あらすじ
「地政学が最強な理由」を挙げたらキリがないほどだが、その際たる例が「“圧倒的教養”が身につく」点だ。
経済学、哲学、歴史学、宗教学、文化人類学、政治学、地理学……。地政学にはあらゆる学問が詰まっている。地政学を学ぶということは、同時にそれらすべての学問の知見を一気に身につけるに等しいのだ。
いま世界のビジネスエリートたちが、こぞって地政学を学んでいる。
それはなぜか?
まさしく、「地政学が最強の教養である」ことに気付いているからだ。
日本、アメリカ、中国からロシア、アジア、中東、欧州まで。
基本も最新情報も、地政学を全網羅。
ビジネスエリートになるための入門書、登場!
※カバー画像が異なる場合があります。
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*日本人は平和ボケしていると言われるが、まさしく自分も平和ボケしていたと痛感させられる本だった。
---世界で起こる戦争や人権弾圧などの悲惨な出来事を読み解く時に、感情や価値判断を一時脇に置いて、相手の立場になってその悲しい出来事が起こる理由を考えてみる思考訓練である。プーチン氏は狂っている、習近平氏は理解不能だ、バイデン氏はあてにならない、誰でも個人的な意見を持つことは素晴らしい。しかし、現実的に残念なことがこれ以上起きないようにするためには、条件反射的な対応ではなく、相手の立場に立ってなぜそういうことが起こるのかを考えることがとても大事だと思う。
---ウクライナ情勢を見れば明らかだろう。国際社会や国連は助けてくれない。日本は会社と違って引っ越せないのだ。日本国以外、我々日本人を守ってくれない。我々の隣国である超大国の場合、どこまでサポートしてくれるだろうか?
---「好調な時にこそ、国民や自分たちに痛みのあることをあえてやらないといけない。そのタイミングは今しかないよ」
---平和という状態はバランス、つまり力の均衡状態でしかない。このことを我々は再認識しなければならない。この世は諸行無常である。つまり唯一不変なものは変化なのだ。変化する国際情勢は、やがて必ず均衡状態を崩す。力の均衡状態が崩れた場所にはその均衡が再びどこかで取れるまで非人道的な暴力が起こり続ける可能性がある。均衡状態が崩れた場所はまずはヨーロッパであった。少なくともプーチン大統領には力の均衡状態が崩れているように映ったのだ。NATOの東方拡大と結束の脆弱さが、同時に恐怖と機会に思えたのだろう。国益と恐怖と名誉が入り混じる複雑な思いで、しかし、短期決戦への自信を持ってウクライナに乗り込んだ。
*批判をするだけでは持続的で現実的な平和や安定は作り出せない。もちろん、一部の権力者の独裁的で残忍な行動は許されるものではないが、その行動に至った背景を知れば、もっと自分も建設的な意見をもてるかもしれないと思った。
本書にWeb3という言葉が出てきて、少し調べた。個人主義すぎて、社会が逆に複雑化するのではないか、変化に戸惑う人も増える。もてる人がもっと得する社会じゃないか。お年寄りにきつい。みたいな風に感じてしまったが、この本を読み終えると、社会の変化についていく努力をしないと、今後この弱肉強食の世界で生き残っていけない、その努力はすべき、と思うようになった。
Posted by ブクログ
齋藤シンさんの「世界秩序が変わるとき」を読んでから地政学に興味が湧き、タイトルに地政学の名を冠したこの本を手に取りました。
プーチンや習近平の意思決定について、日本にいる私たちにとっては道理に解せないことばかりだが、地政学は「彼らの立場に立ったときのロールプレイングゲーム」をしてみたら世界はどう見えるか?という立場に立たせてくれる。ロシアを例にとると広大な土地のうち8割は人が住めず、14の国と国境を面しており、190の少数民族が国内にいて、冬は凍って使えない港も多くある。例えるなら大規模な屋敷でいろんな窓や扉があって防犯しきれないし、使用人は多様で価値観も違う人ばかりと言った状況。この視点の転換を前提に、地球上の国をざっくり横断的に見ていく本書は新しいものの考え方をくれた。
