カリン・スローターのレビュー一覧

  • 忘れられた少女 下

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    長かったー
    彼女のかけらの続編とは気付かなかった
    ナードとかチーズとか、名前と愛称が混乱して覚えにくかった
    過去と現在との行ったり来たりも混乱気味
    最後には落ちるとこに落ちたけど、この長さは過程を楽しむ人にはいいのかな
    テンポが乗り切れなかった

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    2023年02月02日
  • ハンティング 上

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    <ウィル・トレント>シリーズ第三作目。比較的暴力描写を抑えた前作と打って変わり、序盤から犯人の残虐性が肉体的痛みを伴ってありありと描写されている。更に、今作から<グラント群>シリーズの主人公であるサラ・リントンが物語に参入。そちらのシリーズはノータッチなのだが、冒頭から相当重要なネタバレがあり、少々手が出し難い。凸凹バディであるウィルとフェイスの捜査は遅々として進まないが、各々が抱える人間ドラマは着々と進行する。ロマンス要素が然程気にならないのはひとえにウィルの魅力的な人物造詣のおかげだろう。いざ下巻へ。

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    2023年01月31日
  • ハンティング 下

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    下巻に入って捜査はようやく進展を見せるが、終盤で犯人へと繋がるきっかけが些か安易過ぎて、ラストは著しく失速する。それに加え、犯人の人物造詣やその置かれた環境もステレオタイプなので、上巻で積み上げたディテールや緊迫感を活かせているとは言い難い。社会派ミステリーとしても中途半端な印象は否めず、実は物語の筋立てに関して引き出しの少ない作家ではないかとつい邪推したくなる。キャラクター小説として読む分にはすこぶる面白いのだけれど、本筋においてこのパターンが(とりわけ上下巻で)続くようだと、結構辛いかもしれないぞ…。

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    2023年01月31日
  • 彼女のかけら 下

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    ネタバレ

    相変わらず女性の痛み、強さについての物語。

    アンディにはイライラするし現実離れしすぎた話(母親が慣れた手つきで銃云々)読むのをやめようかと思ったけどちゃんとリアリティをもった地点に着地したのは素晴らしかった。

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    2023年01月06日
  • グッド・ドーター 上

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    父親が日本でいう公選弁護士をやっていて、「極悪犯罪人の味方」「あいつが弁護したせいで、犯人は出所してきた」など、いわれのない恨みを買い、家族に危険を与えて来た。普通はさ、弁護士自体をやめるか、扱っている客層を変えるかするべ。このおっさん何かあやしい。母親は事件で殺され、娘二人も弁護士。おかしい。何がトラウマが癒えない。。。アホかこいつら。多分上巻だから伏線を撒き散らすのが目的だと思うが、こういう歪んだ人たち、実は嫌いじゃない。下巻どうする?読むか読まないか。

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    2022年08月22日
  • 彼女のかけら 上

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    ネタバレ

    現在と過去を行き来する娘と母の物語。

    感想は下巻にまとめようかな。

    説明
    内容紹介
    銃乱射事件の犯人を
    躊躇なく殺したのは、
    ごく平凡なわたしの母親だった。
    MWA賞受賞作家の最新作!

    スローター史上最高傑作。サイコ・スリラーの新たな基準を築いた。
    ――ジェフリー・ディーヴァー
    人物造形の巧みさは天からの賜り物。彼女を傑出した作家たらしめている。
    ――『ワシントンポスト』紙
    スローターの世界にひとたび足を踏み入れると、もう後戻りできない。
    ――リサ・ガードナー

    ショッピングモールで少年による銃乱射事件が発生。
    偶然居合わせた警察署通信係のアンディは、警官だと勘違いされ、銃口を突きつけられる。
    震える彼女の前に立ちはだかったのは母のローラ。
    ごく平凡に生きてきたはずの母親は、犯人のナイフを素手で受け止め、喉を掻き切った――顔色ひとつ変えずに。
    呆然とするアンディをよそに、事件の動画は全米に拡散。
    母は瞬く間に時の人となるが……。

