鷹見一幸のレビュー一覧
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思いきりクリフハンガーな終わり方。ここで引くか。引くのか。
実を言うと今回は比較的先を読みやすい展開だったと思う。異星人とのやりとりがあるといっても、はなから、メンタリティがほぼ同じ(差異は地球上での民族の違い程度)とわかっているので、そこらへんの目新しさが一切ないし、今までの流れからいえば、ある程度地球人がぬきんでた働きをしないわけがなく。
更に、なんらかのトラブルにより、主人公が指揮権を握るというのは帆船小説の定石。
そこで最後の「ここでひくのか!?」につながるわけだが、全体として、お約束を踏んでおり、ある意味で「水戸黄門」のように、先の展開はわかるだけにわくわくして読めるものになっている -
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ネタバレシリーズ最終巻に相応しい出来だった。晴凛の結婚式と、沢樹のその後の話。ミーネとシャールのどちらを選ぶのか、ひいては帝国とシムールのどちらを選ぶのかについてきれいに決着がついた。ここまできてどちらか一人だけ選ぶという展開だったらまったくもって納得できなかったため、必然の選択だったと思う。1巻の晴凛なら、シムールの一族になることはともかく、二人の妻を娶ることなど分相応だと受け入れなかっただろう。甲斐性ができたというのか、器の大きさが外見に表れるようになったというのか。現実世界での刊行ペースでも5年、長い年月だった。
ムルトと沢樹の関係は予想外だった。空っぽの自分の心を埋めるものができて、沢樹にと -
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ご主人は山猫姫シリーズが面白かったため、作者のデビュー作を手に入れた。絵柄の古さとデビュー作であることからあまり期待していなかったのだが、いやぁ、予想以上に面白かった!
高校で写真部に所属し個性的な仲間と平凡な日々を過ごす主人公が、パラレルワールドへ移動できる機械を貰う(モバイルギアと書かれてもなんのことかわからん。ゲームギアの亜種かと思った)。主人公が飛んだ世界は世界規模の感染症により人類の大多数が死亡し国家が機能しなくなっている。同級生は難民キャンプのようなところで細々と暮らしていた。主人公の幼なじみの女の子が登場し、パラレルワールドと元の世界とで対比されるのだが、それがもう秀逸。高校生ら -
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延声攻略編。今まで守るだけだったタルト守備隊が打って出る。沢樹は徹底的に敗北する。なんだろう、嫌な奴なんだけど、沢樹を嫌いになれない。たまたま権力をもつ者と繋がりがあったために若造なのに軍師になれて、彼を諫められる者がいなくて、経験が足りなくて、自分が聞く耳を持たないことに気づいていない。周りの人からするとすごく嫌な奴だろう。でも誰かが言ってあげないと気付かないのだ。たまたま権力者と繋がりがありトップに立つことになったが、彼をトップと認めた者だって責任がある。彼だけに汚名を着せてそれでいいのか?どうにも組織というものを硬直化し、下は上に逆らえないだから仕方がないみたいな感じになっているけれど…