興味惹かれる話がたくさんあったが、特に北極の氷が溶け始め北極海ルートで物流ができるようになると各国はどんなアクションを取るか?といった思考実験や、資本主義と強権主義は地理によって決まる傾向にあること、ドバイは地理的制約を超えてデジタルで地政学の原則を乗り越えるかもしれないこと、人類が国同士弱肉強食を繰り返すのを止めるには共通敵である気候変動が深刻になるタイミングではないか?という問いなどが頭に残った。
当たり前だが「国は引っ越せない」。日本人として日本に生まれた私は今まで真剣に海外移住を考えたこともないし、この本を読んで日本のポジションの危機感も理解したけどそれでも脱出しようとは感じなかった。ただもし世界の動向が変わった時、どう考えるべきかが迫られた時の思考の拠り所になる防衛ツールを手に入れた気がする。
Posted by ブクログ
最近のニュースを見ていて、地政学に興味が出て来て、いくつか本を読んでみたが、この本がダントツに面白かった。
歴史と地理と政治が絡み合い、題名通り、最強の教養と言えるのではないか。
日本人として自分たちがどう未来を見通して、アクションするのかも、仕事上関わりがあるし、きちんとやらなくてはならないが、同時に、地政学の領域はなるほどなあと思わされることも多く、かつ広い視野で日々の些細なストレスも遠くに霞んでしまうのが良いと思う笑。
今後もこの分野の知識は積極的にとっていきたい。
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「もしあなたがロシアや中国のリーダーだったら」という問いかけ(ロールプレイング)が重要な視点だということを学んだ。島国と大陸では考える基盤が異なる。地政学を学びながら、一般的な価値判断に左右されずに自分で考えることの大切さが学べる本だった。他者視点、俯瞰する視点、価値判断をしないフラットな視点が大切だと感じた。
地政学という種類の個別の学問というよりは、学校でも習った地理、世界史をもとに総合的に考える学問という印象を持った。
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地政学をもっと学ばねばと思った。
この著作は2022年に書かれています。ちょうど ロシアが ウクライナに侵攻を始めた頃です。しかし今はもっと地政学的危機は逼迫しています。2025年末には高市首相の台湾有事発言に揺れ、ウクライナは 今もまだ戦闘は続いています。さらに年が明けて アメリカは ベネズエラのマドゥロ大統領を拉致し ました。さらにトランプはグリーンランドも奪取しようとしている。
著書の中でリークワンユーの発言が日本に対して真理を突いていると思いました「世界の多くの国は自国の課題を認識できず 窮地に陥る。日本は違う 優秀だから政治も国民も課題も解決策を全部分かっている なのに誰も行動を起こさない 。それが とても残念だ。」「日本のリーダーは「危機待ち」だ。優秀な人間ほど危機が来れば自分の番だと思っている。 自ら 波風を立てるのは嫌い お膳立てを待っているのだ。国民や同僚 政治家の目が覚めたところで自分が動き出そうと思っている。 それは間違いだ 真の危機が来た時はもっと何もできない。国民も 同僚 政治家も 危機が起こっていることについて違う理由を見つけてしまうのだ。 それは往々にしてやるべき 改革を抹殺するようなものだ。 その時にはリソースも オプションもなくなっているのだ」
高市さんは今までの政治家と違うと信じたい。
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手に取って良かった。
世界で起こっている戦争、会議、トピック全て他人事で済ましていた豊かな島国育ちの自分。
地政学は世界時事のベースであり、ここが少しでも理解できたことで、流し見聞き耳のニュースが一気に関心ごとになってきた。
戦争が終わらないのは何故?台湾有事に関わるのは何故?プーチン何故孤立する?アメリカファースト関税交渉トランプは何故過激?
