遠藤徹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名がそそるじゃないですか!それもあの「姉飼」を書いた作者となれば期待せずにはいられません!
5つの短編集です。
1、「弁頭屋」
「この際だからやってしまいましょう」。多数派を占める首相のその一言で軍事国家となってしまった国のとある大学では、立地の都合上、移動式弁当屋が流行っていました。
美人双子「ミチ」と「サチ」の弁当屋に姉のミチ目当てで通う大学生の「靖之」は、抜け駆けしてミチに手を出そうとした友人が弁当箱となって並んでいるのを発見し・・・
⇒どっかのライオン頭の首相を彷彿する。キモイけど妙に印象に残る作品。
2、「赤ヒ月」
望んで人と関わらずに孤独に生きてきた「ぼく」。ある日、お気に入りの場所で生物の美人教師「高槻」が生徒の内臓を貪り喰っているところを目撃してしまします。翌日、ぼくは先生から話しかけられます。「君は食べたい方?それとも・・・食べられたい?」と。
⇒グロだけどどこか艶っぽく、そしてツマラナイ作品
3、「カデンツァ」
「できちゃったみたい」。妻「夕菜」の一言にあんぐりとする夫「拓郎」。妻の相手はわかりきっています。そう、IH炊飯ジャー「炊き出し」です。
しかし拓郎にとってそれはどうでもいいことでした。なぜなら、彼にはホットプレートの「アンナ」という恋人がいたからです。
⇒論理的な思考を一切受け付けない世界。気分わる!
4、「壊れた少女を拾ったので」
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」。軋んだ音に導かれて、死にかけたペットが捨てられて山に行った「わたくし」は、そこで壊れた少女を見つけました。
青い目の人形のよう少女を拾って帰った「わたくし」は、血と粘液に塗れながら、自分の体の部品を使いながら少女を修理することにしました。
そう、彼女はとてもきれいだったから・・・
⇒素晴らしいのは題名だけ。
5、「桃色遊戯」
空から降り続くピンクのダニ。ダニはあらゆるものを食べ、驚くべき速さで増殖し、世界をピンクで覆っていきます。残された人間たちは・・・
⇒いいじゃない!このせつなさ感が漂う世界。主人公の目的も泣かせるよね。
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Posted by ブクログ
第10回日本ホラー小説大賞大賞受賞作である「姉飼(あねかい)」に書き下ろし3作「キューブ・ガールズ」、「ジャングル・ジム」、「妹の島」を加えた短編集。小説として非常に巧かった同じく大賞受賞短編、岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」とくらべると、いかにも未熟な部分が目立ちます。嫌な雰囲気をたたえた異形の世界構築については見るべきものがあると思うのですが、物語のオチのつけかたについては如何なものか・・・。
夜店で売られる「姉」。「姉」と呼ばれ、人と同じ姿をしていながらも人ではない生き物。そんな生き物が夜店で串刺しになった状態で売られている。苦痛を感じることが喜びであるらしい。「らしい」とあくまで断定していないところがまた絶妙な設定でもあります。
読んでみたいと思う気持ちになる事そのものさえも背徳感を感じさせてくれます。 地元の若衆が巨大な脂肪を神輿代わりに担いでどろどろになる脂祭りや、村の特産品である、生命にかかわる悪臭を放つ蚊吸豚なる家畜など、なんとも気味の悪い世界設定は非常に魅力的でした。
もしかして、もしかするとテーマは「純愛」と深読みする自分でした。
人外と化した帝王とその息子たちによって支配されている果樹園島の崩壊を描いた「妹の島」なんか、ひたすら面白くてわくわくしながら読んでたら、ラストは打ち切り漫画みたいでした。