竹宮ゆゆこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレめっっっっっちゃくちゃ良かった とてつもないエネルギーで走り抜けた先の爽快なラストがたまらない
弥勒の過去を、地獄のような十年間を、苦しかったね辛かったねと包み込むのではなく、おまえの人生は無駄なんかじゃなかった、この爆発を見ろ、おまえが助けたこの星の輝きを見ろと、しまのエネルギーを浴びせかけることで自殺を思い止まらせる というのが素晴らしかった
しまは弥勒の過去を彼の口から直接きいてもいないし、全てを理解してもいないけれど、同じ孤独を共有して、互いに光を見出したからこそ、彼の音楽で、「生きろ」とあまりにも真っ直ぐ、激しく、眩しく伝えることができた
作品の中の人物たちが、ああ、自分はこの -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、タイトルと序盤を読めば、神威の心臓を鋼太郎の妹に移植する感動小説なのだろうと予想できる。そこに向かって鋼太郎と神威の友情がどんどん深まっていくのだろうと読み進めていく。ところがどっこい予想以上の展開になるのでエンターテイメント小説として存分に楽しめた。
前半から中盤にかけて、神威の常識はずれの言動と鋼太郎への無邪気なストーキング、鋼太郎のツッコミ、ノリが良い友人達、悪い人間が出てこない高校生活の面白い掛け合い描写が笑える。巴との仲も深まる文化祭も青春していて良い。
ちょっと本のボリューム多いかなぁと感じつつも、少しずつ鋼太郎の内面を描くシリアスな描写が増え始め、いよいよ心臓移植の話にな -
Posted by ブクログ
ネタバレひとりぼっち同士がふたりぼっちになって、ほんの一瞬の交わりのなかでお互いの心の柔い部分を救い合う愛の話だった。
心身ともに嶋くんのほうが助けられて守られていると思いきや、弥勒も精神的に救われている面があって、ある意味バランスが良いふたり。
一歩間違えれば共依存になり得る危うい関係なのに、まるで年の離れた兄弟がじゃれ合うような健全で微笑ましいやり取りが好き。
序盤と終盤、絶対に弥勒のもとへ落ちていく嶋くんの弥勒センサーすごいなと思った。ついでにクマのヘアゴムの根性もすごい。念が宿りすぎている。
まあ、嶋くんと弥勒を繋ぐ縁の糸のようなものだし、ふたりの再会に必要不可欠なものだから、異常なくらい強く