無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
大島弓子は何を読んでも素晴らしい。
素晴らしいのだが、それを百も承知で言うとすれば、今回初めて読んだこの短編集は最高傑作(のひとつ)だと思う。
平成になってからの作品ばかりだが、とにかくどれもこれも恐ろしいほどクオリティが高い。そして、彼女らしい幻想と哲学が全開だ。
そこで描かれるのは、世界の終りと向き合う田舎の女子高生、都会から田舎へ移住した若いカップル、若年性痴呆症にかかった女子大生などなど、なにかしら欠落を抱えた、あるいは欠落に向き合おうとする人々だ。
残酷な現実とそれを乗り越えるための幻想。
そして、跳躍はいつも意図せずふいにやってくる。
欠落はなにも変わらない。
だが世界の全てが突然輝きだす瞬間。
それらの作品のあまりの説得力に、本を閉じ、そんな奇跡にひょっとしたら自分も出会えるのかもしれない、と思う。
例えば、表題作の主人公の女の子が思うように。
「わたしは/わたしの前で/世界のドアが/とつぜん/開け放たれて/いくのを/感じていた/この世界の/どこでも/どろまみれになっても/思い切りこの世界で/あそんでもいいのだ」
そう、思い切りこの世界であそんでもいいのだった。
それをたった今思い出した。
Posted by ブクログ
「8月に生まれる子ども」
青春の真っ只中で、急に老化が始まる少女。
肉体的にも、精神的にも加速度をつけて、変化していく。
症状が進み、ついには自分が何者かということも細切れの意識のなか、ゆがんだ字で手紙を書く。
たとえこうこうと眠るだけになっても、どんな姿になろうと、最後の最後まで生かして欲しい、という内容だったと思う。
自分なら、そんなこと思えない。絶望すると思った、、、。
初めてこの本を読んだときは、まだ学生だった。
30代の今、読み返せば、生きたいというその少女の言葉に救われる思いがする。
また、時間を置いて読み返したい。
生をまっとうすることについて、色々思いを馳せます。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。