【感想・ネタバレ】指名手配のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年08月20日

警察犬マギーのシリーズではありません。
「指名手配」は探偵コール&パイクシリーズ17作目で、「サンセット大通りの疑惑」以来19年ぶりの邦訳(訳者あとがきより)です。
ロバート・クレイスのWikiにある作品リストだとわかりにくいですね。

マギーが登場する「容疑者」は当初単発作品のつもりだったのではな...続きを読むいでしょうか。
しかしこの作品が作家を復活させるほどの人気を得たので、
新たに得た読者層を続編「約束」に導いてコール&パイクに出会わせ、
マギーは?と思っているうちにコール&パイクの魅力にひきつけて本流のシリーズに誘う仕掛けかな。

仕掛けにはまった私は「指名手配」でさらに2人に魅了され、
それと共になぜコールとパイクはこんな女性や子どもを守ろうとするのか不思議になって、入手難しいコール&パイクシリーズ1作目から読むことになりました(笑)

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Posted by ブクログ 2020年01月04日

コールとパイクは勿論のこと、逃亡中の少年タイソン、その母親のデヴォン、皆んなキャラが立っていて、次のページになって仕方がなくなる。間違いなく面白い!

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Posted by ブクログ 2019年07月02日

「容疑者」「約束」に続く第3弾だというので、シェパードのマギーが出て来るのだと思ったら、無関係だった。

探偵エルヴィス・コールは、デヴォン・コナーから、高校生の息子タイソンが高価な物や多額の現金を持っていて怪しいから調べてくれと依頼される。タイソンの持っていたロレックスの番号から盗品だと分かる。し...続きを読むかも連続して金持ちの家から盗む事件があって、もしかするとタイソンはその犯人グループの一員なのだろうか。盗まれた物を追いかける悪党二人組は残忍に人殺しを続けていく・・・

マギーが出てこないという意味では東京創元社はサギじゃないかー、と文句を言いたいところだけれど、面白かったのでまあ良しとする。

コールが真相に迫ってゆく手法、ストーリー展開、人物造形、文体、どれも最高だった。

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Posted by ブクログ 2019年05月18日

 この作家は女性の描き方がうまい。訳者もあとがきでそう言っている。そう。実に巧いのだ。主要登場人物のみならず、ワンシーンのみ登場するだけの脇役に至るまで、こと女性に関しては個性が際立っている。作者はよほど女性から痛い目に遭っているのかもしれない。あるいはとても優しくて女性にもてる作者の人間観察力がそ...続きを読むうさせるのかもしれない。

 さて、ともかく。スコット&マージという捜査犬シリーズを離れ、いよいよエルヴィス・コール&ジョー・パイクという作者のメイン・シリーズである。ぼくには初読である。しかも新作。二人の単独シリーズとしては何と19年ぶりとなるらしい。何故? Why? 無論、『容疑者』『約束』と、捜査犬マージの大活躍により、本シリーズのこちらも再会に至ったのだ。読者も読者だし、作者も作者である。何より、マージ様々なのだ。

 女性の描写は際立っている。それに比して、コール自身はあまり色のない、地味で堅実な私立探偵である。スペンサーみたいに料理は上手だけど、恋愛中の女性は、前作『約束』で知り合った超多忙の大物警察官であり、電話二本の通話という形でしか、ここでは登場しない。食事を一緒に、という約束をして、それが仕事で流れたくらいだから、まだ深い恋愛関係にはないのかもしれない。

 代わりにと言ってはなんだが、コールは猫と一緒に暮らしている。不機嫌な猫。名前すら与えられていないみたい。「猫」というように「私=コール」は描写する。その突き放した関係が、何とも独身男と猫のリアリズムである。コールにはまた、別れた妻とその子供が、ルイジアナのバトンルージュにいる。遠い。別れた妻とはうまく行っていないものの、子供は時に一緒の時間を過ごすらしい。家のテラスで、テコンドーとカンフーを組み合わせた技を、二人で伝授し合うシーンが少しだけある。コールの愛すべき人間性だ。

