上田早夕里のレビュー一覧

  • 夢みる葦笛

    Posted by ブクログ

    「夢みる葦笛」
    「眼神」
    「完全なる脳髄」
    「石繭」
    「氷波」
    「滑車の地」
    「プテロス」
    「楽園〈パラディスス〉」
    「上海フランス租界祁斉路三二〇号」
    「アステロイド・ツリーの彼方へ」
    どれも、人間とは?と問いかける考えさせられる深いお話しばかりです。かと言ってまったく難しくなく文章のうまさと物語のおもしろさに引き込まれます。

    0
    2024年05月15日
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1439年から描かれる播磨国の式神(あきつ鬼)と薬師(⇨陰陽師?)兄弟の物語、神話の世界を彷彿させる切な系の物語、おそらく嘉吉の変に結びつくのだろう
    医術の才溢れる律秀(兄)と子どもの頃より妖が見える呂秀(弟⇨二人合わせて「呂律」)が病や変事を薬や祈祷で解決し銭を貯めている(目的がある様だ)
    呂秀が出会った鬼(あきつ鬼)と奇妙な五女関係、一巻目はプロローグ、二巻目は大中臣有傳の存在が意味を成し三巻目は・・・楽しみ

    0
    2024年05月13日
  • 美月の残香

    Posted by ブクログ

    作者のSFが好きで、何の予備知識なく読んだ。
    最初は「なんだ恋愛小説か」と読むのをやめようかとも思った。
    が、結局最後まで引き込まれました。
    体臭は人それぞれ、同じものはない。匂いの記憶は鮮明に刻まれている。

    すごく不思議なお話でした。

    ただ、義兄のセリフ、態度には読んでいてイライラしました。

    0
    2024年05月08日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

    Posted by ブクログ

    あきつ鬼の本来の姿はどんなものなのか
    恐ろしいものだとしても、呂秀たちはもちろんあきつ鬼自身も戻ることを望んでいないように思うから、ガモウダイゴは引っ掻き回さないでほしいな
    世を呪うようになってしまった背景を知ると同情心がわいてしまうけれど
    まだまだ先がわからない不安な状態で終わってしまった…早く続きを!

    0
    2024年03月17日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

    Posted by ブクログ

    【収録作品】突き飛ばし法師/縁/遣いの猫/伊佐々王/鵜飼と童子/浄衣姿の男

    室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす薬師の律秀と僧の呂秀。二人は陰陽師でもあり、術者として優秀なのは律秀だが、異形の者が見えて会話できるのは呂秀。呂秀は式神・あきつ鬼を使役している。舞台となるのは、「嘉吉の乱」前夜の播磨国。

    敵方登場。

    0
    2024年03月08日
  • 薫香のカナピウム

    Posted by ブクログ

    〈人とは何か〉
    『華竜の宮』で「海に生きる」ために魚と融合した人類をテーマとした作者が、今度は「森で暮らす」人類の姿を描いた。
    林冠生物の暮らし、そのために高めたことと捨てたこと。
    そしてその背後には作為的な操作が見え隠れする。
    「生物とは何か」
    「自然とは何か」

    解説で「風の谷のナウシカ」を持ち出していたが、映画ではなく原作漫画のナウシカの世界観とよく似ている。

    〈華竜の宮〉シリーズのようにここから先の広がりはあるのか……。

    0
    2024年02月18日
  • 深紅の碑文(上)

    Posted by ブクログ

    「華竜の宮」の続編
    新たな登場人物の活躍、海の民の未来・・・
    「華竜」がかなりおもしろかったので、ちょっと焦点を当てる人物が多い気がして、いまいち物語に没頭できなかったかな。
    また時間軸がいったりきたりするので、ちょっと混乱します。
    ただ、小松左京を彷彿とさせる科学設定はさすがです。
    本格SFが読みたい人にはお勧めです。

    0
    2024年01月15日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

    Posted by ブクログ

    播磨国妖綺譚の第二弾。読切かと思って手に取ったら思いっきり続きものだった。先が気になります。あまり室町時代にフォーカスを当てた話を読んだことがあまりなかったので新鮮でした。まだ応仁の乱も始まってない頃の話ですが、かなり血腥い感じです。イメージ通りというか。
    この話がどういう顛末になるのか、次が出たら必ず読みます。
    他の方も書かれてますがネコの神様がかわいい。

    0
    2024年01月12日
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記

    Posted by ブクログ

    陰陽師だけれど妖が見えない医者の兄と妖が見える坊主の弟。対称的だけれど二人が力を合わせることで、力を発揮できる。
    陰陽師としては、圧倒的な力を持たず、怪異の背景と原因を解き明かすことで、禍を祓う。
    力のある鬼はなぜ呂秀を新しい主に選んだのか?力の不均衡は、これからどうなるのか?蘆屋道満の子孫という出自も含めて、今後に期待。

    0
    2024年01月07日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

    Posted by ブクログ

    「私は仏の言葉を伝える者であって、自身が仏なのではありません」(p.161)

    真言宗の坊主は自身が仏になるために修行するんじゃないんですかね?
    絶対者たる大日如来と衆生の間を取り持つ預言者であると自認してる?

