高橋恭美子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
警察犬マギーのシリーズではありません。
「指名手配」は探偵コール&パイクシリーズ17作目で、「サンセット大通りの疑惑」以来19年ぶりの邦訳(訳者あとがきより)です。
ロバート・クレイスのWikiにある作品リストだとわかりにくいですね。
マギーが登場する「容疑者」は当初単発作品のつもりだったのではないでしょうか。
しかしこの作品が作家を復活させるほどの人気を得たので、
新たに得た読者層を続編「約束」に導いてコール&パイクに出会わせ、
マギーは?と思っているうちにコール&パイクの魅力にひきつけて本流のシリーズに誘う仕掛けかな。
仕掛けにはまった私は「指名手配」でさらに2人に魅了され、
それと共 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『火のないところに煙は』を読んでいて、そういえば、クリスティーにも占い師が出てくるホラーテイストな話があったよなぁー。
……と思い出して読んだんだけど。
読みだしてすぐ、「あ、占い師じゃなくて、魔女だった」って(^^ゞ
とはいえ、占い師よりは魔女の方が読者をお話に引き込む魔力が強いのか?w
なかなか面白かった。
そんな『蒼ざめた馬』、ちょっと前にやっていたドラマは見ていた。
ただ、あのドラマって、よくわからないで終わっちゃうんだよね(^^;
実はクリスティーって、ハヤカワのクリスティー文庫が出た時、初めて読んだこともあって。
だから、『蒼ざめた馬』も、その頃に読んだんだと思うんだけれど。で -
Posted by ブクログ
互いに大事な存在を喪った警察犬と警官の出会い。
警察犬マギーの感覚が伝わる表現で、胸が熱くなる物語です。
アフガニスタンの海兵隊で、爆発物探知犬だったマギー。
ハンドラー(指導手)のピートが撃たれ、かばって被弾したマギーはアメリカに戻っています。
大きな音に怯えるため、警察犬としては無理だろうと思われていましたが…
スコット・ジェイムズは、ロサンゼルス市警の巡査。
銃撃事件に遭遇して相棒を亡くし、自らも重傷を負いました。
復帰後に警察犬隊を志望したのは、人間の相棒の悲痛な叫びを忘れられなかったため…
9か月後、マギーに出会って、コンビを組むことにします。
警察犬隊の主任指導官リーランドは -
Posted by ブクログ
ネタバレスコットとマギーの第二弾。
と思いきや、エルヴィス・コールもジョー・パイクも出ていた。
失踪した女性を探すために女性の知り合いを訪ねたコールは、
逃亡中の犯人を追ってきたスコットとマギーに出会う。
女性はジャーナリストだった息子を自爆テロで失い、
復讐しようと爆薬を作っていた。
スコットは犯人の顔を見ていたため、命を狙われることになり、
コール達と協力することに。
いままでいろいろな人を守ってきたコール達、
今回は若くもない、スタイルが良いわけでもない女性だが、
やっぱり彼らは守るのかとちょっと感動した。
最後には息子の敵もとっていたし。
貸倉庫の中に入って爆弾を捜すことができないコー -
Posted by ブクログ
セーアン・スヴァイストロプ『チェスナットマン』ハーパーBOOKS。
700ページ近いボリュームのデンマーク・ミステリー。
真犯人の姿が見えぬままに次々と凄惨な事件が発生し、ストーリーは二転三転のうねりを見せるので、手に汗握る非常にリーダビリティの高い作品に仕上がっている。そして、全く予想もしなかった犯人像とプロローグに描かれた事件と犯人の目的の全てがつながり、納得すると共に、これで全てが決着するのかと安心するのだが……
物語は1989年の10月31日のオーロム牧場で発生した斧を使って一家を惨殺した凄惨な事件から幕を開けるが、これは単なるプロローグに過ぎない。
本編の舞台はプロローグから -
Posted by ブクログ
フランスで一番売れている作家と言われるベルナール・ミニエを想起させるサイコなサイコなエンタメ作家が、デンマークに新たに登場した。今回はおそらく北欧小説界においてもエポック的大作。デンマークと言えば、ぼくも大ファンである『特捜部Q』のシリーズを第一に思い浮かべるが、本作は当然ながら別の個性による味わい。新たな大物が誕生した感が強い。
サイコ&スプラッタ&アクション、さらにフーダニット+ホワイダニットといった、謎に謎が積み重ねられてゆく分厚い材料いっぱいのクロスオーバー。重厚なエンタメ作品なのである。前述したベルナール・ミニエ作品の事件現場も凄絶でエモーショナルでインパクト抜群なのだが、本書 -
Posted by ブクログ
今年の初めに読んだのが『天使の護衛』。ご存じエルヴィス・コールの相棒ジョー・パイクを主人公に据えたシリーズ第一作品である。その後三作ほど置いてのシリーズ新作が本書、十年以上ぶりの邦訳となるが、素直にこうした機会が得られたことは喜ぶべきだろう。
ともかく、へらず口を得意とする探偵を書いている作家が、無口な相棒を主人公にここまで書ける、というところがパイク・シリーズの何と言っても味噌なのである。
ところで『天使の護衛』を出版したランダムハウス社は、最後まで侮れない海外作家出版の一角を成していたのだが突然倒産してしまった。それによる絶版の不幸にあった名作も少なくなかった。扱われていた作家たちも