遠藤徹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集です。どれも素晴らしい。
私はこちらを先に読みましたが、同著者の『弁頭屋』改題なので同じものを買わないように注意です。
いやもう全編に渡っておかしい。異常なのに平常心なんです。姉飼から完全にぶれてない。
狂気に満ちているのにも拘らず、違和感を抱くこちらがおかしいのではないかと思わせるのには見事としか言いようがありません。
・弁頭屋
人の頭にお弁当を詰めて売るって発想がチャーミングです。グロいのに笑っちゃう。人を好きな気持ちなんかはごく普通なのに、何故普通に人の頭からごはんを食べるの?もう最高。
・赤ヒ月
えろい。わけわかんないけど淫靡なのはわかる。はあんぐろいよお。真剣に読むとと -
Posted by ブクログ
雅楽の「雅」とは、「正しい」の意。
宮廷での祭祀の音楽が本来の姿。
ところが、日本には饗宴の音楽である「燕楽」が伝来し、それが宮中で行われたところから都風の音楽という意味での「雅楽」になる。
しかし、筆者は「自然の調和」が雅楽の真髄だと考えているようだ。
たしかに、今雅楽にふれるとすれば、必ずしも宮廷との関係において考える必要はなく、自分の感性(まあ、それが難しいんだけど)で、昔の人々が何を美しいと思っていたか思いを寄せればいいのだろう。
雅楽のリズムについて知ることができて楽しかった。
「陵王」は「中曲 早八拍子 拍子十六 半帖以下拍子加」と表示される。
曲の規模または各が「中」、早拍子で -
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Posted by ブクログ
4編とも、とても寓話的な話だと思った。
シュールでグロテスクで「なんでこんな設定思いつけるんだろう?」と思ってしまう部分は多いんだけど、何かしら現実にある物事を再解釈して作り上げたんじゃないかと思う。
串刺しで売られる「姉ら」のおぞましい姿にどうしようもなく惹かれてしまう主人公、という図は、違法なペットや売春の比喩なんだろうなー。
そういう寓話なんだろうと捉えてもやっぱり、姉らの妖しくて背徳的な姿に主人公と同じ目線でなぜか惹かれてしまう。
ビジュアル想像するとどう考えてもただのグロだし暴れる姉たちは色気なんてないのに、不思議。
収録作の中では『妹の島』が一番好きです。
虫いっぱいでグロいの