高橋恭美子のレビュー一覧
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ネタバレ前作よりは面白かった。
トリックも、その目撃情報が誘導されたものだとは。
また殺人事件以外にも盗難事件もあり、絡みあってて面白かった。
車いすの女性については、歩けるんじゃないかとずっと疑念があったのでさもありなん。欲をいえば、彼女が歩けるということ示唆する手がかりが欲しかったかな。
ラブロマンスとしては、2作目でもう?みたいな展開。医者として、雇われとして、守秘義務があるから話せないアンダースの気持ちがよくわかるので、前回事件に首ツッコんで解決できたとしてもそんなホイホイ話せない。付き合い初めにこれでぎくしゃくするのもわかる空気なのが面白い。かといってジャクソン刑事もどうかな。医者と刑事で -
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残念ながらスコット&マギーは登場しない。
でも、章ごとに視点が変わる面白さは、前作同様でキレキレ。
主人公の探偵エルヴィス・コールの一人称視点を中心に、依頼人で逃亡中の少年の母デヴォンや、逃亡中の少年タイソン、コールの相棒ジョー・パイクなどの三人称視点で、読者を飽きさせない。
今回特に、冒頭の「登場人物」欄ですでに「悪党」と紹介されているステムズとハーヴェイ、通称「でかい男とばかでかい男」のパーツが良い。
二人の描写は多く、その「悪党」ぶりも半端なく描かれている、が、この二人のやり取りを読んでいるうちに、なんだか愛着が生まれてくる。
この不思議さは、いい。
「訳者あとがき」でも「このコンビ -
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「約束」という言葉の重さは、その人が引きずってきた人生の重さにも通じる。
前作『容疑者』で愛犬家にはたまらない物語を見せた作者の続編で、警察官スコットと警察犬マギーが心を通わせる描写は相変わらずこまやか。
ただ、今回の主役は妙な依頼から事件に巻き込まれた探偵エルヴィス・コール。
どうやら以前に作者が出版していた<探偵コール&パイク>シリーズの新作でもあるらしい(以前のシリーズは未読)。
探偵コールとその相棒のジョー・パイク、友人の民間軍事請負業者ジョン・ストーンが事件を解決していく様子は、プロフェッショナルの仕事ぶりを感じさせる痛快活劇。
会話も軽快でテンポよくストーリーが進んでいくが、 -
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最後に畳みかけるような盛り上がりがあり、スピード感もあって読み応えのある作品。元々の作者のスタイルなのか翻訳の関係なのか分からないけど、文体が短文&現在進行形で進んでいくのが特徴。(最初の頃はこの文体に少し疲れてしまったのだが、後半は展開が面白くなったのもあってそこまで気にならなかった。)
この手の作品のヒロインは、大概、「美人で有能でタフだけど、過去に深い傷があり繊細な一面がある」設定が多いのだが、今回は割とサッパリした感じで描かれていて、「弱い部分を犯人に見破られ、そこを攻められて窮地に陥る」的な、ありがちな流れにならないところが好印象だった。最後までしっかり戦ってくれる、真面目で前向き -
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ネタバレシドニーからオークランドまでの豪華客船、
その名も『オリエント』そう来たらクリスティ読者はワクワクしないはずがない。
プロローグでの女性目線からもう~~
なかなか、集中出来なくてキレギレに読み終えてしまったけれど、まさかあの人が!という一冊目の驚きがそのまま継続していて謎も推理も二転三転出来て楽しく読み終えました。これからも味わう事の無い豪華客船の旅、味見させていただき有り難かった!
(と、それはまた別問題⤵️)
読書会メンバーのそれぞれの持ち味、もっと堪能出来れば良かったけれどそれはそれ。
次回作も期待が高まります。
訳者あとがきにもありましたように、また
楽しみに待っていてよろしいんで -
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徐々に心を通わしていくふたりの様子は、愛犬家にはたまらない物語。
突然の銃撃戦に巻き込まれ、良き相棒を死なせてしまったロサンゼルス市警のスコット。
アフガニスタンで軍用犬として従軍していた時に唯一無二の相棒を死なせてしまったジャーマン・シェパードのマギー。
ともにPTSDを背負ったふたりがバディとして徐々に変化していく。
相棒の死の責任からかガムシャラに真相に近づこうとするスコット……遭遇した銃撃戦の真相を、ひとりで突き止めていこうとする。
最初は他人だった主人公スコットに対し、徐々に“守るべき仲間”として認識していくマギー……次第に、本来の優れた能力を発揮していく。
徐々にマギーが“ -
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先月の翻訳ミステリー札幌読書会で取り上げられた『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』の続編は、何と、全編、豪華客船オリエント号内での物語。偶然とはいえ、数日前に、妻から世界一周の豪華客船での100日クルーズなる提案資料を受け取ったばかりのぼくは、偶然とはいえ、豪華客船の旅を読書体験で味わうことになってしまったのである。
但し、本書でのクルーズはオーストラリアのシドニー~ニュージーランドのオークランドまでの5日間。そこに集まるはわれらがブッククラブの面々。今回はアンダースが本業の医師の仕事としてクルーズに乗り込むこととなり、彼の勧めで全員が船上に集結したものの、Dr.アンダースは本業で忙しい -
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面白かったです。ところどころ軽い表現があるところが引っかかりはしたものの、それでテンポ良く読めた部分はあります。これはクリスティ好きにはこたえられないでしょうね。そして、ミステリーブッククラブなんて、ミステリマニアにはたまらない設定です。こんなクラブあったら参加したい!でも、軽食、飲み物用意して自宅に招く、というのは大負担です。次々に謎が現れてくる展開に、一気読みせざるを得ません。作品がベースになっているところも素晴らしいです。ただ、ファンならもう少し早く仕掛けに気づけたんじゃないの?とは思いましたね。このメンバーが再び登場する次作が実に楽しみです。
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ネタバレロスの探偵エルヴィス・コールのシリーズ。
残念ながら警察犬マギーは出てこない。
コールは、息子が大金を持っていたので調べてほしい母親からの依頼を受ける。
息子は仲間たちと金持ちの家に盗みに入っていたが、仲間が殺される。
行方不明になった息子を探すコールだが、
盗みの仲間だけでなく、息子の行方を知る者が次々と殺されていく。
息子の情報を得ては、その証言者を殺してしまう二人組、
ひどい男たちなのだが、
なぜかだんだん親近感?感情移入?してしまう自分がいる。
とくに、昔フィドルという楽器を、酒場で見知らぬ若者と演奏した場面とか。
著者に乗せられているだけだと思うが、
映画を作るならそっちが主人 -
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ネタバレロスの探偵エルヴィス・コールと同じ作者だったので。
海兵隊の一員として、アフガニスタンに出征し、
相棒を亡くしたジェーマン・シェパードのマギー。
自分も撃たれたのに、撃たれた相棒を守ろうとそばを離ないとは、
最初から泣かせる気でまんまん。
一方、刑事のスコットもパトロール中に銃撃に巻き込まれ、負傷し相棒を失う。
だが、最後に武器を求めて相棒のそばを離れたことを後悔している。
騒音に弱くなってしまい、
警察犬になるには不適格と言われてしまったマギーと、
いまだに痛みと闘うスコットは共に復帰を目指すことになる。
もちろん、山あり谷ありで、スコットと相棒が撃たれた事件の謎を追っていく。
マギー