カミュのレビュー一覧

  • ペスト
    コロナ禍のいま読むと、高校時代に読んだ時よりも現実感を持って読んだ。
    ペストと判明せず「何かおかしい」と感じる主人公、徐々に実態がわかり対策がとられるものの混沌としていく社会的は、まさに我々もまったく同じ。
    昔から繰り返されていることが、いま、起きているんだ、と実感させられる。
  • ペスト
    物語が進むにつれ、登場人物の内面が描かれていくのが興味深かった。封鎖された町で見つめるのは自分しかいないのだと思った。
    いつも誠実であろうとし職務を全うするリウー、踏みとどまる者となることを説いたパヌルー神父、罪から逃れたいコタール、死刑に対し抵抗し続けたタルー、胸を張って生きる道を選んだランベール...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    「自分の生命・存在以上に重要な事実なんて存在しない。事実、ガリレイは地動説の正しさの主張より、自分の命を優先した」なんて素晴らしい文章だ。
  • ペスト
    コロナ禍の今読むと考えさせられるものがある。解説にあるように、ナチスや他の脅威を連想しなくて、ただ単純に疫病の中での人間状況としてだけとらえていいのでは思う。最後の自暴自棄になった人間の恐ろしさも、昨今の事件と重なる。
  • 異邦人(新潮文庫)
    カミュの代表作の一つ。理不尽さを描く。正常なのは自分なのか、周りなのか。同じ状況になればどう判断するのだろう?
  • ペスト 4巻(完)
    絵はそんなに上手いと思わないのですが(失礼)、不思議な魅力があって見飽きないです。
    ペストよりは遥かにましだと思いますが昨今のコロナにも通ずるところがあり、パニック時の挙動等、当時の教訓が生かせる場面が多々見受けられます。
    布マスクだけでよくも肺ペストを防げてたな…と感心。
    カミュの原作も機会...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    高校生の時に読んで以来、およそ50年ぶりに読んだ。相変わらず難し過ぎてさっぱり分からなかった。実存主義の言わんとするところは、神が死んだ現代に於いて、それでも現実に存在する我々人間は孤独に耐え不条理と向き合って力強く生きていかねばならないということだと勝手に理解しているが、最後のシーシュポスの神話の...続きを読む
  • ペスト
    いつか読もうと思っていたのが、新訳が出てようやく手に取った。舞台が1940年代のアルジェリア(当時フランスの植民地)ということにまず驚いた(もっと昔の話かと思いこんでいた)。それでも疫病の前になすすべもないのは今と変わらない。
    増え続ける感染者、移動の禁止、あふれる病院と墓地、飛び交うデマ。理不尽な...続きを読む
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    革命か反抗か―カミュ・サルトル論争
    (和書)2012年05月05日 20:57
    1969 新潮社 カミュ, 佐藤 朔


    最近、実存主義というものを勉強しようと思い、取り合わせが興味深く感じたので手にとってみました。

    この本の内容とはあまり関係ないけれど、読んでいて創作意欲というものについて感じる...続きを読む
  • ペスト
    このご時世、気が滅入りそうで避けていたのだが、あまりにもブレイクしているのでやはり読んでみた。

    「ペストはナチスを象徴している」という予備知識だけはあったものの、日々ニュースにさらされている立場で読む限り、(少なくとも終章の一節を読むまでは)おもいっきり疫病の話として読んだ。私の整理ではこんな感じ...続きを読む
  • ペスト

    歴史は繰り返す

    歴史は繰り返す!!この時代なら仕方が無い感じだが今日では経験上ここまでは無いと思ったがわが身に迫ってくると考えされることが多い。この本を読み返し今の事態に対処したいものだ
  • 異邦人(新潮文庫)
    (Mixiより, 2010年)
    す、素晴らしい。物語のドラマティックな進み方と、主人公のリアリティ溢れる思考。その二つがお互いを支えながら、読者をグイグイ引っ張って行く強い力を持った作品です。 とにかく全編を通して共感の嵐でした。そんな中で、文庫の紹介文に「通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソ...続きを読む
  • ペスト

    新しい翻訳があれば再読したい

    作品は文句なしに素晴らしい。
    ただ他の方も書かれていると思うが翻訳を今の時代の人に翻訳してもらえるともう少し立ち止まらずに読めると思った。
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    われわれは歴史をたえずつくるが、歴史もまたわれわれをつくる。そしてわれわれが歴史によって、しばしば「つくりなおされる」危険は重大である。

    反抗的人間を読んでないから、ほとんど意味がわからん。しかし、シーシュポスの神話は僕の最重要本。サルトルは、存在は本質に先立つ、くらいしか知らないから、嘔吐と存在...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    少しずつ読み進めてますが、若いときの読書体験の影響力とは凄まじいもの

    僕が普段、何気なく心の芯においてる在り方みたいなものの多くはここに書いてあったことなのだなーと発見をしている

    「人間の尺度を超えている、だから超人間的なものでなければならぬ、という。しかし、この、「だから」は余計だ。ここには論...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    無限の神に有限の身体。その間に挟まれてしまった"ぼく"
    届かないからそっぽを向いた。
    「死ぬべきものとしてとことん生き抜いてやろうじゃないの」

    不屈の反抗児カミュ。
    このひとのことばは緻密さにあるのではなく、反抗という飛躍によって突き動かされている。
    だから、どうしたってどうしようもなくへそまがり...続きを読む
  • 最初の人間(新潮文庫)
    一語ずつ、一文ずつ足止めをくらうような文体や、場面ごとに切り取られた記憶の描写で、まるで、知らない人の古いアルバムをめくっていくような気分になる本。
    とても静かな物語です。

    「最初の人間」ゆえの孤独感、過酷な環境ですり減らされた生活が、あまりにも淡々と書かれていて、読んでいるうちに、それが辛いのか...続きを読む
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    大学生のときにゼミで扱った短編集。どれも文学的に工夫がこらされた作品ばかり。カミュがこの短編すべてを書ききるのに10年以上かかった。というのも異邦人、ペストでの成功後、自分の才能の枯渇を覚えたからだ。タイトル通り追放から王国までを綴ってある。この後ノーベル賞を受賞し、遺作となる「最初の人間」を書いた...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    世界は人間の理性では把握しきれない、しかしながら人間にはこの世界をすべて理解したいという救いがたい欲求がある、そしてその世界と理性との間の関係こそが「不条理」である。

    であるから人間の救いがたい欲求を捨てようという努力や、不条理を肯定し受け入れるような方法は本来の不条理の姿を変えてしまう。
    カミュ...続きを読む
  • 最初の人間(新潮文庫)
    自伝的うんぬんより個人的にはカミュの文の書き方(訳してはありますが)を見ることができたような気がしました