あらすじ
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『源氏物語』や『枕草子』にもたびたび登場する雅楽は、平安期から続く音楽と舞です。
今でも、お正月や法会、祭りの際などに寺社で聴いたり、各団体や大学サークルの演奏会で体験することができ、とくに宮内庁の定期演奏会は予約が取りにくい人気の催しとなっています。
「全部同じ曲に聴こえてしまう」、「どこに注目すれば楽しめる?」とか「初心者におすすめの演目や鑑賞マナーがあれば教えて」という声に応えて、本書は雅楽初めてさんにもわかりやすいように、ポイントのあれこれをマンガで紹介しました。
演奏される機会の多い演目の見どころ聴きどころや、豪華で雅やかな装束の文様、そして楽器と舞について、教養として知っておきたい雅楽知識が満載です。
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Posted by ブクログ
雅楽の「雅」とは、「正しい」の意。
宮廷での祭祀の音楽が本来の姿。
ところが、日本には饗宴の音楽である「燕楽」が伝来し、それが宮中で行われたところから都風の音楽という意味での「雅楽」になる。
しかし、筆者は「自然の調和」が雅楽の真髄だと考えているようだ。
たしかに、今雅楽にふれるとすれば、必ずしも宮廷との関係において考える必要はなく、自分の感性(まあ、それが難しいんだけど)で、昔の人々が何を美しいと思っていたか思いを寄せればいいのだろう。
雅楽のリズムについて知ることができて楽しかった。
「陵王」は「中曲 早八拍子 拍子十六 半帖以下拍子加」と表示される。
曲の規模または各が「中」、早拍子で八小節を一単位にするリズムを持ち、その単位を十六回繰り返し(た128小節)で一曲ができていて、曲の中央(半帖)以降に打物のリズム形式が変化する」ということを意味するとのこと。
意味が分かると、少し楽しくなる。
もう少し知ってみたいと思うようになる。
舞の型や技法も紹介されていた。
今のブレイキンなどと比べれば、ほとんど動いていないようにも思える舞だが、実は体は常にどこかが動いている状態なのだそうだ。
しかもゆっくり動いている。
本書にも「きつい」と書いてあったが、まあ、太極拳と同じような意味できつかろうと思う。
主要な演目の紹介、衣装や楽器の解説、雅楽の歴史のレジェンドたちのエピソードと進む。
ところどころに、古典文学や文献で雅楽について言及した部分が引用されてもいる。
篳篥を聞いて涙したという話をどこかで読んだことがあるが、それは本書には出てこず、むしろ「枕草子」にクツワムシのようで不快と書かれたり、鎌倉期の楽書「教訓抄」には暁に鳴くサルの声、と書かれていると紹介されていた。
篳篥が出てこない曲はないのに、意外と音色については賛否が分かれたんだなあ、と分かり、面白かった。
それから、名古屋市瑞穂区師長町が、鎌倉期のレジェンド楽人で、太政大臣まで務めた藤原師長から来ていたということにも驚いた。
清盛に嫌われて一時そこにいたからだそうだ。
雅楽のガの字も知らない人への入門書として、優秀だと思う。
今度、雅楽にふれる機会があったら、もうちょっと面白く鑑賞できるに違いない。
興味さえあれば、読み通せる!
ただし、解説の字が小さく(8ポイントくらい?)、そのルビがさらに小さく、老眼が始まりつつある身にはつらい。
Posted by ブクログ
雅楽って聞いてみたいな
と思っても 舞台背景が中国古典ものの
知識がないと分かりにくいな
と思ってたんですよね
漢文の素養がないので
こういう風にコンパクトに解説してくれると
非常に面白く読むことが出来ます
またイラストがお稚児さん風下膨れちゃんたちなので
非常にかわいい