あらすじ
「地政学が最強な理由」を挙げたらキリがないほどだが、その際たる例が「“圧倒的教養”が身につく」点だ。
経済学、哲学、歴史学、宗教学、文化人類学、政治学、地理学……。地政学にはあらゆる学問が詰まっている。地政学を学ぶということは、同時にそれらすべての学問の知見を一気に身につけるに等しいのだ。
いま世界のビジネスエリートたちが、こぞって地政学を学んでいる。
それはなぜか?
まさしく、「地政学が最強の教養である」ことに気付いているからだ。
日本、アメリカ、中国からロシア、アジア、中東、欧州まで。
基本も最新情報も、地政学を全網羅。
ビジネスエリートになるための入門書、登場!
※カバー画像が異なる場合があります。
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Posted by ブクログ
地政学を考えるにあたり重要な6つのポイント。
気候、周辺国、民族性、産業、歴史、統治体系
相手国の立場で物事を考える、ロールプレイングをすることで見えることがある。一般的には子供でも大人でも、他国の動きを日本からの目線でしか見られていない。
ヨーロッパの国々が隣国の動きを見るのとは、我々のとは少し違いがあるのか?
マッキンダーのシーパワーとランドパワー、以前読んだ本の通り、
ランドパワーをつけてからシーパワー国を目指す。島国が飛地の他国を統治下に置き続けるのは難しい。
チョークポイントを抑えるアメリカは世界最強である。沖縄の米国基地は最大規模、沖縄からは長距離ミサイルで狙える範囲が広い。中国への牽制にも。
中国は南シナを抑えたい。自国の海上水域を増やし、感知されない深海に核兵器を置き、核保有国への抑止力としたい。それまでは落ち着かない?
台湾侵攻は筆者の考えでは近未来に起こる可能性わ低いと見る。台湾信仰が発生した場合、アメリカをはじめ世界各国との争いは避けられない。そこまでの力は中国にはないと見る。中国内部でも、一人っ子政策により、家庭内の子供への思いは強く、戦争となった時に国民の反発は必至。勝てる、被害が限定的な戦である必要がある。
一方でロシアのウクライナ侵攻を見ても分かるよう、ロシアが国際法を犯しているにもかかわらず、誰にも罰せられることはない。一部国家がロシアとの貿易を止めても、エネルギーなどの重要資源の供給をロシアに頼っている国や、インドのように兼ねてよりロシアとの繋がりがある国はロシアとの貿易をやめないため、ロシアは現在まで平然と建っている。勿論多少の痛みは受けているはず。
NATOの結成がロシアの暴走を招くと予測した人物がいる。各国の関係は均衡により成り立つ。ウクライナのNATO加入表明にて、兼ねてより国家衰退を感じ焦っていたプーチンとしては均衡が崩れたと感じ、進行に至ったと見る。これが逆効果でフィンランド、スウェーデンなど立て続けにNATOへの加入に走った。
ハートランドを制するものが世界を制す。ヨーロッパの学者が解いたもの。ハートランドはユーラシア大陸の真ん中、東ヨーロッパ、ロシアあたりを指す。その下位レイヤーの国々をリムランドと呼ぶ。
世界の7割の人口、GDPを持つのがこのハートランドだから。ただしこの考え方にはアメリカが含まれておらず異論がある。
日本だけでなく、ヨーロッパも高齢化が進む。平均年齢は40歳を超える。アメリカは30代後半、インドなど東南アジア諸国の平均年齢はかなり若い。中国も人口が減少に転じはじめ、今やインドに抜かれる。両国14億人ほどの人口を抱える。
インドの経済の発展が著しい。特にテック市場。アメリカのメガテックのトップや技術者にはインド人が多い。一方で増え続ける人口、特に若年層には職を作る必要があり、インドは製造業を強化する必要がある。さもなくば暴動などにつながる恐れすらある。
中国はインドと共にかつて最も経済の発展した国だった。ヨーロッパとの貿易では与えるものはあれど、必要なものなどなかったほど。そしてクローズな国へ。さらに中国は国土が広く、その中に多くの民族を抱える。民族の違いは文化の違い、それを治めるには中央統治が必要だった。その広さゆえ多くの国々と国境を分つ。どこからいつ侵攻されるかわからない。そういった不安は、島国日本には到底わからない。
一方で韓国は北を中国と接しており、南は海でまさに背水の陣である。台湾よりも韓国の方が危ういのではという見方もある。台湾は離島である。
シンガポールの始祖、リークワンユー氏の言葉、国は引っ越せない。日本は何が悪くて、何をしないといけないかわかっているが実行に起こせる人がいない。優秀な人はいるが、有事ではない中でそれを起こそうとする人間がいない。国力の低下は他国からの侵攻リスクを高めることに直結する。台湾を気にしているうちに日本はさらに衰退して、他国からの侵略に晒されるかも。日本に生まれただけで丸儲け、という考えは、戦後に産まれた人には当てはまるケースもあると思うが、未来永劫そう思えるかは別。
見聞を広げるために、一度国を出て外を見てみるのも良いかもしれない。そこでの気付きから田中氏のように外で暮らすのも選択肢になるか。
Posted by ブクログ
シーパワーとランドパワー
・日本はアメリカはシーパワー。シーパワーは責められにくい。だからこそ諸外国との貿易・交渉を広げていく。
・中国は現在はランドパワー。シーパワーが欲しい。尖閣諸島や台湾を占有できれば、南シナ海に自由に出入りしやすくなる。
・今は核兵器を保持しておけば良い?
