カミュのレビュー一覧

  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    何をグダグダ書いてるのだ?と最初は思ったが、読めば読むほど染みる。人間は皆、死という運命から逃れられない。平和に暮らしていると忘れがちだが、80歳90歳まで生きられる保証もない。では何のために生きるのか?

    本書は、異邦人の著者として有名なカミュによる、哲学、小説評論のエッセイである。短いのだが、他の哲学、小説の知識が前提なところもあって全ての文意を理解するのは難しいが、全体として言いたいことは一貫しているので、分かったような気になれる。人生への態度として共感できたので、手元で時々読み返したい。

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    2023年03月17日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    「自分の生命・存在以上に重要な事実なんて存在しない。事実、ガリレイは地動説の正しさの主張より、自分の命を優先した」なんて素晴らしい文章だ。

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    2022年07月22日
  • ペスト

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    コロナ禍の今読むと考えさせられるものがある。解説にあるように、ナチスや他の脅威を連想しなくて、ただ単純に疫病の中での人間状況としてだけとらえていいのでは思う。最後の自暴自棄になった人間の恐ろしさも、昨今の事件と重なる。

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    2022年07月16日
  • ペスト 4巻(完)

    ネタバレ 購入済み

    絵はそんなに上手いと思わないのですが(失礼)、不思議な魅力があって見飽きないです。
    ペストよりは遥かにましだと思いますが昨今のコロナにも通ずるところがあり、パニック時の挙動等、当時の教訓が生かせる場面が多々見受けられます。
    布マスクだけでよくも肺ペストを防げてたな…と感心。
    カミュの原作も機会があればぜひ読んでみたい。

    色んな人が亡くなったけど
    リウーさんが助かってよかった。奇跡!
    コロナにも救いがある、希望があると信じられる作品です。

    #深い #タメになる #怖い

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    2022年05月03日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    高校生の時に読んで以来、およそ50年ぶりに読んだ。相変わらず難し過ぎてさっぱり分からなかった。実存主義の言わんとするところは、神が死んだ現代に於いて、それでも現実に存在する我々人間は孤独に耐え不条理と向き合って力強く生きていかねばならないということだと勝手に理解しているが、最後のシーシュポスの神話の挿話はその事を言っているのだと思う。難解な部分はあえて分かろうとせず、ラップミュージックを聴くように気楽に読み流せば良い。そうすると、時々心に響くフレーズに出会える。

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    2022年01月05日
  • ペスト

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    いつか読もうと思っていたのが、新訳が出てようやく手に取った。舞台が1940年代のアルジェリア(当時フランスの植民地)ということにまず驚いた(もっと昔の話かと思いこんでいた)。それでも疫病の前になすすべもないのは今と変わらない。
    増え続ける感染者、移動の禁止、あふれる病院と墓地、飛び交うデマ。理不尽な力で突然奪われた日常。そんな中でも、診療を続ける医師リュー、冴えない市役所職員グラン、妻に会うため脱出を図るランベール、冷静に手記を綴るタルーなど、登場人物一人一人の個性が鮮やかに胸に残る。

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    2021年12月21日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

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    革命か反抗か―カミュ・サルトル論争
    (和書)2012年05月05日 20:57
    1969 新潮社 カミュ, 佐藤 朔


    最近、実存主義というものを勉強しようと思い、取り合わせが興味深く感じたので手にとってみました。

    この本の内容とはあまり関係ないけれど、読んでいて創作意欲というものについて感じるところがあった。

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    2020年09月27日
  • ペスト

    購入済み

    歴史は繰り返す

    歴史は繰り返す!!この時代なら仕方が無い感じだが今日では経験上ここまでは無いと思ったがわが身に迫ってくると考えされることが多い。この本を読み返し今の事態に対処したいものだ

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    2020年04月26日
  • ペスト

    購入済み

    新しい翻訳があれば再読したい

    作品は文句なしに素晴らしい。
    ただ他の方も書かれていると思うが翻訳を今の時代の人に翻訳してもらえるともう少し立ち止まらずに読めると思った。

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    2020年04月19日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

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    われわれは歴史をたえずつくるが、歴史もまたわれわれをつくる。そしてわれわれが歴史によって、しばしば「つくりなおされる」危険は重大である。

    反抗的人間を読んでないから、ほとんど意味がわからん。しかし、シーシュポスの神話は僕の最重要本。サルトルは、存在は本質に先立つ、くらいしか知らないから、嘔吐と存在と無は読みたいなぁ

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    2018年11月24日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    少しずつ読み進めてますが、若いときの読書体験の影響力とは凄まじいもの

    僕が普段、何気なく心の芯においてる在り方みたいなものの多くはここに書いてあったことなのだなーと発見をしている

    「人間の尺度を超えている、だから超人間的なものでなければならぬ、という。しかし、この、「だから」は余計だ。ここには論理的確実性などいささかもない。経験的蓋然性もいささかもない。僕の言い得るのは、なるほどこれは僕の尺度を超えている、これだけだ。そこから僕は否定を抽き出しはしない。いや、少なくとも僕は、理解不可能なものの上にはなにひとつ築きたくない。自分ははたして、自分の知っているものとともに、ただそれだけとともに生

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    2018年11月23日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    無限の神に有限の身体。その間に挟まれてしまった"ぼく"
    届かないからそっぽを向いた。
    「死ぬべきものとしてとことん生き抜いてやろうじゃないの」

