大島弓子のレビュー一覧

  • バナナブレッドのプディング

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    『グーグルは猫である』を除いてはじめて大島弓子を読んだ。そして恋した。

    『バナナブレッドのプディング』の主人公、衣良(いら)は幼いころから彼女の「神さま」同然であったお姉さんの沙良(さら)の結婚にショックを受ける。転校先、幼なじみの御茶屋さえ子と再会し、精神的不安定さを埋める為に恋愛を進められる。しかし衣良の理想の男性像は「うしろめたさを感じている男色家」。さえ子の兄をその理想の男性だと勘違いした衣良は翌日、姉の結婚式に自分の結婚式をする。一方さえ子は自分の想い人であるサッカー部の部部長奥上くんが、コーチである兄を好きだと知る。

    結婚のかたち、それぞれの恋の模様、切実に生きる祈りが描かれて

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    2011年10月23日
  • 綿の国星 1巻

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    子猫って、本当にあっと言う間に大きくなるんですよね。
    それこそ、左向いて右を見たら、もう大人猫になってたりする。

    そんな、猫生のなかで一番光り輝いている瞬間を永遠にするために、チビ猫は生まれたんだと思う。

    でもよーく考えたら、人間も同じだね。

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    2011年09月06日
  • つるばら つるばら

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    この本の中に収められている「夏の夜の獏」が一番好きだ。数ある大島弓子作品の中でベスト3に挙げることが出来る。いいんだ、泣いてもいいんだ、というところに来ると、何回読んでもまた泣いてしまう。最近になって大島弓子先生のお顔を画像で見た。お美しかった。イラストでの自画像はいつもアタマもしゃもしゃのゲジゲジまゆげだったから。

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    2011年05月05日
  • バナナブレッドのプディング

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    「きょうはあしたの前日だから・・・だからこわくてしかたないんですわ」
    最初のページにある、この衣良ちゃんのセリフが大好きです。
    繊細で、不器用で、孤独を抱えながらも自分を納得させながらけなげに生活する彼女が愛おしい。
    そんなちょっと浮世離れしている彼女を見守る峠さん、さえ子ちゃん始めとする登場人物もきらきら輝いてみえます。
    漫画ってほとんど読まないんだけど、この作品だけは特別で、何度も読み返しています。自分の中の抽象的な悩みや疑問に抽象的な答えを与えてくれる、そんな作品です。
    「ぼくはきみがだい好きだ 薔薇のしげみのところからずっとね」
    「ミルクを飲んで『あしたね』『またあしたね』」

    こうい

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    2011年05月07日
  • つるばら つるばら

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    表題作は男性を好きになって苦しむ継男が主人公。細い道・垣根のバラ・石階段・木製のドア…子どものころから繰り返される夢。前世で自分は「たよ子」で、結婚していた…そうして現実世界で夫を探し続ける継男。ついに夢の家を探し当て、夫を探し当てる!
    精神年齢で年齢を描き分ける「夏の夜の獏」がすごく面白かった! おじいさんが赤ちゃんに描かれていて!! 自分は小学3年生なのに青年に描かれていて!! この発想が最高。うちの父なんか2歳児くらいで登場させたいと思った。

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    2011年02月19日
  • 綿の国星 1巻

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    夜空にふわふわ浮かんで夢を見る。ラフィエルが魔法をかける。キャラウェイは飼い主のもとへ戻った。キラキラしている。

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    2011年02月19日
  • ロスト ハウス

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    大島弓子は何を読んでも素晴らしい。
    素晴らしいのだが、それを百も承知で言うとすれば、今回初めて読んだこの短編集は最高傑作(のひとつ)だと思う。
    平成になってからの作品ばかりだが、とにかくどれもこれも恐ろしいほどクオリティが高い。そして、彼女らしい幻想と哲学が全開だ。
    そこで描かれるのは、世界の終りと向き合う田舎の女子高生、都会から田舎へ移住した若いカップル、若年性痴呆症にかかった女子大生などなど、なにかしら欠落を抱えた、あるいは欠落に向き合おうとする人々だ。
    残酷な現実とそれを乗り越えるための幻想。
    そして、跳躍はいつも意図せずふいにやってくる。
    欠落はなにも変わらない。
    だが世

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    2010年11月10日
  • ロスト ハウス

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    そう、世界は既に開かれているのだ。
    様々なことに絡めとられて見えなくなってしまっているだけで。
    わたしはただそれに気づくだけでいいのだ。

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    2014年08月28日
  • ダリアの帯

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    大島さんて、おかしくなっちゃった世界や人をあたかも当たり前のように自然に描いてしまう。ふわふわした絵柄とそのアンバランスさ。

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    2012年02月15日
  • 綿の国星 1巻

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    チビ猫がほんとうに可愛らしい!
    チビ猫を取り巻く人間達も、どこか不器用で愛すべきキャラクターである。
    ほんわかふわふわな絵とストーリーの中に、時々ガバッと口を開ける深淵がある。
    ドキリとする。その只中にいても、どこまでも純粋であどけないチビ猫の姿に、切なくなったり、愛おしくなったりする。

