高橋恭美子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレある女性を看取ったゴーマン神父が何者かに殺害された。ゴーマン神父の持ち物から見つかったメモには、女性が死の間際に口にしたと思われる複数の人物の名前が羅列されていた。それらの人物は何を意味しているのか。
主人公で学者のマークは、警察医の友人コリガンから事件の概要を聞き、興味を抱く。
全くの偶然から「蒼ざめた馬」の名を耳にしたマークは、霊能力を持つという怪しげな人たちが住まう「蒼ざめた馬」という名の邸宅に赴く。例のリストは、ここの怪しげな住人たちによって殺された人たちなのではないか?そして、何者かが人を殺したい人間をこの「蒼ざめた馬」に導く役割を担っているのではないか?
マークが参加する降霊会以降の不穏な空気が秀逸。そんなことは科学的にあり得ないと言い聞かせても、もしかしたらとじわじわ這い上がってくる恐怖。
オカルトをテーマにしながらも、人々の背景をしっかりと描写しているのがクリスティらしい。ただ、マークがどうしてそこまでハーミアを拒絶するのかは理解しがたかった。
ポアロシリーズ常連のオリヴァ夫人登場作品。
-
Posted by ブクログ
マーダー・ミステリ・ブッククラブシリーズ第二弾。アリシアとブッククラブの愉快な仲間たちが乗船したクルーズ船で事件が発生する。序盤はアンダースに対するアリシアの言動に正直辟易。それでも個性的なメンバーが揃っているお陰でテンポよく和やかな旅が進んでいく。
客船という究極のクローズドサークルだが、ブッククラブの面々だけでなくサラミ姉妹など個性豊かで賑やかな雰囲気なので陰惨さはあまりない。タイトルからも分かる通りアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』をオマージュしており、ネタバレが含まれているので注意が必要。
「こういう時こそ少年探偵団の出番だ!」的なノリが良い。メンバーのどのキャラクターも好きだけど特にペリーが最高。 -
Posted by ブクログ
今年は翻訳小説に挑戦するぞ、といくつか読んできて「私はアメリカよりイギリスの作家さんのほうが合うのかな」と思っていたところに「そうでもないみたいだ」と思わせてもらいました。
思うにテレビドラマの脚本家もされていた方は読んでいて場面が浮かびやすいし、読みやすい気がします。
今回の作品はお互い相棒を失ってトラウマを抱えた人間と犬のお話でそれがとてもよかったです。マギー視点が特によかったですね。ちょうどドッグトレーナーさんのショート動画をよく見るようになって、トレーナーさんの相棒のシェパードの女の子が賢いなぁと思っていたところで重なるところもあり、何はともあれマギーがスコットを気に入ってくれて本当に良かったです。
願わくばこのままスコットとマギーのシリーズを読みたいのですが、どうやら最新刊は探偵さん?が主役みたいで、とりあえず次作はまだスコットとマギーは出ているみたいなので読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
前作でとある失踪事件に巻き込まれた〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉の面々。
今作は早くも家のダイニングを飛び出し、蒸気船のクルーズ旅行へ。もちろん、そこでも事件に遭遇し、調査に乗り出す。
船旅中の事件というのはミステリでもよく扱われるシチュエーションだと思う。旅行という非日常感と、海上・船上という密室。私も大好きな舞台のひとつである。
前作の終盤からとある変化をしつつ迎えた今回の船旅で、主人公アリシアの複雑な心境と謎だらけの(しかも複数の)事件。
タイトルからもおわかりのように、アガサ・クリスティーの名作『オリエント急行の殺人』にもなぞらえられそうな船上の密室劇が楽しかった。
限られた空間で限られたメンバー。外界とは隔絶されている。条件は地上の密室も同じだが、そこに「旅」という要素が加わると、より刹那的な人間関係や駆け引きが生まれるのだと、個人的には思っている。
シリーズ2作目にして新しいキャラクターも登場するし、今後もますます楽しみなシリーズだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作よりは面白かった。
トリックも、その目撃情報が誘導されたものだとは。
また殺人事件以外にも盗難事件もあり、絡みあってて面白かった。
車いすの女性については、歩けるんじゃないかとずっと疑念があったのでさもありなん。欲をいえば、彼女が歩けるということ示唆する手がかりが欲しかったかな。
ラブロマンスとしては、2作目でもう?みたいな展開。医者として、雇われとして、守秘義務があるから話せないアンダースの気持ちがよくわかるので、前回事件に首ツッコんで解決できたとしてもそんなホイホイ話せない。付き合い初めにこれでぎくしゃくするのもわかる空気なのが面白い。かといってジャクソン刑事もどうかな。医者と刑事で揺れるのは面白いので、これからもサブエッセンスとして描かれて言って欲しい。 -
