あらすじ
「地政学が最強な理由」を挙げたらキリがないほどだが、その際たる例が「“圧倒的教養”が身につく」点だ。
経済学、哲学、歴史学、宗教学、文化人類学、政治学、地理学……。地政学にはあらゆる学問が詰まっている。地政学を学ぶということは、同時にそれらすべての学問の知見を一気に身につけるに等しいのだ。
いま世界のビジネスエリートたちが、こぞって地政学を学んでいる。
それはなぜか?
まさしく、「地政学が最強の教養である」ことに気付いているからだ。
日本、アメリカ、中国からロシア、アジア、中東、欧州まで。
基本も最新情報も、地政学を全網羅。
ビジネスエリートになるための入門書、登場!
※カバー画像が異なる場合があります。
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Posted by ブクログ
世界の情勢がどういった要因から派生しているのか紐解くことができる視点を持てた。非常に面白く、これからさらに定着させたい観点だった。また読み返したい
Posted by ブクログ
本書を読んで、世界の見え方が変わった
国際ニュースにはあまり詳しくない私だが、この本を通じて「国家の行動には地理や歴史、安全保障上の事情がある」という視点を得た。単純な善悪ではなく、それぞれの国が置かれた環境から考えることの重要性を学んだ。
特に印象的だったのは、「自分がその国のトップならどう判断するか」という考え方だ。中国やアメリカ、ロシアの行動も、国家としての合理性を前提に見ると理解しやすくなる。もちろん理解と賛同は別だが、背景を知ることでニュースの見方が大きく変わった。
また、日本がエネルギーや食料を海外に依存している現実にも改めて気づかされた。地政学は遠い世界の話ではなく、日本の将来にも深く関わるテーマだと感じた。
この本は国際政治の知識だけでなく、物事を多面的に考える視点を与えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
地政学は、その国の元首になりきるRPGである。
「地理」とある「6つの要素」から、世界の動き・国のリーダーの考えに思いを巡らせることが、思考の訓練となり、世界情勢を読み解く力だけでなく、リーダーとしての資質も磨かれる。
純粋に面白い本。
Posted by ブクログ
*日本人は平和ボケしていると言われるが、まさしく自分も平和ボケしていたと痛感させられる本だった。
---世界で起こる戦争や人権弾圧などの悲惨な出来事を読み解く時に、感情や価値判断を一時脇に置いて、相手の立場になってその悲しい出来事が起こる理由を考えてみる思考訓練である。プーチン氏は狂っている、習近平氏は理解不能だ、バイデン氏はあてにならない、誰でも個人的な意見を持つことは素晴らしい。しかし、現実的に残念なことがこれ以上起きないようにするためには、条件反射的な対応ではなく、相手の立場に立ってなぜそういうことが起こるのかを考えることがとても大事だと思う。
---ウクライナ情勢を見れば明らかだろう。国際社会や国連は助けてくれない。日本は会社と違って引っ越せないのだ。日本国以外、我々日本人を守ってくれない。我々の隣国である超大国の場合、どこまでサポートしてくれるだろうか?
---「好調な時にこそ、国民や自分たちに痛みのあることをあえてやらないといけない。そのタイミングは今しかないよ」
---平和という状態はバランス、つまり力の均衡状態でしかない。このことを我々は再認識しなければならない。この世は諸行無常である。つまり唯一不変なものは変化なのだ。変化する国際情勢は、やがて必ず均衡状態を崩す。力の均衡状態が崩れた場所にはその均衡が再びどこかで取れるまで非人道的な暴力が起こり続ける可能性がある。均衡状態が崩れた場所はまずはヨーロッパであった。少なくともプーチン大統領には力の均衡状態が崩れているように映ったのだ。NATOの東方拡大と結束の脆弱さが、同時に恐怖と機会に思えたのだろう。国益と恐怖と名誉が入り混じる複雑な思いで、しかし、短期決戦への自信を持ってウクライナに乗り込んだ。
*批判をするだけでは持続的で現実的な平和や安定は作り出せない。もちろん、一部の権力者の独裁的で残忍な行動は許されるものではないが、その行動に至った背景を知れば、もっと自分も建設的な意見をもてるかもしれないと思った。
本書にWeb3という言葉が出てきて、少し調べた。個人主義すぎて、社会が逆に複雑化するのではないか、変化に戸惑う人も増える。もてる人がもっと得する社会じゃないか。お年寄りにきつい。みたいな風に感じてしまったが、この本を読み終えると、社会の変化についていく努力をしないと、今後この弱肉強食の世界で生き残っていけない、その努力はすべき、と思うようになった。
