柏木ハルコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
貧困ビジネス編は、やはり2巻ぐらいでは終わらなかった。しかも今回は途中からコロナ禍のもとでの闘いに突入する。
今回は表紙に初めて登場する京極係長がわりと活躍する。市の財政を圧迫するような事柄には神経質になる係長ではあるが、今回は不正支給に繋がる事案である。「意外と正義感が強い」と義経さんが驚いている。ちょっと感情的になりすぎているのを、ベテランケースワーカーの半田さんが修正するほどである。
しかしなかなか貧困ビジネスの違法の尻尾が掴めない。奥坂さんの入院先から告白があって、その仕組みがある程度わかったものの、お役所だから決定的な証拠が必要である。その間に、奥坂さんを遠くに避難させ、角間さん -
ネタバレ 購入済み
住居問題
生活保護。
現時点では縁がないからか知らないことばかり。
住所がないと申請できない。
住民票がない自治体でも申請できる。
性善説で考えたいところだが、昨今のコロナ関係の補助金をみても不正受給があることは確か。
税金の支出なので厳正に審査しフォローするのはわかるが、実際、そのためにかかる経費まで考えたら、他の社会保障制度と合わせてベーシックインカムにしてしまってもいいのではと思ってしまう。
そして、日本の住居問題。
敷金、礼金、保証人とハードルが高い。
描かれているとおり、人口が減り空き家も増える中で住むところがないというのは社会課題。
自助努力が前提だとは思うが、難しい話。 -
ネタバレ 購入済み
貧困ビジネス編
昨今話題になっている貧困ビジネス編スタートです。
切っても切れない問題なのですが、個人的には生活保護を受ける人々の人間模様を見るのが好きなのですが
そちらにスポットが当たっていない点が残念でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「貧困ビジネス」はじまったばかりで、まだ、凄惨なのは無し。
・76 五反田のクズっぷりと言いたいところですが、職種別採用も検討ですかね。生活保護で蹴られると、犯罪か死しかないと思う大切な部署と思うのです。
えみるの入浴は、切り替えか鋭気を養う感じでしょうか。
・79 オレンジパルム 怖い石橋で態度豹変な五反田先輩って、ある意味出世するタイプかと。
・82 オレンジパルムの謎解明。#77の逃亡者、石橋の部屋の作業着の謎が。
・84 逃げる押尾の捨てゼリフに言い返せなかったえみるが不憫なままつづく。
・Q&A 行政と無低が持ちつ持たれつの関係ってところにショックを受けましたよ。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
どのケースも個人・家庭の貧困問題問題よりも、こじれた家族関係を強く意識させられた。
前巻の貧しくても支え合う家族の話は美談ではないかと思うほどに……
医師の父親を持つ青年の生活保護申請に関する話は、性虐待サバイバーの話に。前巻でPTSDの感じがあったが……
毒親と性虐待親が同義になっているのはいささか悩ましい…ネグレクトにも虐待にも線引きされない、グレーゾーンな過干渉や自己愛型パーソナリティー障害の親による悪影響を指している……最も、虐待親を内包しているのだが。前巻の扶養照会の件の母親が毒親だと思う。
しかしこの医師父親……身分を偽ってまで面会しようとした時点で犯罪者では?
えみ -
Posted by ブクログ
小説で生活保護問題を扱うと大抵は「貧困ビジネス」が出てくるから、生活保護費を不正に盗る貧困ビジネスはセットだと勘違いする読者を意識してか、9巻目にしてやっと出てきた。制度と貧困ビジネスは、決してセットではない。ということを前提にして読んで欲しい。どうも今回はその序章っぽい。
10年前、労働運動との関係で、ひとつの貧困ビジネスの現場を見た。目の前に、倉庫の2階を薄い板で仕分けしてひと部屋として住まわせていた鰻の寝床があった。
「すごい!こんな地方都市にもあるんだ」
と、思った。
いつもしっかり実地調査をして、生活保護制度の実態を描くこのシリーズは、そんなわかりやすい場面は、過去の一コマとしてで