    内容(「BOOK」データベースより)
    ショッピングモールで少年による銃乱射事件が発生。偶然居合わせた警察署通信係のアンディは、警官だと勘違いされ、銃口を突きつけられる。震える彼女の前に立ちはだかったのは母のローラ。ごく平凡に生きてきたはずの母親は、犯人のナイフを素手で受け止め、喉を掻き切った―顔色ひとつ変えずに。呆然とするアンディをよそに、事件の動画は全米に拡散。母は瞬く間に時の人となるが…。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    スローター,カリン
    エドガー賞にノミネートされた『警官の街』をはじめ、“ウィル・トレント”シリーズや“グラント郡”シリーズで知られるベストセラー作家。これまで18作以上の作品を発表し、120カ国以上で刊行され、累計発行部数は全世界3500万部を超える

    鈴木/美朋
    大分県出身。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    2022年08月07日
  • ハンティング 下

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    ネタバレ

    初のカリン•スローター、読み終えてから検視官サラ•リントンと特別捜査官ウィル•トレントがそれぞれ主人公となる作品があり、本書でその2人の主人公達がクロスオーバーする作品だったことを知りました。

    その辺りをきちんと理解したうえで時系列に読み進めていればもっと違った読後感と評価になったのかも知れません。

    積読まみれの読書生活ですが、機会を作りデビュー作である「開かれた瞳孔」から手にとってみたいと思いました。



    説明
    内容(「BOOK」データベースより)
    捜査が難航するなか、新たな女性が行方不明になった。これまでの被害者と同じく、裕福で社会的地位が高く、やせ形の美人で嫌われ者―。だが被害者をつなぐ接点はなく、犯人の影は全く見えない。刻一刻と時間が過ぎるなか、ウィルは彼女たちが摂食障害を抱えていたことに気づく。そして、そこに隠された暗い秘密にも…。緻密な計画性と異常な暴力性をあわせもつ犯人のシナリオとは!?
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    スローター,カリン
    エドガー賞にノミネートされた『警官の街』や、発売するやいなやニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストにランクインした『プリティ・ガールズ』をはじめ、“ウィル・トレント・シリーズ”“グラント・カウンティ・シリーズ”で知られるベストセラー作家

    鈴木/美朋
    大分県出身。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    2022年07月17日
  • 凍てついた痣

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    日本で翻訳されていなかったサラシリーズの2作目。読み進めていくうちに「そっか、ウィルは出てこないんだ…」と寂しい気持ちに。
    ジェフリーがひどく嫌なやつでサラも微妙。
    2人のやりとり見ててつらい。
    レナしんでほしい。
    みんな嫌なやつ。
    前作みたいな残酷な描写はなく、話は読みやすくてなかなか面白かったけど、う〜ん風呂敷の畳み方はかなり雑かな…
    なんで翻訳されてなかったのかちょっと納得

    0
    2022年06月20日
  • プリティ・ガールズ 下

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    下巻は冒頭からまさかの展開。この小説は結局サスペンス。ミステリー要素は、ほぼなかった気がします。拷問のシーンは本当に嫌になります。また、決して爽快感は得られません。最後も解決してから、無駄に長かったですし。そういう意味では、正直物足りない話だったと思います。上巻から下巻の頭まで良かっただけに残念。

    0
    2022年05月27日
  • 彼女のかけら 下

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     シリーズ作品だけでもチェイスが大変なのに、独立作品をいつ読むのか? 今でしょ! 入院は積ん読本を読むには絶好の機会なのだ。

     しかし病気で入院してるのに、何故、暗い不健康な本を読まねばならないのだろう。本作は、ある意味、覚悟し、さらに予期していた通り、そんな不健康さでいっぱいの悲劇大作なのだった。

     いきなりのテロシーンで物語は始まる。ナイフ片手の無差別殺人鬼にあわや殺されそうになるヒロインを母が救い、さらに返り討ちにするという衝撃の幕開けだ。娘の立場から描かれる現代と、母の思いもよらぬ過去の物語が交互に語られる。

     過去の物語の中心人物たちはまず名前そのものも異なるので、すんなり今と結びつくわけではないのだが、国際テロ集団の離合集散の暗い時代とその緊張感が半端ではなく語られてゆく。