Posted by ブクログ
齋藤シンさんの「世界秩序が変わるとき」を読んでから地政学に興味が湧き、タイトルに地政学の名を冠したこの本を手に取りました。
プーチンや習近平の意思決定について、日本にいる私たちにとっては道理に解せないことばかりだが、地政学は「彼らの立場に立ったときのロールプレイングゲーム」をしてみたら世界はどう見えるか?という立場に立たせてくれる。ロシアを例にとると広大な土地のうち8割は人が住めず、14の国と国境を面しており、190の少数民族が国内にいて、冬は凍って使えない港も多くある。例えるなら大規模な屋敷でいろんな窓や扉があって防犯しきれないし、使用人は多様で価値観も違う人ばかりと言った状況。この視点の転換を前提に、地球上の国をざっくり横断的に見ていく本書は新しいものの考え方をくれた。
興味惹かれる話がたくさんあったが、特に北極の氷が溶け始め北極海ルートで物流ができるようになると各国はどんなアクションを取るか?といった思考実験や、資本主義と強権主義は地理によって決まる傾向にあること、ドバイは地理的制約を超えてデジタルで地政学の原則を乗り越えるかもしれないこと、人類が国同士弱肉強食を繰り返すのを止めるには共通敵である気候変動が深刻になるタイミングではないか?という問いなどが頭に残った。
当たり前だが「国は引っ越せない」。日本人として日本に生まれた私は今まで真剣に海外移住を考えたこともないし、この本を読んで日本のポジションの危機感も理解したけどそれでも脱出しようとは感じなかった。ただもし世界の動向が変わった時、どう考えるべきかが迫られた時の思考の拠り所になる防衛ツールを手に入れた気がする。
Posted by ブクログ
最近のニュースを見ていて、地政学に興味が出て来て、いくつか本を読んでみたが、この本がダントツに面白かった。
歴史と地理と政治が絡み合い、題名通り、最強の教養と言えるのではないか。
日本人として自分たちがどう未来を見通して、アクションするのかも、仕事上関わりがあるし、きちんとやらなくてはならないが、同時に、地政学の領域はなるほどなあと思わされることも多く、かつ広い視野で日々の些細なストレスも遠くに霞んでしまうのが良いと思う笑。
今後もこの分野の知識は積極的にとっていきたい。
Posted by ブクログ
「もしあなたがロシアや中国のリーダーだったら」という問いかけ(ロールプレイング)が重要な視点だということを学んだ。島国と大陸では考える基盤が異なる。地政学を学びながら、一般的な価値判断に左右されずに自分で考えることの大切さが学べる本だった。他者視点、俯瞰する視点、価値判断をしないフラットな視点が大切だと感じた。
地政学という種類の個別の学問というよりは、学校でも習った地理、世界史をもとに総合的に考える学問という印象を持った。
Posted by ブクログ
地政学をもっと学ばねばと思った。
この著作は2022年に書かれています。ちょうど ロシアが ウクライナに侵攻を始めた頃です。しかし今はもっと地政学的危機は逼迫しています。2025年末には高市首相の台湾有事発言に揺れ、ウクライナは 今もまだ戦闘は続いています。さらに年が明けて アメリカは ベネズエラのマドゥロ大統領を拉致し ました。さらにトランプはグリーンランドも奪取しようとしている。
著書の中でリークワンユーの発言が日本に対して真理を突いていると思いました「世界の多くの国は自国の課題を認識できず 窮地に陥る。日本は違う 優秀だから政治も国民も課題も解決策を全部分かっている なのに誰も行動を起こさない 。それが とても残念だ。」「日本のリーダーは「危機待ち」だ。優秀な人間ほど危機が来れば自分の番だと思っている。 自ら 波風を立てるのは嫌い お膳立てを待っているのだ。国民や同僚 政治家の目が覚めたところで自分が動き出そうと思っている。 それは間違いだ 真の危機が来た時はもっと何もできない。国民も 同僚 政治家も 危機が起こっていることについて違う理由を見つけてしまうのだ。 それは往々にしてやるべき 改革を抹殺するようなものだ。 その時にはリソースも オプションもなくなっているのだ」
高市さんは今までの政治家と違うと信じたい。
Posted by ブクログ
手に取って良かった。
世界で起こっている戦争、会議、トピック全て他人事で済ましていた豊かな島国育ちの自分。
地政学は世界時事のベースであり、ここが少しでも理解できたことで、流し見聞き耳のニュースが一気に関心ごとになってきた。
戦争が終わらないのは何故?台湾有事に関わるのは何故?プーチン何故孤立する?アメリカファースト関税交渉トランプは何故過激?