 さて本作の事件。「悪党」としか登場人物表で紹介されていない二人のでかい男のコンビが、全編を通して暗躍する。そう、「悪党」。彼らは窃盗犯の若者トリオを捜していて、次々と関係者から情報を絞り出しては殺してゆく。残忍極まりないが、二人の道中は不思議な対話に満ちている。タランティーノ映画とも違う。もう少しフリークな感じで。病気な感じで。どこか、心底怖くなるような二人。

 逃げ回る窃盗犯若者トリオのうち一人が彼らに追われる。残るは少年と少女。コールは少年の母親から捜索依頼を受けたのだ。少年の母親の個性も際立っている。強い。怒りを秘めている。少年への愛に溢れ、張り詰めてている。さらに少女アンバーの個性が凄い。アンバーの母も姉も強烈である。これでは、世界は、女たちによって振り回されているんじゃないかと思ってしまう。作者の手を離れ、暴れ出しているようにしか見えない女性たち。それを遠慮がちにガードしてゆくコール&パイクという図。

 彼女らを、暴力で虐げようとするのが、件の悪党二人。勧善懲悪ならわかりやすいのだけど、コールが保護する少年少女も多重窃盗犯で破れかぶれの身なのだから、警察の出る番はほぼない。闇の中を逃げ回る者とそれを追う者、それを解決しようとするコール&パイク。三つ巴の回転木馬が回る。法の裏側で。これまた女性警察官カセットをなだめつつ、だまくらかしつつ。

 からっとして残酷でタフなLA産ハードボイルドである。それでいて心が熱くなるヒューマンな物語でもある。コール独自のルールで解決に導くやり方と、覚悟。完璧に近い探偵の印象は、前作でも感じさせてくれた。過去作品にも手が出したくなる、これは実に厄介なシリーズである。

 次作はまたコール&パイクらしい。しかし主人公はパイクの方のようだ。いつも暴力の側を分担する寡黙でストロングな相棒の。アメリカではこの6月に上梓されるとのこと。コールたちの世界を縦横に走り抜ける自由闊達な女性たち。彼女たちとの再会や、新しいじゃじゃ馬との出会いが、何よりも楽しみな気がしてならない。

 本作では、最も壊れていながら何よりも生命感を感じさせ、終始元気だった少女アンバーに、最優秀インパクト賞を!

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Posted by ブクログ 2023年05月18日

残念ながらスコット&マギーは登場しない。
でも、章ごとに視点が変わる面白さは、前作同様でキレキレ。

主人公の探偵エルヴィス・コールの一人称視点を中心に、依頼人で逃亡中の少年の母デヴォンや、逃亡中の少年タイソン、コールの相棒ジョー・パイクなどの三人称視点で、読者を飽きさせない。

今回特に、冒頭の「...続きを読む登場人物」欄ですでに「悪党」と紹介されているステムズとハーヴェイ、通称「でかい男とばかでかい男」のパーツが良い。
二人の描写は多く、その「悪党」ぶりも半端なく描かれている、が、この二人のやり取りを読んでいるうちに、なんだか愛着が生まれてくる。
この不思議さは、いい。
「訳者あとがき」でも「このコンビでスピンオフができるのではと期待した」と言わせるほどで、まるでドン・ウィンズロウの小説に出てくるような「悪役」の愛らしさが、ますます読者を魅了する。

今回コールは、父性の片りんを見せている。
あまり詳細には語られていないが、どうやら以前関係のあった女性の連れ子のようだ。
逃亡中のタイソンに対する「乱暴」でも「暖かい」接し方も、コールの「父性」への憧れとも感じられる。

「探偵稼業」という王道のお仕事小説ではあるものの、コール&パイクやその他の登場人物が読者を魅了するキャラクターで溢れている……いっきに読んでしまう原動力なんだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月10日

