田村耕太郎のレビュー一覧
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きっかけ
おすすめに出てきてて、興味はあったが重そうで遠慮していた ところ2歳に満たない我が子が勝手に入れていた本
内容
地政学とは各国のトップになり、手持ちの資源環境国政を踏まえて何故その行動に至ったのか俯瞰して学ぶもの
感想
読み始めは暗い気持ちにさせられてあんまり読み進められなかった。重い本もスイスイ読めるほどの読書力がついて前書きの暗い話を一切忘れたタイミングで読めたので、万全の状態で読めて良かった。
基本としてはロールプレイで考えるということで、相手の環境を踏まえると確かにそう行動するなと職場レベルでも必要な能力だし、実体験としても感じていたので内省にも繋がった。最近読んだミャンマーの問題もトップ目線で考えると中央集権制にしたい、させたい側の催促とかで起きてるんだろうなと思った。
背景として抑えるべき事項(気候、周辺国、民族性、産業、歴史、統治体系)と主要国の説明が書かれていたので、ニュースを見た際にも思考を働かせる事ができそうで今後が楽しみ。
オクシモロンという単語が頻発するが、意味を忘れてしまっていた。何事にもメリットデメリットあって良し悪しの判断がつかない、所謂中道ってことで理解した。 -
Posted by ブクログ
著者は元参議院議員で、後半は議員時代のエピソード(自慢?)が主。前半は読む価値あり。
【第一章のポイント】
・アホとは戦う(悩む)価値のない人間。当人はヒマで、こちらの足を引っ張る人物。真正面から関わっても良いことや成長の機会はない。アタマに来たり恨んだりしてもエネルギーや時間の浪費でしかない。
・ムダなプライドを身に纏っている人は自分が見えなくなり、自分を見失う=必ずダメになる人の共通点。
・サンクコストで割り切れ。しつこく投資を続けて傷を深めるのは愚かな行為である。
・タイムコストを考えよ。悩んだり苛立ったりする時間があれば、英語を勉強したり、家族や友人と過ごしたり、趣味に勤しむ方がずっと生産的だ。
【第二章のポイント】
・欧米では過剰に戦闘的な人の評価は芳しくない。自己主張が激しい、感情的になる人間はビジネスパーソンとして未熟の烙印を押される。
・成功者は空手より合気道だ。空手で勝ってもスッキリは一瞬。アホに対してアホなことをやってしまった虚無感と虚しさだけが残る。
・一方、合気道は相手に花を持たせていい気分にさせる。相手の攻撃やいじめにやられたフリをする。やりたいことを達成するためならアホにでも頭は下げられる。
・メンツより実利を取れ。メンツを潰されたとしても、自分が思うほど周りは気にしていないし覚えてもいない。受け流して相手をうまく利用できるならメンツぐらいで苛立つことがムダに思えてくるだろう。
・自分に刃向かってきた奴を快く迎え入れる人間はいないと思った方が良い。
・カッと来たら幽体離脱。その姿を上から客観的に見て我に返れる。
【第三章のポイント】
・人生で一番大切な能力は「相手の気持ちを見抜く力」だ。自分に自信があり、自己愛が強く、天才と言われる頭の良い人ほどこの能力がない。このため途中で挫折したり、消えてしまうエリートをたくさん見てきた。
・人間を動かすのは感情であって、理屈ではない。頭でっかちはロジックで説得し、論破しようと追い詰めるが相手は動かない。
・相手に利益を与えよ。決して非難、批判するな。常に相手へのリスペクトを持ちそれを相手に伝えよ。
・腰の低い人ほどデキる人が多い。偉くなっても偉ぶらない偉さ。
・淡々とこなす者が最後には勝つ。得意淡然、失意泰然。
・「男の嫉妬」は最大の敵。
4章以降は政治家時代の話が主。 -
Posted by ブクログ
田村耕太郎氏の著書は久しぶり。
トランプ氏の戦争戦略、ロシアのウクライナ進行など、
世界的な動静に強く関連するであろう地政学について、
ちょっと前から興味があったが手に取れなかったが、
ようやく手に取った。
『地政学が最強の教養である』読書レビュー
地政学は、地理学と政治学の組み合わせであり、地理的要素がいかに国家の政治的判断・行動に関連しているかを考える学問である。
国家の地理が決まると、以下の6つの要素が必然的に決まってくる。
1.気候
2.周辺国
3.民族性
4.産業
5.歴史
6.統治体系
そのうえで、地政学を読み解くいくつかの重要理論がある。
マッキンダーの理論: ランドパワー(大陸国家)vs シーパワー(海洋国家)の対立構造