ランドパワー、シーパワー、世界地図ですら面白く見えてきた。
ロールプレイング、みんなもっと豊かになるために海を陸を取り合っている。生きるために豚を食べない、肌を露出しない。
もう少し勉強したいと思えた。
Posted by ブクログ
地政学から学ぶ戦略的思考
地政学という学問を通じて、私は重要な視点を手に入れた。それは、ある国の歴史や地理的環境を踏まえ、もし自分がその国のトップだったらどのような戦略を立てるかという思考法である。
世界を知るには、ただ情報を集めるだけでは不十分だ。どのような切り口で世界を見るかが重要になる。地政学は「自分だったらどうするか」を常に問いかける学問であり、この視点を持てば、あらゆる物事が面白く見えてくる。
現在置かれている問題、これから国をどう運営していくか。こうした視点で考える訓練を積めば、それは自分の人生、自分の会社、自分の組織など、様々な場面に応用できることに気づいた。
どんな状況においても、適切な視点を持って課題を解決し、未来に向かって歩んでいく。そうすれば、自分の人生はより楽しく、より充実したものになるだろう。地政学は単なる学問ではなく、人生を豊かにする実践的な思考法なのである。
Posted by ブクログ
地政学を考えるにあたり重要な6つのポイント。
気候、周辺国、民族性、産業、歴史、統治体系
相手国の立場で物事を考える、ロールプレイングをすることで見えることがある。一般的には子供でも大人でも、他国の動きを日本からの目線でしか見られていない。
ヨーロッパの国々が隣国の動きを見るのとは、我々のとは少し違いがあるのか?
マッキンダーのシーパワーとランドパワー、以前読んだ本の通り、
ランドパワーをつけてからシーパワー国を目指す。島国が飛地の他国を統治下に置き続けるのは難しい。
チョークポイントを抑えるアメリカは世界最強である。沖縄の米国基地は最大規模、沖縄からは長距離ミサイルで狙える範囲が広い。中国への牽制にも。
中国は南シナを抑えたい。自国の海上水域を増やし、感知されない深海に核兵器を置き、核保有国への抑止力としたい。それまでは落ち着かない?
台湾侵攻は筆者の考えでは近未来に起こる可能性わ低いと見る。台湾信仰が発生した場合、アメリカをはじめ世界各国との争いは避けられない。そこまでの力は中国にはないと見る。中国内部でも、一人っ子政策により、家庭内の子供への思いは強く、戦争となった時に国民の反発は必至。勝てる、被害が限定的な戦である必要がある。
一方でロシアのウクライナ侵攻を見ても分かるよう、ロシアが国際法を犯しているにもかかわらず、誰にも罰せられることはない。一部国家がロシアとの貿易を止めても、エネルギーなどの重要資源の供給をロシアに頼っている国や、インドのように兼ねてよりロシアとの繋がりがある国はロシアとの貿易をやめないため、ロシアは現在まで平然と建っている。勿論多少の痛みは受けているはず。
NATOの結成がロシアの暴走を招くと予測した人物がいる。各国の関係は均衡により成り立つ。ウクライナのNATO加入表明にて、兼ねてより国家衰退を感じ焦っていたプーチンとしては均衡が崩れたと感じ、進行に至ったと見る。これが逆効果でフィンランド、スウェーデンなど立て続けにNATOへの加入に走った。
ハートランドを制するものが世界を制す。ヨーロッパの学者が解いたもの。ハートランドはユーラシア大陸の真ん中、東ヨーロッパ、ロシアあたりを指す。その下位レイヤーの国々をリムランドと呼ぶ。
世界の7割の人口、GDPを持つのがこのハートランドだから。ただしこの考え方にはアメリカが含まれておらず異論がある。
日本だけでなく、ヨーロッパも高齢化が進む。平均年齢は40歳を超える。アメリカは30代後半、インドなど東南アジア諸国の平均年齢はかなり若い。中国も人口が減少に転じはじめ、今やインドに抜かれる。両国14億人ほどの人口を抱える。
インドの経済の発展が著しい。特にテック市場。アメリカのメガテックのトップや技術者にはインド人が多い。一方で増え続ける人口、特に若年層には職を作る必要があり、インドは製造業を強化する必要がある。さもなくば暴動などにつながる恐れすらある。