Posted by ブクログ
残念ながらスコット&マギーは登場しない。
でも、章ごとに視点が変わる面白さは、前作同様でキレキレ。
主人公の探偵エルヴィス・コールの一人称視点を中心に、依頼人で逃亡中の少年の母デヴォンや、逃亡中の少年タイソン、コールの相棒ジョー・パイクなどの三人称視点で、読者を飽きさせない。
今回特に、冒頭の「登場人物」欄ですでに「悪党」と紹介されているステムズとハーヴェイ、通称「でかい男とばかでかい男」のパーツが良い。
二人の描写は多く、その「悪党」ぶりも半端なく描かれている、が、この二人のやり取りを読んでいるうちに、なんだか愛着が生まれてくる。
この不思議さは、いい。
「訳者あとがき」でも「このコンビでスピンオフができるのではと期待した」と言わせるほどで、まるでドン・ウィンズロウの小説に出てくるような「悪役」の愛らしさが、ますます読者を魅了する。
今回コールは、父性の片りんを見せている。
あまり詳細には語られていないが、どうやら以前関係のあった女性の連れ子のようだ。
逃亡中のタイソンに対する「乱暴」でも「暖かい」接し方も、コールの「父性」への憧れとも感じられる。
「探偵稼業」という王道のお仕事小説ではあるものの、コール&パイクやその他の登場人物が読者を魅了するキャラクターで溢れている……いっきに読んでしまう原動力なんだろう。 -
Posted by ブクログ
「約束」という言葉の重さは、その人が引きずってきた人生の重さにも通じる。
前作『容疑者』で愛犬家にはたまらない物語を見せた作者の続編で、警察官スコットと警察犬マギーが心を通わせる描写は相変わらずこまやか。
ただ、今回の主役は妙な依頼から事件に巻き込まれた探偵エルヴィス・コール。
どうやら以前に作者が出版していた<探偵コール&パイク>シリーズの新作でもあるらしい(以前のシリーズは未読)。
探偵コールとその相棒のジョー・パイク、友人の民間軍事請負業者ジョン・ストーンが事件を解決していく様子は、プロフェッショナルの仕事ぶりを感じさせる痛快活劇。
会話も軽快でテンポよくストーリーが進んでいくが、三人の行動の背景には単に「お仕事」ではない矜持のようなものが見え隠れする。
章ごとに視点が変わる。
探偵コールは一人称、その他は三人称で語られ(警察犬マギーも三人?称)、かつ、同じ場面を各視点で描くこともある。
視点の変換は、場合によって煩雑さが出てしまい読者が集中できない場合もあるが、この本はコールを一人称にすることで明確な変換を促しているのだろう。
スコット&マギーからコール&パイクへ、つられていってもいいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
最後に畳みかけるような盛り上がりがあり、スピード感もあって読み応えのある作品。元々の作者のスタイルなのか翻訳の関係なのか分からないけど、文体が短文&現在進行形で進んでいくのが特徴。(最初の頃はこの文体に少し疲れてしまったのだが、後半は展開が面白くなったのもあってそこまで気にならなかった。)
この手の作品のヒロインは、大概、「美人で有能でタフだけど、過去に深い傷があり繊細な一面がある」設定が多いのだが、今回は割とサッパリした感じで描かれていて、「弱い部分を犯人に見破られ、そこを攻められて窮地に陥る」的な、ありがちな流れにならないところが好印象だった。最後までしっかり戦ってくれる、真面目で前向きでガッツのあるヒロインだった。
個人的には、栗の種類がいくつかある、みたいな話も面白かった。(事件の根幹とは関係ないけど。)普段意識していないことに気づいて世界が広がる瞬間は、やはりいつでも楽しいものだ。
犯人が分かって終わりではなく、「その後」についてもきちんと書いてある点も良い。クライマックス後の余韻を楽しめるし、「人生は続く」ことを明るく示唆してくれる。
もう少し、犯人が本命を狙うまでに至った心境の変化とか、それぞれの事件に対する動機と関わりとかの説明があってもよかったかな、という気はするが、まぁ、そこに重きを置かず、全体の疾走感や高まる緊張感を優先した結果なのだろうから大きな不満はない。
シリーズ化されたらそれはそれでまた楽しめそう。ヘス&トゥリーンのコンビの、チグハグだけど妙に要所要所でフィットする捜査をもう一度読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシドニーからオークランドまでの豪華客船、
その名も『オリエント』そう来たらクリスティ読者はワクワクしないはずがない。
プロローグでの女性目線からもう~~
なかなか、集中出来なくてキレギレに読み終えてしまったけれど、まさかあの人が!という一冊目の驚きがそのまま継続していて謎も推理も二転三転出来て楽しく読み終えました。これからも味わう事の無い豪華客船の旅、味見させていただき有り難かった!
(と、それはまた別問題⤵️)
読書会メンバーのそれぞれの持ち味、もっと堪能出来れば良かったけれどそれはそれ。
次回作も期待が高まります。
訳者あとがきにもありましたように、また
楽しみに待っていてよろしいんですね!