     現在と過去が容易に結びつかない中で最後まで持ってゆかれる物語には相当やきもきさせられるものがあるが、そこの紆余曲折が本書の読みどころであり、現在のヴァイオレンスからの脱出路の出口に繋がってゆくので、戦後国際テロを背景とした母と娘のサバイバルを、いつものようにスローター節で味わいたい。

     血とバイオレンスと男と女。そして壮大な旅として俯瞰される家族の物語は、いつものスローター節なのだが、あまりにも引っ張リ過ぎなラストのキレの悪さが、好印象には繋がらず、残念。

     Netflixでドラマ化されているとのことなので、そちらも要チェックであること間違いなし。

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    2022年05月26日
  • 彼女のかけら 上

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     シリーズ作品だけでもチェイスが大変なのに、独立作品をいつ読むのか? 今でしょ! 入院は積ん読本を読むには絶好の機会なのだ。

     しかし病気で入院してるのに、何故、暗い不健康な本を読まねばならないのだろう。本作は、ある意味、覚悟し、さらに予期していた通り、そんな不健康さでいっぱいの悲劇大作なのだった。

     いきなりのテロシーンで物語は始まる。ナイフ片手の無差別殺人鬼にあわや殺されそうになるヒロインを母が救い、さらに返り討ちにするという衝撃の幕開けだ。娘の立場から描かれる現代と、母の思いもよらぬ過去の物語が交互に語られる。

     過去の物語の中心人物たちはまず名前そのものも異なるので、すんなり今と結びつくわけではないのだが、国際テロ集団の離合集散の暗い時代とその緊張感が半端ではなく語られてゆく。

     現在と過去が容易に結びつかない中で最後まで持ってゆかれる物語には相当やきもきさせられるものがあるが、そこの紆余曲折が本書の読みどころであり、現在のヴァイオレンスからの脱出路の出口に繋がってゆくので、戦後国際テロを背景とした母と娘のサバイバルを、いつものようにスローター節で味わいたい。

     血とバイオレンスと男と女。そして壮大な旅として俯瞰される家族の物語は、いつものスローター節なのだが、あまりにも引っ張リ過ぎなラストのキレの悪さが、好印象には繋がらず、残念。

     Netflixでドラマ化されているとのことなので、そちらも要チェックであること間違いなし。

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    2022年05月26日
  • 贖いのリミット

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    アンジー回
    アンジーが苦手なのでところどころ読むのが退屈だった。それでもしつこくしつこくアンジーの内面の描写を見ているとだんだん同情してきてしまう。
    カリンスローターの著書をいくつも読んでいるけれど好きな女性の登場人物が1人もいない。みんな性格がひねくれていて、かといって個性的でもない。基本的な女性の弱さと強さをもっているだけ。好きになれるひとがいない。男性は興味深いひとが多いのになー。
    今作は文字を突然太くしている部分がある。引用やなんらかの記述の描写ではなくて、ほんと突然。なんの意図かわからないけど、子供向けのホラー本っぽくなって冷めるからやめてほしい。
    とりあえず読み終えられてよかった。
    ウィルトレントが好きなのでまた次も読もうと思う。

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    2022年04月02日
  • 血のペナルティ

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    ネタバレ

    シリーズ毎度、登場人物全員が漏れなく癖が強く、
    例えば障害や病気があったり、家族との関係が普通から大きく外れていたり、過去に大切な人と死別していたり、偏屈通り越して性格が破綻していたり…
    とにかく問題を山ほど抱えている。

    そのため印象としてはどこかしっちゃかめっちゃかしているのだけど、この人間ドラマがサスペンス要素と並走することで、単純な事件解決ものに留まらない独特の読み応えになっている。
    今回も最後まで飽きずに読ませてもらった。


    ただ今回、、
    個人的にはややだけど最後に無理矢理さを感じなかったわけではない。
    動機、コレ?感を拭えなかった。
    うーん そんなもんかもしれないし、ドラッグという要素も絡んではいるけども。
    人間ドラマが売りの本シリーズだからこそ、没入ややしきれずの点が残念。