中国はインドと共にかつて最も経済の発展した国だった。ヨーロッパとの貿易では与えるものはあれど、必要なものなどなかったほど。そしてクローズな国へ。さらに中国は国土が広く、その中に多くの民族を抱える。民族の違いは文化の違い、それを治めるには中央統治が必要だった。その広さゆえ多くの国々と国境を分つ。どこからいつ侵攻されるかわからない。そういった不安は、島国日本には到底わからない。
一方で韓国は北を中国と接しており、南は海でまさに背水の陣である。台湾よりも韓国の方が危ういのではという見方もある。台湾は離島である。
シンガポールの始祖、リークワンユー氏の言葉、国は引っ越せない。日本は何が悪くて、何をしないといけないかわかっているが実行に起こせる人がいない。優秀な人はいるが、有事ではない中でそれを起こそうとする人間がいない。国力の低下は他国からの侵攻リスクを高めることに直結する。台湾を気にしているうちに日本はさらに衰退して、他国からの侵略に晒されるかも。日本に生まれただけで丸儲け、という考えは、戦後に産まれた人には当てはまるケースもあると思うが、未来永劫そう思えるかは別。
見聞を広げるために、一度国を出て外を見てみるのも良いかもしれない。そこでの気付きから田村氏のように外で暮らすのも選択肢になるか。
Posted by ブクログ
地政学を6つの視点で切り分ける。
その視点は気候、周辺国、民族性、産業、歴史、統治体系である。
これらを軸に世界中の地域の地政学を紐解いていく。
中でも大国かつ獰猛な中国とロシアの地政学(国家戦略)が印象に残った。
荒ぶるものの行動にこそ真理が垣間見える。
◾️新たな学び
・騎馬民族が国家形成に与える影響
・ランドパワー→シーパワー
・アメリカの軍事基地のグローバル化
・中国が深い海を欲しがる理由
・北極海ルートの開通とインパクト
Posted by ブクログ
きっかけ
おすすめに出てきてて、興味はあったが重そうで遠慮していた ところ2歳に満たない我が子が勝手に入れていた本
内容
地政学とは各国のトップになり、手持ちの資源環境国政を踏まえて何故その行動に至ったのか俯瞰して学ぶもの
感想
読み始めは暗い気持ちにさせられてあんまり読み進められなかった。重い本もスイスイ読めるほどの読書力がついて前書きの暗い話を一切忘れたタイミングで読めたので、万全の状態で読めて良かった。
基本としてはロールプレイで考えるということで、相手の環境を踏まえると確かにそう行動するなと職場レベルでも必要な能力だし、実体験としても感じていたので内省にも繋がった。最近読んだミャンマーの問題もトップ目線で考えると中央集権制にしたい、させたい側の催促とかで起きてるんだろうなと思った。
背景として抑えるべき事項(気候、周辺国、民族性、産業、歴史、統治体系)と主要国の説明が書かれていたので、ニュースを見た際にも思考を働かせる事ができそうで今後が楽しみ。
オクシモロンという単語が頻発するが、意味を忘れてしまっていた。何事にもメリットデメリットあって良し悪しの判断がつかない、所謂中道ってことで理解した。
Posted by ブクログ
各国の背景をよく知り、中の人になりきって
なぜこの国はこういう立場をとるのか?という視野を持ち、ロープレをやろうというコンセプトはすごく良かった。
シーパワー、ランドパワーのこと、
広い土地を持ち強そうに見える国が実は広いからこそ管理しきれず家の中に知らない人が住んでる、、みたいな表現などが印象深かった。
そのぶん、理解するための必要な歴史のお話も長くて時々集中しきれず眠りそうになったパートも多かったです(ダメな生徒の例)
Posted by ブクログ
田村耕太郎氏の著書は久しぶり。
トランプ氏の戦争戦略、ロシアのウクライナ進行など、
世界的な動静に強く関連するであろう地政学について、
ちょっと前から興味があったが手に取れなかったが、
ようやく手に取った。
『地政学が最強の教養である』読書レビュー
地政学は、地理学と政治学の組み合わせであり、地理的要素がいかに国家の政治的判断・行動に関連しているかを考える学問である。
国家の地理が決まると、以下の6つの要素が必然的に決まってくる。
1.気候
2.周辺国
3.民族性
4.産業
5.歴史
6.統治体系
そのうえで、地政学を読み解くいくつかの重要理論がある。