ロスの探偵エルヴィス・コールのシリーズ。

残念ながら警察犬マギーは出てこない。

コールは、息子が大金を持っていたので調べてほしい母親からの依頼を受ける。
息子は仲間たちと金持ちの家に盗みに入っていたが、仲間が殺される。
行方不明になった息子を探すコールだが、
盗みの仲間だけでなく、息子の行方を知...続きを読むる者が次々と殺されていく。

息子の情報を得ては、その証言者を殺してしまう二人組、
ひどい男たちなのだが、
なぜかだんだん親近感?感情移入?してしまう自分がいる。
とくに、昔フィドルという楽器を、酒場で見知らぬ若者と演奏した場面とか。
著者に乗せられているだけだと思うが、
映画を作るならそっちが主人公になるかもしれないぐらいだ。

コールがかつて事件で知り合った母子と交流が続いていて、良かった。
あと、鑑識官ジョン・チェンは出てきた。

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Posted by ブクログ 2019年12月09日

「容疑者」から続いているロバート・クレイスブーム。まだまだ面白いよ。章ごとに話者を変えて多視点で物語を展開する手法は、安易かもしれないが物語にスピードと映画的(テレビ的)な立体感を与えてくれている。
単なるゲームオタクが何で強盗一味に加わったのか、あたりがちょっと曖昧だし、ママに溺愛されてるタイソン...続きを読むがここまで大胆な犯行を繰り返すか、などの疑問は残るが相変わらず物語は一級品。
共犯者の中の女王様アンバーに入れあげて、自分たちに迫る危機(ハーヴェイとステムズは本当に怖い)を全く認識しないタイソン&アンバーには腹が立ち、「アンバー絶対殺されるな」と思ったけど、最後に本当にヒロインになってた。これがリアルなのかもね。
ハーヴェイ&ステムズのメキシコの酒場でのエピソード(ステムズがフィドルで流しの天才ギター青年と対決する)が秀逸というか不思議。ここまで書き込むところがまたオフビートな魅力かな。
4.2

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Posted by ブクログ 2019年05月28日

私立探偵コール、パイクシリーズ。警察よりも先に息子タイソンを見つけて欲しいとの依頼。窃盗を繰り返しているタイソンら3人とそれを追うコールたち。そしてそのタイソンたちを探すでかい男とばかでかい男の2人組。この2人の悪党がなかなか冷酷でいい味を出している。それとタイソンの母親や仲間のアンバーと女性の存在...続きを読む感も大きいのも好み。脇にいる人物たちが魅力的で面白い。このシリーズもスコット、マギーのコンビのシリーズもどちらもどんどん発売になると嬉しい。

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Posted by ブクログ 2019年07月20日

CL 2019.7.15-2019.7.20
コールとパイクが帰ってきた!
高橋恭美子さんありがとうという気持ち。
が、しかし、インディゴスラムはどうなった、L.A.レクイエムは?

などと言っても仕方ないので
これからまた続けて邦訳されることを祈ってる。

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Posted by ブクログ 2019年05月19日

私立探偵エルヴィス・コールは、ある母親から、最近妙に金回りがいい息子タイソンのことを調査してほしいという依頼を受ける。どうやら少年は仲間とともに裕福な家からの窃盗を繰り返しているらしい。警察より先に身柄を確保し、自首させたいという母親。だが、コールの先をいくように、何者かが少年の仲間を殺していた。そ...続きを読むして少年の身にも…。『容疑者』『約束』に続く第3弾。

私立探偵エルヴィス・コール・シリーズとしては第17作。翻訳は「サンセット大通りの誘惑」以来19年ぶりなんだとか。スコット&マギーのシリーズが好評で、本流も復活ということなのか。未刊分もぜひ紹介してほしい。私立探偵小説の紹介が少ない今、とても貴重なので。

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