高橋恭美子のレビュー一覧

  • 約束

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    ロス市警スコットと相棒の雌のシェパード、マギーの物語。どちらもパートナーを亡くす深い喪失から再生をかけて立ち上がろうとする、1人と1頭の物語。

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    2020年12月15日
  • 蒼ざめた馬

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    若き学者が、正義溢れる女性に尻を叩かれながら連続殺人組織挑むミステリー。
    はじまりは9人の名が書かれたメモ用紙。その人物たちは、皆、自然死している…その不自然さに導かれるように事件に入りこんで行く。
    オカルトやまやかしに捉われず真実を探る姿は、応援したくなる!
    ラストはオセロをかえすようにパタパタと謎が埋まり、真犯人は、、?!
    終わりにタイトル「蒼ざめた馬」が描かれた看板を磨き、事件を分かち合った二人が感慨深く眺める様は物語に相応しいラストでした。

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    2020年11月23日
  • 容疑者

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    犬好きは熱くなる。犬好きじゃなくても熱くなる小説。

    アフガニスタンで戦闘に巻き込まれ、相棒の兵士・ピートを喪い、自らも銃撃を受けた軍用犬のマギー。パトロール中に銃撃事件に遭遇し、マギーと同じように相棒のステファニーを喪い、自らも重傷を負った刑事のスコット。
    心身共に大きな傷を負った一人と一匹の絆と再生を、緊迫感溢れる事件の様相と共に描いていくミステリーです。

    冒頭からなかなかにたまらない書き出し……

    銃撃戦に巻き込まれピートが倒れ、マギー自身も撃たれてしまうのに、それでもマギーはピートを元気づけようと顔を舐め続ける。しかし、ピートの体温は次第に冷たくなっていき……

    さらにスゴいのが、こ

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    2020年10月09日
  • 指名手配

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    コールとパイクは勿論のこと、逃亡中の少年タイソン、その母親のデヴォン、皆んなキャラが立っていて、次のページになって仕方がなくなる。間違いなく面白い!

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    2020年01月04日
  • 容疑者

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    ちょっとズルをして解説から読んだ。どんな犬なの? 興味津々だった。
    北上次郎さんは

    これは、心に傷う撃った人間と犬の物語だ。ミステリー・ファンはもちろんだが、犬好き読者にも是非おすすめしたい、もう、たまらんぞ。
    肉声を聞くような 笑

    犬も猫も好き。猫語は少し分かる気がする。犬はいなくなって随分日がたった。
    家に来た子供の時はくりくりした丸い眼でそれは可愛いかった、コッカースパニエルだ。大人になると金色の長い毛を持ち成長するにしたがって優美になって声も低く、怒ったこともない。夕方の散歩にいくと逆光で長い毛が光の玉のようになって走る姿が今でも浮かぶ。病気になって、いなくなってしまって

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    2019年12月30日
  • 容疑者

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    初っ端から涙が止められなくて、というか、しゃくり上げるほどの号泣で目が腫れてツラかった!!

    でもわんこ好きな人には超絶オススメです!!

    読んだ後にはウチのわんこをぎゅーってしたくなるし、いつも思っている以上にウチの子への愛が爆発します。

    しかも、ちゃんと人間のドラマもあり。。

    なんで今までノーマークだったんだろう?

    これから、ますますわんこ本に傾倒していきそうです♩

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    2019年12月28日
  • 約束

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    スコット&マギーの続編でも有り、探偵コールの物語でもありました。

    どちらもキャラクターとして人間味に溢れて魅力的。惹き込まれました。

    マギーの仲間を守る忠犬振りと、それに応えるスコットには涙を誘います。それに探偵コールのエミリーの悲しい過去に動かされる任侠も、なかなか心を打たれ、読んでいて感動します。

    前作の容疑者をより一層濃厚にした感じで、大満足な一冊でした。

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    2019年08月27日
  • 指名手配

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    「容疑者」「約束」に続く第3弾だというので、シェパードのマギーが出て来るのだと思ったら、無関係だった。