ランドパワー、シーパワー、世界地図ですら面白く見えてきた。
ロールプレイング、みんなもっと豊かになるために海を陸を取り合っている。生きるために豚を食べない、肌を露出しない。
もう少し勉強したいと思えた。
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地政学から学ぶ戦略的思考
地政学という学問を通じて、私は重要な視点を手に入れた。それは、ある国の歴史や地理的環境を踏まえ、もし自分がその国のトップだったらどのような戦略を立てるかという思考法である。
世界を知るには、ただ情報を集めるだけでは不十分だ。どのような切り口で世界を見るかが重要になる。地政学は「自分だったらどうするか」を常に問いかける学問であり、この視点を持てば、あらゆる物事が面白く見えてくる。
現在置かれている問題、これから国をどう運営していくか。こうした視点で考える訓練を積めば、それは自分の人生、自分の会社、自分の組織など、様々な場面に応用できることに気づいた。
どんな状況においても、適切な視点を持って課題を解決し、未来に向かって歩んでいく。そうすれば、自分の人生はより楽しく、より充実したものになるだろう。地政学は単なる学問ではなく、人生を豊かにする実践的な思考法なのである。
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なぜ戦争や国際紛争が起こるのか。
世界のトップリーダーになったつもりで、
地政学をベースに考えると解像度が上がる。
地政学について丁寧に記された一冊。
ランドパワーとシーパワーの特性の違い
四方を海に囲まれ、天然の要塞により敵の侵略の恐れが少なかった島国と異なり、
ロシアや中国のような大きな大陸国は常に隣国から狙われた状況で、国内では騎馬民族に脅かされ続けていたことなど、
どうして戦争や国際問題が起こるのか、
地政学的観点からわかりやすく説明されている。
「同志少女よ敵を撃て」と同時期に読み進めていたことや、日中関係のことなどもあって、より危機感を感じると言うか、台湾がどれだけ大切かと言うことがひしひしと伝わりました。
地球温暖化について、悲観的になりがちですが、
北極の氷が溶けることで新たな海路が開けると言う考え方はすごいと思いました。
自分も自分の子供も、その先の世代も平和に暮らせる未来であって欲しいと願います。
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知っておくだけでザックリと世界のパワーの動き方みたいなのが分かるようになる。まあ、この本だけだとザックリとだけど。それでも、基本的な地政学の考え方が分かる。良い本だと思った。
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この本が出版されたのは2023年1月。たった3年しか経ってないのに世界はめまぐるしく変化している。それも悪い方向に。GDP第3位だった日本はドイツ、インドに抜かれて5位に転落。2025年にトランプ大統領が再選され、アメリカは、というかトランプは貿易、資源、流通をほしいままにしようと牙をむきはじめた。まずは関税アップ、ベネズエラを攻撃して大統領を拘束、ドンロー主義(南米はアメリカのもの)とか言い始める。そしてついに2026年2月、イランを爆撃し、代表指導者ハメネイ師を殺害、泥沼の中東戦争に突入した。おかげでホルムズ海峡が封鎖され、日本にも石油が届かず価格が暴騰している。‥こんなこと、誰が予測できただろうか。どうか、早く戦争を終結させて平和を取り戻してください。
・日本は災害が多く、生き延びるための技術(災害テック)を築いてきた。そこにビジネスチャンスがあるはず。
・メコン川の源流はチベットで、その後中国を通り、インドシナ半島(ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム)へと流れ込む。それぞれの国にとって川の役割は重要で、上流で堰き止められたり、水量を調整されることは脅威である。同じくブラマプトラ川は中国を通りインドへ流れている。