マッキンダーの理論: ランドパワー(大陸国家)vs シーパワー(海洋国家)の対立構造
国家のタイプ別特徴
島国(シーパワー): 資源攻めには弱いが、基本は守りやすく、リーダーは内政や経済を重視しやすい。
大陸国家(ランドパワー): 常に侵略の影に怯え、少数民族を抑えるために強権的な統治になりやすい。一度得た領土は絶対に手放さない。
遠交近攻: 遠くの国と結び、近くの国を牽制する原則
国家を動かす3つの動機: 国益、恐怖、名誉
これらを踏まえ、本書では各国の地政学的な特徴が解説されている。
島国(シーパワー)の地政学:日本、アメリカなど
海に囲まれているため守りやすく攻められにくいが、海上封鎖などの資源攻めに弱い。
アメリカは巨大な大陸国家の側面も持ち、まずは自国領土内でランドパワーとして成長した後に、最強のシーパワーへと移行した特殊な例。
外部からの脅威が相対的に低いため、政治的リーダーは外敵よりも内政(経済や国民の不満解消など)を重視する傾向がある。
海を支配する「シーパワー」の王者:アメリカ
アメリカの強さは、太平洋と大西洋という二つの巨大な防壁に守られつつ、世界の「公海」を完全に支配している点にある。
海の支配: 全世界の海上交通路(シーレーン)と、チョークポイント(海上の要所)を軍事力で抑えることで、物流とエネルギーをコントロールしている。
沖縄の基地: 沖縄はアメリカにとって「太平洋の要石(キーストーン)」である。中国の太平洋進出を阻む最前線であり、有事の際にアジア全体へ展開できる戦略的拠点の役割を果たしている。
内陸・大陸(ランドパワー)の地政学:ロシア、中国など
厳しい気候と広大な国土が、他国からの侵略に対する「恐怖」と、防衛の「苦労」を助長する。
広大な領土内の多様な少数民族を封じ込め、国家をまとめるために強権的(中央集権・独裁的)な統治になりやすい。
緩衝地帯(バッファーゾーン)を確保するために周辺国へ侵略し、一度支配した土地は独立させない(やられる前に攻める思考)。
2. 中国から見た「日本」という壁
中国の戦略を理解する鍵は、地図を逆さにして見ることにある。
第一列島線: 中国から太平洋へ出ようとすると、日本列島、沖縄、台湾、フィリピンが「鎖」のように立ちふさがっている。中国にとって日本は、アメリカというシーパワーと結託して自分たちを閉じ込める「不沈空母」のように見えている。
台湾への執着: 台湾を手にすることは、この「鎖」を断ち切り、太平洋へ自由にアクセスするための生命線である。
3. ロシアが抱く「恐怖」と「渇望」
ロシアの行動原理は、広大な平原ゆえの「侵略される恐怖」と、凍らない港への「渇望」に集約される。
不凍港の確保: ロシアの北の海は冬に凍るため、一年中使える港(不凍港)を求めて南下し続けるのが歴史的な宿命である。黒海やバルト海への影響力維持、さらには極東での活動もこの文脈にある。
緩衝地帯: 陸続きで守りにくいため、周辺諸国を自国の影響下に置くことで「壁(バッファーゾーン)」を作ろうとする。ウクライナへの侵攻も、この地政学的な安全保障の確保という側面が強い。
その他の地域の地政学
中東: 過酷な砂漠環境で生き抜くためのルールが根付いており、水や資源を巡る争いが絶えない。
インド: 北をヒマラヤ山脈に守られており、独自の進化を遂げつつ、ロシアや他国とバランスを取る全方位外交を行う。
東南アジア: ランドパワー(中国)とシーパワー(日米など)がぶつかり合う緩衝地帯(リムランド)。近年は中国との経済的な連携が民間レベルでも進んでおり、大国間で巧みなバランス外交を行っている。
ヨーロッパ: 地政学が生まれた発祥の地。陸続きで多くの国が隣接しているため、常に国境線が書き換えられてきた歴史があり、それが地政学という「戦争や防衛の理論」を生み出す土壌となった。
まとめ
本書を通して、なぜ中国が台湾を欲しがるのか、なぜ韓国や中国が日本を敵視する構造になりやすいのか、そしてなぜロシアが他国へ侵攻するのかといった、ニュースだけでは見えない「国家の根本的な行動原理」がわかり、非常に興味深かった。
