あらすじ
子供の頃から幾度となく繰り返し見る夢…「ここへおいで」と見知らぬ男が継雄に呼びかける。月日を追う毎にリアルになる夢にでてくる家を捜す決心をする継雄だったが…。表題作他4作品を収録。
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Posted by ブクログ
子どもの頃読んだ
名前の思い出せない漫画
友達から借りた大島弓子さんの漫画を読んで
同じ作家さんかもと思って探したら
再会できた
つるばらつるばら
Posted by ブクログ
何年振りに読み返したんだろう。
本棚の奥に少し汚れてひっそりとあった。
『つるばらつるばら』
スカートが好きで男の子が好きな男の子、継雄が「夢の中の薔薇の垣根の家」を現実で探す物語。
犬童一心監督の映画『メゾン・ド・ヒミコ』の原案。「私はトランスジェンダーの気持ちが分かる!」といわゆるLGBTの方たちに肩入れするきっかけになった作品。勘違いですが。
ゲイバーのママが素敵。
『夏の夜の獏』
「実年齢は八歳だが精神年齢が異常発達をとげてしまった」少年、走次。彼の目には父親も母親も兄も子供に見える。寝たきりのおじいちゃんに至ってはハイハイする乳児だ。そんな彼の目から見た世界は...。
もしかしたらみんな走次なのかも、と思った。
『ダイエット』
過食症の福子。彼女は友人カズノコが恋をきっかけにダイエットするのと一緒にダイエットに励む。
なんかあらすじ書くの難しい作品ですね。
嫌な記憶を思い出すことを「馬鈴薯掘り」に例えているのが絶妙。
『毎日が夏休み』
あることがきっかけで登校拒否中のスギナ。公園で出社拒否中の義父とばったり遭遇。ふたりで何でも屋をやることに...。
この作品も同名の映画になった。義父役を佐野史郎が演じていたっけ。映画の方も良い作品だった。
胸が清々しくなる。
『恋はニュートンのリンゴ』
頭が良い八歳の女の子、三時子。彼女は十九歳の男子大学生、泡盛くんに恋をする。周りの大人たちの妨害にもめげず彼に逢おうとするが...。
今あらすじ書いてて思ったんですがこの作品って『不思議の国のアリス』ですかね。「ニュートンのリンゴ」は「落ちる」三時の子と書いてさとこと読ませているし。
どの作品の主人公もハードな毎日を達観したユーモアでなんとか送っている。ふわふわした可愛い絵に騙されてはいけない。少し乱暴な言葉遣いも大島作品ではあったかい。
昔、この本をデトックスのように読んでいた事がある。
どの作品も泣いてしまうし、読んだ後はお腹がぽっぽと温かくなる。
最近、ネットで大島さんの姿のお写真を拝見してしまった。(見ないように気を付けていたのに)
実際にいたんだ!と思ってしまった。
知らない間に神さま扱いになってた~。
つるばらつるばら(笑)
Posted by ブクログ
「つるばらつるばら」
夢の中で自分は「たよ子」だったという記憶が、少年の人格を形成していく。
その家を探すために、路地探索を人生の第一目的にする……。
不覚にも泣きそうになる。
父母の会話シーンまでもが継雄のモノローグに組み込まれるという作りは、ささやかながら憎い。
「毎日が夏休み」
非常に後味の爽やかな映画を見たことがあるが、その原作。
いかに映画が原作に忠実だったかがわかる。
「恋はニュートンのリンゴ」
天才少女三時子の恋と、恋された大学生泡盛くんの駆け引き。
Posted by ブクログ
小さい頃から思い出した時に読んでいますが、
いつ読んでも印象が違う。
様々な問題を取り上げていて、
私にとっては別世界の出来事のようでいて、
その危うさは決して人事だと思えません。
Posted by ブクログ
ダイエットに毎日が夏休みなど、読みたかった作品が収録されていたので嬉しかったです。特にダイエットという作品が印象的で、福子の最初のくだりがものすごく好きです。
Posted by ブクログ
……読むまでは、ずっと蔓薔薇だと思ってた。
まさか「くわばらくわばら、つるかめつるかめ」を
一緒にしてみました、だったなんて\(´。`;)ノ
で、その表題作ですが、
文庫P.54で終わってもよかったと思うんですよね。
一つのキレイなドラマじゃないですか。
なのに続いちゃうんだな(^^;)。
以下、終盤三分の一がトンデモナイ内容に。
でも面白ーい(゚∀゚)!
