メルヴィルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言わずと知れた名作、同時に難解との評がつきまとう。よって気難しい文体を知らず知らず想像していたのだが、読み始めて早々、むしろ饒舌な文体に面食らった。
しかし確かに捉え所がない。現代の読者からすると、ド頭から「食人種」のあまりに不適切な描き方にやや閉口し、同時にその現実味のなさから写実的に受け止めることをやめてしまう。そのため中盤以降に怒涛のように展開される捕鯨や海洋についての蘊蓄は「本当か〜?」との思いで漫然と頁を繰るだけになってしまう。そうこうしているうちに対峙する白鯨との闘いそのものは、存外あっけない。
なんとなく、狐につままれたような気持ちで本を閉じた。この作品は、何を伝えたかったのか? -
Posted by ブクログ
どこかでオススメとして紹介されていた本。
ハーマン・メルヴィルははじめて読んだ。
作品もモビーディックしか知らないし、なんか怖そう&暗そうな作品としか知らなかった…。
本書も不穏な終わり方をするらしいことははじめからチラチラと提示されている。
ストーリーは短いし、実際かなり薄い本なのだけど、前半は作者自身が言うように、舞台装置の説明以外のことでも寄り道が多くて、なかなかストーリーが動き出さないのでちょっと退屈でした。
そのぶん、中盤でストーリーは突然トップギアに入り、そのままブンブンと突き進んで終了。
え、えー。不穏は不穏だけどそういう方向なんだなあ…。
登場人物三人がオセロそのまん -
Posted by ブクログ
読んでいる時の面白さは勿論として、読むことで知ったこと(知識)や感じたこと(感情)を記録し、纏めて整理するために考える(思考)、その過程や結果の記録として、記憶に残すためにこの文章(書評)を書いている。そしてこれを書くことの意味を強く感じる。
この小説は鯨や鯨漁ついてあらゆる角度から分析されていてその知識量たるや膨大である。特にマッコウ鯨のことについて、餌としてのオキアミやダイオウイカのこと、頭から噴き出す噴水のこと、セミ鯨との比較、そして世界の海でどのように生息しているかなど、とにかく詳しく描写されている。鯨の生態学の本のようだ。あとはキリがないので省くことにする。
モビー・デックの独特の白 -
Posted by ブクログ
午後になると攻撃的で雑になるターキー。
午前中は消化不良を起こすニッパーズ。
そして、お菓子を調達するのが大好きジンジャーナット。
その時点で、なかなかハードな職場だなーと思うのだけど、新たに雇ったバートルビーがヤバい。
最初は、誰よりも静かに黙々と仕事をこなす、優等生のように思えたのだけど。
雇用主の「この仕事をしてくれ」という申し出に、「いえ、私はそれをしない方がいいと思います」と断り続ける辺りから、世界は不協和音を奏ではじめる。
後の「漂流船」でも、奴隷というテーマを扱っているのだが、確かに雇う側と雇われる側というのは、不公平な関係性ではある。
「バートルビー」の雇用主は、なるべ -
Posted by ブクログ
大好きな歴史漫画『風雲児たち』にて、漂流していたジョン万次郎一行を救出した捕鯨船のことをふと思い出した。作者のみなもと太郎氏曰く、欧米のクジラ漁は燃料に使われる鯨油(げいゆ)確保のためだけで、日本のような肉目的ではなかったという。
今ではその史実を棚上げ、わが国の捕鯨を批判する傍らで本書を米文学の名著だともてはやす。こればかりはアメリカという国がよく分からん…笑
まぁ何だかんだ言って夏っぽい作品だし、同名のジェットコースターがあるくらいスペクタクルっぽいし…ということで、世間の夏休みに便乗して自分も航海に出た。
主人公イシュメールが、宿屋が満室だったため先客で銛手(もりうち)のクィークェグと