地理という「変えられない前提条件」から国家の戦略やリーダーの意思決定を読み解くアプローチは、制約の中でいかに勝ち筋を見つけるかというビジネスモデルの構築や、競合ひしめく市場でのブランドのポジショニング戦略を考える上でも大きなヒントになる。他にもこのような構造的な戦略論を学べる本を読んでみたい。
Posted by ブクログ
この本が出版されたのは2023年1月。たった3年しか経ってないのに世界はめまぐるしく変化している。それも悪い方向に。GDP第3位だった日本はドイツ、インドに抜かれて5位に転落。2025年にトランプ大統領が再選され、アメリカは、というかトランプは貿易、資源、流通をほしいままにしようと牙をむきはじめた。まずは関税アップ、ベネズエラを攻撃して大統領を拘束、ドンロー主義(南米はアメリカのもの)とか言い始める。そしてついに2026年2月、イランを爆撃し、代表指導者ハメネイ師を殺害、泥沼の中東戦争に突入した。おかげでホルムズ海峡が封鎖され、日本にも石油が届かず価格が暴騰している。‥こんなこと、誰が予測できただろうか。どうか、早く戦争を終結させて平和を取り戻してください。
・日本は災害が多く、生き延びるための技術(災害テック)を築いてきた。そこにビジネスチャンスがあるはず。
・メコン川の源流はチベットで、その後中国を通り、インドシナ半島(ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム)へと流れ込む。それぞれの国にとって川の役割は重要で、上流で堰き止められたり、水量を調整されることは脅威である。同じくブラマプトラ川は中国を通りインドへ流れている。
・中国は南シナ海を狙っている。軍事的領土拡大だけではなく、その地域の漁獲量の多さ、地下に眠る原油や天然ガス、マラッカ海峡を含むチョークポイント(物流拠点)が理由。また、中国領海は深度が浅い。是非とも原子力潜水艦を隠せる海がほしい。
・日本は今後インドと親しく付き合っていくべき。自己主張の強いインド人と完璧主義的教育の中で育つ日本人は相性がいい。インドには就職先を探す若者が溢れかえっているので、日本は製造業のインド移植ができる。
・気候変動でこれからの地政学は変化する。南極の氷が溶ければ湾岸の主要都市は軒並み沈む。世界の機能は内陸部の高地に集まるでしょう。北極も夏の間はタンカーを通すことができ、時間も短縮されて貴重な運搬ルートになる。その場合、ロシアが覇権を握ることになるでしょう。
・これからの教育にはメタバースでプーチンやトランプ、習近平になれるロールプレイングゲームが効果的。ロシアは例えて言えば、治安がいいとは言えない広大な土地で窓やドアがたくさんある大きな家に、異なる文化、異なる言語を持つ人たちが一緒に住んでいると考えれば、プーチンがどうしたいのかもわかるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
これまで、ロシアや中国の侵攻をただ批判していたが、なぜその様なことをするのか?を知ろうともしていなかった。
我々が同じような地理の国であったら、同じことをしてしまう可能性もあることを学んだ。
Posted by ブクログ
以下にメディアが主観的で、上部だけなのか気付かされたような気がする。
自分の立場になって考えるのはいいが、それを経て果たして何ができるのか。
結局、これらの知識を持ってしても議席数にこだわるような人が国を回す権力を行使しているこの国で
Posted by ブクログ
投資や先を見る力に使えそうだなと思い興味を持った地政学。地政学を題材にした漫画は読みにくく挫折していたが、この本はとても読みやすくわかりやすかった。
> 国を引越できない家と考える
> 彼らの置かれた環境に自らが近づいて、彼らの行動の背景に思いを馳せて、見えてくる世界があると思う。 彼らの立場に立ってみよう(これこそが「地政学」だ)。
特にこの観点が目から鱗で、地政学を身近なものに変えてくれた。
自分が世帯主となった時、引越できない家でどう自分や家族を幸せにするかと考えると、周りと仲良くして助け合ったり、それでも自分の存在理由のために先をよんで行動したり、権利を主張したり、まぁ色々大変だなと。今までは善悪と言った白黒の考え方で政治を見てしまっていたことを反省。
地政学の学びと共に視座を変えて周りを見てみるといった社会を柔軟に生きる上での考え方を学べたいい本でした。