国家のタイプ別特徴
島国(シーパワー): 資源攻めには弱いが、基本は守りやすく、リーダーは内政や経済を重視しやすい。
大陸国家(ランドパワー): 常に侵略の影に怯え、少数民族を抑えるために強権的な統治になりやすい。一度得た領土は絶対に手放さない。
遠交近攻: 遠くの国と結び、近くの国を牽制する原則
国家を動かす3つの動機: 国益、恐怖、名誉
これらを踏まえ、本書では各国の地政学的な特徴が解説されている。
島国(シーパワー)の地政学:日本、アメリカなど
海に囲まれているため守りやすく攻められにくいが、海上封鎖などの資源攻めに弱い。
アメリカは巨大な大陸国家の側面も持ち、まずは自国領土内でランドパワーとして成長した後に、最強のシーパワーへと移行した特殊な例。
外部からの脅威が相対的に低いため、政治的リーダーは外敵よりも内政(経済や国民の不満解消など)を重視する傾向がある。
海を支配する「シーパワー」の王者:アメリカ
アメリカの強さは、太平洋と大西洋という二つの巨大な防壁に守られつつ、世界の「公海」を完全に支配している点にある。
海の支配: 全世界の海上交通路(シーレーン)と、チョークポイント(海上の要所)を軍事力で抑えることで、物流とエネルギーをコントロールしている。
沖縄の基地: 沖縄はアメリカにとって「太平洋の要石(キーストーン)」である。中国の太平洋進出を阻む最前線であり、有事の際にアジア全体へ展開できる戦略的拠点の役割を果たしている。
内陸・大陸(ランドパワー)の地政学:ロシア、中国など
厳しい気候と広大な国土が、他国からの侵略に対する「恐怖」と、防衛の「苦労」を助長する。
広大な領土内の多様な少数民族を封じ込め、国家をまとめるために強権的(中央集権・独裁的)な統治になりやすい。
緩衝地帯(バッファーゾーン)を確保するために周辺国へ侵略し、一度支配した土地は独立させない(やられる前に攻める思考)。
2. 中国から見た「日本」という壁
中国の戦略を理解する鍵は、地図を逆さにして見ることにある。
第一列島線: 中国から太平洋へ出ようとすると、日本列島、沖縄、台湾、フィリピンが「鎖」のように立ちふさがっている。中国にとって日本は、アメリカというシーパワーと結託して自分たちを閉じ込める「不沈空母」のように見えている。
台湾への執着: 台湾を手にすることは、この「鎖」を断ち切り、太平洋へ自由にアクセスするための生命線である。
3. ロシアが抱く「恐怖」と「渇望」
ロシアの行動原理は、広大な平原ゆえの「侵略される恐怖」と、凍らない港への「渇望」に集約される。
不凍港の確保: ロシアの北の海は冬に凍るため、一年中使える港(不凍港)を求めて南下し続けるのが歴史的な宿命である。黒海やバルト海への影響力維持、さらには極東での活動もこの文脈にある。
緩衝地帯: 陸続きで守りにくいため、周辺諸国を自国の影響下に置くことで「壁(バッファーゾーン)」を作ろうとする。ウクライナへの侵攻も、この地政学的な安全保障の確保という側面が強い。
その他の地域の地政学
中東: 過酷な砂漠環境で生き抜くためのルールが根付いており、水や資源を巡る争いが絶えない。
インド: 北をヒマラヤ山脈に守られており、独自の進化を遂げつつ、ロシアや他国とバランスを取る全方位外交を行う。
東南アジア: ランドパワー(中国)とシーパワー(日米など)がぶつかり合う緩衝地帯(リムランド)。近年は中国との経済的な連携が民間レベルでも進んでおり、大国間で巧みなバランス外交を行っている。
ヨーロッパ: 地政学が生まれた発祥の地。陸続きで多くの国が隣接しているため、常に国境線が書き換えられてきた歴史があり、それが地政学という「戦争や防衛の理論」を生み出す土壌となった。
まとめ
本書を通して、なぜ中国が台湾を欲しがるのか、なぜ韓国や中国が日本を敵視する構造になりやすいのか、そしてなぜロシアが他国へ侵攻するのかといった、ニュースだけでは見えない「国家の根本的な行動原理」がわかり、非常に興味深かった。
地理という「変えられない前提条件」から国家の戦略やリーダーの意思決定を読み解くアプローチは、制約の中でいかに勝ち筋を見つけるかというビジネスモデルの構築や、競合ひしめく市場でのブランドのポジショニング戦略を考える上でも大きなヒントになる。他にもこのような構造的な戦略論を学べる本を読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
