あらすじ
ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、とある住宅街で逃亡中の殺人犯を捜索していた。匂いを頼りにマギーがたどり着いた家のなかには、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同日、同時刻、同じ住宅街。私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探しているという女性の依頼を受けて調査をしていた。単なる偶然か、それとも? 嘘をついているのは誰か。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。警察と探偵、スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
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「容疑者」の続編で警察犬マギーのシリーズだと思って読み始めたら、コール&パイクというキャラ強めのコンビがメインの展開に。もっとマギー登場しないの?と思っているうちに、いつの間にかコール&パイクの虜になっていました。この2人のシリーズの方が本家なので1粒で2度おいしい作品です。
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スコットとマギーの第二弾。
と思いきや、エルヴィス・コールもジョー・パイクも出ていた。
失踪した女性を探すために女性の知り合いを訪ねたコールは、
逃亡中の犯人を追ってきたスコットとマギーに出会う。
女性はジャーナリストだった息子を自爆テロで失い、
復讐しようと爆薬を作っていた。
スコットは犯人の顔を見ていたため、命を狙われることになり、
コール達と協力することに。
いままでいろいろな人を守ってきたコール達、
今回は若くもない、スタイルが良いわけでもない女性だが、
やっぱり彼らは守るのかとちょっと感動した。
最後には息子の敵もとっていたし。
貸倉庫の中に入って爆弾を捜すことができないコールたちが、
マギーに探してもらおうスコットを呼び出すところも、
コールの笑顔が通じなかったそこの事務所の女性を、
マギーがめろめろにするところも面白かった。
ドラマでいう所のクロスオーバー作品、
なかなか良かった。
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ロス市警スコットと相棒の雌のシェパード、マギーの物語。どちらもパートナーを亡くす深い喪失から再生をかけて立ち上がろうとする、1人と1頭の物語。
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スコット&マギーの続編でも有り、探偵コールの物語でもありました。
どちらもキャラクターとして人間味に溢れて魅力的。惹き込まれました。
マギーの仲間を守る忠犬振りと、それに応えるスコットには涙を誘います。それに探偵コールのエミリーの悲しい過去に動かされる任侠も、なかなか心を打たれ、読んでいて感動します。
前作の容疑者をより一層濃厚にした感じで、大満足な一冊でした。
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最近、ぼくの最もお気に入りのハードボイルド・シリーズがこれだ。
前作『容疑者』は作家を復活させるほどの人気を得たらしい。ぼく自身を含め相当の新しい読者を獲得したに違いない。スコット&愛犬マギーというハンドラーと警察犬コンビがたまらない。共に、相棒を銃火で失い、心と体に深い傷を負った同士の、復活と愛情の、感涙ものの傑作であった。
だから、本作で、ロバート・クレイスの本家シリーズのレギュラー・コンビ、エルヴィス・コール&ジョー・パイクが、一人と一匹のシリーズに合流するという趣向の作品が早くも登場したのも、自然な流れだと思う。何せ、コールは17年ぶり、パイクは7年ぶりの復活作品。彼らにとっても、否、作家クレイスにとっても全面復活を期する力作となったのが本書なのである。
エルビス・コールは私立探偵。LAの探偵は、ニューヨークの探偵(マット・スカダーbyローレンス・ブロック)やボストンの探偵(スペンサーbyロバート・B・パーカー)に比べて、明るくユーモラスである気がする。チャンドラーの系譜となる会話のユーモアとへらず口と自信たっぷりの態度が、見事に受け継がれている。料理も上手く、美味しそうな料理をさらっと作り、希少なビールを箱買いしてふるまってくれるコールの趣味の良さも嬉しかったりする。何よりも余計な情緒的描写を削ったからっとした一人称文体(コールの場面だけ)が、好感度抜群である。快適な読書というのはこういう小説に対して用いたい言葉なのである。