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    2010年10月04日
  • ロスト ハウス

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    「8月に生まれる子ども」
    青春の真っ只中で、急に老化が始まる少女。
    肉体的にも、精神的にも加速度をつけて、変化していく。
    症状が進み、ついには自分が何者かということも細切れの意識のなか、ゆがんだ字で手紙を書く。
    たとえこうこうと眠るだけになっても、どんな姿になろうと、最後の最後まで生かして欲しい、という内容だったと思う。

    自分なら、そんなこと思えない。絶望すると思った、、、。
    初めてこの本を読んだときは、まだ学生だった。
    30代の今、読み返せば、生きたいというその少女の言葉に救われる思いがする。
    また、時間を置いて読み返したい。

    生をまっとうすることについて、色々思いを馳せます。

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    2010年10月09日
  • さようなら女達

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    大島弓子の作品の良さがようやく分かりました。
    なんとも繊細な女学生の危うい心情をこんなに的確に、魅力的に描いた人は他にいません。特にこの表題作の「さようなら女達」は良い話です。
    最後の海のシーンは胸に来ました。
    次男坊みたいな男の子は理想ですね。

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    2010年07月19日
  • グーグーだって猫である3

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    大島さんの書く漫画は好きです。1、2巻を読み返していたら3巻も文庫版が出ていた事を知り即購入。猫はいいですね。癒されます★よく猫をみていないと書けない作品だと思います。

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    2010年06月29日
  • ロングロングケーキ

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    結末をよく考えると怖いよね、でも何なんでしょう、この幸福感は。表題作と「秋日子かく語りき」「水の中のティッシュペーパー」が大好きです。

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    2011年04月11日
  • バナナブレッドのプディング

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    すごく詩的で白黒のバランスも良くて目においしいまんが。難しいからこそ自分で解釈する楽しみがある。私はバナナブレッドのプディングはあまり食べたくない^^

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    2010年05月25日
  • さようなら女達

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    痛い、あまりに痛い。何度読んでも涙がこらえられず、海に向かって叫ぶ場面で号泣してしまう。なぜなら、私もそうなっていたはずの少女時代だったから。
    周りが見えず、自分のこと(大好きなこと)だけに一直線になって、気がついたら取り返しのつかないことがすべて自分のせいでおこっている。その恐怖、そんなふうにして大人になりたくなかった、なぜ一度やり直させてくれないの。
    周りを傷つけ、だけど助けられ、うんとうんと愛されている主人公は前に進んでいけたけど、もしかしたら大島弓子は救いなんか描きたくなかったかもしれない。だって、救いがないのが現実だから。でも、これは少女マンガなのだ。私の大好きな、ハッピーエンドにな

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    2010年01月06日
  • ロングロングケーキ

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    ジギタリス・・・最後の女の子の「ああうれしい ほんとうよね ああうれしい 日曜日ね ええわかった 雨が降っても行くわ 雪が降っても行くわ 嵐でも 雷がなっても行くわ」ってとこが、なんかすごく好き。

    庭はみどり川はブルー・・・亡くなって長女に憑依した妻。

    ヤギの羊の駱駝の・・・きっと親の立場からみたら、とんでもない娘なんだろうけど、娘は幼いころから、殺された飼い犬を思い、心の何かに鍵を閉めてしまっている。子育ては難しい。

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    2009年11月30日
  • 綿の国星 1巻

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    何度読んでもいいです!
    リアルタイムは知らないのですが、文庫版を本屋でみかけて購入。
    それからドップリです。
    猫と暮らしてみたくなったのも、この漫画があったからかもしれない。

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    2009年11月09日
  • 綿の国星 1巻

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    須和野家に拾われた捨て猫・須和野チビ猫の目を通して描かれる、人間と猫の日常。決して異世界の話ではないのだが、猫の視点から描くことでファンタジックな雰囲気を帯びている。
    猫は人間の姿で描かれているが、行動や思考はあくまで猫である。
    小猫の命を抱いてるようで、愛おしむように一話一話丁寧に読んだ。

    チビ猫の可愛らしさも凄まじいのだが、ただの「猫が可愛いだけの漫画」にせず、厳しさをもって猫や人間の生活を描いている点が素敵。
    大島弓子さんのマンガって絵柄なんかもふんわりしていて少女趣味が強い感じだけど、そのシビアで切実な内容に毎回驚かされる。家族関係が破綻しそうだったり、社会に馴染めない苦悩だったり、

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    2009年11月03日
  • 夏のおわりのト短調

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    ははーん だいぶ好きだな、今までの大島作品ナンバー2くらいいくよ。
    微妙な年頃によくある揺れる思いを、こうもサラっと書いてしまえる。

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    2009年11月01日