カミュのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋さんで冒頭を読み気になり、名作と知り購入
人としての道徳、倫理観というか禁忌みたいなものを侵しまくっている正直な主人公。拒否反応を感じるのは、自分もそうあれたらという羨望からなのかそうであってはいけないと信じたいからなのか
彼が裁かれている理由が殺人ではなく、彼の人間性にあるところ。人が社会で生きていくために適応していかざるを得ない部分を削ぎおとした彼の存在が、自分達の立場やこれまでを揺るがす不安はよく分かる
殺人の理由は「太陽のせい」。あの描写を読んでいたらそうとしか言えないのも頷ける。
感情、感覚は言葉より先にあってこの世には言葉にならないことばかりなのに、全ての事柄に言葉での説明を求 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公ムルソーが自らを語るストーリーでありながら、終始傍観者のような口調で進む事の異質さ。
近しい誰かを失った時に、必ず涙を流さなくてはいけないのか?、悲しいですと言わなくてはならないのか?、映画を見て笑い転げることは不謹慎なのか?、感情を社会に合わせるべきか、これらをムルソーは偽らない。私には少々分かり得ない心情を描いた作品でした。
母を亡くした翌日に女性と海で遊び、喜劇映画を鑑賞し、求婚されるも他人事、そして太陽が眩しかったからという理由で人を射殺する。
ムルソーは母親に対して特別憎しみを持つ訳でも無く、ただ純粋に「無関心」だったのだろう。
憎しみを持っ -
Posted by ブクログ
抑圧された人間の心情や町、大衆としての機能の心理が込められた内容だった。
ペストを中心に死に向き合う人間、それによる町の機能の役割。また決断せねばならぬ立場の人間。
圧倒的な抑圧の前に人間はどうなるのか、どう乗り越えていくのか、そんな状況の人間の核心をつく物語。
コロナ禍の状況と同じではないが彷彿とする人は多いと思う。
以下気になった言葉
・人間が意気地なしになるような時刻が、昼夜ともに、必ずあるものだし、自分が恐れるのはそういう時刻だけだ。
・天災というものは、事実、ざらにあることであるが、しかし、そいつがこっちの頭上に降りかかってきたときは、容易に天災とは信じられない。
・一見、攻囲され -
Posted by ブクログ
現代西洋哲学を学ぶ一環で読んだ。
一見冷たい人に思えるムルソーは、他人の物語に組み込まれるのをどうでもいいと感じていて、自分を取り巻く海や空や温度に自分を委ねていた。(委ねるというのも違うと思うけど適切な言葉が出てこない。)
マリイに対しても、結局他人だし自分の目の前を通過する物体であって、マリイの物語にも興味がない。ただ目の前に現れた自分の人生に登場する「魅力的な女性」なだけだった。
他人の物語に興味はないが、自ら然る「自然」にはよく耳を傾けていた
ただ在る、ただ生きてる、いつか来る死に向かって
そういうムルソーには、神を語る他人がいちばん煩わしいんだろうな。