    探偵エルヴィス・コールは、デヴォン・コナーから、高校生の息子タイソンが高価な物や多額の現金を持っていて怪しいから調べてくれと依頼される。タイソンの持っていたロレックスの番号から盗品だと分かる。しかも連続して金持ちの家から盗む事件があって、もしかするとタイソンはその犯人グループの一員なのだろうか。盗まれた物を追いかける悪党二人組は残忍に人殺しを続けていく・・・

    マギーが出てこないという意味では東京創元社はサギじゃないかー、と文句を言いたいところだけれど、面白かったのでまあ良しとする。

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    2019年07月02日
  • 指名手配

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     この作家は女性の描き方がうまい。訳者もあとがきでそう言っている。そう。実に巧いのだ。主要登場人物のみならず、ワンシーンのみ登場するだけの脇役に至るまで、こと女性に関しては個性が際立っている。作者はよほど女性から痛い目に遭っているのかもしれない。あるいはとても優しくて女性にもてる作者の人間観察力がそうさせるのかもしれない。

     さて、ともかく。スコット&マージという捜査犬シリーズを離れ、いよいよエルヴィス・コール&ジョー・パイクという作者のメイン・シリーズである。ぼくには初読である。しかも新作。二人の単独シリーズとしては何と19年ぶりとなるらしい。何故? Why? 無論、『容疑者』『約束』と、

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    2019年05月18日
  • 約束

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     最近、ぼくの最もお気に入りのハードボイルド・シリーズがこれだ。

     前作『容疑者』は作家を復活させるほどの人気を得たらしい。ぼく自身を含め相当の新しい読者を獲得したに違いない。スコット&愛犬マギーというハンドラーと警察犬コンビがたまらない。共に、相棒を銃火で失い、心と体に深い傷を負った同士の、復活と愛情の、感涙ものの傑作であった。

     だから、本作で、ロバート・クレイスの本家シリーズのレギュラー・コンビ、エルヴィス・コール&ジョー・パイクが、一人と一匹のシリーズに合流するという趣向の作品が早くも登場したのも、自然な流れだと思う。何せ、コールは17年ぶり、パイクは7年ぶりの復活作品。彼らにとっ

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    2019年05月10日
  • 約束

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    以前は同じ著者の作品を立て続けに読むということをよくしていましたが、最近はいろんな著者の作品を満遍なく読むようにしようと、同じ月に同じ著者の本はできるだけ読まないようにしています。しかし今月初めに読んだ『容疑者』がめちゃめちゃよくて、続編があると知ったら読まずにはいられず。それがこの『約束』。

    ロバート・クレイスの作品を読むのは『容疑者』が初めてだったので、今回も刑事ひとりとジャーマンシェパード1匹が主人公だと思ったら、同著者に“コール&パイク”というシリーズもあるそうな。今回は『容疑者』のコンビと、コール&パイクのコンビの、いわばコラボ作品。ファンにとってはたまらん豪華キャストかと。

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    2017年09月25日
  • 容疑者

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    字ぃちっちゃいのよ、創元推理文庫。同程度の厚さでも、講談社文庫と比べたら文字数は倍くらいちゃうか。というのは言い過ぎか。老眼が来るとついつい創元推理に及び腰になってしまいます。この文字の小ささで400頁超やけど、読むのに何日かかるやろと思ったら。こんなん反則、プロローグから涙がこぼれる。

    パトロール中に事件に巻き込まれ、相棒女性を亡くしたロス市警の刑事スコット。アフガニスタンで狙撃され、ハンドラー(指導手)を亡くした雌のジャーマンシェパードの軍用犬マギー。心身ともに深い傷を負った一人と一匹が出会うとき。事件から9カ月経つも挙げられない犯人を見つけようと、スコットはマギーと組み、捜査を開始する

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    2017年09月10日
  • ビッグ・ドライバー

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    抜き差しならない状況に追い込まれた恐怖を描くことで人間の本性をあぶりだすのがキングという作家。キングの描く「抜き差しならない状況」というのは死に直面することだ。自分の命が危うい恐怖からさらにエスカレートして、相手の命を奪わなければならない状況に陥ったら・・・汗。