子供なのに精神の発達度が大人並みな主人公を青年として、
大人のはずだが内面が幼稚な家族らを子供の姿で描いた
「夏の夜の獏」も凄い。
散々バカ言ってた長男(主人公の兄)が
年相応の見た目で結婚宣言する瞬間がカッコよすぎ。
Posted by ブクログ
この本の中に収められている「夏の夜の獏」が一番好きだ。数ある大島弓子作品の中でベスト3に挙げることが出来る。いいんだ、泣いてもいいんだ、というところに来ると、何回読んでもまた泣いてしまう。最近になって大島弓子先生のお顔を画像で見た。お美しかった。イラストでの自画像はいつもアタマもしゃもしゃのゲジゲジまゆげだったから。
Posted by ブクログ
表題作は男性を好きになって苦しむ継男が主人公。細い道・垣根のバラ・石階段・木製のドア…子どものころから繰り返される夢。前世で自分は「たよ子」で、結婚していた…そうして現実世界で夫を探し続ける継男。ついに夢の家を探し当て、夫を探し当てる!
精神年齢で年齢を描き分ける「夏の夜の獏」がすごく面白かった! おじいさんが赤ちゃんに描かれていて!! 自分は小学3年生なのに青年に描かれていて!! この発想が最高。うちの父なんか2歳児くらいで登場させたいと思った。
Posted by ブクログ
昭和63年〜平成2年
収録作品 全て素晴らしい!
これは学校の道徳の時間とかに取り上げたらいいんじゃないかと。
重い題材でも、大島弓子の作品を通してみると核の部分が見えてくる気がします。
Posted by ブクログ
言葉にするのが陳腐ですね。この人の作品は。すごい世界観。岡崎京子すら軽く飛び越えてしまってる。「夏の夜の獏」が特によかったなぁ。何か作品全体に共通項が見え隠れしてるんだけど、まだそれを明確に掴めてないです。そのまま掴めないままずっと翻弄されるってのもありだよな。(06/1/20)
Posted by ブクログ
すべて良かったですが、特に「夏の夜の獏」と「ダイエット」を気に入りました。
辛いことや悲しいことがあったとき、どうしていいかわからなくて、「大丈夫、こんなことは何でもない」とか、「わたしは大人だから、強いから頑張ろう」とか、人間はそんな風に考えて耐えようとするわけですけれど、でもそういうときって本当は泣きたいんですよね。泣きながら、「助けて」って言いたいんですよね。
ということを感じる作品たちでした。「夏の夜の獏」は、主人公の走次君が痛々しかったです。自分は体は子どもだけど、精神的には大人なんだと思いこみながら、両親の離婚や学校でのいじめや失恋を乗り越えようとし、最後には声をあげて泣く。本当に、わたしが行って彼を抱きしめてあげたい……
そして「ダイエット」。主人公の福子は両親の離婚と再婚により居場所をなくし、「ハートが飢餓状態」であるため、食に癒しを求めています。が、友人の助言によりダイエットを決意。そこから彼女の体重は急増・急減を繰り返し、やがて心も体もバランスを失って行く。決して「助けて」とは言わないけれど、幸福を見つけるため、よりよい自分になるため、必死で日々を戦っている福子。そしてそんな彼女を支える友人、カドマツとカズノコ(あだ名です)の気持ちは、愛情や友情よりずっと静かで、なおかつあたたかです。
この人の作品は、描ききらないところがいいですよね。絵にも内容にもセリフにも、少しずつ余白があって、それでとても日本的な、静かで透明な感じになっていると思います。
Posted by ブクログ
『つるばら〜』が大島作品で一番好きです。大島先生の漫画の読後感って江國香織さんの小説の読後感と似てる気がする…ほんわかするのに心に突き刺さるものがあるのが大島作品の魅力だと思います。
Posted by ブクログ
『つるばらつるばら』が、
「つるかめつるかめ」「くわばらくわばら」からの造語だったとは。
「つるばらつるばら」
前世で自分が「たよ子」だったと信じ、性転換してその名を名乗って、残して来た夫の住む家を探す少年の物語。
「夏の夜の獏」
自分を大人だと思う少年の物語。絵も自分は大人で、先生や両親は子供で描かれている
「ダイエット」
痩せたり太ったりを繰り返す少女。その子を、面倒を見てあげなければいけないと思う友達の少女。
「毎日が夏休み」
会社を辞めたエリートの義父と、いじめと勉強が問題で学校をやめてなんでも家をはじめる物語。
「恋はニュートンのリンゴ」
大学生と、その大学生に恋をした天才小学生少女の物語。