    不屈の反抗児カミュ。
    このひとのことばは緻密さにあるのではなく、反抗という飛躍によって突き動かされている。
    だから、どうしたってどうしようもなくへそまがりで頑固。前を見ながら後ろを見るということを平気でやってのける。それは有限と無限の合わせ鏡によってなされる。キルケゴールとヤスパースの比較がそれだ。
    永遠という神にはどうしたってこの有限の者はなりえない。だったら永遠なんて幻からは背を向けてもう一度有限の身体に戻ろうではないか。目覚

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    2015年02月17日
  • 最初の人間(新潮文庫)

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    一語ずつ、一文ずつ足止めをくらうような文体や、場面ごとに切り取られた記憶の描写で、まるで、知らない人の古いアルバムをめくっていくような気分になる本。
    とても静かな物語です。

    「最初の人間」ゆえの孤独感、過酷な環境ですり減らされた生活が、あまりにも淡々と書かれていて、読んでいるうちに、それが辛いのか何なのか分からなくなってきます。
    一方で、カミュが、故郷や家族を遠く離れたものと見ていることが感じられて、拠り所のない不安を掻き立てられます。

    読み終えて、私は「最初の人間」ではないな、と思いました。

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    2013年01月17日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    大学生のときにゼミで扱った短編集。どれも文学的に工夫がこらされた作品ばかり。カミュがこの短編すべてを書ききるのに10年以上かかった。というのも異邦人、ペストでの成功後、自分の才能の枯渇を覚えたからだ。タイトル通り追放から王国までを綴ってある。この後ノーベル賞を受賞し、遺作となる「最初の人間」を書いたまま交通事故で他界してしまう。なんとも哲学的で悲しくも美しい作品集。

    難解だが歴史や哲学を知っていると読み解くことが出来る。「背教者」は、キリスト教の伝道者が未開の地に赴くが、逆にその地にある宗教に暴力によって改宗させられてしまう。伝道師はすっかり心を奪われ次に訪ねてくる伝道者を叩き潰すように待ち

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    2012年12月20日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    世界は人間の理性では把握しきれない、しかしながら人間にはこの世界をすべて理解したいという救いがたい欲求がある、そしてその世界と理性との間の関係こそが「不条理」である。

    であるから人間の救いがたい欲求を捨てようという努力や、不条理を肯定し受け入れるような方法は本来の不条理の姿を変えてしまう。
    カミュは明徹な視点でこの不条理を見つめ直そうとする。

    ……実を言えば今回の読書で僕がこの本の全部とより深いところをはっきり理解したとは言い難い。
    特にp.90の質から量への価値の転換がいまいちつかみきれない。
    けれどもここのところ読む本はどれも、この「質から量へ」を示唆しているような気がする。

    わから

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    2012年11月19日
  • 最初の人間(新潮文庫)

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    自伝的うんぬんより個人的にはカミュの文の書き方(訳してはありますが)を見ることができたような気がしました

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    2012年11月13日
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)

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    ネタバレ

    む、難しい。

    けれども、
    彼の「不条理」「反抗」という姿勢は、
    絶えず変化する、という信念は変化しない、
    というわたしの考えに近くて、
    なるほどと得心する部分が多々ある。

    理性に依るのでもなく、
    神性に依るのでもなく、
    両者を相対峙させたままの状態(不条理)に置いておくこと。

    ガリアニ神父がデピネ夫人に言った
    「重要なのは病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ」
    という言葉を引いているが、
    おそらくそれが「反抗」なのだろう。

    「確実なものはなにもない」という確実性。
    その中に身を置くこと。

    なんともしんどい生き方であるが、
    わたしはこういう生き方を望んで

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    2012年05月03日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    高校生の頃、サルトルゼミで、サルトルを読んでいました。ちょっとした解説や批評、文学以外はちんぷんかんぷんでした。この本を読んで、カミュに興味をもち、カミュの本もたくさん読みました。そういうきっかけを与えてくれた本なので、感謝しています。
    論争の表面的な言葉は、原文によらないとニュアンスが伝わらないと諦めているので、特に気にはなりませんでした。

    この本を読んで、カミュが好きになったことを記録します。それまでは異邦人しか読んだ事が無く、どう理解したらいいか分からずに、好きとも嫌いとも言えませんでした。本書を読んだ後、カミュの出ている翻訳はかたっぱしから読みました。

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    2011年08月21日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

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     サルトル・カミュ論争を集めた論文集。F.ジャンソン(サルトルの弟子で、「現代」誌の書き手の一人)が、カミュの『反抗的人間』に対しての反論を書きつづる所から始まる。
     カミュとサルトルとは、同時代の人間ではあるが思想的に全く異なる人間である、それがこれを読んで決定的に見える点である。この頃のサルトルは、贖罪の身にすでに浸っているのだろうか。革命かそれとも…、と2択を自分と相手に求める。同調するならば仲間で、そうでなければただの論敵である。一方、カミュは違う。そもそも、彼は特殊条件下であれば、原則を曲げてもよいというような人だった。暴力を否定しない。サルトルの論はいささか卑怯かな笑

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    2010年08月09日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    ヨナのエピソード。
    solitaire(孤独)とsolidaire(連帯)。
    一人の時間は他者と時間を共有するために
    とても大切なもの。

    カミュは好きな作家です。

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    2010年06月19日