上田早夕里のレビュー一覧

  • 破滅の王

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    満州を統治していた日本の研究所
    へ希望を持ち科学者として渡航した宮本。
    戦時下とは思えない研究所での平穏な日々
    同僚の六川や中国人研究者との交流は
    宮本の研究への刺激となっていった。
    そんな日常から一転友人の六川が失踪
    してしまう。
    宮本の人生も戦火に巻き込まれ、思っても
    居ない戦争がもたらした人間の狂気の渦に
    巻き込まれて行く。
    一度、人の手に武器となる物が渡って
    しまうと人間はそれを使って正義を唱え
    要とするが、それは諸刃の剣でもある。
    正義なのか悪なのか、戦争はそれさえも
    凌駕してしまう。

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    2023年05月12日
  • リリエンタールの末裔

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    ネタバレ

    「リリエンタールの末裔」★★★
    「マグネフィオ」★★★
    「ナイト・ブルーの記録」★★★
    「幻のクロノメーター」★★★

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    2023年08月31日
  • リリエンタールの末裔

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    300ページで四篇の短編集
    表題作は、『華竜の宮』から続く上田早夕里さん独自の未来世界を描いたもの。
    海上都市民と山岳民族の軋轢のなかで、「空を飛ぶ」という憧れに向けて進む主人公の強さが印象的。この世界は次に第4作『深紅の碑文』へつながる。

    その他の短編で、お気に入りは
    「ナイト・ブルーの記憶」
    人と機械(AI)の結びつきを、SF風ではなく心理的アプローチから神秘的な世界へとつなげている。

    表題作以外の3作品にはハッピーエンドもバッドエンドもない、淡々としたエンディングではあるが、不思議な余韻を味わうことができた。

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    2023年03月06日
  • 夢みる葦笛

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    ある時から急に街中に現れるようになった、イソギンチャクのような頭を持つ妙な生物。不思議で美しい曲を奏でる「それ」は、見る間に増えていった。
    美しい歌声を持つ「それ」は人々を魅了してゆくが、亜紀は彼らが引き換えに人間から大切な何かを削り取ろうとしているような不快感を覚えていた(表題作)

    SFを中心にホラーやファンタジー味のある10作を収録した短編集。
    何処にもいないような異形の存在や未知の生物、人間に近いような人工知性などを本当にあるようなリアリティで描いていて、私たちが実際に住む世界とは全く違うのに没入感が高いです。イソギンチャクのような奇妙な生物が歌う繁華街、幼馴染の背後に蠢く赤い手、凶暴

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    2023年03月02日
  • 獣たちの海

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    中編「カレイドスコープ・キッス」が最も好きだ。長編を読んだ時の感覚に近くて。途中で泣いてしまった。
    多くの望みは叶わず、憤懣は届かないが、前を見据えて力強く、誇り高く生きる外洋の海上民と、違う生き方を選んだ中でも両者にとって最善の選択を模索する海上都市の海上民のあり方は、涙が出るほど清々しい。
    本シリーズの長編がいつかまた読めることを切に期待しています。

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    2023年01月10日
  • 獣たちの海

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    短編集。オーシャンクロニクルシリーズというらしい。
    華竜の宮読んでから随分すぎてもうストーリーも全然覚えてないこともあって、なんだか、サイドストーリーみたいなんかと思いながら。
    さして感情移入もできず、同人誌的なイメージで終わった。

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    2022年11月20日
  • リラと戦禍の風

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    魔物より魔物らしい人間と、人間になりたい魔物と、人間のために魔物になる人間と。虚構を通じて伝わるは信条とは何か、人の愚かさ、そして未来。この世は有史以来の魔物の巣窟なんだろうなぁ。

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    2022年10月12日
  • 獣たちの海

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    〈オーシャンクロニクル・シリーズ〉の番外編的な短編集。唯一の中編である「カレイドスコープ・キッス」を除けば、筋があるにはあるがスケッチ的な作品で、これだけ読まされても「なんだこれ?」的な感想しか抱けないかも知れない。シリーズの長編を読んでいると雰囲気が掴めると思うんだけどね。

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    2022年03月01日
  • 妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~

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    妖怪ミステリーなんでしょうか?さほどマニアックな妖怪は出てこないのでとっつきやすい。作者さんの華竜の宮が大好きでこちらも読んでみたけど、こちらは”ハヤカワSF”でなくて、”講談社ノベル”って感じ。

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    2022年01月05日
  • 妖怪探偵・百目3~百鬼の楽師~

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    妖怪もののエンディングは難しいですよね
    個人的には楽しめました
    この内容だとアニメにしたら見応えがあるのでは…

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    2021年08月26日
  • 妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~