それでいてタフでハードな面も持ち合わせている。フィリップ・マーロウの比じゃない。時代がさらなるタフさを探偵やそのパートナーに課しているのだ。アルカイダの存在した時代のアメリカン・ハードボイルドには、ベトナム帰還兵、特殊部隊出身などの付加要素まで、私立探偵のプロフィルに加わっている。加えて現役のプロの傭兵を生業とするジョン・ストーン。彼の強さと信念の強さと使命感が本作品に鋼の脊椎を与えている。
ドン・ウィンズロウ作品に頻繁に登場するような近年の麻薬戦争での兵器の過激化と戦闘規模にはいつも驚かされるが、本編ではテロ用の爆薬の売り買いが扱われる。そこで元爆発物探知を任としていた探査犬マージが重要な役を果たす。
それぞれが的確な役割を果たしてゆくきっちりした仕事感も、本書を気持ちよく読ませてくれるポイントであると思う。コールたちのトリオは、武器も電子情報収集能力も駆使する私立探偵ワールドを構えている。スコットチームも、頑固と深い愛情を備えた警察犬隊指導官のリーランドの仕事っぷりも健在。マーロウの単独で優雅な調査スタイルでは、現代の探偵家業は少し営むに難いものになっているかもしれない。
まさしく今という時代を舞台にした、ネオ・ハードボイルドでありながら、マーロウのエッセンスは残し持つという探偵ヒーローを駆使し、正統なるハードボイルドの系譜を継いでいる作家として、ロバート・クレイスは、現代の若い読者をも、そして男も女をも取り込んでしまうに違いない。
次作は、コールもの。スコット&マギーの新作も用意されている気配ありとのこと。どちらのシリーズもそれぞれに競い合わせつつ、より質の高いハードボイルドの王道を、今に通じる作品価値を付加しつつ築き上げてほしいところである。
コール&パイクシリーズ新作『指名手配』は、5/11に発売予定。再会されたシリーズを、新しい読者として早速読む。とりわけ、本書のラストを飾って泣かせてくれた傭兵ジョン・ストーンの登場が個人的には待たれてならない。
Posted by ブクログ
以前は同じ著者の作品を立て続けに読むということをよくしていましたが、最近はいろんな著者の作品を満遍なく読むようにしようと、同じ月に同じ著者の本はできるだけ読まないようにしています。しかし今月初めに読んだ『容疑者』がめちゃめちゃよくて、続編があると知ったら読まずにはいられず。それがこの『約束』。
ロバート・クレイスの作品を読むのは『容疑者』が初めてだったので、今回も刑事ひとりとジャーマンシェパード1匹が主人公だと思ったら、同著者に“コール&パイク”というシリーズもあるそうな。今回は『容疑者』のコンビと、コール&パイクのコンビの、いわばコラボ作品。ファンにとってはたまらん豪華キャストかと。
探偵のコールは失踪女性の捜索依頼を受ける。手がかりを求めて出かけた先で、殺人事件に巻き込まれ、容疑者とされてしまう。依頼人のことを話せば疑いは解けるはずだが、探偵だもの、依頼人の秘密は絶対に明かせない。現場で犯人を目撃した刑事スコットと犬のマギーは犯人一味から命を狙われ、事件を解決すべくコールに協力を求めるのだが……。
前作のようにプロローグから泣かされるなんてことはありません。無意識のうちに泣きを求めていたため(笑)、なんだ普通のミステリーじゃないかと最初は残念でしたが、なんのなんの面白い。マギーの活躍、そして私はお初のコールとパイク、そして怪しい強者ジョン。登場人物がみんな魅力的で、『容疑者』から入ったものとしてはスコット&マギーがどちらかといえば脇役なのが寂しいけれど、コール&パイクシリーズも読まなくちゃという気にさせられます。
テロに巻き込まれて一人息子を失った女性の強い悲しみも伝わってきます。最後はスッキリ、読後感よし。この著者の作品を大人買いしてしまいそうです。
Posted by ブクログ
前作でスコットとマギーがとても好きになったので、勢いのまま読みました。
マギーの存在がやっぱり大きいです。
次作ではもうスコットとマギーが出ないとのことで、読むモチベーションはさがりましたが、あとがきの訳者さんが言うところ、作者さんはまだスコットとマギーを書く気はあるとのことなので諦めずに待とうと思います。
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「約束」という言葉の重さは、その人が引きずってきた人生の重さにも通じる。
前作『容疑者』で愛犬家にはたまらない物語を見せた作者の続編で、警察官スコットと警察犬マギーが心を通わせる描写は相変わらずこまやか。
ただ、今回の主役は妙な依頼から事件に巻き込まれた探偵エルヴィス・コール。
どうやら以前に作者が出版していた<探偵コール&パイク>シリーズの新作でもあるらしい(以前のシリーズは未読)。
探偵コールとその相棒のジョー・パイク、友人の民間軍事請負業者ジョン・ストーンが事件を解決していく様子は、プロフェッショナルの仕事ぶりを感じさせる痛快活劇。
