カミュのレビュー一覧

  • 異邦人(新潮文庫)

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    昭和29年発刊の本なのに、翻訳に違和感がなく、読みやすかった。本筋じゃないけど、犬がどこに行ったのか気になる。カフェオレのことを、ミルクコーヒーと訳しているのが逆に印象的。

    ある視点では真実の連続で、それに運が重なると死さえも導いてしまう。今の時代に照らして読むと、ひとつの視点だけの正しさに凝り固まると、別の面が理解されず見えなくなってしまう危うさへの警鐘でもある気がしてくる。

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    2026年03月21日
  • ペスト

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    「ーーー階段口のまんなかで一匹の死んだ鼠につまずいた。」

    中世ヨーロッパを震撼させた感染症ペストが、ある日突然小さな街を襲ったら。
    社会はどうなるか、人はどうするか。

    2020年再度話題となったこの小説(1969年刊行)は、文庫版の発行部数が累計100万部を超えたそう。

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    2026年02月21日
  • ペスト

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    抑圧された人間の心情や町、大衆としての機能の心理が込められた内容だった。
    ペストを中心に死に向き合う人間、それによる町の機能の役割。また決断せねばならぬ立場の人間。
    圧倒的な抑圧の前に人間はどうなるのか、どう乗り越えていくのか、そんな状況の人間の核心をつく物語。
    コロナ禍の状況と同じではないが彷彿とする人は多いと思う。

    以下気になった言葉
    ・人間が意気地なしになるような時刻が、昼夜ともに、必ずあるものだし、自分が恐れるのはそういう時刻だけだ。
    ・天災というものは、事実、ざらにあることであるが、しかし、そいつがこっちの頭上に降りかかってきたときは、容易に天災とは信じられない。
    ・一見、攻囲され

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    2026年02月20日
  • ペスト

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    自分じゃどうしようもないことに巻き込まれたときに、それも含めて受け入れるか受け入れないかどちらにしても、行動としては、自分のできることをこなすリウーとパヌルーの話が特に印象的だった

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    2026年01月24日
  • ペスト

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     人がペストで亡くなるごとに世界の見え方が少しずつ変化する。ペストという異常が日常になる怖さを通じて読者は不条理を実感する

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    2026年01月01日
  • ペスト

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    『ペスト』は読書好き界隈に限らず、コロナ禍で話題となった作品である。コロナを経験した我々は、高い解像度で物語を楽しむことが出来る。不条理がベースにありつつも、人間の愛情に対する価値観に問いかけてくるような作品に感じた。

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    2025年11月27日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    非常に難しかったので、整理しながらもう一度読みたい。ただ、人の生は不条理であることについては、ぼんやりとだが理解することができた。

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    2025年09月22日
  • ペスト

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    コロナの時に読んで戦慄した覚えがある
    ここに書いてあるふうに世の中がなるのかなあこんな昔に書かれたのに今と一緒やんって思った覚えがある

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    2025年09月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    背表紙に書いてある概要がそのままこの小説の起承転結。
    母の死、殺害、処刑。

    この主人公に私は共感できない。できないけれど、でも、ムルソーが自然から受け取る感動は美しい。太陽と海と光から彼が紡ぐ言葉や感情は代え難い。感受性が豊かで、それを羨ましくさえ思う。
    手を伸ばし愛を求めたら、ぴしゃりと拒否されてしまうとしても。

    異邦人は、
    人間の複雑性を描いている作品なのかと思った。
    もしくはサイコパスと私たちの距離を。
    でもそうではなく、なぜか読後、
    感じてしまうのは、
    社会側の、秩序側の、複雑性、寛容性のなさだった。

    道徳とは?という問いよりも
    人間とは?という問いに帰結する。

    読み終えて、あ

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    2026年06月10日
  • ペスト

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    過去のペストの大流行を描いたカミュの一作。コロナ禍を海外で過ごしたからこそ心に響くものがあるなと感じた。ネズミの大量死に端を発して、ペストの流行による大量死、流行が終わろうとしている時に起こる悲劇や、ロックダウンされた都市の中での鬱屈した生活など覚えのあることばかりだった。

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    2025年02月04日
  • ペスト

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    ネタバレ

    訳のせいか元の文章のせいなのか判断できないけど、だいぶ読みづらく感じる部分もあったし、中だるみに感じてしまう部分もあって途中気分がのらなかったりもしたけど、終盤は泣ける場面もあり爽やかながらも不穏さの残るラストまで一気読みだった。よかった。

