カリン・スローターのレビュー一覧
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カリン・スローター『スクリーム』ハーパーBOOKS。
ウィル・トレント・シリーズ最新刊。いつにも増しておどろおどろしい表紙のイラストに加え、帯の『最新作にして最高到達点!異常な手口で口を閉ざされた犠牲者たちー 戦慄の連続殺人、再び。ミステリー界の新女王が放つ、ノンストップ・スリラー。』という扇情的な惹句に読む前から期待が高まる。
700ページを超えるボリューム。最初は現在と過去の時系列が複雑で戸惑うが、次第にストーリーと事件の深刻度が見えて来る。ウィル・トレント・シリーズにして、グラント郡シリーズでもある本作は、ウィルとサラの活躍に加え、今は亡きサラの元夫、警察署長のジェフリーによる強姦殺 -
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ラスティ・クィンは売人や性的暴行犯、誘拐犯を弁護して大いに恨みをかっていた。家は放火され、別の家では覆面をかぶった男たちが妻を射殺し、娘たちサマンサとシャーロットをレイプしようとした・・・28年後、シャーロットは弁護士になっていた。夫とうまくいかず一夜を伴にした相手とスマホを間違えてしまったため、相手の勤める学校を訪れると、発砲事件が。若い女性ケリーが教師や生徒を撃っている。そして彼女の弁護に関わり・・・
カリン・スローターは大好きなのだが、その中ではやや冗長。実はシンプルなもので、それをぐるぐるとラッピングした感じ。
それでも、最初のスピード感、ラスティの人物造形、シャーロットのトラウマ -
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ウィル・トレントシリーズ。
読みはじめたとたんに、ええっ、これはどういう状況?!ってところから、だんだんさまざまな人のつながりが見えてきて全体像がわかってくるストーリーが今回秀逸だったような。ウィルが潜入捜査しているんだけど。そういう、捜査の状況が毎回違うっていうのもマンネリ化しないでおもしろい。
あと、サラと、サラの夫が殉死する原因ともなったレナの対決(会話で、だけど)がすさまじくて、どきどきしながら読んだ。現実で、こんなに傷つけあうようなことを人と言い合うことってないと思うし、あったら立ち直れないだろうけど、フィクションで読めるのが刺激的というか、おもしろいと思ってしまう。
それからや -
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先に読んじゃった、シリーズの中で最新となる「破滅のループ」の前作ですね。元妻といってるけど、まだ離婚成立してないんじゃん。複雑な関係ですよ。著者の取材力には舌を巻きますね。NBAスター選手をこのように登場させることに驚かされます。全く○○野郎です。彼らを取り巻くビジネスや人間たちがリアルで唸らされます。そして、読むたびに思うのが、登場する女性たちの凄さですよ。悪い女はとことん悪くてむしろ清々しいくらい。男たちが右往左往させられて、ざまあみろと言いたくなってしまいます。構成もひねりがあって、アンジーを見る目も後半で変わりました。作者の手腕としか言いようがありません。あんなラストみせてくれたんじゃ
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弁護士のラスティは誰も依頼を受けたがらないような凶悪犯の弁護人ばかりしている。被害者からは恨まれ、依頼人から弁護費用を踏み倒されたうえ、うまく弁護してくれなかったと恨まれる。小さな地方都市でそんなことをするものだから、顔見知りばかりの住民からも非難される。なぜそんなことをと妻も二人の娘も思っているが、信念だからと言うしかない。
尊い仕事なのかもしれない。しかし、皮肉にもそれが原因で、妻は殺され、長女は瀕死の状態に。次女も心に深い傷を負う。
悪しき人間に襲撃されたことによって崩れた家族の幸せと姉妹の絆、再び取り戻すことはできるのだろうか・・・
以下感想。
ミステリー小説としての -
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捜査官ウィル・トレントシリーズ5作目
ウィルの相棒フェイス
その母親イヴリンは、ウィルによって汚職事件を暴かれた麻薬捜査チームのリーダーだった。汚職に関わったかどうかの真相はわからぬまま退職
その件もあり、3作目でウィルとコンビを組んだときはギクシャクしていたフェイスだが、ウィルの人柄を知り憎むのをやめて姉と弟のような関係性てバディとして仕上がってきている。
今回、イヴリンの家が襲撃を受ける
フェイスは現場にいた犯人を射殺するもイヴリンは誘拐されてしまう。
ウィルと上司でありイヴリンの「戦友」であるアマンダが捜査に乗り出す。フェイスは命令を無視してしまったこともあり自宅待機で身動きが取 -
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カリン・スローターの作品はぐつぐつと煮詰めたシチューのようだ。濃縮された様々な食材が、混在し、溶けて、一体となった混合物。作品中でいう食材は、主に人間である。様々な毛色の人間たちが、煮え滾るスープの中で、煮詰まって、ぶつかり合う鍋の底のような世界だ。
ウィル・トレント・シリーズ。そのコアなヒーロー&ヒロイン=ウィルとサラとが主役を務める、実に王道の作品。本シリーズの未だ初心者のぼくにとって、ウィル・シリーズなのに、毎度、他のキャラクターが主役を務める感の強いのがこの作家の特徴。つまり、キャラの立った人物像が、予め考え抜かれ、設計された凝ったシリーズなのだと言える。
本書はシリーズ中、 -
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疾病予防管理センター(CDC)の疫学者が誘拐され1ヶ月が経過。爆発事件があり、犯人グループにウィルの恋人、検死官のサラが拉致された。大規模なテロを計画している、極端な白人至上主義者たちのグループの仕業だった。テロを止められるのか、サラの行方は、どんなテロなのか・・・
途中、長いなーと思いながら、スローター作品だから我慢してれば報われると思っていたら、やはり報われた。
ラストに近づいて、テロの詳細が分かる辺りから急速に加速していった。
リーダーのダッシュが言う。
「わたしのレディたち、よく聞きなさい。いまからいちばん大事なことを教えるぞ。人種はピラミッドのように積み上がっている。いちばん