メルヴィルのレビュー一覧

  • ビリー・バッド

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    メルヴィル 「 ビリーバッド 」著者の遺作 中編小説

    キリスト教道徳の寓話にも読めるし、共同体の中で 秩序と苦悩を描いた小説にも読める。著者の人生の総決算としての思想哲学 にも感じる。

    著者が描きたかったのは 多様で複雑で曖昧な現実の世界。そんな世界で どのように秩序を守るのかを 伝えたかった と捉えた

    船中という人種や身分が多様な共同体が舞台。一神教的な 善と悪の二項対立では 共同体の秩序は保たれない。善の象徴である主人公のビリーバッド、知性の象徴であるヴィア艦長。ヴィア艦長の苦悩と共同体の秩序を保つ姿が印象的

    キリスト教道徳の寓話
    *狡知に対して 経験、才覚に欠け〜なりふり構わず

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    2018年11月28日
  • 白鯨 上

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    脚注、絵あり。

    最初に鯨に関する書物の抜粋がかなり続く。
    そのあと物語は始まる。

    鯨の説明が延々と続くと聞いたことがあり、ずっと読もうと思わなかった。
    だけど、ヘミングウェイの『老人と海』を読んで、海での戦いも面白いとモチベーションが上がり手に取る。

    読みやすく、楽しくワクワクする気持ちで読める。
    鯨の説明も面白おかしい。

    クィークエグがいい。
    登場人物がそれぞれ特徴があり、これからどう活躍していくのか期待。

    まだ、始まったばかりで、これからさらに面白い展開になると思うので楽しみだ。

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    2018年04月03日
  • ビリー・バッド

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    程よい長さの作品でメルヴィルっぽさもあり読む価値のある作家であることが伺える作品。最初に「白鯨」を手にして挫折する前にこの作品でメルヴィルに慣れておくのも悪く無いと思う。たしかに脱線はよくするし衒学的なところもある。それでも、読むに値する内容が伴っている。なので、読み通す価値は十分にあるように思う。読むと色んな事を考えさせられるいい作品だと思います。

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    2017年12月18日
  • 白鯨 上

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    重量感たっぷりの外国の小説を読むのは久しぶりです。まだモービィ・ディックは姿を現さない。それはエイハブ船長や航海士、銛打ち、船員たちの妄想や噂のなかで生きている。さあ、これからどのような怪物ぶりを見せてくれるか、船長たちはどのように立ち向かって行くのか、そしてどのようなフィナーレを迎えるのかじっくり味わうことにしよう。

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    2015年01月01日
  • ビリー・バッド

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    白鯨を読む前に一度著者の雰囲気を知っておきたかったので、手短に読めるこの本を一読。何とも言えない終わり方だが、これが作家の雰囲気らしい。物語としては秀逸。白鯨を読むかどうかは暫くおいておこう。

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    2013年12月22日
  • 白鯨 上

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    白鯨(Mody-Dick) 捕鯨船の男と鯨の話。 軽々しく命を掛けるのは愚者で己の命を守るものが勇気である。 海の男になると誓ったイシュメルは鮫と遭遇して命の危険を感じた。恐怖を知り克服できるから恐怖に立ち向かう。そして人は楽しいから笑うのではなく笑うから楽しい。 彼らの仕事は栄光や賞賛より誇りのために戦っている。だが、エイハブ船長が白鯨に襲われた復讐を遂げるためにお金で船員を鼓舞し難破船をいても今まで命をかけた鯨の油を捨て対峙したが全員亡くなった。 イシュメルだけを残して。

    (ゆうじん)

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    2013年09月10日
  • 白鯨 中

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    『白鯨』新訳版、その中巻です。

    上巻はイシュメールが船出するまでを描いて「物語」然としたところがありましたが、中巻はだいぶ趣が異なります。捕鯨船での日々、マッコウクジラとの死闘、そして鯨にまつわる衒学的・百科全書的な語りと、まさに鯨尽くし。特に第八十七章「無敵艦隊」は、鯨のユートピアとでも言うべき光景を描いていっそ幻想的ですらあります。

    イシュメールの語りが「イシュメール自身」から「全知全能の第三者」まで自在に行き来するのも面白いところ。一人称から三人称への振り幅が大きく視点がころころ変わります。最初は読み辛いと感じるかもしれませんが、慣れてくるとこれがまた楽しい。イシュメールの視点と神の

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    2013年02月19日
  • 白鯨 下

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    自らの教養の無さ・理解力の欠如に起因するこの豊饒な作品への理解不足によって★を一つ下げただけで、この作品には★を幾つ付けても足りない。
    単にストーリーを語って読ませる今時の小説ではなく、ヨーロッパ文化が多面的に発現した学術書として真摯に対峙すべきだと思う。
    物語を紡いでいる気は作者自身も毛頭ないだろうことは、唐突かつ延々と続く「鯨学」の披露でも明らか。
    鯨を人間の業の象徴と見立てた様々な角度からの「文明」考察と見るのが正解だろう。
    しかしこの作品がヨーロッパではないヨーロッパ系の国アメリカから生み出されたことは奇跡なんだろうな。

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    2013年02月01日
  • 白鯨 中

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    これはやはり現代人が思い浮かべる「小説」ではないな。
    小説でもあり、詩でもあり、ルポタージュでもあり、哲学書でもあり、、、
    様々な知識・教養を背景に圧倒してくる、こちらのあまりの教養の無さに怯えてる始末というのが本当のところ。
    なお上巻でもそうだったが、挿絵もなかなかgood。

