竹宮ゆゆこのレビュー一覧
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アニメが放送されていた頃に興味を持って買って、そのまま数年間寝かせるという自分の悪いクセと向き合うべく手に取った。アニメは最後まで見たので内容は大体把握してるし、登場人物も「おー久しぶり」くらいの親しみが持てる距離感。
まず最初に感じたのは、世間一般で言われる「小説」と「ライトノベル」の違い。ライトノベルを手に取ること自体が久しぶりだったんだけど、自分が思う「小説」に比べて情景描写に割く文章量がすごく多いと感じた。ふわふわとした区別になるけど、小説が「人間」を書くことに重きを置いているような気がするのに対して、ライトノベルは「物語」を重視した読み物なのかもな、なんてことを思った。ただでさえファ -
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クリスマスイブに実乃梨に振られた竜児は年末年始をインフルエンザで過ごし、憂鬱な気分のまま新学期を迎える。大河は竜児からの独立を宣言し、実乃梨は以前と同じように竜児に話しかけ、亜美はいつも以上に苛ついていて……。そんな不安定な状態の中一行は修学旅行で雪山に向かうこととなる。
実乃梨が竜児を振ってしまった事で本来なら不必要な混乱が生じている。こういった空気はそう簡単に元通りにはなりはしない。竜児が言っていたようにもう既に『全然何でもなかった』で済ませられる領域を超えてしまっている。これから彼らがどのように悩み、どのような選択をして行くのか非常に興味深い。作者の丁寧な描写をこれからも拝見したい -
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想像以上に登場人物の心理が細かく描かれていることには感心せざるを得なかった。
難しい展開が続いている。竜児は大河の隠していた見えない傷に触れた事でこの辺りから大河を気に懸ける様になったのだろうか。大河の方は遂に自分の心に気付いてしまい、まさしく『夢は終われど現実は続く』状態だ。クリスマスにはサンタが来るという夢は終わり、自分はずっとそばに居てくれた人間が好きだったという現実にぶち当たる。
それにしても実乃梨には辛い展開が続くなぁ。本人としては守りたい、心から大切にしたいものがあるからこその行動なんだけど、それが竜児にとっても実乃梨にとっても良い結果を残さない行動になってしまっているか -
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この人の小説は『とらドラ!』以来。新潮文庫nexという新レーベルの第一陣。会社は「ラノベではない」と発言したらしいが、バイトしてた書店ではライトノベルの棚に差してあった。
主人公支店と三人称の間をさまよいながら疾走感のある文体で話が進んでいく様子は、この作者の魅力なのかなと思う。主人公が抱えている閉塞感は相当なものだろうから、書き手が変わったら窒息してしまうかも。
主人公の枇杷(びわ)、親友の元カレである昴とともに、過去に縛られ動けなくなっている。罪滅ぼしはしたくても、死んだ相手にそんなことができるはずもなく。ただ、渦中にいる人間がそれを「できない」と気づくことは難しいし、勇気がいる。 -
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ネタバレ冒頭、静岡での万里。
高校卒業直後に落ちた橋までジョギングして。
そこでパーカーから 丸い小さな物 を落としてしまう。
前回の続きの棒立ちの万里。
駅にてずっと『別れ』を香子から切り出され動けない。
時間が経って、香子の父が車で登場。
助手席に万里を乗せ、万里のマンションまで送られる。
が。
降ろされてもエントランスで固まったまま。
動けない万里を動かしたのはまたしもNANA先輩。
万里に付き添って。聞き上手に聞いてくれる。
カフェオレを買ったNANA先輩。
お汁粉を見ずに引き当てた万里。
その万里に『泣いとけ』と。
お汁粉並みに甘いNANA先輩。
香子と再び駅で出会う。
父親を万里に差し -
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ネタバレ■よかったところ
こうなることはわかっていた! と思うのに、香子とうまくいってよかったね、と思わせるところがすごい。
それと同時にリンダは!? と相反する感情をもつ主人公(体は1つ)にやきもきしてしまう。
恋愛を丁寧に描いているので、気持ち的にいい意味で忙しくてどんどん次が読みたくなる。
こんなお話書きたいな、と素直に思える。
■悪かったところ
しいてあげるならば、香子とヤナっさんの関係がもやっとしているのが気になる程度。
香子がヤナっさんに優しいのを見るのは心穏やかでないのだけれど、小さい頃の関係性がもうちょっと見えていたならばすんなり受け入れられたのかも? -
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ネタバレアニメでちらりと見たことがあり、その時から面白いなとは思っていたけれど、原作の方がすごかった。
しかもとらドラの作者さんだったなんて! すごいなぁ。
■よかったところ
三人称で進むのかな、と思ったら時折一人称が…その理由は主人公の人格が二つにわかれているから。
記憶喪失の主人公と、元主人公の人格という二つの視点があり、非常に興味深い。
全体のテンションは高めなのに、この主人公の暗い過去がいい案配で入って来るので物語りに深みがあるように思う。
文章も読みやすくとても好み。
香子のキャラがインパクト大で、でも憎めなくて私は好き。
■悪かったところ
ヤナっさんがちょっと嫌な人に見えてしまう。
好