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    2022年03月07日
  • ざわめく傷痕

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    スケートリンク前でマークに銃をむける少女ジェニー(サラの患者)のシーンからはじまる。あー、レナを好きになれない。この巻ではサラもジェフリーもいまいちピンとこなかった。やっぱりウィルトレントを呼んできて欲しい。それにしてもカリンスローターの翻訳は誤植が多くて落ち着かない。そういえばジェニーはなんで射撃がうまかったんだろう。見逃したかな。終わり方もモヤモヤ…。でも読めてよかったです。

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    2022年02月26日
  • グッド・ドーター 下

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    ネタバレ

    上巻よりも良かった。ハッカビーなんだろ?と思っていたら…。その後は予測ついたけど、後半は面白かった。

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    2022年01月30日
  • ハンティング 下

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    ネタバレ

    あとがきを読んで知ったんだけど、どうもこの本はシリーズものらしい。
    だから話の進め方が強引だな?と思ったり、最後フラグ回収してないな、と思ったりしたのかな…。
    それでも、フェイスとウィルがこの事件はポーリンが始まりだって思うに至ったところが理解できない。この流れでなぜポーリンが原因だと思うのか不思議で仕方なかった。そして最後までそこはわからなかった。

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    2021年11月24日
  • グッド・ドーター 下

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    下巻です
    読んでいて、この作者はどこまで女性に試練を与えるのだろうと思います
    上巻からあるシーンが繰り返し何度か出てきます
    家に押入った暴漢が母親を銃殺し、二人の姉妹が外に連れ出されて、姉は撃たれ妹は隙を見て逃げると言ったシーンです
    このシーンが出てくるたびに鮮明に、詳細に、残酷になってくるんです
    それがスローターの筆力なのですが、このシーンが出てくるたびに心がざわつきます
    そして何度もこのシーンをなぞりながらもクライマックスに導くところは流石です
    本来のハッピーエンドとは違うかもしれませんが最後は落とし所のつく結末にホッとします

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    2021年09月01日
  • グッド・ドーター 上

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    これはシリーズものではなく上下巻で完結

    この作者はどこまで女性と子供を痛めつけるんだろう?
    正義を貫こうとする弁護士の家族に起こった事件から始まる
    火炎瓶を投げ込まれて家が焼失した為、町から離れた一軒家に引っ越して間もなく、母親は銃で頭を撃ち抜かれ、長女は畑で撃たれて埋められ、次女は森に連れ込まれたが際どいところで逃げて隣の家に駆け込む…
    といったショッキングな出だしから物語は始まる

    今作に出てくる女性は皆、不器用で何かを抱えている生き辛さに支配されている
    典型的な男尊女卑の世界がこの中にある
    読んでいくうちにもどかしさやジレンマを感じるのは私だけではないだろう

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    2021年08月16日
  • ざわめく傷痕

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    グラント郡シリーズ第二作
    事件の凄惨さはいつもながら…読むのに力がいるしんどさ…

    現在続いてる別のウィル・トレントシリーズでは、三作目からヒロインとして登場するサラ・リントンが主人公です。

    あとがきでも書かれてましたが、現在の話ではサラは落ち着いた印象ですが、今作では感情で動く若々しいサラにちょっと戸惑いますね。(今の落ちつき具合は、うっすらと察してますが、この後色々とあったんでしょう…)

    いや、ほんと前作で被害にあったレナの苦悩具合とか…
    レナはウィルのシリーズ(現在)の方でも色々とあって…もうどう捉えたら良いのか…戸惑うことばかり

    ロマンスとサスペンスで、扱う事件が重いので「コレ面白いよ!」って勧める類の本では無いのです。

    複雑な関係、それぞれが抱えてる問題があってその上でぶつかり合う。
    疲れる。答えがない。でも引き込まれる。現実は救いがなくて、予定調和で解決しないし当然なんだけど…どうも自分の体調と合わなかったのか中々「何読んでるんだっけ」と内容があまりにも辛すぎて、上滑りした感じで読んでしまう時があった。

