柏木ハルコのレビュー一覧
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購入済み
最低限度の生活とは
父親も家ではお酒をほとんど飲まなかったから、晩酌という習慣を見ることなく、晩ご飯には水かお茶なわけですが。お酒を飲む、飲みたいと思うのは居酒屋に行った時だけ。
でも、そんな私でも将来アルコール依存症になる可能性はある!ということは頭に入れて気をつけましょう。
今を、現実を、事実を認めること。 -
購入済み
想像つかない
ただでさえ他人をどれだけ知れているかわからないけど、普段自分たちが知る以上のことを申請者から聞いたり調べないといけない。それでも、申請者の希望に沿えるかわからない。
最低限度って、通常思われるより相当低いんだなと。 -
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特定の担当ケース
そういう人が、時期ごとに「専門対応者」として割り振られるわけではなくて、
今回のように、アル中の受給者に、大きな問題が発生して、それに「かかりっきり」になっているようにも見えますが、
実際には、主人公は、110世帯ものケースを担当しており、その中で、このように突出した問題のある人に大幅に時間を割いているのです。
そして、待っているものは、大量の書類の山と、サービス残業…
今回のケースは、まだ、本人に改悛の情というか、もがき苦しみながら改善しようとする様子がありますが、確実に一部に存在する、健康体
ツヤツヤで(それ自体はいいとして)、毎月の支給額で、なぜ「1 -
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親族への照会
それだけはやめてくれ!縁を切られる!と、切実に訴えてくる方もいれば
一族で示し合わせて「つきあいもありません。助力する余裕もありません。」と回答して、全員で生保ゲット!な、例もいるらしく…
なかには「計画離婚」して、なんと同じアパートの別階に住み「円満離婚ですから、DVじゃないですから、別に同じアパートでも問題ない
です。」と言いのけて、生保2倍ゲット!休日には、一家仲良くキャンプや旅行に出掛けたりする「家族」もいるそうですね。
ホントに、公的扶助って、なんなのでしょうか…
本作とは関係ありませんが「収入により家賃のランク付けがあるが、基本的には低 -
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夢のおいかけかた
少年少女が、将来の夢をそれぞれに持ち、未来を思い描くことは、誰にでも平等に与えられた権利であることは、間違いありません。
ただ、現実には、家庭の経済事情により、生活環境により、それをあきらめなくてはならない瞬間が来ることも、現実として、多々あります。
どんなに頭脳優秀でも、山間部の深くに生まれ育てば、県トップ校に合格できる実力がありながら、独り暮らしなどできる経済的な余裕がなく、地元で頑張るしかない。
かりに、都心部に住んでいたとしても、スポーツや芸術にどれだけ秀でていても、強豪校に入ってそれを続けていくには、相当のお金がかかり、また、それを学ぶ学科が私立にしかなく、同じ -
就労移行支援として…
受給者さんに、その人の特性や、とりあえず、まず、やれることとして、簡易な仕事をアルバイトとして紹介することは、あるようですね。
ただ…
アルバイトしてもらった「給料」を、そのまま、収入アリとして、受給額から引かれてしまうため、なんか「タダ働き」のような感じになり、
「やる気にならない。」として、続かないという事例は、往々にして、あるようですね。
これは…
たとえば、そのアルバイトから「社員」に昇格して、収入も上がり、晴れて?生活保護「廃止」となるまでに、役所側でバイト料を預かって
いて、その「廃止」の日にわたすといったシステムがあれば、違ってくるのでは? -
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借りたもの。
ネグレクト気味のシングルマザーに関わる案件。
真面目な栗橋が担当だが、当然、彼女の価値観からすればシングルマザーの行為は許せない存在。
そして児童虐待の面からも緊急を要する案件だった。
紐解くとそこには三世代にわたる生活保護受給――貧困の連鎖――があった。
貧困は最も数値化しやすい指標だが、それは表面的なもので、母娘に連鎖した愛着障害による情緒不安定と貧困から就業もままならなかったことが伺える。
そこに見えない父親……男の影は、おそらくどれもクズのような男のようだ。
妊娠が発覚した夜、彼女が見る掲示板には児童虐待したある母親への暴言がある。
「育てられないのに妊娠するな」は結局 -
専門職として…
自衛官・警察官・消防士・海上保安官・国税専門官・労働基準監督官等の、いわゆる専門職とされる公務員の方は、それが高校生、18歳の未成年の時点としても、自分の判断により「それを一生の仕事とする」ことを、自ら志願して、試験を受け、合格し採用されます。
そして、採用された、その日から、専門職としてのスキルを身につけるため、養成機関(警察学校、等)に入り、相当の期間にわたって、徹底的に、知識と「実技」を叩き込まれます。
そして、新人の時点で、相当な公権力を持たされ、現場に配属されます。
その一方で、市役所等の「生活保護ケースワーカー」の職員さん達は…
同じく、大変な倍 -
