カミュのレビュー一覧

  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    む、難しい。

    けれども、
    彼の「不条理」「反抗」という姿勢は、
    絶えず変化する、という信念は変化しない、
    というわたしの考えに近くて、
    なるほどと得心する部分が多々ある。

    理性に依るのでもなく、
    神性に依るのでもなく、
    両者を相対峙させたままの状態(不条理)に置いておくこと。

    ガリ...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    読み進めるのが難しく少しずつ読みました。
    後半へいくほど高揚感が高まり、
    読後には爽やかな気持ちになりました。
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    高校生の頃、サルトルゼミで、サルトルを読んでいました。ちょっとした解説や批評、文学以外はちんぷんかんぷんでした。この本を読んで、カミュに興味をもち、カミュの本もたくさん読みました。そういうきっかけを与えてくれた本なので、感謝しています。
    論争の表面的な言葉は、原文によらないとニュアンスが伝わらない...続きを読む
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
     サルトル・カミュ論争を集めた論文集。F.ジャンソン(サルトルの弟子で、「現代」誌の書き手の一人)が、カミュの『反抗的人間』に対しての反論を書きつづる所から始まる。
     カミュとサルトルとは、同時代の人間ではあるが思想的に全く異なる人間である、それがこれを読んで決定的に見える点である。この頃のサルトル...続きを読む
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    ヨナのエピソード。
    solitaire(孤独)とsolidaire(連帯)。
    一人の時間は他者と時間を共有するために
    とても大切なもの。

    カミュは好きな作家です。
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    短編集だけどどれもストーリーが続いてるのかなと思えるところがあって面白い。大して読んでない中カミュで一番好き
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    近代フランス文学における“カミュ=サルトル論争”の元になった雑誌でのやりとり。
    両者の方向性のちがいが判り、非常に興味深い。
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    カミュファンなのでもの凄く腹立たしく読んだ本。
    頭のいい奴に言い負かされてしまいましたよ。
    ただそうあることを述べるカミュを、明晰な論法で撃破するサルトル
    。実存主義ってしょせんは処世術じゃないか。哲学じゃないのに、なにを人の揚げ足とって!、と思ったのはわたしだけ?
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    カミュは短命の作家であり、この短編集は最晩年の作品です。世に不条理を問い続けたノーベル賞作家の唯一の短編集を収録。
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    いやぁ〜びっくりしたね。これ。こんだけ俺と似たような体験をしたひとがいるのかと恐怖さえ感じました。いわゆるいい人の内面が深く描写されてます。スタイルも独特。転落の原因なんて”ささいなこと”である、ってのも俺の哲学と見事に一致。
  • 異邦人(新潮文庫)
    どこまでも孤独であり続けるムルソーと、愛と慈悲の気持ちで満ちた周囲との温度差が印象的だった。
    彼の求める自由は彼の生きる機械的な世の中では通用しない。社会的な孤独を味わう彼が望む、処刑時の人々の憎悪とは、彼の存在や過ちに対する憎悪なのか、それとも自由を求める人々の仲間を潰す社会への憎悪なのか、非常に...続きを読む
  • ペスト
    リュー医師を中心とした複数名の視点から、オラン市でのペストの流行を描いた長編小説。
    不条理下での人々の様子や心理が巧みに描かれており、登場人物、ひいてはカミュの抵抗の痕跡も読み取れるが、実際にコロナの病禍を潜った後に読むと物足りなさも感じた。実際に病苦や死の恐怖に日々隣り合わせ、自由を奪われることに...続きを読む
  • ペスト
    アルジェリアのオランでペストが発生し町は封鎖される。その街の中の人々の生活や振る舞いが時系列に描かれている。コロナを経験した今、ドキュメンタリーのように読んだ。淡々と語り治療をする医師リウーは気力も体力もギリギリの状態で良く生き延びたと思う。感情が無くなる程過酷な状態の中で治療を続ける姿勢に胸を打た...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    物語の主人公が淡々としていて理解するのに時間がかかった。正直最後までオチがない話。でも考察はさまざまな視点からできるかなと思う。ママンが死んだことを裁判の話題に出てきたことが少し理解できなかった。
  • ペスト
     医師リウーは、ある日鼠の死骸を発見する、その後、円済みは町から姿を消し、猫も同じ道筋を辿った。そのころから、人間には原因不明の熱病者が蔓延することになる。その正体はペストだった。見通しの立たない隔離生活と一方的な「不条理」を押してけられた人間達の行動と心情を描くフィクションである。

     まず、驚い...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    やんわりと全体の感想としては、徹頭徹尾主人公に感情移入ができないことと時代背景等や風習が馴染みのない物なので読んでいてちょっとばかし疲れてしまった。比較的短い話ではあったが個人的に読み切るのが大変だった。
    ムルソーはホットなハートを持っていない。
    が、最後の方のムルソーは好きだ。

    読み終わっても一...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    常識が外れてそうで全くもってそうでもない。法の元では不利に裁かれる。主人公に共感できるところがあるからなんとも言えない居心地の良さ。
  • ペスト
    「アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対...続きを読む
  • 最初の人間(新潮文庫)
    最初の人間というものが、時間的な最初であると同時に、わたしがわたしであるところ、何かがある、永井先生のことばを借りれば、「開闢」というものになるのだと思う。
    カミュ自らの自伝的小説といわれるものであるが、それ以上に、反抗的人間、不条理を不条理と知り、それでも生きるこのわたしが一体どこで起こるのか、そ...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    主人公の心理にさほど衝撃を受けない。
    なんか、わかるよ、って思ってしまう。
    ヒトゴロシなんてしないけど。
    お母さんの死に涙しないからって、殺人者と決めつけられるのって(いや、殺人者ではあるんだけど)、それは違わないかい?