーは置かれている状況に対して素直に反応する。そして世間の常識ではなくて自分の論理で判断する。だから、決して悪い人でも冷たい人でもないのに、その行動は常識に照らすととんでもないものとなる。嘘がなく純粋なのはムルソーの方ではないのか。
  • 異邦人(新潮文庫)
    有名だけど題名以外なにも知らない本を読んでみたくて読んだ。(ときめきトゥナイトのヒロイン江藤蘭世の語源がフランス語の異邦人[Etranger]であることは知っていた。)

    主人公ムルソー君の人格は、21世紀人をみているようだった。死刑を宣告されなければいけないような人格破綻者の要素は希薄で、「私」の...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    ここ数年で読んだ海外古典の中で一番感銘を受けた。素晴らしかった。

    古典文学を読んだ時なぜか作中の時代もその当時のものだと錯覚してしまう気がする。この小説の時代設定も書かれた当時のものなのだろうか。裁判がずいぶん不正確で不公平だなと思った。裁判制度に対して作者が一石投じる意図もあったのだろう。

    ...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    論理では説明ができない不条理について考察の機会を与えてくれた一冊。

    難しすぎて何度も読み返し、読書習慣がついてからようやく読破、太陽のせいで人を殺めた、という男の発言がこの本への私の1番の思い出。
  • 異邦人(新潮文庫)
    その他大勢の人間の目から見れば、ムルソーは異邦人のように映るのかもしれないとは思う。
    母親の死に際して感情が乏しいのは気になったが、あり得なくはない。その時のムルソーの言動が、無関係の裁判で問題視されることが我慢ならなかった。人を殺したことよりもはるかに強い処罰感情を持って、ムルソーを排除すべきであ...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
     高3から何度も読んでしまう一冊。いつもは聴聞司祭とのやり取りで気圧され、ラスト数行で心地よい気分に浸って終わってしまうので今回は東浦さんの『晴れた日には異邦人を読もう』を手引書にして再読。ラストの心地よさで意識の表面に出てこなかったカミュの愛した情景の素晴らしさを実感できた。ムルソーという人物をこ...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    シューシポスとはギリシア伝承で言うところのシジフォスである。石を山の上に運び上げる重篤で虚無的な刑罰に処せられた悲劇の男である。そんな虚しさ空しさに就いてを徹底的に語り尽くしたアルベール・カミュの代表的な評論。シューシポスの神話を読んだらぜひとも旧約聖書の伝道の書またはコヘレトの言葉を読んでみよう。...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    ▼「異邦人」カミュ(窪田啓作訳)。新潮文庫。初出はフランス語で1942だそうです。

    ▼とても薄い文庫本で、考えたら何十年も「いつか読みたい本」だった一冊。とうとう読みました。不条理不可解芸術小説かな?と思っていたら全然違って、大変に面白かった。後半終盤は打ちのめされました。さすがです。

    ▼そもそ...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    センター倫理で暗記した、『不条理』=『カミュ』=『異邦人』。読んでみたら、そんな軽々しいものではなく、深く胸に去来する作品。

    母親が死んでも悲しむ姿を見せず、翌日にはデートをする。そんなことを裁判で裁かれる。
    なんだよ!って気持ち。

    80年以上前の作品だけど、何も古臭さを感じず、寧ろ生臭さすら感...続きを読む
  • ペスト
    壮絶な物語だった。
    タルーの手帳の内容が頻繁に出るからタルー自身が提供したのかと思っていたけど、そうか...やっぱり逃れられなかったのか。
    オトン氏もそうだけど、終息間近に罹患して死亡するの悔しいよね..血清だってできたのに。
    グランのように生還して欲しかった。

    脱走することばかり考えていたランベ...続きを読む
  • ペスト
    アルジェリアのオランという町でペストが発生、その後町は閉鎖され、たまたまオランにいた別の町の人間は外に出られなくなり、反対にオランの住民でたまたま町外に出た人は、町に戻れなくなります。別離と死の恐怖のなか、人々はどうふるまうのかについての興味深い本でした。2020年7月時点で新型コロナウイルスの猛威...続きを読む
  • 転落
    定期的に本作を読み返しており、今回新訳が出たということで早速手にしてみた。

    この新訳版には適度に注釈が付け加えられ、文章も従来の訳書より読みやすくなった様に思う。
    しかし最も新訳の恩恵にあずかっているのは、本書を通してたった一人の語り手であるクラマンスである。彼を露悪的かつ魅力的に、そして親しげに...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    何をグダグダ書いてるのだ?と最初は思ったが、読めば読むほど染みる。人間は皆、死という運命から逃れられない。平和に暮らしていると忘れがちだが、80歳90歳まで生きられる保証もない。では何のために生きるのか?

    本書は、異邦人の著者として有名なカミュによる、哲学、小説評論のエッセイである。短いのだが、他...続きを読む
  • 月刊コミックバンチ 2023年4月号 [雑誌]
    読切『2フレで泣いてる神田さん』が面白かったです。
    主人公の八乙女くんと神田さんのやりとりがかわいくて、格ゲーはよくわからないですがそれでも楽しめました。
  • ペスト
    凄く良かったー。
    病毒とか犯罪とか戦争とか私達が苦しんでいる状態こそが自然で、膨大な努力と確固たる意思でもって平穏な生活を維持できている、というくだりに感動しました。
  • ペスト
    いや面白い。そして文章の素晴らしさ。街の描写は映画を見ているように想像できる。登場人物の心情が臨場感を持って読み手に伝わる。
    「我々の心にはみなペストがいる。」
    ペストという不条理とどう向き合うか。Withコロナの時代に考えさせられる一冊。