高橋恭美子のレビュー一覧
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犬が登場する小説は多分にあれど、犬の心を描く小説というのはそう多くはない。西村寿行や稲見一良、日本のシートンと言われた戸川幸夫の名作『牙王物語』などなど。アメリカ探偵小説では、ロバート・B・パーカーやアンドリュー・ヴァクスのどちらも家から一歩も出ない巨犬がいるが、犬の心は描写されない。
心や感情の描写をしないのがハードボイルド、であるけれど、本書は犬の感覚での喜怒哀楽まで含めた描写が最初から際立っている。犬と日頃ともに生活しているわけではないぼくのような人間でも、愛着を覚えたくなるような、それは優しく、かつ特殊能力を備えた危険な犬でもある。
さて、本作はLAを舞台にした警察ミステリ。 -
Posted by ブクログ
ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
ロバート・クレイスの作品を読むのは、「天使の護衛」以来だと思う。私立探偵エルヴィス・コールのシリーズは何冊か読んだし、「破壊天使」というノンシリーズものも読んだな。それはともかく、これはなかなかよい。私は犬好きでもなんでもないが、それでも読ませます。 -
Posted by ブクログ
最近フェイ・ケラーマン、出ないなぁ、って思ってたら、出版社変わったよ。
でもって、これはシリーズの18作目で、前でたのが12作目で…。
家族の歴史が裏テーマなのに、6作分あくってひどすぎる。
さっさと、ぬけてるのを出してもらいたいもんだ。
ってことで、6作あいて、前作で新人警官だったデッカーの娘は、ベテランになり結婚もしている。リナの息子たちもそれぞれ巣立って、末っ子の娘は反抗期と、ホント微妙なところがぬけてるせいで、肩透かしをくらった感じ。
事件は、大富豪の広大な家屋敷で起こった多重殺人。
結局は、思わぬところからヒントが得られて~タイトルが上手い~解決し -
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最近フェイ・ケラーマン、出ないなぁ、って思ってたら、出版社変わったよ。
でもって、これはシリーズの18作目で、前でたのが12作目で…。
家族の歴史が裏テーマなのに、6作分あくってひどすぎる。
さっさと、ぬけてるのを出してもらいたいもんだ。
ってことで、6作あいて、前作で新人警官だったデッカーの娘は、ベテランになり結婚もしている。リナの息子たちもそれぞれ巣立って、末っ子の娘は反抗期と、ホント微妙なところがぬけてるせいで、肩透かしをくらった感じ。
事件は、大富豪の広大な家屋敷で起こった多重殺人。
結局は、思わぬところからヒントが得られて~タイトルが上手い~解決し -
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ネタバレ酒場で女性同士の喧嘩を目撃したマーク。トマシーナと言う少女の髪の毛が抜けるのを目撃したマーク。数日後のトマシーナの死。オリヴァ夫人がかたる同じように髪の毛が抜ける女性の話。ある女性の今際の際の言葉を聞き名前をメモしたゴーマン神父の撲殺。神父のメモに書かれた名前。神父をつける男を目撃した雑貨屋のオズボーン。友人で警察医師のコリガンから話を聞いたマークの捜査。マッチ・ティーピング村での捜査。〈蒼ざめた馬〉と名付けられた舘に住む怪しい人々。メモに書かれた名前の人々の死。近親者たちの怯え。元弁護士のブラッドリーの組織。ジンジャーと共に囮捜査を行うマーク。足の悪いウェズナブルが立って歩いて神父をつけてい
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Posted by ブクログ
「1922」と同じ原著の後半で、同様に2つの長い中編小説が入っている。
気になったのは、どちらも主人公が情報収集する際、パソコンでインターネット検索をするところ。グーグルとか、グーグルアースとか、Firefoxとか、なじみ深い名前がそのまんま出てくる。キングはもともと、アメリカ人の日常生活を極めて具体的に描くから、野球選手や歌手、車の名前なども頻繁に出てきた。それと同じ流儀で、今度はいよいよパソコン活用の日常が、流れ込んできたのである。
もうひとつ、キングが描出する危機的状況は、まず「孤独」の輪郭が強調されるという点。まるで他者たちと隔てる四方の壁に囲まれて、そこに当然帰還するとでもいうように