カミュのレビュー一覧

  • 異邦人(新潮文庫)
    何も背景知識なく読みはじめたが、何故か途中でアフリカの話かな?と気づいた。
    紙からでも伝わる灼熱の暑さ、貧しさからそう思わせた。
    この暑さなら殺人理由が「太陽のせいだ」と答えるのは何故だか理解できるというほど、上手く作り込まれている本。
    ただ、私はこの暑さが苦手でずっと絶えず息苦しさを感じた。
  • ペスト
    人間ではどうしようもできない圧倒的恐怖、それでも闘おうとする人間特有の強さ、世の中の無常を思い知らされた。
  • ペスト
    新潮文庫の訳より読みやすかったが、カミュの原文が難解なのか、文章の理解が難しかった。
    内容はたんたんと、手記を読んでいくような形で進んでいき、心理描写は少なく、客観的な事実(小説の中の虚構であるが)が書かれている。

    難解な小説であるが、一生で一度は読んでおくべき小説だと思う。
  • 異邦人(新潮文庫)
    この作品は中学の時に『読書』っぽい事をしたくて読んでみた。
    けど、全く分からなかった。『分からない』ということが、分かった作品だった。

    それから著名な作品というものは『難しい』のだと思った気がして、読む気がなくなった。

    この『異邦人』は母が買ったものだった。画像のとは違うもっと昔に出版されている...続きを読む
  • ペスト
    物語は簡単に言うなら、『ペストが流行した町に閉じ込められた人々の奮闘記』



    ただ、『奮闘』するのはペスト退治だけではなくて、町からの脱出や、町の外との連絡手段など……闘うものがそれぞれ違う。
    名前が似てるので、誰が何でなんだって??と分からなくなるキャラクターも。



    主人公は、医者のリウー…...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    『シーシュポスの神話』を読んでみた。
    ……。

    ペストよりも複雑。訳のせいなのか、原文もやはり複雑なのか。
    カミュの思考の断片を読む…みたいな目的があるなら楽しいかも知れない。けど、個人的には回りくどく延々と同じ事を違う言葉で言ってるだけにしか見えなかった。



    この辺りの思考が『ペスト』のあのあ...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    人は死刑の判決にならない様に「嘘をつく」、だが、ムルソーはその演技が出来なかった。ムルソーは不条理であったが避ける事なく罪を受けた。所謂「罪は罪」として裁かれて当然である、それが正当防衛、虚い申告であっても。だが、現代はずる賢い、権力を持った者が優勢であり、例え相手が真実を訴えても覆ることはさせない...続きを読む
  • ペスト
    名作と誉高い本作だけど、かなり難儀して読んだ。特に導入部が持って回った表現で辛かった。ドイツ占領下のパリの戦争体験から、という思い込みで読んでたけど、そこまで関連は感じず、アレアレっと思いながら読み終わってしまった。いつか再読しよう。
  • 異邦人(新潮文庫)
    【2023年85冊目】
    小説を読む時は往々にして主人公の心情に心を寄せてしまうんですが、主人公のムルソー、そんなに常識から外れてる気がしなかったんです。読み終わってから本の裏のあらすじを見て「あ、そんな感じ(通常の論理的な一貫性が失われている)なんだ」と思いました。確かに一般的な「善人性」から見ると...続きを読む
  • 異邦人(新潮文庫)
    自分が到底理解できない人を異邦人(キチガイ)と捉えるか、頑張って理解しようとするかを問われる内容だった。
    でも結局世の中はマイノリティを排除しようとすることが今も昔も変わらないということを学んだ。
    人は死を前にしたときにやっぱり境地に達するというか、本性が出たり、自分の真の考え方が現れる。
    歴史的名...続きを読む
  • 転落
     弁護士として順風満帆な生活を送っていたフランス人ジャン=バティスト・クラマンス。なぜか今は落ちぶれた様で、アムステルダムのバー「メキシコ・シティ」にたむろしているらしい。そして、バーに来ていた同国人に話しかけるところから始まり、最初から最後まで彼の一人語りで話が進む。
     今彼は、「告解者にして裁判...続きを読む
  • ペスト
    海外文学が苦手なことに加えて、キリスト教的な内容も含まれていたことから、読むのに一ヶ月以上かかってしまいました。自分なりに咀嚼しながら読み進めたが、解説を読んで「自分はこの話をあまり理解できずに読んでいたな…」と痛感。医師リウーとタルーの二人を中心に、その二人の周りにいる様々な立場の人間が、ペストを...続きを読む
  • ペスト
    仕事のことが気になって、読み進んでいてもなかなか、自分の中に入ってこなかった。コロナが蔓延する中、パンデミックを描いた作品として再認識されたと思うが、作者の言いたいことはおそらく、パンデミックにおける人々の対応ではなくて、パンデミックという予期せずおこった天災の状況における、医師、エリア外から来た人...続きを読む
  • ペスト
    予想だにしない不条理に見舞われた時、小生のような普通の人間はどうしたらいいのか。それが本作においてカミュが立てた問いだと思う。
    不条理であろうとなかろうと、小生たちには日常があり、歩むべき人生がある。どんな状況下にあろうと、困難と闘い、日々を生きるだけだ。それがカミュが出した答えだと思う。
    思えば「...続きを読む
  • ペスト
    「それに私には気持ちがいいんですからね、ペストのなかで暮らすのが」作中でのコタールの言葉から引用。

    通常の社会では閉め出され、日陰者として生きているコタールが、ペストによって自由を手に入れているのが興味深く、協力要請も清々しい程きっぱりと断っているのが、もはや天晴な印象すら受けた。
    かくいう私も、...続きを読む
  • ペスト
    伝染病が蔓延した都市でどんな人が現れ、それぞれどんな気持ちになり、どんな行動を取るのか知ることができる作品だった。感想としては本を取った時の期待感に対して満足度が低かったため星3にしました。
     読んだタイミングがよくなかったのかもしれないですが、もうコロナも慣れ過ぎてしまったので、「まぁそんな気持ち...続きを読む
  • ペスト
    ペストの感染拡大防止のために、市内の鉄道から道路まで、市外と繋がっているパイプラインは全て遮断する。外出制限が出ることで、市民は精神的な部分で多くの大変な思いをする。
    まさに今の新型コロナウイルスと似ている部分が多いなと思った。

    医師リウーの恐怖の感染症ペストと諦めずに立ち向かう姿に感動した。リウ...続きを読む
  • ペスト
    ペストの世界観と、コロナウィルスの世界観ご重なるのは、どんなに文明が進んでも、危機に瀕した時のひとの行動は大きく変わるものではないと言うことでしょうか。
    アルジェリアの医師のリウーの元、ペストの発生から収束までを、新聞記者のランベールなど、関わったひとの行動や思考を通じて、ペストで閉鎖された世界を描...続きを読む
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    異邦人の主人公、ムルソーの大ファンでありながら、今ひとつ理解できないもどかしさを解消したくて読んだ。表現が難解でさらに分からなくなってしまった。不条理=非論理的、不合理という簡単なものではないらしい。理屈にならない理屈ってなんだ。それ自体に矛盾を孕んでいて、荒唐無稽なものということなのか。自分で書い...続きを読む
  • マンガ ペストとコロナ 東京の女子高生が、ペストの世界に迷い込んだら
    感染症が蔓延する社会での心のあり方のようなものをざっくりとマンガで。統計上の数字よりも身近な命を思って行動したいものですね。