メルヴィルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2ヶ月かかった。この本に出会わなければ、私が鯨や捕鯨船に興味をもつことはまずなかっただろう。メルヴィルの描写の力強さ。白鯨を追ったエイハブ船長、スターバック、スタッブといった航海士、クイークェグの生き方から、私は何を感じるべきなのか。今はまだ圧倒されるばかりで。死をも恐れずに突き進み、生ききった男エイハブ。こんな肯定的な見方をすべきではないのだろうけど、それも1つの生き方だ。私は何にこの命を捧げよう。何に対してなら、豪雨にも消せない燃え上がる情熱を生み出すことができるだろう。
白鯨には、聖書の引用や世界中の名称が数多く登場する。私はまだまだ世界を知らなすぎる。自分の目で、耳で、肌で感じたい。そ -
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ネタバレラストシーンで思い出したのはジョジョの一部のラスト、あのシーンも棺桶で生かされるというメタファーがとても印象に残っていたのですが、この白鯨もそのような暗喩がありました。
しかもその棺桶は主人公の親友のクイークェグのもの。
分厚い三冊の上中下の冒険の物語は、終盤突然白鯨とぶつかり、あっさりと終わってしまいました。
粗削りな男が書いた男の物語なんだけど、どこかねちっこい感じが離れないなあ、と思っていたのですが、解説でイギリスではエピローグがない白鯨が発売されたと書いてあり、あの二ページのエピローグがなかった場合の事を考えた。
エイハブの怨念、鯨学、不吉な予兆、水夫たちのやりとり、重みを感じる長いペ -
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白鯨「モビー・ディック」との戦いを描いた、海洋冒険小説。ワンピースの白ひげが乗る海賊船「モビー・ディック号」の由来でもある。人々の生活を照らすため船に乗る船員たちと、そうではなく、昔対決し、足を引き千切られた怨みを晴らすべく白鯨を探し続け復讐しようとする、船長・エイハブ。最終的には、白鯨を見つけて戦闘するものの、ほとんどの船員が殺されてしまう。船上の志が不一致だと、大海原へ出る資格はおまえらにない、ということなのだろうか。ところでこの小説、主人公・イシュメルの存在が、前半は際立つものの、後半はまるで音沙汰がない。きっと、作者・メルヴィルは、エイハブ船長の、栄光でも賞賛でもない、己の誇りのため、
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語り手はウォール街の一角で法律事務所を営む年配の男。彼はターキーとニッパーズというあだ名の二人の筆耕と、ジンジャーナットというあだ名の雑用係の少年を雇っていたが、仕事が増えてきたために新たに代書人を雇い入れることにした。募集広告に応じてやってきたのは、バートルビーという名の、品はいいがどこか生気に欠けた青年。彼は、当初は非凡な量の筆耕をこなしていたが、しかしあるとき所長に呼びかけられて、書き写したものの点検のための口述を頼まれると、「せずにすめばありがたいのですが」とだけ言って再三の頼みを拒否する。ウォール街の法律事務所で雇った寡黙な男バートルビーは、決まった仕事以外の用を言いつけると「そうし
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18世紀末、若きフォアトップマン、ビリー・バッドは、商船ライツ・オブ・マン号から、英国軍艦ベリポテント豪に強制徴用された。強制徴用とは、対ナポレオン戦争の時に、絶対的に水夫が不足していたイギリスが、商船や酒場から、拉致するようにして水夫を集めた、かなり無茶なやり方だった。人材不足が極まった時は、囚人を水夫に採用することもあったそうだ。本意で集められたわけではないため、水夫の反乱も起こっている。文中でもノア湾での反乱について言及されている。つまり、強制徴用した船の船長や、もとからいた乗組員には、強制徴用された水夫達に対して、もとから不信感があった。
その事を前提にすると、ビリーの行為に対す -
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ネタバレ著者のメルヴィルさんは、1819年、NYで生まれ、ここに収められた2つの作品は、代表作『白鯨』(1851)のあと、「書記バートルビー」(1853)、漂流船(1955)ー30代前半に、書かれたそうです。
時代設定が気になるので、解説を少し見てから読む。
1953年とは、ペリー来航の年だ。アメリカは、建国からどれぐらい発展してたのだろう。
トクヴィルの本は、出版は1935年だ。リンカーン大統領の奴隷解放宣言は1863年。
_かくして「漂流船」という作品は、南北戦争直前の時期に出版されていながら、奴隷制の本質をすこしの弛緩もなく描いているだけでなく、一般の白人層には直接的に反発させないだけの -
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アッシャー家。旧家。陰鬱な森にある不気味な屋敷。代々、遺伝病。家の娘が不治の病で死亡、死体を地下室に安置。1週間後、嵐の夜、地下室から不気味な物音。見てみると、娘は生きていて、血まみれで立っていた。赤い満月の下、屋敷は崩れ去り、深い沼の中に消えていく。エドガー・アラン・ポーPoe『アッシャー家の崩壊』1839
〇ロデリック。アッシャー家の当主。
〇マデリン。ロデリックの妹。
「私」。黒猫を飼っている。ある日、酒に酔った勢いで、黒猫の片目をえぐりとる。また別の日、黒猫を縛り首にして、木にぶらさげる。その夜、家が火事になり、焼け跡の壁に猫の形の印影が残っていた。しばらくして、別の黒猫を飼い始める -
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モービイ・デックが哀れだ。
何故こんなに漁師達の目の敵にされて、追いかけ回され銛を投げ付けられなければならないのか。
読み終えて、底なしの虚無感に襲われる。
激闘が終わって船長エイハブは死に、白鯨モービイ・デックは多くの銛や絡まる綱を引き摺りながら全身に傷を受け、満身創痍で広い大洋のなかを彷徨う。
怒るモーデイ・ビックの反撃で、エイハブは帰りを待つ若い妻と娘を残してボートと共に海の藻屑と消える。すべてを見届けて語り部となるイシュメール以外、乗組員は皆因縁の死闘に巻き込まれて、それぞれの人生を強制的に遮断される。
ピークオッド号はナンターケットから半年かけて大西洋やインド洋を通り日本沖で漁を重ね