柏木ハルコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
無人島に持って行く三作品の最後がこれ。
男子学生が自分の家にあった古い日本刀のルーツを探してたまたま訪れた集落に雪で足止めをくらい、でもそこは夜這いの風習のいまだに残る隔絶された集落で、そこで少年がその風習に巻き込まれてゆくとゆう愛憎劇。
僕らが今当たり前と思っている一夫一婦制の貞操概念は、実は明治以降に作られた新しい物で日本は長いこと性におおらかな文化を持った国でした。
痛い経験や辛い経験をして大人になって行くのは男だけじゃなくて、女性も同じだよなあ、とゆうまあ当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、萌えキャラと全く真逆の地に足の着いた女性像。カバーを外すと居る裸婦像も毎巻とても素敵だよ -
Posted by ブクログ
今までで1番しんどい巻だったかもしれない。
大型で猛烈な台風と、それに伴う高潮により東区を含む東京東部一帯が水没。義経は引きこもりの笹原香の救出に向かう。雨も止んだ正にその時、荒川が決壊した。海抜0メートル地帯に濁流が押し寄せる。
漫画だからこれは仮の物語だけど、海抜0メートル地域の危険性は決してありえない話ではない。作者は2018年岡山真備の被災者にも取材している。あのとき、私のツイッターにはありえない様な事実が飛び交った。
災害は想定外の連続。
その場その場での迅速な判断が求められる。
その判断が正しかったか、
後になってみなければわからない。
いや、後になってもー‥‥
災害経験者 -
Posted by ブクログ
新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。
えみるはここでケースワーカーという生活保護に関わる仕事に就くことになったのだが、そこで生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして――
新聞メディアはもちろん、現職のケースワーカー、医療、福祉関係者の方も注目する本格派ドラマ!
[生活保護]に向き合う新米ケースワーカーたちの奮闘劇、開幕!
受給者の人生に体当たりで向き合う中で、相手の人生の思いがけない面を知り、相手が困っていることをどのように知り、相手との信頼関係を築いて支援するかを手探りで考えながら勉強し奮闘するえみるの成長が、リアルな1巻。 -
無料版購入済み
良作
TVドラマ化もされた有名作で、連載開始から既に10年近く経つ作品だが、今回初めて読んでみた。
社会問題の深いところに切れ込んでいて、非常に良い作品だと思う。
また、個人的に作者の柏木ハルコの作品はデビュー作から知っているだけに、「絵がうまくなったなあ」「いい作品を描くようになったなあ」と感慨深い。
生活保護に関する役所の部署は、本当に本作のように大変なんだろうか?
だとしたら、非常に厳しい職場だと思う。
そういう点も含めて、社会でもっといろいろ考えるべきではないかとも感じた。
テーマが深いだけに重い作品ではあるが、一読の価値があるというか、一読すべき作品だと思う。