メルヴィルのレビュー一覧

  • 白鯨 下

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    有名な古典なので展開は分かっていましたが、人物紹介で滅茶苦茶ネタバレしてるのは驚きました。しかし、途中で捕鯨や鯨に関する解説が高頻度で入るので(なんならそっちの方が分量多いのではないかと思うほどです)、むしろ先の展開を知っていたほうがストレスなく読める作品だとは思います。

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    2025年09月16日
  • 白鯨 下

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    ネタバレ

    面白かった。
    船に乗るまでは語り部として明確にこちらに物語を伝えていたイシュメールの存在(自我というべきか)がいつのまにか消えほとんど三人称の小説のようになっているのに時折思い出したように「わたし」が戻ってくるところなどそれこそまさに浮き上がっては沈む鯨のようで、おそらくはそのような広い意味でも鯨が主人公の小説なのだろうな、と感じた。
    序盤の陸上での物語の中のイシュメールとクィークェグの友情(というには描写が濃すぎないかと思ったが、実際同性愛関係として見られている向きもあるらしい)、エイハブの己の狂気を自覚してなお止まらぬ狂気的な復讐心、そしてそれらを全て押し流すように、いとも簡単に何もかもを

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    2025年04月13日
  • 白鯨 上

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    とてもボリュームのある作品。あらすじは比較的単純だが、哲学的思想が散りばめられていて考えさせられる。聖書やギリシア神話からの引用が多い(岩波文庫版は、注が物凄く詳しい)上、くじらに関する専門的な記述も多い。池澤夏樹は、『白鯨』は、データベースであると言っているが、それはあくまでもくじらに関してだけ。この作品の魅力はそんなデータベースにある訳ではない。くじらが好きなので、そのくじらのデータベースも魅力的なのだが。

    1851年にアメリカで書かれた文学作品が、現代政治を読み解く装置としても働いている。不思議で奥深い作品だ。サマセット・モームが世界の「十大小説」に選んだことだけのことはある。1851

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    2025年02月24日
  • 白鯨 下

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    ネタバレ

    片脚を奪った白鯨への私怨に駆られ狂信者の如く振る舞う船長エイハブと航海士スターバックの対立を始め物語は俄に動き出しやがて読者の脳内演出力を試す圧巻の山場へ突入。その時小生が乗る通勤列車は荒波に呑まれる捕鯨船と化した

    様々な人種で構成されるピークオッド号はアメリカ合衆国の象徴と考えられるが白鯨は一体何を表しているのか。個人的にはまるで万物の長でもあるかのように驕り高ぶる人間に対しての神の怒りではないかと思ったのだが果たしてどうだろう

    首にロープが巻きつき海へ引きずられて絶命するエイハブの最期が印象深い。或る意味彼らしい死に様と云える

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    2025年02月17日
  • 白鯨 中

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    話が面白いのは勿論のこと、だんだんイシュメールが好きになってきた。
    初めは、ストーリーの合間に入るイシュメールの鯨に関する解説を面倒くさく感じていた。
    だけど「これ鯨オタクの早口だな」と思ったらめちゃくちゃ面白くなった。超強火レヴィヤタンオタク。
    82章「捕鯨の名誉と栄光」は最早笑った!汝は捕鯨者!!

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    2025年02月12日
  • 書記バートルビー/漂流船

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    バートルビーだけ読んだ。
    「そうしない方がいいと思います」

    バートルビーは一般社会の人間からするととてもおかしな人に見えるけど、本当にそうなのかなあと考えたり、雇い主である語り手のバートルビーに対する態度が複雑で、でも分かる気がする感じがしたり。届かなかった手紙を処分する郵便配達人だった過去も意味深。喜劇要素が絶妙で、どんどん読めてしまう。

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    2024年06月02日
  • 白鯨 上

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    現在手に入れることができるのは、講談・新潮・角川・岩波になる。
    訳・挿絵・注釈・図解どれをとっても岩波が秀でている。
    値段を見ると新潮・角川に流れたくもなるが、ぜひ岩波版を手に取ってみて欲しい。

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    2023年08月08日
  • 白鯨 下

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    ここまでついてきた読者へのご褒美のような面白さ。恐怖も興奮も無常感も全部載せ。そして相も変わらず怒涛のボリュームでお送りされる鯨の知識知識!読者がエピローグを読み終える度に新たな鯨博士が誕生するのだ。夏休みにおすすめ!爽やかさとは程遠い閉塞感のある海の旅を楽しめる。「閉塞感」と表現してしまったが、『87章、無敵艦隊』のような心温まる章もあるよ!!

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    2022年07月30日
  • 白鯨 上

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    壮大で長大で長大(大切なことなので2回言う)な物語の序章。この物語を読むときには栞を2本用意しよう!本編用と注釈用の2本だ!油断していくとメルヴィルの鯨油のように滑らかな蘊蓄に呑み込まれるぜ!