・中国は南シナ海を狙っている。軍事的領土拡大だけではなく、その地域の漁獲量の多さ、地下に眠る原油や天然ガス、マラッカ海峡を含むチョークポイント(物流拠点)が理由。また、中国領海は深度が浅い。是非とも原子力潜水艦を隠せる海がほしい。
・日本は今後インドと親しく付き合っていくべき。自己主張の強いインド人と完璧主義的教育の中で育つ日本人は相性がいい。インドには就職先を探す若者が溢れかえっているので、日本は製造業のインド移植ができる。
・気候変動でこれからの地政学は変化する。南極の氷が溶ければ湾岸の主要都市は軒並み沈む。世界の機能は内陸部の高地に集まるでしょう。北極も夏の間はタンカーを通すことができ、時間も短縮されて貴重な運搬ルートになる。その場合、ロシアが覇権を握ることになるでしょう。
・これからの教育にはメタバースでプーチンやトランプ、習近平になれるロールプレイングゲームが効果的。ロシアは例えて言えば、治安がいいとは言えない広大な土地で窓やドアがたくさんある大きな家に、異なる文化、異なる言語を持つ人たちが一緒に住んでいると考えれば、プーチンがどうしたいのかもわかるのではないでしょうか。
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これまで、ロシアや中国の侵攻をただ批判していたが、なぜその様なことをするのか?を知ろうともしていなかった。
我々が同じような地理の国であったら、同じことをしてしまう可能性もあることを学んだ。
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以下にメディアが主観的で、上部だけなのか気付かされたような気がする。
自分の立場になって考えるのはいいが、それを経て果たして何ができるのか。
結局、これらの知識を持ってしても議席数にこだわるような人が国を回す権力を行使しているこの国で
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投資や先を見る力に使えそうだなと思い興味を持った地政学。地政学を題材にした漫画は読みにくく挫折していたが、この本はとても読みやすくわかりやすかった。
> 国を引越できない家と考える
> 彼らの置かれた環境に自らが近づいて、彼らの行動の背景に思いを馳せて、見えてくる世界があると思う。 彼らの立場に立ってみよう(これこそが「地政学」だ)。
特にこの観点が目から鱗で、地政学を身近なものに変えてくれた。
自分が世帯主となった時、引越できない家でどう自分や家族を幸せにするかと考えると、周りと仲良くして助け合ったり、それでも自分の存在理由のために先をよんで行動したり、権利を主張したり、まぁ色々大変だなと。今までは善悪と言った白黒の考え方で政治を見てしまっていたことを反省。
地政学の学びと共に視座を変えて周りを見てみるといった社会を柔軟に生きる上での考え方を学べたいい本でした。
Posted by ブクログ
フラットな観点から様々な国の内在論理を説明し、その国のトップのつもりになって考えることが大事であることを説いている。日本の目線からだけでは理解できない各国の行動も、各国目線に立つと見えてくることを実感できるだろう。
どちらにも偏らない説明なのでやや物足りなく感じるいるかもしれない。冗長かつ繰り返しも多いが知識のインプットの観点ではむしろプラスと捉え、気にならなかった。
Posted by ブクログ
著者の経歴を見て、とんでもなく優秀な人がいるもんだと驚きました。
地政学とは地理的条件に注目して国の行動を予測する学問であり、著者は「その国の元首になる“ロールプレイングゲーム”」だと語る。
例えば、もし自分が、領土は日本の国土の45倍の広さだが、その6割が永久凍土で8割に人が住んでいない大国で、国の中に190近い少数民族を抱えるリーダーであったら世界がどのように見えるか。
主にロシアと中国(ランドパワー)と欧米と日本(シーパワー)を対比しながら、地理的要因と歴史背景を交え、それぞれのトップの意思決定を解説しています。