Posted by ブクログ
フラットな観点から様々な国の内在論理を説明し、その国のトップのつもりになって考えることが大事であることを説いている。日本の目線からだけでは理解できない各国の行動も、各国目線に立つと見えてくることを実感できるだろう。
どちらにも偏らない説明なのでやや物足りなく感じるいるかもしれない。冗長かつ繰り返しも多いが知識のインプットの観点ではむしろプラスと捉え、気にならなかった。
Posted by ブクログ
著者の経歴を見て、とんでもなく優秀な人がいるもんだと驚きました。
地政学とは地理的条件に注目して国の行動を予測する学問であり、著者は「その国の元首になる“ロールプレイングゲーム”」だと語る。
例えば、もし自分が、領土は日本の国土の45倍の広さだが、その6割が永久凍土で8割に人が住んでいない大国で、国の中に190近い少数民族を抱えるリーダーであったら世界がどのように見えるか。
主にロシアと中国(ランドパワー)と欧米と日本(シーパワー)を対比しながら、地理的要因と歴史背景を交え、それぞれのトップの意思決定を解説しています。
中国が南シナ海(深い海)を求める理由、騎馬民族の存在、封建社会と資本家など、なるほどと思う箇所がいくつもありました。
「国は引っ越せない」、重い言葉です。
Posted by ブクログ
世界の大陸別で地政学の概観が学べる。
それぞれの立場で、何が影響してどう見えているのかロールプレイングすることの重要性が分かる。
ただ、同じ表現が繰り返されているところが少し気になった。
Posted by ブクログ
地政学、というよりは、現在の国際状況から、世界の歴史、日本の歴史、地理に興味を持つようになったから手にした本。
久しぶりにかなりの重量、容量がある本で、なかなか読み進めれない感じだったけど、読み切れたことに満足感がある。
物理的な要件で世界の潮流、繰り返される歴史っていうのが起きてるってこと。
シーパワー、ランドパワー。それぞれの国でリーダーを自分がやったらどう対応するか、ロールプレイをしながら考えを深めていく。思いを馳せて、相手の立場で考えることから生まれる洞察。
まさか、永久凍土のために、8割も住めない地域とは思わなかったし、190もの民族がいるとか、14の国境を抱えてるとか、北方領土を日本に返してしまえばアメリカに基地をつくられてしまうかも?とか、、中国と台湾の問題とか、ロシアウクライナの問題とか、イラン中東とアメリカの問題とか、緊迫した国際関係。
原因を歴史を紐解きながらみていけるのは面白かった。
Posted by ブクログ
あまり読んだことのないジャンル。そして読み終えた自分を褒めたい。 何故か「地政学」が知りたいと思い手にした。島国、半島、大陸、それぞれの歴史、気候、気質により国のかたちが成り立っているのだな。また、トップに立つもののロールプレイも必要なこと。
Posted by ブクログ
国は引っ越せない。ということで、
どんな地理的条件の中に位置しているのか、それをもって今の政治がなされているのか、という視点を示されています。
国際政治を考える際に地理が大事な観点だということ。
それぞれの国の論理をその国の地理的立場に立って考えてみよう、といことで、
「ロールプレイングとしての地政学の重要性」として提示されています。
_世界で起こる戦争や人権弾圧などの悲惨な出来事を読み解く時に、感情や価値判断を一旦置いて、相手の立場になってその悲しい出来事が起こる理由を考えてみる思考訓練
でもあること。
他者の立場に立って決断を知る時、常に自分の価値基準が問われる、だから、自分の中のモラル、自分自身を知る旅にもなる、という。
つまり今持っている価値判断を一旦なしにして考えようとするほど、最終的にどんな軸で決断をするかを突き詰められる、のか、
普段の自分とは相いれないような価値が形作られる論理をたどれる、とか?
_国際関係論にはリーダーやその分析者の価値判断が入りがちだが、地政学は人間の価値判断から離れて自然現象に近い形で国と国との関係を、再現性を求めるような形で、検討するものだとわたしは考える。
とはいえ社会科学なので実験ができず、再現性には限度がある、とのことです。