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    上田さんの作品は、「華竜の宮」を最初に手に取り、次にこの本を読みました
    最初に読んだ作品からは、妖怪のイメージは難しいですね…嫌いではないですけど
    第1巻のこの本は、あくまでも2巻目の布石的な位置づけ?
    正直、主人公が誰なのか、私にはよく分かりません(苦笑)
    多分、2巻目以降で色々と解き明かされていくのでしょう
    楽しみです

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    2021年08月11日
  • 妖怪探偵・百目3~百鬼の楽師~

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    1巻を読んで戸惑い、2巻でやっと慣れ、最終巻の3巻では、妖怪探偵らしさと、相良くんの主人公らしさも楽しめました。妖怪らしい戦い方が愉快

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    2021年06月14日
  • 妖怪探偵・百目2~廃墟を満たす禍~

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    これはこれでおもしろいと思うんだけど、タイトルから予想してたのとかなり印象が違うので、2巻になってもまだ戸惑っている。敵役かと思われた播磨遼太郎はほぼ主役、主人公かと思われたナントカくん(名前が出てこない)は空気。とりあえず内容はおもしろいので、3巻でどう完結するのか楽しみ

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    2021年06月14日
  • 破滅の王

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    第二次世界大戦を舞台にした、細菌兵器の製造と研究者の在り方をめぐる物語。
    なかなか物語の流れを掴めなかったけど最後まで読みたいと思うぐらいには面白かった。

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    2021年06月12日
  • 夢みる葦笛

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    ネタバレ

    「夢みる葦笛」★★★
    「眼神」★★★
    「完全なる脳髄」★★★
    「石繭」★★★
    「氷波」★★★
    「滑車の地」★★★
    「プテロス」★★★
    「楽園〈パラディスス〉」★★★
    「上海フランス租界祁斉路三二〇号」★★★
    「アステロイド・ツリーの彼方へ」★★★

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    2024年02月08日
  • 魚舟・獣舟

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    華竜の宮を読もうと思い、こちらを先に読むと世界観がわかりやすいということで読みました。私にとっての初の上田早夕里作品です。
    ※著者の上田先生いわく、「魚舟や獣舟という生物がなぜ存在するのか、その誕生史が、最も詳しく、コンパクトにまとめられている作品」とのことです。
    この短編を読み終わった後、すぐに華竜の宮を読みましたが、独特な世界観が頭に入ってきやすく、先に読んでいてよかったなと思いました。
    また、この短編集の最後の作品である小鳥の墓はかなりのボリュームがあります(火星ダークバラードの登場人物の過去の話です)。こちらが書籍のタイトルでも良かったのでは…。
    小鳥の墓は私のとても好みに合っており、

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    2021年01月12日
  • 魚舟・獣舟

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    表題作用に編集された作品集とあってか、設定の秀逸さが突き抜けている。今作が後のオーシャンクロニクルシリーズの土台になるらしいが、政治外交色が強い印象の当該シリーズを少々敬遠気味ではある。収録作の出自を見る限り、所謂寄せ集め的な作品集に思えるが、全編【喪失】というテーマが一貫しているのは意図的か否か。SFというよりホラーや幻想文学の色合いが強いが、文章のタッチは純然たるハードボイルドである。書き下ろしの中編はデビュー作のスピンオフらしいが、本編未読の所為なのか、この敵役の凡庸な悪の美学に物足りなさを覚える。

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    2020年12月11日
  • 薫香のカナピウム

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    主人公の少女は林冠を自在に飛び小動物を連れて、はじめは「ナウシカ?」と思ってしまいましたが、そこには宮崎アニメとは異なる世界が広がっていました。生態系が変わってしまった未来の物語設定は何度か読んだことがありますが、この薫香のカナピウムは、美しい熱帯雨林の蒸しかえる様な熱気や果物が熟れる匂いが漂うようなみずみずしい描写の中にファンタジー要素があり、地球の未来を思わせるようなSF感も満載でひきつけられました。人はどんなに変化しても希望を忘れないのではと感じさせてくれる物語です。

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    2020年07月13日
  • 華竜の宮(下)

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    日本沈没のようになかなか世界規模のすごい話になってきた。そういう時の人類の選択は。
    話が壮大でAIや海の人と地の人や魚船やワクチンなどよく作り込まれているのに、SFというよりはファンタジーな感じ。もっと社会の仕組みとか概念の説明とかギッシリしたものが欲しかった。
    情報を集めて光る小石を追いかけるところの話は抽象的で良かった。

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    2020年05月25日
  • 華竜の宮(上)

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    海と獣の共存。海で暮らす人々と、政府との接点。オサの話。彼らを繋ごうと動く青澄とそのアシスタントAI。

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    2020年05月25日