    まぁ、所詮はファンタジーだし、当たり前に三部作になるようではあるけど、なんだかなぁ、と思う。

    0
    2024年01月06日
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記

    Posted by ブクログ

    陰陽師の兄弟が怪異を倒すのではなく、解きほぐすタイプの連作。弟が使役する式神がグロテスクな化け物なのが、時代に逆らってる感じか。美形か、美形の人間体を持つのが今時でしょうが。もっとも、この化け物はいい味を出しているのだが。

    0
    2023年12月28日
  • 華竜の宮(下)

    Posted by ブクログ

    これは、おもしろかった。
    ラストシーンがいいですね。壮大で我々人間って本当にちっちゃな存在だな。と痛感します。

    読み終わってみると「地球」という惑星の物語だったのか。人間がどう生き残り、どうすればいいのかなんてエゴは地球には関係ない。
    ただ、生き物は生きるために動き、喰らう。
    なんか清々しい気持ちになった物語でした。

    0
    2023年12月26日
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記

    Posted by ブクログ

    これはSFなのか時代小説なのか?主人公と式神の関係は、昔読んだ「うしおとトラ」を思い出させた。この作品も、今後、壮大な話になっていくのだろうか?

    0
    2023年12月24日
  • 破滅の王

    Posted by ブクログ

    『上海灯蛾』が面白かったので、上海三部作と言われる第一作目を読んでみたけど、『上海灯蛾』よりずいぶん読みにくかった。主要な人物のエピソードをもっと掘り下げて読みたかった。

    0
    2023年10月31日
  • 獣たちの海

    Posted by ブクログ

    25世紀、陸地がほとんど海に沈んだ時代の物語

    海上民と陸上民に別れ、海上民は「魚舟」と呼ばれる人工生物を操りながら暮らすと言う設定

    現実でも起こっている文化や差別、貧富、マイノリティの問題、争いをリアルに描かれていました

    昨今の異常な気象を考えると、海面上昇は現実に起こっているし、「魚舟」のような人工生物まで作り出せるからわからないけれど、これも人間のDNAを改変して、生殖機能を改変して作り上げられたもので、人間は追い詰められると、そう言うことを平気でやりかねないよなぁ、と感じたりもしました

    「魚舟」が野生化したり、テロ組織のような集団ができてしまったり、とにかく人間本質的な部分は、ど

    0
    2023年09月28日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

    Posted by ブクログ

    タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
    過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。

    各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。

    5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
    「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまう

    1
    2023年07月29日
  • 破滅の王

    Posted by ブクログ

    SF作家の上田さんが「戦争と科学」をテーマに掲げて挑んだ歴史長編。「上海灯蛾」が出たばかりの上海租界三部作の第1弾で、直木賞候補にもなった。冒頭で731部隊が絡む話だと分かるが、前振りがちょっと長い。細菌兵器をめぐる諜報戦が展開される中盤以降も派手さはなく、ノンフィクションを読んでいるようだった。でも戦争小説はそれでいい。

    0
    2023年07月10日
  • 魚舟・獣舟

    Posted by ブクログ

    ずっと気になっていた上田早夕里さんのオーシャンクロニクル・シリーズ。いきなり「華竜の宮」といきたいところだけど、まずは順番通り中短編集の本作から。とは言えリンクするのは表題作の1編だけ。ほんのさわりだけという感じながら、陸地の大半が水没した未来の地球を舞台にした独特な世界観は味わえた。他も妖怪探偵シリーズに繋がる「真朱の街」、デビュー長編「火星ダーク・バラード」の前日譚という読み応えある中編「小鳥の墓」、ゾッとするバイオ・ホラー「くさびらの道」など粒揃いで、様々な形態のSFを楽しめた。

    0
    2023年06月04日
  • 魚舟・獣舟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    魚舟
    ウォーターワールドみたいな世界。プラス、人が魚に進化?する。海と陸で生きるものの葛藤みたいな。。
    壮大だけど、初期設定が広大過ぎてまとまりがない気がする。

    くさびらの道
    九州に真菌感染症が発生。キノコが生えて死者多数。
    近い人を見せる菌の成分で被害拡大。

    饗応
    AI ロボットの束の間の休暇。

    真朱の街
    子どもが妖怪に拐われて百目鬼と探索。

    ブルーグラス
    海に沈めたドームグラスを探しに行く。

    小鳥の墓
    未来。教育特区に馴染めず外の世界に染まる少年。最後は殺人を繰り返す。

    総じて初期設定は面白い。ただ、人間の残念な所は変わらない、、なんか後味が悪い。
    読んじゃったけど。

    0
    2023年06月03日
  • 魚舟・獣舟

    Posted by ブクログ

    不思議な非現実的なストーリーの世界観であり、一方で説得力のある内容であるため、読み終えた後になんとも言えない満たされない気持ちが残る笑(読めば共感してくれるのではと)。読む中で、ストーリーの背景・設定にあるメッセージ性を強く感じた。個人的には、作者の思いをあまり感じず、考えずに、ストーリーの世界を想像しながら読みたい派なので、ここは好みが分かれる気がしたが、読み応えがあることは間違い無く、評価も高いことも納得。

    0
    2023年06月02日