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借りたもの。
この巻で重点を置かれているアルコール依存症問題。
病識の無い依存症患者と、酒に依存する姿勢の理由を端的にまとめてあった。
アルコール依存症の問題を良く知らないえみるが手探りで医療につなげようと奮闘する。
それは理詰めや情に訴えるような手段であることに不安を感じる……効果的とは言い切れないから。
これはアルコール依存症を知らない人の、医療につなげる方法を知らない、ごく普通の反応。
ようやく医療と自助グループにつなげることができたが、就業した先が居酒屋で、案の定、結局再飲酒してしまい逃亡する……
しかし、家族にまで見限られている人間の、その手を掴むえみるの描写が情に訴えるような -
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借りたもの。
高齢女性の件は一応の決着をつけるが、えみるの個人的な思いで情をかけてしまうと「他の受給者が聞いたら『あの人ばっかズルい』ってなるよ?」という指摘。
これが個別のケースに対応できないガラスの壁なのだと思う。一律にやってしまえば悪化するケースもあるが、損得勘定でクレームをつけてくる同じ受給者の外野がいることで板挟みになるケースワーカー(働いている人も人間。個人の限界を超えたら仕事にならない)。
「何故生活保護を受けているのか」「何のために生活保護受給者と向き合うか」をつきつけられる。
後半はアルコール依存症のケース。
このやっかいさが垣間見れる。本人の意思の弱さの問題ではもはや無く -
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借りたもの。
前回の続きで、不正受給扱いの母子家庭のケース決着篇。
不正受給に相当する額の返還を求められて「これは何の『罰』なのか」と激情し、自分の大切なものを壊してしまった日下部欣也少年。えみるは説明不足を補い、生活給付金の本来の目的と、何故返還を求めるのか丁寧に説明する。
説明をするためにも信頼というか「関係」を気づくことの重要さを意識させられる。
「言った」「聞いてない」の話になっていた日下部親子も、確認書のサインの現物をみて、母親は自らの説明不足にもあることを納得するところも興味深い……
後半には親子関係――毒親や虐待親――の問題を垣間見る。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
制度に関する知識や事務処理の技能以外のものが求められる現場であることを痛感する。
心配で一日に何度も留守電を残してうつ病の人にプレッシャーをかけてしまう(健常者でもこれはプレッシャーでは?)七条。
専門性が高く、真面目、合理的で容赦ない栗橋は担当していた中林さんが字を読めない事に気づけなかった……
それは教養を受ける機会が無かったためかも知れないし、失読症だった可能性もある。
ケースワーカーは生活保護の専門性だけで対応できるものではなかった。
半田さんのコメントは心に響く。
それはカウンセラーの傾聴にも通じるような姿勢ではなかろうか。
仕事でもそれ以外でも、人間は(健常者でも -
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借りたもの。
新卒公務員である義経えみるが福祉事務所生活課に配属され、様々な理由で働けない人たちの人生に触れてゆく。
主人公の天然っぷりが潤滑剤になるのだろうか……
と、思って読んでいると、生活保護を受けていた担当の人が自殺予告の電話をしてきて、本当に自殺してしまう。
…自殺予告をする人は一種の“賭け”をしていて、助け、あるいは確認しないと本当に死んでしまう場合もある。実は「オオカミ少年」とは訳が違う。しかし、公務員はカウンセラーではない。個々の事情に対応しきれない現実をつきつける。
垣間見る、精神的に追い詰められた人々の姿……
虐待を受けていそうな児童(その母親は見かけ明るい)、精神障害者 -
正義感とは何だ?
日本は本当に豊かですか?
言いたい!この国の政治家に!!
ヒトが生まれながらにして平等なら、こんな悲劇があるのか!
読めばわかることだけれど、やっぱり人間は平等でない。
能力、努力、自己責任なんていうのはカモフラージュでしかないんよ。
現実は運だけ。いや、運命と云うべきか。
この作品はその”運”を均等にするべく奮闘する内容です。
彼らの頑張り、奮闘に、多少だけれど救われます。
でもね、
読めば、考えれば、根源の解決にはならないことが分かる。
おーい、政治家。
カッコつけてないで、弱肉強食、排他制度、選民思想、その他”モツヒトだけ”の社会を開示しろ。
した -
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ネタバレ・66 千奈の上司「人の税金で子どもを育てる~」のところ。生け垣剪定の補助とか、変な補助金を出すのに比べれば、まっとうなお金と思うのです。役人は通常は法例に杓子定規に運用するのに、なんで、「給付しろ」と書いてある対象者には水際作戦とかまでして排除するのでしょうね。
・67 風雨=世間 割れ窓を塞いだダンボールのカビが一層の現実味を。
・70 千奈の上司が厄介払いができてうれしいな感じが不愉快でした。連れ子が虐待されるのは、動物界だとオスはまずメスのこどもを殺すんですって。
・72 千奈がキレるのは初?美琴の夫に対して。
・75 まあ妥当?こどもの貧困も成長すると大人の貧困=自己責任からの放置っ