大島弓子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『七月七日に』がすきかな…。
「あるいはもっとあやしいえたいのしれないもののようにてらしだしていたの。あたしはようよう声を出すことができて『母さま』と呼ぶと」
「こわいようなたのしいようなうそのようなふしぎな気持ちであたしはいいつけを守ったけど」
「後妻というのも特殊なのです。というのはわたしは人間でなくてあなたのお父様をそりゃ愛していても結ばれることは許されなかったのです。それでわたくしはお父様がなくなった時人間にバケてあなたを育ててきたのです。」
「…………そういうおとぎ話はつづみにはもうつうじなくなりました。」
目かくししているあいだ子供は泣き止んでそれこそオニごっこも忘れて木漏れ日の -
Posted by ブクログ
すべて良かったですが、特に「夏の夜の獏」と「ダイエット」を気に入りました。
辛いことや悲しいことがあったとき、どうしていいかわからなくて、「大丈夫、こんなことは何でもない」とか、「わたしは大人だから、強いから頑張ろう」とか、人間はそんな風に考えて耐えようとするわけですけれど、でもそういうときって本当は泣きたいんですよね。泣きながら、「助けて」って言いたいんですよね。
ということを感じる作品たちでした。「夏の夜の獏」は、主人公の走次君が痛々しかったです。自分は体は子どもだけど、精神的には大人なんだと思いこみながら、両親の離婚や学校でのいじめや失恋を乗り越えようとし、最後には声をあげて泣く。本