この本が出版されたのは2023年1月。たった3年しか経ってないのに世界はめまぐるしく変化している。それも悪い方向に。GDP第3位だった日本はドイツ、インドに抜かれて5位に転落。2025年にトランプ大統領が再選され、アメリカは、というかトランプは貿易、資源、流通をほしいままにしようと牙をむきはじめた。まずは関税アップ、ベネズエラを攻撃して大統領を拘束、ドンロー主義(南米はアメリカのもの)とか言い始める。そしてついに2026年2月、イランを爆撃し、代表指導者ハメネイ師を殺害、泥沼の中東戦争に突入した。おかげでホルムズ海峡が封鎖され、日本にも石油が届かず価格が暴騰している。‥こんなこと、誰が予測できただろうか。どうか、早く戦争を終結させて平和を取り戻してください。
・日本は災害が多く、生き延びるための技術(災害テック)を築いてきた。そこにビジネスチャンスがあるはず。
・メコン川の源流はチベットで、その後中国を通り、インドシナ半島(ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム)へと流れ込む。それぞれの国にとって川の役割は重要で、上流で堰き止められたり、水量を調整されることは脅威である。同じくブラマプトラ川は中国を通りインドへ流れている。
・中国は南シナ海を狙っている。軍事的領土拡大だけではなく、その地域の漁獲量の多さ、地下に眠る原油や天然ガス、マラッカ海峡を含むチョークポイント(物流拠点)が理由。また、中国領海は深度が浅い。是非とも原子力潜水艦を隠せる海がほしい。
・日本は今後インドと親しく付き合っていくべき。自己主張の強いインド人と完璧主義的教育の中で育つ日本人は相性がいい。インドには就職先を探す若者が溢れかえっているので、日本は製造業のインド移植ができる。
・気候変動でこれからの地政学は変化する。南極の氷が溶ければ湾岸の主要都市は軒並み沈む。世界の機能は内陸部の高地に集まるでしょう。北極も夏の間はタンカーを通すことができ、時間も短縮されて貴重な運搬ルートになる。その場合、ロシアが覇権を握ることになるでしょう。
・これからの教育にはメタバースでプーチンやトランプ、習近平になれるロールプレイングゲームが効果的。ロシアは例えて言えば、治安がいいとは言えない広大な土地で窓やドアがたくさんある大きな家に、異なる文化、異なる言語を持つ人たちが一緒に住んでいると考えれば、プーチンがどうしたいのかもわかるのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
シンガポール・アメリカ・日本の大学院を行き来し、自身も政治家・大学教授など多方面に活躍されてきた田村氏が、「学ぶこと」の大切さ・メリットをさまざまな切り口から説いている。
正直、海外に出て学ぶとか、エグゼクティブプログラムに参加するとか、簡単にマネできないものもあるが、参考にできるものから取り入れていけばいいかと思い、とりあえずやってみようと思ったこと↓
・積読になってる地政学の本を読む
・哲学的な考え方(本質は何か?を見抜く、タブーや先入観を排する)を意識する
・好奇心を大事に、ハプニングを受け入れる
・ルーティンを持ちつつも、たまにはそれを壊す
・時間の使い方を見直し「時間資産家」を目指す
・相手の環境に自分を置いてみる
・生成AIを使ってみる
・SF小説を読んでみる
…結構あるな(汗)
学ばなければとか、カンペキにとかは捨てて、気楽にやれるところから学びの手をつけていこう。 -
Posted by ブクログ
投資や先を見る力に使えそうだなと思い興味を持った地政学。地政学を題材にした漫画は読みにくく挫折していたが、この本はとても読みやすくわかりやすかった。
> 国を引越できない家と考える
> 彼らの置かれた環境に自らが近づいて、彼らの行動の背景に思いを馳せて、見えてくる世界があると思う。 彼らの立場に立ってみよう(これこそが「地政学」だ)。
特にこの観点が目から鱗で、地政学を身近なものに変えてくれた。
自分が世帯主となった時、引越できない家でどう自分や家族を幸せにするかと考えると、周りと仲良くして助け合ったり、それでも自分の存在理由のために先をよんで行動したり、権利を主張したり、まぁ色々大変だなと。今までは善悪と言った白黒の考え方で政治を見てしまっていたことを反省。
地政学の学びと共に視座を変えて周りを見てみるといった社会を柔軟に生きる上での考え方を学べたいい本でした。