    どうも自分の場合、ウィル・トレントシリーズで展開される現在の視点「サラの過去にはどんなことがあったのか?」に重点を置いてしまいがちで"ジェフリーのこと"を気にして読んでしまうのが良くないのかも…

    ジェフリーは陽気で軽い警察犬、ウィルは傷だらけだが賢く生きる捨てられた仔犬のような印象を受けた。

    なんか、なんとなく犬。

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    2021年07月18日
  • ざわめく傷痕

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     本書はグラント郡シリーズ『開かれた瞳孔』に続く第二作である。現在の人気シリーズであり今も続くウィル・トレントのシリーズに、三作目から登場しレギュラーとなっている医師サラ・リントンの過去の、それも二十年前ほども前の過去シリーズなのである。このグラント郡シリーズは、第一作『開かれた瞳孔』が先年改めて再登場したということで、過去シリーズも改めて翻訳されるようになった珍しい運命を持つシリーズなのである。

     年間、二、三作品の勢いで、過去作と新しい作品が邦訳出版されている海外作家は、あまり思い当たらない。翻訳作品は、売れる見込みがなければ打ち切られることの多い現在、一作限りで過去に打ち切られたこのグラント郡シリーズが改めて見直され、商品価値を上げ、こうして市場に再登場、二作目以降も新訳されて新たにお目見えするとは、甚だ頼もしい限り。

     他社が打ち切ったシリーズの翻訳権を、新たに入手しては邦訳し、文庫化してくれるハーパー・コリンズ・ジャパンという世界レベルの出版社の日本進出は幸運であった。価格も既存の出版社に比べ非常にリーズナブルである。心強い限り。

     さてニ十年近く前の本書、サラ・リントンとその妹、そして前夫であるジェフリー・トリヴァーのアメリカ南部トレント郡という、アメリカの片田舎を思わせるローカルな場所で展開される、見た目には地味めの事件、ある少年に銃口を向けて引き金を絞ろうとしている少女を、ジェフリーがやむを得ず撃つ、というシーンで幕を開ける。

     なのでミステリー要素は、フーダニットではなく、むしろホワイダニットに近いミステリー。しかし少女の亡骸には悲劇的な忌むべき傷痕が残されていた。ショッキングな導入部である。

     本書はミステリーであると同時に、サラ・リントンや、被害者(or加害者)少年少女など、それぞれの家庭環境を描くシリアスなホームドラマであるかにも見える。いくつもの家族の物語であるかに。

     同時に、前作でサイコパスに囚われの身となり、過酷な運命を強いられた女刑事レナ・アダムスは、本書では再生の物語を歩まねばならない。己れを取り戻すために傷だらけの道を歩みつつ、育ての親であもる叔父ハンクとの疑似父娘愛ともいうべき愛情を、苦しすぎる葛藤と共に徐々に取り戻してゆかねばならないゆれに、レナは本書ではもう一人の主人公なのだ。

     壊れてしまうものと、繋がり続けるもの。それらのありさまを、家族というかたちで様々になぞらえて、苦しみ・信頼・裏切りといった過酷な渦に投げ込んでみると、こんなにも冷たく残酷、あるいは熱く苦しい、様々な人間模様ができるのだ、と提示されてみたかのような、見た目は地味でありながら相当な力作なのである。

     冒頭で撃たれ死んだ少女が辿った悲惨な家族環境や、レナ・アダムスを襲った過酷な事件からの苦しすぎる再生、別れた夫婦であるサラ&ジェフリーの今も続くデリケートな距離感と迷い。見えない未来。おぼろげ過ぎる希望。そして壊れた家族がもたらす、あまりにも残酷な、見えざる犯罪への彼らの怒り。

     家族という不透明な防壁を破壊し、白日の下に曝け出す。そんな地道で辛抱強い捜査の中での人と人のぶつかり合いを、いつも通り描き切るスローター節。ミステリーというだけでは収まらない、人間たち葛藤のぶつけ合いが本領発揮される本書。人間はここまで獣になれるのか、という残酷なまでの真相に唖然とさせられる作品。それでいてなぜかページをめくる手が止まらない。作者の怒りの叫びのような血まみれの作品。さすがの迫力、一流の語り口である。

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    2021年05月21日