メルヴィルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言わずと知れた世界文学史上に残る名作、その新訳。
いやはや、面白いです。上巻は語り部・イシュメールの自己紹介に始まり白鯨・モービィ・ディックについての叙述で終わる、いわば導入編ですが一気に読み進めてしまいました。
とにかく登場人物がいい。主人公、というよりもどこまでも諦観的な語り部であるイシュメール、その親友となる「高貴なる野蛮人」クィークエグ、そして何より狂熱と知性を併せ持つ復讐の鬼・エイハブ。衒学的、かつ時に冗長ですらある語り口が、かえって彼らの個性を際立たせています。「主要登場人物」に記載された以外の人物――元船乗りのマップル牧師、不吉な預言を残す謎めいた男・エライジャなどなど、彼ら -
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上巻は出航まで。中巻では未だモビー・ディックに遭遇せず。大半は鯨に関する論文とエピソードで、物語は殆ど進展せず。これは「小説」というよりは「鯨の本」としか言いようがない。
冒頭の主要登場人物の欄には、以下の説明があるが、イシュメールは捕鯨船初乗船の設定なので、鯨について語り続ける主体は、メルヴィル自身としか言いようがない。この視点が揺れ動く点からも「小説」っぽくはない。が、そんなことはどうでも良いくらい独特の本。
“イシュメール
物語冒頭に語り手として登場するが、「第一人称の語り手」の分限を遵守するのは第二二章まで。あとはピークオッド号での役割を最小限度に果たしながら、船上の出来事や洋上の -
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捕鯨船と鯨の生態を詳細に語る誰もが知る名作だが、かなり読みづらかったのは古い訳だからだろうか。さまざまな形容が奥深い反面長文で、主語と述語が離れすぎていて理解に時間がかかった。もちろん当方読み手の知識不足も否めないが。ふりがながなかったら読めなかっただろう漢字も多く、この頃(この文庫初版発行は昭和31年)にこの本を読んだ人たちは、こういう漢字に慣れていたのかという感慨も。
鯨が巨大であることからくる、捕鯨船のさまざまな機能と苦労、命がけの船員たちの日常、鯨を捕獲する時に、ボートの回りを並走する鮫の様子、さまざまな国や地域から集まった人々が、差別用語は飛び交うものの、案外根底では分け隔てなく接し -
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「白鯨」を読む前にメルヴィル(の薄い本)を試しに読んでみようと手に取った。死後大分経ってから発表された遺作。
筋書きとしては、好青年の船乗りビリー・バッドが戦艦(帆船)に強制徴用され、みんなから愛されるも、先任衛兵長に嫉妬から「ビリーは反乱を企てている」と虚偽の告発を受け、吃音でうまく反論出来ず、つい殴ってしまったら、先任衛兵長が死んでしまい、軍法会議で死刑判決を受け、死の間際、「ディア艦長に祝福あれ」といい、絞首刑なのに痙攣もせずに昇天する、というお話。
お話はシンプルだし、頁数もすくないのだが、とても話の脱線が多く読みやすくはない。「白鯨」読み通せるだろうか。。 -
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言わずと知れた名作、同時に難解との評がつきまとう。よって気難しい文体を知らず知らず想像していたのだが、読み始めて早々、むしろ饒舌な文体に面食らった。
しかし確かに捉え所がない。現代の読者からすると、ド頭から「食人種」のあまりに不適切な描き方にやや閉口し、同時にその現実味のなさから写実的に受け止めることをやめてしまう。そのため中盤以降に怒涛のように展開される捕鯨や海洋についての蘊蓄は「本当か〜?」との思いで漫然と頁を繰るだけになってしまう。そうこうしているうちに対峙する白鯨との闘いそのものは、存外あっけない。
なんとなく、狐につままれたような気持ちで本を閉じた。この作品は、何を伝えたかったのか? -
Posted by ブクログ
どこかでオススメとして紹介されていた本。
ハーマン・メルヴィルははじめて読んだ。
作品もモビーディックしか知らないし、なんか怖そう&暗そうな作品としか知らなかった…。
本書も不穏な終わり方をするらしいことははじめからチラチラと提示されている。
ストーリーは短いし、実際かなり薄い本なのだけど、前半は作者自身が言うように、舞台装置の説明以外のことでも寄り道が多くて、なかなかストーリーが動き出さないのでちょっと退屈でした。
そのぶん、中盤でストーリーは突然トップギアに入り、そのままブンブンと突き進んで終了。
え、えー。不穏は不穏だけどそういう方向なんだなあ…。
登場人物三人がオセロそのまん -
Posted by ブクログ
読んでいる時の面白さは勿論として、読むことで知ったこと(知識)や感じたこと(感情)を記録し、纏めて整理するために考える(思考)、その過程や結果の記録として、記憶に残すためにこの文章(書評)を書いている。そしてこれを書くことの意味を強く感じる。
この小説は鯨や鯨漁ついてあらゆる角度から分析されていてその知識量たるや膨大である。特にマッコウ鯨のことについて、餌としてのオキアミやダイオウイカのこと、頭から噴き出す噴水のこと、セミ鯨との比較、そして世界の海でどのように生息しているかなど、とにかく詳しく描写されている。鯨の生態学の本のようだ。あとはキリがないので省くことにする。
モビー・デックの独特の白