会話も軽快でテンポよくストーリーが進んでいくが、三人の行動の背景には単に「お仕事」ではない矜持のようなものが見え隠れする。
章ごとに視点が変わる。
探偵コールは一人称、その他は三人称で語られ(警察犬マギーも三人?称)、かつ、同じ場面を各視点で描くこともある。
視点の変換は、場合によって煩雑さが出てしまい読者が集中できない場合もあるが、この本はコールを一人称にすることで明確な変換を促しているのだろう。
スコット&マギーからコール&パイクへ、つられていってもいいかもしれない。
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『容疑者』の続編。
今巻も出だしは、いまいちだ。ワンちゃんの登場も少ないので、なかなか読み続けるのがつらい。中盤過ぎからだんだん面白くなったけど、またも内部の裏切り者の話で、この作者は結局その展開にしかならないのかな。それともアメリカの警察関係は、裏切り者ばかりなのだろうか。
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とっても魅力的だった前作「容疑者」。ロス市警K9のスコット・ジェイムズ巡査と相棒の警察犬マギーが帰ってきてくれた!こんかいは著者ロバート・クレイスの代表作でおなじみの探偵エルビス・コールとのコラボだよ。
探偵コールの軽さとジェイムズ巡査の青臭い一途さが、ちょうど良い塩梅で組み合わさっている。
かわいいマギーの話をもっとじっくり読みたい気もするけど、ここは(コナリーの)ボッシュ刑事とリンカーン弁護士的な豪華コラボを楽しむべきなんだろう。
ストーリー自体はとても楽しめるし、ラストに向けての盛り上がりも上々。しばらくロバート・クレイスを読み続けよう。4.2
"「エルビス・コール探偵事務所、雨天決行がモットーです」
ユーモア。最高の観客はわたしだ。"
ジェイムズ巡査の上司、リーランド指導官
「この素晴らしい生き物と一緒に過ごす時間の1分1秒が、てんのめぐみなんだ。犬たちはその尊い心をありのままにおまえにさらけ出し、自分からはなにひとつ隠し事をしない。おまえの情けない人生の中で、同じことを言える人間がいるか?」
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「容疑者」の続編。
同じ作者の過去のシリーズの主人公も登場し、ダブル主演のような贅沢な設定。
それぞれの人物(や犬)の魅力を味わいつつ、本筋のストーリーも楽しめるという、一口で何回も美味しいお得感がある。
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マギー!前作「容疑者」読みお終わった後、思わず叫んでしまう程マギーのファンになり、この新作をどれほど待ちわびていたことか。 確かに今回はマギーの登場は前作より少ないとはいえ、スコットとの絆がより深く感じられる。またコールとパイクのシリーズは未読だが、是非読んでみたいと思わせる、素敵な野郎達だった。それにジョン・ストーン!なんてカッコイイのー!次はパイクとジョンが主人公だとか。訳され発売される日が楽しみで仕方がない。
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ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
「容疑者」に続いて、スコット巡査と相棒マギーのシリーズなのだが、今回は何と懐かしや私立探偵エルヴィス・コールとジョー・パイクが登場。視点が広がった分、やや読みにくいが楽しめます。
Posted by ブクログ
面白かったー。
後半の謎が解き明かされていく展開はとても楽しかった。スコットとマギーの関係いいなぁーマギーかわいいなぁー、かしこいなぁー。
探偵が別作品の登場人物らしいので、読んでいたらもっと楽しかっただろうな。
読みたいのだけれど……どこに売ってるの……
Posted by ブクログ
★3.2 2020.3.30
「容疑者」のスコットとマギーの続編ということで読み始めたが、今回の主役はスコット&マギーではなく、コール&パイクのようだ。
だからといって、面白くない訳ではなく、ハードボイルドミステリーとしてしっかり読み応えのあるものだった。
↓↓↓内容↓↓↓
ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同ころ、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。幾重にも重なる偽りの下に真実はあるのか。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。