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    2013年03月03日
  • 白鯨 上

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    言わずと知れた世界文学史上に残る名作、その新訳。

    いやはや、面白いです。上巻は語り部・イシュメールの自己紹介に始まり白鯨・モービィ・ディックについての叙述で終わる、いわば導入編ですが一気に読み進めてしまいました。

    とにかく登場人物がいい。主人公、というよりもどこまでも諦観的な語り部であるイシュメール、その親友となる「高貴なる野蛮人」クィークエグ、そして何より狂熱と知性を併せ持つ復讐の鬼・エイハブ。衒学的、かつ時に冗長ですらある語り口が、かえって彼らの個性を際立たせています。「主要登場人物」に記載された以外の人物――元船乗りのマップル牧師、不吉な預言を残す謎めいた男・エライジャなどなど、彼ら

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    2013年01月13日
  • 白鯨 上

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    広い大洋で繰り広げられる、伝説的な白い巨鯨モービィ・ディックとそれを討ち取ろうとする古参の船長との闘い。 上巻では主に船出部分が描かれてます。

    読んでて何となく思ったんですが、ジョジョを描いている荒木飛呂彦氏に漫画化してほしい。 海の荒々しさと、その中で命を滾らせて生きている船乗りたちが紡ぐ賛歌には彼の画が一番あってると思います。 まぁ、忙しくてできないでしょうけどね。

    ちなみに、ストーリーは面白いと思うんだけど、所々に描かれている鯨学の話はあんまりいらんなぁ。

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    2012年06月12日
  • 白鯨 下

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    傑作、というよりは力作、大作の部類。
    直すべき点がどこにもない完璧な作品ではなく、そんな点は数え切れないほどあるがそんなことはどうでもよくなる作品。

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    2011年11月05日
  • 白鯨 中

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    鯨を仕留め、解体しながら鯨の体の解剖学的知識や鯨の生態まで鯨学が述べられる。
    鯨には顔がないためまるで無貌の神のようだ。西洋人は鯨油と鯨骨だけ取り肉は鮫にくれてやっていたらしい。もったいない話だ。

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    2011年04月16日
  • 白鯨 上

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    何度読んでもよくわかりませんが、なにかは学べます。

    古い本なので読みにくいことこの上なしですが、ぜひご一読をお勧めします。

    ちなみにスターバックスコーヒーの名前はこの小説の登場人物から取られてます。(脇役ですけど)

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    2010年10月05日
  • 白鯨 上

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    パトスとロゴスごたまぜで、たっぷり大盛りいっちょうあがり! キャラ立ちすごい。流れだけでなくうんちくも面白い。

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    2009年10月04日
  • 白鯨 (下)

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    言わずと知れた名作、同時に難解との評がつきまとう。よって気難しい文体を知らず知らず想像していたのだが、読み始めて早々、むしろ饒舌な文体に面食らった。
    しかし確かに捉え所がない。現代の読者からすると、ド頭から「食人種」のあまりに不適切な描き方にやや閉口し、同時にその現実味のなさから写実的に受け止めることをやめてしまう。そのため中盤以降に怒涛のように展開される捕鯨や海洋についての蘊蓄は「本当か〜?」との思いで漫然と頁を繰るだけになってしまう。そうこうしているうちに対峙する白鯨との闘いそのものは、存外あっけない。
    なんとなく、狐につままれたような気持ちで本を閉じた。この作品は、何を伝えたかったのか?

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    2025年10月19日
  • ビリー・バッド

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    昔の文体で読みにくいけど、解説やあとがきを読んで理解が深まった。
    吃音の描写があるから読んだけど、結構少なかった。なので読むのに時間かかった。

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    2025年09月30日
  • 白鯨 下

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    解説を読んでから、また読み直したくなった。
    モービィ・ディックとは何だったのか、それは白人の魂そのものである。普段は大きな姿で悠々と泳ぐ鯨が、一度攻撃されると狡猾で凄まじい反撃に出る…
    物語のキーアイテムが実は輪廻の輪の中で繋がっていて、第一章に戻るというのも面白い。思わずポイントの文章を見返してしまう…アクロイド殺し以来の動きをしてしまった。

    この小説の良さが分かりきらなかったのか、
    モームの『世界十大小説』でも読んで再勉強してこようと思う

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    2025年03月15日
  • 白鯨 中

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    この本は鯨と捕鯨に関するデータベースでもあるのだが、独白シーンなどは現代でいうオタクの単独講演会を聞かされているように思える。
    ストーリーも少しずつ進み、鯨のパワーや捕鯨に携わる人間の力強さを感じる。

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    2025年03月13日
  • 白鯨 上

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    古典的小説としてモームの『世界十大小説』にも名を連ねる本作、漫画『文豪ストレイドッグス』に出てきて気になったという安直な理由で購入

    冒頭の人物紹介でいきなりネタバレ?色々な本からの抜粋?で始まり混乱は多かったが、訳注など参照しながら理解を深めていく。鯨自体が神話的な存在であり、捕鯨の歴史が文化交流の歴史…といった史実や抽象的なサブストーリーもあり、『知識ごった煮』とはよく言ったものだと納得。
    そういえばドラクエ11の神話に出てくる乗り物ケトスも白鯨だったな…

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    2025年03月09日