    私はドストエフスキーが好きで特にイワンやキリーロフが好きなのだけど、どうもリウーはイワン、タルーはキリーロフ、パヌルーはアリョーシャの影がみえてその部分でもとても楽しめた。

    リウーの「子どもたちが責めさいなまれるように作られた世界を愛することはできない」というのはイワンの思想と同じだし、リウーとパヌルー神父の問答はカラマーゾフの兄弟の大審問官に近いもの

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    2025年01月30日
  • ペスト

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    あまり古典を読み慣れていないためか、初めは読み進めるのに苦労しましたが、とても面白かったです。歴史的背景やカミュの年譜もあり更に理解が深まりました!
    …でも長かった!笑

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    2024年12月20日
  • ペスト

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    港町を突然襲い、人々の自由と安全を不条理に奪ったペスト。病魔だけでなく、全体主義の恐怖を暗喩しているというのが定説だが、COVIDの記憶が生々しい今読むとパンデミック時に実際経験したあれこれと怖いほど重なるエピソードの数々。

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    2024年09月07日
  • ペスト

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    登場人物の名前がなんとなく似ているのと、訳が古めなのもあってか固い印象でなかなか読み進まなかった。
    コロナを経験したので市民たちの心の動きはよく理解できた。幼児が苦しみながら死にゆくさまは読んでいて辛い。

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    2024年07月20日
  • ペスト

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    外国の本なので、理解しにくいところが多々あったが、思想の部分はコロナを経験しているだけによく沁みたと思う
    子どもが死ぬシーンは正直耐え難かった

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    2024年06月03日
  • ペスト

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    リュー医師を中心とした複数名の視点から、オラン市でのペストの流行を描いた長編小説。
    不条理下での人々の様子や心理が巧みに描かれており、登場人物、ひいてはカミュの抵抗の痕跡も読み取れるが、実際にコロナの病禍を潜った後に読むと物足りなさも感じた。実際に病苦や死の恐怖に日々隣り合わせ、自由を奪われることになったとき、人々の心はこうは平静ではいられなかったのではないか、もっと醜い心理が働いていたのではないかと感じる。そのため「病禍の下での人間心理を描いた秀逸な小説」という評価にはいささか疑問を禁じ得ない。
    とはいえそれは実際に病禍を体験した者だからこそ言えることであり、想像のみでここまでを描いたカミュ

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    2024年02月09日
  • 最初の人間(新潮文庫)

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    最初の人間というものが、時間的な最初であると同時に、わたしがわたしであるところ、何かがある、永井先生のことばを借りれば、「開闢」というものになるのだと思う。
    カミュ自らの自伝的小説といわれるものであるが、それ以上に、反抗的人間、不条理を不条理と知り、それでも生きるこのわたしが一体どこで起こるのか、その瞬間を探しているような感じがする。
    開闢は自分でしかないわけだから、それが幼少期や学生時代という時間をたどる思い出すという形式でしかできない。過去と現代、親と子の間を行き来しながら、時間と空間から徐々に離れて何かが生まれる。ことばとは常にこうして思い出されるものである。開闢の神話がカミュから語られ

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    2023年10月08日
  • 転落

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    なんでこの男は落ちぶれたんだろう。

    語り手がバーで同郷の男に延々と自慢話をする。
    訳者の解説をオンラインで聞いてから読んだ。
    理解されていないカミュの中で一番美しい小説だそうだがそれはよくわからなかった。

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    2023年08月30日
  • 転落

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    この『転落』は、いわゆる自分語りの形式をもって、パリからアムステルダムにやってきた弁護士クラマンスが自らの半生を打ち明ける。

    前半は、細かな心理描写にさすがの感を抱きつつ楽しく読んだものの、自己愛というテーマ自体はそれなりに平凡で、作家であれば多かれ少なかれ誰でも書きそうな内容、という印象だった。
    しかしクラマンス自らの無謬性が否定された中盤以降、哲学やキリスト教の要素をふんだんに盛り込みながら、タイトル通り『転落』のスピードに読者を巻き込んでいく手腕には圧倒された。
    そして、終盤のミステリー的要素も踏まえた展開と結末。
    短編ながら、文学的要素をこれでもかと詰め込んだ傑作と感じた。
    ノーベル

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    2023年07月25日
  • 最初の人間(新潮文庫)

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    もちろん小説であるから、実際にカミュが過ごした少年時代をありのままに記述しているわけではないにしても、少なくともカミュがどんな場所で、どのような少年時代を過ごしたかということを、たいへん興味深く読み取ることができる。そういう意味においても、この未完成の遺作を読む価値は十分にあると言えよう。

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    2023年07月09日