中国が南シナ海(深い海)を求める理由、騎馬民族の存在、封建社会と資本家など、なるほどと思う箇所がいくつもありました。
「国は引っ越せない」、重い言葉です。
Posted by ブクログ
世界の大陸別で地政学の概観が学べる。
それぞれの立場で、何が影響してどう見えているのかロールプレイングすることの重要性が分かる。
ただ、同じ表現が繰り返されているところが少し気になった。
Posted by ブクログ
首相になったつもりでロールプレイしてみる、という地政学の基本的な考えは今後に役立ちそう。北極海が温暖化で通れるようになると各国の関係が変わることや、シーパワーとランドパワーの分類など、視点が面白い。
Posted by ブクログ
なかなか時間がとれず読み終えるのに期間が空いてしまいました。今まで読んだ地政学の本の中ではストンと理解できる度合いが強くとても楽しく読みました。と同時に改めて日本という国を守っていくために必要なことを考えていく時期にあるのだと感じました。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
地政学に興味を持ち始めてはや10年、今も本屋さんで「地政学」という単語が入った本を見ると、つい手にとってしまいます。この本もそんな一冊でした。
素晴らしい本でした、最初に「地政学」とはどんな学問かを多面的に説明した上で、地政学はどんな分野の学問と関わっているのか、そして最近のニュースの原因を理解するには「地政学」の考え方が役に立つことを説明しています。また、国毎に異なって見える戦略は、地政学に基づいて立てられていると、私には理解できました。
以下は気になったポイントです。
・地政学が最強の教養である理由、1) 世界情勢の解像度が、2) 長期未来予測の頼もしい ツール になる、3)教養が身につく、4)視座が変わる ・相手の立場に立てる(p26)
・ 地政学とは、 価値判断を一旦 横に置いて、価格的観察のアプローチで、地理的な条件に注目して、国の行動を予測する学問である。自然科学のように 研究室で実験ができるものではなく、予測の難しい 様々な人々の思いや 周辺国の行動が介入してくる国家の外交的意思決定の動向を探るものなので完璧な予測はできないが、 各国の行動の一定の方向性を探るには 有意義である。不正額は 国際関係の背後にある中長期的な国の動きを読む アプローチであり、 それに対して、国際関係論や 国際関係分析は、短期の国同士の動きに注目するアプローチである(p29)
・ アリストテレス や ダヴィンチ 同様に、あらゆる 学問分野を統合しないと世界は見えてこない。世界は学問別にはできていない。学問分野は 研究しやすいように人間が勝手に細分化しただけである(p41) 学問分野とは 、そもそも人間が研究しやすいように 勝手に分けたものである。リベラルアーツという言葉は、元々 ギリシャ・ ローマ時代の「自由7課: 文法・修辞・弁証・ 算術・ 幾何・ 天文・ 音楽」 に起源を持っている(p44)
・地政学 と言うと 基本は 、政治学+ 地理学である。その2つに加えて、 経済学・哲学・歴史学・宗教学・文化人類学などにもアプローチする必要がある。それらは世界を正しく理解しようとすれば 避けて通れない(p42)
・ 人が表面上に出している行動と深層心理は必ずしも一致しない。これは一般の人間にも当てはまる。相手を威嚇する者ほど恐怖心を強く持っている(p51)
・あらゆる 観察対象には、白も黒も同時に存在する。光と影があって立体的に物事が見える、 引力と遠心力が作用して今の場所にある。白か黒か 竹だけで割ったような見方に絶対してはいけない、 この考え方を「 オクシモロン」という(p52)
・現実的には、平和とは力の均衡状態のことを言う 普天 今回のウクライナ 戦争は、プーチン氏がウクライナにおける NATO とロシアの均衡状態が崩れたと判断して起こした(p60)
・地政学の思考法は、 地理 + 6つの要素である、気候・周辺国・民族性・産業・歴史・統治体系である(p66)
