鈴峯紅也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公がスーパーマンである事でいろいろ無茶なことが出来てしまうその手の小説で、今回は公安がその舞台になっているのに興味を沸いた。
総理大臣の息子で戦場遺児、そして傭兵の戦歴と大富豪の血統。そんな公安室長が追うのが北朝鮮の工作員。大胆な発想と主人公に仕えたこれまた優秀な訳アリ3人衆の部下。ボリュームたっぷりな質量でありながらなかなか読みごたえがあり面白かったんだけど、ちょっと説明がくどく、後半はごり押し、最後はお約束の超長セリフによる畳みかけってのが大きくマイナスポイントかな。
久々のハードボイルド的な小説だったのでいい気分転換になった。 -
Posted by ブクログ
鈴峯紅也『警視庁監察官Q』朝日文庫。
貰い物の古本。全体的に弛く、軟弱な警察小説という印象で、好みではない。
アイスクイーンと呼ばれる東大卒の才女・小田垣観月を主人公にした新シリーズなのだが、お馴染みの警視庁公安Jの小日向純也、警視庁組対特捜Kの東堂絆が登場する。事件そのものより、やたらと甘い菓子類が登場し、アイスクイーンであるはずの観月の小日向純也への恋心や憧れが描かれるのが、全体的に弛い理由だろう。
警視庁に入庁し、監察官となった小田垣観月は、2年前に起きたブラックチェイン事件で使用されたプラスチック爆弾C4の行方を追うことに。 あらゆる証拠物が保管されている巨大保管庫『ブルーボック -
Posted by ブクログ
Jシリーズ。公安の中でも、さらに謎に包まれるJ分室。
主人公の小日向は、生死がかかる戦場の血に生理的に反応し、修羅場を切り抜けていく。しかし、その功績は認知されることはなく、また次の事件に立ち向かう。
戦略ーという言葉は、もともと軍事用語から派生した言葉。根本的には、生きるか死ぬか、を決める大方針が戦略。そこに緻密な情報を基に、準備が行われる。
ビジネスで「戦略」と言うとき、相手を叩き潰す、という気迫を込めて使っているだろうか。お気楽に、格好で軽く使っていることはないか。
そこに、成果へのこだわりが出てくるのだろうか。小日向は、生きるか死ぬか、の緊張感の中で、常に生きている。戦略的に。