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    2022年07月30日
  • 白鯨 下

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    ついに読み終えた。旧約聖書をなぞらえつつ、白鯨と狂気に満ちた船長エイハブとの闘いを描く壮大な物語。実際の闘いのシーンはごく僅かだが、そこに至るまでの過程、逸話、そして捕鯨にかかる数々の話が散りばめられている。何度か読まないと真に味わえ尽くせないであろう古典。

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    2022年01月30日
  • 書記バートルビー/漂流船

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    雇い主の弁護士の善意も常識もまったく通じないバートルビー。こんな人物が現実に現れたら、私も翻弄され、ただ腹を立てるだろう。人間社会のルールに従わないと、生きる権利を失う世の中。説明可能な言動以外は許されない。人間が常日頃、いかに四角四面の生き方を強いられているかを実感した。

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    2022年01月14日
  • 白鯨 上

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    再読。ちまちま読んでたら3ヶ月もかかったが、この規格外のスケール感を味わうにはそれくらい必要かもしれない。

    捕鯨船船長エイハブが宿敵である白鯨を仕留めるため航海に出る、という一応の筋はあるものの、そこに収まることなく脱線に脱線を重ねる。本筋は一向に進まず脱線が主役になるが、その脱線こそが作品の面白さでもある。
    鯨の分類に一章を費やし、捕鯨道具の説明が延々と続く。鯨に関わることなら全てを書き記す勢いで、言ってみれば鯨を中心にした、あるいは鯨を通した世界の記述。ここでは世界の中心は鯨であり、鯨を中心に世界は動く。
    この世界観の大きさがとにかく尋常でない。物語はともかく、膨大な蘊蓄と雑学と逸話で彩

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    2022年01月10日
  • 白鯨 上

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    ついに学生時代から読みたいと思ってずっと手付かずだった白鯨を読んだ。まだ上巻。ところどころ聖書になぞらえた人物が出てきて、この後の壮大な物語を予感させる。早く中巻を読みたい。

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    2021年12月20日
  • 白鯨 下

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    岩波文庫中巻、登場人物紹介の欄におもいっきり結末のネタバレ書いてあってワロタ。
    週間少年「」のインタビューで藤子不二雄Aさんが絶賛していたので、あの人を作った本だと思うと感慨深かった。

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    2021年09月02日
  • 書記バートルビー/漂流船

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    これは面白かった。バートルビーのおよそ理解できない行為。バートルビーを許すどころか助けようとする雇用主。同僚たちの奇行。謎解きのように語られる過去。それでも理解は進まない。こんな不可解な話なのに先を読まずにいられない。
    漂流船は実話にもとずく作品だが、巧妙に仕掛けられた作者の罠によって、疑心暗鬼を深める。そして最後のどんでん返し。やられました。

    原題:BARTLEBY,THE SCRIVENER/BENITO CERENO

    書記バートルビーーウオール街の物語
    漂流船ーべニート・セラーノ

    著者:ハーマン・メルヴィル(Melville, Herman, 1819-1891、アメリカ・ニューヨ

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    2019年10月31日
  • 白鯨 下

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    下巻
    そろそろモービィ・ディックを追いかけないと最終巻だよ!…などという読者の思いはどこへ吹く風、相変わらずの鯨語り(笑)。
    上中巻でさんざん鯨語りしたから下巻では物語が進むかと思ったら、まだまだ作者は語り足りなかったらしいく、もっと語るぞ!という決意表明?までしている。
    「わたしは鯨に関する研究に労を惜しまない人間だ。わたしは鯨のもっと深い所を読者にお目に掛けよう。ところでイシュメールよ、一介のボート漕ぎにすぎないお前がそんなことができるのかね?」などと自問自答しているし、「鯨の血液内の細胞さえ見逃さないぞ!」「壮大な本を書くためには壮大な主題を選ばねばならない、それが鯨だ!」「鯨を考古学化

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    2023年06月05日
  • 白鯨 上

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    児童用の簡易訳は読んだ。グレゴリー・ペックの映画も観た。「スナック モビー・ディック」と「スターバックスコーヒー」が向かいに建っていてどっちが勝つんだとか思ったこともある。(「モビー・ディック」が先に閉店した)
    しかし今まで手を出せなかったのは、
     この作品は小説でなくて捕鯨の論文だとか、
     いや小説や論文といったジャンルですらなく「白鯨」というジャンルだ、とか、
     キリスト教の隠喩が多いとか、
     難解だ~、
    などという噂ばかりを聞いてちょっと手を出しづらくて。
    しかしいつまでも恐れていてもしょうがない、今こそついにと手を出してみた。

    冒頭は主要人物紹介で誰がどうやって死ぬとかネタバレ状態、

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    2021年01月17日
  • 白鯨 下

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    2ヶ月かかった。この本に出会わなければ、私が鯨や捕鯨船に興味をもつことはまずなかっただろう。メルヴィルの描写の力強さ。白鯨を追ったエイハブ船長、スターバック、スタッブといった航海士、クイークェグの生き方から、私は何を感じるべきなのか。今はまだ圧倒されるばかりで。死をも恐れずに突き進み、生ききった男エイハブ。こんな肯定的な見方をすべきではないのだろうけど、それも1つの生き方だ。私は何にこの命を捧げよう。何に対してなら、豪雨にも消せない燃え上がる情熱を生み出すことができるだろう。
    白鯨には、聖書の引用や世界中の名称が数多く登場する。私はまだまだ世界を知らなすぎる。自分の目で、耳で、肌で感じたい。そ

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    2019年04月11日
  • 白鯨 中

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    ネタバレ

    捕鯨の仕方、鯨の頭の中の構造と油、他の捕鯨船とのやりとりなど、捕鯨と鯨に関する情報。

    全然知らなかったけど、油そんなにあるの。
    あと、目と耳が隣なの。

    ハーレムみたいに移動してるオスもいるとか。

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    2018年05月15日
  • 書記バートルビー/漂流船

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    両作品ともミステリー仕立てのように読んでみると面白いと思う。特に書記バートルビー。不条理の世界に生きているかのように描かれるバートルビーだが、実はこの世の中そのものが不条理であったのだという真実が明かされるのが鮮やかだと感じた。

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    2017年07月08日