・封建制度は、 豊かな土壌・豊富な水資源・緩やかな分権的統治・ 騎馬民族の不在、という条件が揃った場所にしか生まれなかった。封建制度 が生まれて、 余剰生産と貴族が生まれた、小金持ちとその人たちが 投資に回せるお金が生まれた、 つまり 封建制度 が生まれなければ、起業家精神 を発揮できる人たちは誕生しなかった。その人たちが 農業の生産性を向上させることで、さらに儲けられることに気づいた、 彼らが資本主義の担い手になった(p74)
・ 第1位にある覇権国家は、覇権に挑戦する国、 いわゆる 第2位の国を叩き落としたい。その時に、2位の国を落としたいという共通の利益を持つ 3位の国を利用する。現在は覇権 国家 アメリカが、3位の 経済大国 日本と組んで中国を牽制している。 かつて 欧州における覇権 国家 イギリスが、その派遣に挑戦してきた ドイツを、欧州ではない 新興国 アメリカと組んで攻めたのも この例に当たる(p80)
・ 巨大で豊かな島国 アメリカは、資源と食料生産能力に恵まれている。加えて 太平洋も 大西洋 も、封鎖しようにも マラッカ海峡 や ホルムズ海峡 や台湾海峡のようなチョークポイントがなく、兵糧攻めが不可能に近い(p88)
・島国 シーパワーにとって、他国の領土を侵略し そこを統治することは、飛び地の支配に他ならない。補給も容易ではなく、文化も統治体系も違う飛び地を支配するのは容易ではない 。一度 支配したら、継続的に補給しながら飛び地に人材を派遣して統治 し続けるのは至難の技である。アメリカは 後に、ベトナム・ イラク・アフガニスタンでも ほろ苦い経験をし 学んだ。それより 交易や金融を使って、飛び地でも影響を与え続ける方が効率的である、そして徐々に時刻に有利な国際秩序を構築して システムで疑似 コントロールをする方が 理にかなっている(p90)
・日本版 シリコンバレー など 日本政府も新興企業振興の掛け声をかけるが、社会の成り立ちが違う、 日本人がアメリカ人には勝てないということではなく、社会の成り立ちが 違う。世界中からリスクを取って集まった人たちが作ったエコシステムを簡単には真似ることができない(p96)
・海を制する者が世界を 制するのは今でも常の世である。デジタルが幅をきかせる時代でも、世界の物流の95%以上は 海路を通じている、そしてインターネット上の通信の99%以上は海底ケーブルを通じて行われる(p104)
・ アメリカにとっての世界 三大 重要地域(アジア・欧州・中東)の中で、中東の順位は下がり、ウクライナ情勢で欧州、情勢でアジア、この2つの地域の重みが増している(p109)
・確率は相当 低いが、もし仮に台湾有事が起これば、ウクライナ 戦争とは インパクトが違う。 世界1位 、2位、3位の経済を巻き込む 戦い だからだ 。その意味ではやはり危機は増していると想定した方がいいだろう(p116)
・西洋と同じく 封建制度 が 生まれ、260年を超える文献的な 幕藩体制が続き、各藩による独自の競争政策で商業・工業・教育・財政が各地で培われてきた。これが やがて 日本 発展の 素地となる(p121) 日本は江戸時代末期ですでに世界第7位の人口と世界 第8位の GDP を誇っていた江戸時代後期から世界の中では結構大きな国であった(p122) 戦後 世界9位まで落ち込んだ 日本の GDP は 1984年には世界第2位まで躍進した(p126)
・ 日本で1日に消費する石油量は約400万 バーレルと言われ、30万トン級の単価が12時間に1度は日本を訪れる計算になる。逆の言い方をすると、12時間に1度の輸入が途絶えると日本社会や経済は混乱に陥ることになる(p127)
・南北に長大な日本列島は、中国本土から見て中国の海洋進出を見事にブロックする会場の万里の長城 である。海を隔てる もう一つの超大国アメリカから見ると、日本は中国の太平洋進出を抑える ちょうどいい 防波堤である。その定年の万里の長城が途切れて ぽっかり空いた場所が尖閣諸島である(p130) 中国は 台湾有事に備えるため、台湾の東側の海域= 尖閣諸島を抑えたいので、中国は尖閣諸島が欲しい(p133)
