カリン・スローターのレビュー一覧
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カリン・スローター『ハンティング(上)』ハーパーBOOKS。
上巻を読み終えた限りでは、これまでに読んだカリン・スローターの作品の中では一番スリリングで、恐ろしく、面白いミステリーだと思う。上巻では悪魔のような犯行が描かれ、同時に幾つかの伏線めいた描写があるものの犯人の正体は全く見えて来ない。
田舎道で車に轢かれた全裸の女性の身体には恐ろしいまでの監禁、拷問の痕跡が…ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは事故現場付近の森の奥深くで、おぞましい拷問部屋を発見する。そして、第2の犠牲者の死体が発見され…
作者のカリン・スローターは、パトリシア・コーンウェル、或いはアリスン・ブレナンに -
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小さな町のレストランのトイレで、大学教授の女性が腹部を十字に切り裂かれて殺害された。偶然にも第一発見者となった検死官サラは、迷いのない切創と異様な暴行の痕に戦慄を覚える。しかも犯人は被害者の習慣を熟知した人物。ならばこの町に暮らす顔見知りに違いない。捜査が難航するなか、第二の事件が発生。犯人の影はサラに忍び寄っていた。
体だけでなく心に負った傷を抱えながら、サラやレナなど女性たちは懸命に任務を務めようとするが、サラの元夫ジェフリーやレナの叔父ハンクは、彼女達を支えようとするものの、女性や薬に逃げる。男たちが持つレイシズムやマチズムに女性達が苦しめられる構図だ。女性達が戦う相手は事件のトラウ -
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隔絶された山奥の高級ロッジを妻サラと旅行で訪れた捜査官ウィル。インターネットも携帯電話もつながらないその場所で、ウィルはめった刺しにされた血塗れの女性を発見する。被害者は代々ロッジを経営する一族の娘マーシー。犯人はここに暮らす彼女の家族と4組の宿泊客の中にいるに違いない。だが、マーシーは家族各々と揉めていたうえ、宿泊客の素性も怪しい。誰もが嘘をつくなか、ウィルは真相を追う。
瀕死の状態のマーシーを、ウィルが発見する所から始まる。そこから時間は遡り、マーシーが家族からどんな目で見られているかが明かされていく。要するに、誰が容疑者でもおかしくないという状況が示される。かてて加えてマーシーのパー -
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カリン・スローター『報いのウィル』ハーパーBOOKS。
『ウィル・トレント&サラ・リントン』シリーズ。読み応えのある742ページの大長編。
まるで横溝正史の『金田一耕助』シリーズのような血塗られた一族が描かれる。
ジョージア州捜査局特別捜査官のウィル・トレントは妻となった検死官のサラ・リントンとハネムーンのため、インターネットも携帯電話もつながらない隔絶された山奥にある高級ロッジを目指していた。
その場所でウィルはめった刺しにされた血塗れの女性を発見する。その女性は代々高級ロッジを経営する一族の娘のマーシー・マッカルバインだった。
マーシーをめった刺しにした犯人は、高級ロッジの運営 -
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ネタバレいやー!
ウィル・トレントシリーズの方が有名なようで、このグラント郡シリーズは6冊で完結しているそうなんだけど、邦訳はここまで。そりゃないよ。今回あまりにもショッキングなエンディングだったので、待って待って!この部分だけでもちゃんと納得させて!って、最後の数行で文字通り飛び上がってしまったもんね。英語の原題はa faint cold fearだから、うっすらとした冷たい恐れ、恐怖?もしかしてそれが最後の数行?まさかそっちに行ってしまったの?
うーん、邦訳を待つしかないのか…
メモ程度に本作の振り返りを。
本作も完全にフーダニット・ワイダニット追跡パターン。犯人とその理由が毎回楽しみで追い -
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相変わらずカリンスローターは精神にくる犯罪を描くのがうまい。あらゆるひとに接触する心理戦もみごたえあり。推理しながら読むのがたまらなく楽しかった。
真相には何度もたどり着くのだけど、そのたび否定するような事実が出てくる。そのミスリードが多すぎて最後に辻褄が合わなくなってる気もした。けれどターゲットの見つけ方を知ったときはショックで思わず目を閉じてしまった。
今回はウィルの心情が控えめだったけどカバーに書かれてる「シリーズ最高峰」には納得できる。
ちなみに誤植が多かった。
そういえばウィルトレントは映像化されたんだった。チェックしたがキャスティングが私の印象と全然違う。個人的にはウィルシリーズ -
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今まであまり親近感もなく、好意的にも見れなかったアマンダのことが、すごくいい印象になりました。今作では、現在パートとアマンダの過去パートを行ったり来たりしてストーリーが進行し、特にアマンダの過去パートは、1970年代半ばで、女性への差別意識と黒人差別が色濃くあるる時代。この若かりしアマンダとフェイスの母親のイヴリンの2人の活躍が新鮮で、すごく親しみがわきました。この過去からどのように現代パートにつながるのかに注目でしたが、なるほどそういうことかと、いい読後感を味わうことができました。そして最終盤は、またまた気になる終わり方。次にどうつながるのか楽しみです!