柏木ハルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
貧困ビジネス編がとりあえず最終巻を迎えた。
ふつうは貧困ビジネスから被害者を救い出したことで、ドラマや映画ではそれで終わりになる。けど、ケースワーカーの仕事は、そこから未だあるのである。「知的障害」の手帳を取得すれば、就労支援は義務ではなくなる、とは知らなかった。ただ、59歳からの取得はハードルは高い。角間さんの場合は、青森の児童養護施設の所長さんが幸いにも彼のことをよく覚えていた。当時は「知的障害」の認定をしない方が就職しやすいということで手帳を取らなかったらしい。7-8歳の知能で、今まで1人で犯罪にも手を染めず生きてきたことが判明する。角間さんはやっと人生をやり直す鳥羽口に立つ。「路上生 -
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虐待父
虐待していた父親には何も罰が下らないというやるせなさ。
生活福祉課の人間だと言って病院に入り込もうとしたのに…
そしてあの父親はお金あるのに息子に税金から生活保護出るのもモヤモヤする。
あの父親から代理徴収みたいな制度ないんだろうか。 -
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毒親のパート
この作品は、ある意味しんどさが伝わってくる作品であることはわかったつもりの上で読み始めました。
余りフォーカスされることのない、それでも社会で大切なケースワーカーに光を当てていることがそもそも作品として素晴らしいし、現場感が伝わってくるような描写が、しっかりした取材に基づいたものだと感じた。
特にこの巻で扱われた島岡さんの「毒親」。
自分は幸いにも生活保護にまでは至らなかったけど、近しい境遇ではあったので、島岡さんのケースを読んでいて辛くなってしまった。息子の光くんの狼狽え方、とても分かる。身に覚えがある。
親子の関係性によってはこういう境地に至ってしまうこともあり得るんだなあと考 -
Posted by ブクログ
生活保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」編。
何故こんなに大長編(3巻以上)になったのか?
連載も2年以上続いている。取材を丁寧にしたとしてもし過ぎじゃないの?‥‥いや、おそらく、し過ぎじゃない。
たった1人の路上生活者を救うだけでも、主人公たちケースワーカーだけではやっていけないことが、説得力もって描かれてきた。今回のような暴力団組織が絡んできそうな場合は、偶然を使って警察事案を避ける展開にしながらも、ものすごくリアルに作っているのがよく分かる。ケースは、初期の頃より遥かにリアルだ。
これを読みながら、私はあるケースのある「知人」の運命のことを思い出した。最終的には彼は路上生活を抜け