・北方4島を日本に返還してしまえばアメリカがそこに ロシアを牽制する 最前線基地を作る可能性がある。それはロシアにとって最大の脅威となる。したがって 北方領土は絶対に返還されない(p137)
・ 社会や国民性は 、チリや電工が長年にわたってもたらす環境に大きく左右される点、良いも悪いも、ベストも ワーストも簡単には定義できない。日本社会が強いリーダーシップを好まず、 立派なリーダーが現れず 危機管理に弱いのも、 自然環境がもたらした長い歴史的背景がある。世界的なリーダーを生む 国家には、それ以上に不幸な歴史もある(p156)
・ 一度 征服した領土に徹底的にこだわるのがランド パワーだ、 中国としては、もし 反発するばかり 少数民族を独立させたらどうなるか。おそらくその領土が独立国になれば、 厳しい 弾圧を続けていた自国の 敵対国 として 隣国で国境線を共有することになる。加えて 他の少数民族に与えるインパクトも大きい、反発の強い 一つを独立させてしまったらそれは連鎖するであろう。チベットが独立したらウイグル も、そしてそれに続くところもあるかもしれない 実際 ソ連 崩壊時にソ連は 多くの元 自国 領土に独立されて縮小してしまった (p167)
・騎馬民族の存在と侵略によって中国王朝は社会を成熟させることが叶わなかった。騎馬民族に対抗して統治するためにも、常に先制君主による強権的な国家運営しかできなかった(p171) 火薬・コンパス・印刷 という人類の三大発明は全て中国で生まれ、暦 作成のための 天文学も世界で最も発展していたが、封建制と それが生み出す 私有財産制度が生まれず、発明された技術を商業利用して稼ぐ 担い手が中国では現れなかった(p172)
・ 中国は 5 G で優位に立ち 世界のリチウム電池の約80%を生産する、 しかし、 バイオテクノロジー・クラウドコンピューティング・ AI では 欧米 が優位に立つという。中国は成果目標が明確な分野には強いが、そうでない分野では弱いことがわかる。量の投入で勝負の行方が見えるような分野( 電池開発・ドローン製造・高速鉄道・電気自動車など)では中国式の国家主導 イノベーション 創発が機能するが、いくら 量を投入しても勝負の 行方が簡単に見えないような分野(AI・バイオ)では機能しない(P192)
・ 北極海 ルートは 南回りルートに比べて 距離が約1.4万 km 短くなる、輸送時間の短縮はもちろん 燃料費・温室効果ガスも削減できる。加えて 天然のコールドチェーン なので 薬品や食料の輸送に適している 、 そして 極寒の北極海 ルートには 海賊がいない。日本はもちろん、韓国・中国・アジア諸国から見ると、日本の北海道、特に釧路 が北極海 ルートの就業拠点となる可能性が高いでん 数十年後にはシンガポールに代わって 釧路 がアジアのハブ港になるかもしれない(p233)
・ イスラム教で豚を食べないのは、 限られた食料で生き抜くための知恵だ。牛も ラクダ も反芻 動物で人間が食べるものは食べない。しかし 豚は雑食で人間と食べ物が競合する。歌は 食肉としての価値はあるがそれ以上に メリットが多いとは言えない、豚は短足で砂漠を移動するのに向いていない。このように イスラム教は乾燥地で生き抜く知恵を伝える目的を持っている(p254)
・インターネット よりも 世界的にインパクトを与えると言われるのが Web 3である。Web2が 情報をインターネットに載せることだったが。 Web 3は価値 をインターネットにブロックチェーンを使って載せることである。そのインパクトは 1桁も2桁も違うと言われる、それを使って国づくりをしている最先端 都市が中東のドバイである(P255)
・過去の人類の経済誌の中で 9割以上の機関、中国とインドで 世界の GDP の過半を占めてきた。この二大経済大国の中間地点にあったのが 東南アジアである。そして 長年 このに大国間の物流のチョークポイントとなってきたのが マラッカ海峡である(P290) このマラッカ海峡に 11本 、 シンガポール海峡には 22本の海底ケーブルが走っている(p291)