違う、どこに核兵器を置いているかがバレると、その場所を攻撃されたら終わる。なので、深海を移動する原子力潜水艦内に置いておくのがベター。アメリカは深海を持っているので、核を攻撃される心配がないが、中国は東シナ海のような浅瀬しか持っていないので、深海の尖閣諸島周辺が欲しい。
中国には、騎馬民族対応が求められる。内政や騎馬民族対応に追われている。ランドパワーの国は近隣諸国と牽制し合っているので、やられる前にやるのが王道。
ロシアの地政学のポイントは不凍港。
・領土の8割ほどは凍ってて、誰も住めない。それなのに広いせいで隣接する国も多く、その対応に追われる。
・ロシアも海に出たいが、北極海は凍っている。
温暖化でここが溶ければ、ヨーロッパへ格安で輸送できるようになる。
・ロシアが北方領土をなんとしてでも支配したいのも、太平洋-ヨーロッパの輸送経路の一部になるから。
・ウクライナの領土が欲しいのも、貿易を行いやすい不凍港を手に入れるため。
Posted by ブクログ
ウクライナ✖️ロシア、イラン✖️イスラエル、社会情勢が不安定化し、台湾有事で置き換えた時、自分も他人事ではないと日々おもっているところでこの本が目に止まった。
以前上司に君は視座が高いねといわれたことがあったが、本の出だしで地政学は相手の立場になりきるロールプレーイングであってビジネス成功でも大事な教養となる説明があった。ますます自分のいいところを伸ばせるいい機会を得たと思った。
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▪︎気になった箇所
・アメリカ生まれの人が凄いというより、アメリカの世界を憧れさせ成功者予備軍(移民)を世界から受け入れるシステムが、アメリカに活力がある理由
→これまで保守だった日本はどう動くべきだろうか
・中国が尖閣諸島を欲しいのは核弾頭を隠すための深海が欲しいから。(核が抑止力となるのはどこから打たれるかわからないの場合のみ)
→日本列島は中国の太平洋進出の壁となるように位置しており、尖閣諸島はその壁が途切れた箇所
→尖閣を抑えられれば太平洋へのルートが開かれ1000m以上の深い海を手にすることができる。(台湾有事の際に四方から固めて包囲することで外乱を抑えたい狙いも)
・円安が進むわけわ、人口が減り続ける日本では安全保障のリスクも高まり続けて、その大規模自然災害も予想される、そんな国の通貨を使用し保有してくれるのか
→純粋な日本人の自然増は望めないので、外国人を取り入れていくしか日本の国力を取り戻す方法はない?
・東南アジアの諸外国が中国に強気になれないのは
、各国に流れる河川の源流が中国にあり、ダムで水を堰き止められる、もしくは一気に放流して水責めされる恐れがあるのも要因のひとつ
・中国やロシアが独裁的なのは、なんども他国に攻められ国を滅ぼされてきた歴史があり、やられる前にやることで防衛したいという思想が根底あった。その為国土は広がり、多民族を取り込んでいったが彼らの反発を押さえ込むために強制的な姿勢がとられる傾向がある。
→日本も取り込まれればウイグル自治区のような扱いをうけるのでは?
・平和状態とはバランスのことで、力の均衡状態でしかない。