    勧善懲悪の時代劇でもなく現代は法治国家であるなかで、この本に納められている2編では最終手段をとってしまう。相手はそうされても当然なのですが、なにか引っかかる描き方。どんな理由であれ、相手の命を奪った者が味わうことになる恐怖は「FullDark,No Stars」前半を収めた「1922」に描かれています。これで、無間地獄のようにもとに

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    2013年09月04日
  • ビッグ・ドライバー

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    前に読んだ『1922』の分冊。「ビッグ・ドライバー」と「素晴らしき結婚生活」の2編収録。
    「ビッグ・ドライバー」は講演の帰りに大男に拉致され暴行を受けた作家が復讐を決意するという話。「素晴らしき結婚生活」は30年近く連れ添った夫が連続殺人鬼であると知った妻の行動の描く話。
    どちらも普通の生活を送っていた女性が突如異様で狂気に満ちた状況に身を落とすという点で共通している。そしてどちらの女性も自分ひとりで決断し、きっちり行動に移す。
    超常現象はないしホラー要素にしてもさほど強いわけでもない。その分、異様な状況におかれた人間の姿が濃密に描かれていて圧倒される。良い具合にキレのあるキングだった。

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    2013年06月20日
  • ビッグ・ドライバー

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    「怪物」を書き続けるキングが、怪物と人の間を揺れ動く、普通の人たちを描く。
    穏やかな日常がある日理不尽に打ち崩される、そこまでは普段のキングですが、ささやかな幸せを維持しようと足掻くその前に、彼女達が嫌でも見据えねばならない正義とは、倫理とは。
    この二篇は、今までのキングとはまた違う味わいを見せてくれる逸品です。

    本編とは関係ありませんが、作者の後書きにある言葉に感銘を受けました。

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    2013年05月18日
  • ビッグ・ドライバー

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    久しぶりに,一日で読み終えなかった本。キングは昔から好きだが、これはキングが精神がかなり上にいったのでは?と思うくらい。私の歳くらいだとバンバン出てくる映画やらなにやらは、すっと出てくるが、あまり見ない人は比較が?になりそう。でも多分誰でも知っている範囲とは思うが…
    一編一日ずつ読んだ。なかなかえぐさもあるのだが、多分現実からはそう遠くない感情だろう。映画やドラマじゃきれいごとになりそうな。しかし、ヒントを得たところがそれぞれあるとはいえ、これはフィクションだし。私が特に感心するのは、キングが男なのにここまで女性心理を書けること。わかったつもりで書く作家は多いがその域を出ない人がほとんどの中、

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    2013年05月03日
  • 蒼ざめた馬

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    ネタバレ

    翻訳が女性になったからか、旧版より柔らかい文章になった気がします。
    旧版のを読んだことがあるのでストーリーも犯人も知っていましたが、読みやすくて楽しめました。

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    2013年04月29日
  • ビッグ・ドライバー

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    「高潔さは事を上首尾に終わらせることにあるのではなく正しい行いをすることにある」。分冊2冊4編中、3編は「いい」けど、最後の1編『素晴らしき結婚生活』は「すごい」。久々に興奮したー!

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    2013年04月22日
  • ビッグ・ドライバー

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    「ビッグドライバー」と「素晴らしき結婚生活」の2編からなる一冊。
    中編でしたが、どちらも読みごたえたっぷり。

    読む人をあんなに葛藤の渦に巻き込みながらも救いのある結末。
    倫理的、人道的にはいかがなものかと。
    感情移入しながらページをめくる手が止まらず一気読み。

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    2013年04月13日
  • 蒼ざめた馬

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    ネタバレ

    上質のミステリー。
    犯人は誰か、ということよりも早くこの先が知りたい!
    という欲求でグイグイ進んでしまいました。
    もっと、登場人物の一人ひとりを分析しながら
    葛藤を繰り返し、反芻しながら読むべきミステリーなんでしょうが。

    単純に驚かされています。

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    2012年05月21日