・人は居場所によって 思考に多大な影響を受ける。ミクロではそれを 風水 と呼び、マクロでは、地政学 がそれに近い。 居場所が 気候を決め、歴史を形成し、周辺の国を規定し、それらが 産業や食料生産まで規定する。そしてそれらは 政治体系 や外交的 手段の傾向にまで影響がある。 従って相手を知るためのロールプレイとしても、地政学 は、とても有効である(p341)
2025年11月29日読破
2025年12月3日作成
Posted by ブクログ
アメリカは島国である、というのは言われてみるとそうなのだが、狭い日本列島こそ島国なのだ、と認識して育ってきている自分にはこの観点は面白かった。
Posted by ブクログ
あまり読んだことのないジャンル。そして読み終えた自分を褒めたい。 何故か「地政学」が知りたいと思い手にした。島国、半島、大陸、それぞれの歴史、気候、気質により国のかたちが成り立っているのだな。また、トップに立つもののロールプレイも必要なこと。
Posted by ブクログ
国は引っ越せない。ということで、
どんな地理的条件の中に位置しているのか、それをもって今の政治がなされているのか、という視点を示されています。
国際政治を考える際に地理が大事な観点だということ。
それぞれの国の論理をその国の地理的立場に立って考えてみよう、といことで、
「ロールプレイングとしての地政学の重要性」として提示されています。
_世界で起こる戦争や人権弾圧などの悲惨な出来事を読み解く時に、感情や価値判断を一旦置いて、相手の立場になってその悲しい出来事が起こる理由を考えてみる思考訓練
でもあること。
他者の立場に立って決断を知る時、常に自分の価値基準が問われる、だから、自分の中のモラル、自分自身を知る旅にもなる、という。
つまり今持っている価値判断を一旦なしにして考えようとするほど、最終的にどんな軸で決断をするかを突き詰められる、のか、
普段の自分とは相いれないような価値が形作られる論理をたどれる、とか?
_国際関係論にはリーダーやその分析者の価値判断が入りがちだが、地政学は人間の価値判断から離れて自然現象に近い形で国と国との関係を、再現性を求めるような形で、検討するものだとわたしは考える。
とはいえ社会科学なので実験ができず、再現性には限度がある、とのことです。
Posted by ブクログ
教養として捉える点であまり知識がない人には新鮮さがあり面白い。日ごろから世界情勢に超詳しい方や証券マン(完全にイメージです)のような方には当たり前だよと言われるかもしれない内容ではありました。教養なので何か行動を起こすことには適さないと思います。私個人としてはインドのITにおける能力の高さは感じているところがあるので、これを機にインドのIT教育とはどんな方法なのかということを調べてみるきっかけにしました。
Posted by ブクログ
正直、期待したハードルを超えるほど面白い本ではなかったため星3とした。
書いている内容は面白いもののとにかく、同じトピックスを次の話のときにも擦ったりと何回重複すんねんとツッコミたくなる。
総じて、本として普通と感じたため星3とした。
Posted by ブクログ
最近の情勢で地政学はとても大事だよねと思い読んでみた。いろいろ細かい事情は知れたけども、新たな視点などは得られなかった。今はウクライナ、次は台湾。そして日本に何があっても国連は助けてくれない。その辺はなんとなくニュース聞いてれば予想できます。
そして地政学でいずれ起こることはわかるけど、いつか起こるかはわからないそうです。なるほど。
もっと子供用の地政学の本、例えば「13歳からの地政学」でも、考え方としては同じものが得られるし、そっちの方がわかりやすいかもしれない。原子力潜水艦の話とか。
この一文は大事かと。
「平和という状態はバランス、つまり力の均衡状態でしかない。このことを我々は再認識しなければならない。この世は諸行無常である。つまり唯一不変なものは変化なのだ。変化する国際情勢をやがて必ず均衡状態を崩す。力の均衡状態が崩れた場所には、その均衡が再びどこかで取れるまで、非人道的な暴力が起こり続ける可能性がある。」
知ってたけど世の中に「正義」というものはない。太鼓からの弱肉強食は21世紀も変わらないのね。