津本陽のレビュー一覧
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購入済み
利家を深く知るきっかけ
前々から賤ヶ岳合戦の裏切り、秀吉死後に起こる家康との確執の内幕など腑に落ちないところが多々あって本書を手にした。前半は信長、秀吉の動きを詳細に語られるばかりでややストレスを感じた。しかし、ただの傾奇者、武辺者ではなく、主、それらを取り巻く武将たちに利家は学んでいたことが明らかになる後半には引き込まれてしまった。当時の資料も多々引用されているためやや時間はかかったが、逆に説得力もあり存分に楽しめた。
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ジョン万次郎。名前は知っているが、詳しいことは知らない。彼も土佐から漁船が流されて鳥島にたどり着く。鳥島は漂流で読んだより、過ごしづらそう。ただ捕鯨船が近くに来てくれて救助される。アメリカ人の船長に可愛がられ、マサチューセッツまで付いていき、教育を受けさせてもらい再度の航海に出て帰国するまでを書く。アメリカに。当時のアメリカの様子やグアム、ホノルルが鯨漁で潤っていた事もよく分かる。勉強する事がすごい贅沢で大切な時間だと改めて思い知る事ができる。常に謙虚で人に感謝する性格だったし、何より好奇心が旺盛な性格が素晴らしかったのだろう。ルーズベルトからの書簡も面白い。まだ上巻だが、これから日本とどう関
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購入済み
歴史の教科書には長篠の戦いで敗れた武田家が、あっという間に滅亡したように書
かれているが、実際は敗勢を立て直そうとする武田方と領土拡大を図る徳川方の間
で壮絶な戦闘が何度も行われている。うのたち少数精鋭の忍者集団が、徳川方にさ
まざまなゲリラ戦を仕掛けるところは痛快だが、これは現代戦における特殊部隊の
不正規戦と何ら変わらない。
それにしても当時の忍者は本当にそんなに凄い能力を持っていたのだろうか?すさ
まじい修練や訓練を積めば、超人的な能力も備わるのだろうか?
常に死と隣り合わせで生きていた戦国時代の人たちは、やはり現代人とはどこか違
っていたのかもしれないが、それでも愛する -
購入済み
面白かった。津本陽の作品は、いろいろな資料を丹念に読み込んだ上で書かれている
ので真実味がある。また、他の作品と違って家康、勝頼、信長など、登場人物がそれ
ぞれの方言で話しているのも面白い。たぶん実際はこんな話し方をしていたのだろう
なあ、と考えると余計に現実味がわく。あっという間に読み終えてしまった。家康に
父親を殺された女忍者の復讐劇ということだったが、上巻は殆ど武田と徳川の合戦ば
かり。激戦につぐ激戦で戦闘の様子も生々しく、それはそれでなかなか迫力があって
よかった。上巻の後半でようやくヒロインうのの登場。はたして彼女は家康を討てる
のか、下巻が楽しみ。 -
Posted by ブクログ
時代小説は縁遠く 津本さんのコーナーはパスしていた が 気付けばあまりにもたくさんの本が並んでいる その魅力を知りたくてとりあえずこの自伝的なものを手にとってみておどろいた
この方の時代小説はどこかでしっかり今とつながって活き活きと描かれているにちがいない この人のチャンバラは机上の空想ではなく実践の上で書かれているもので なので読者をひきつけているのだと思った
TVのちゃんばらで 切られて絶命しても立ちつくし しばらく後に倒れる様子は 大げさな演出だと思ったが それは間違いであった
猛烈なスピードで袈裟懸けに刀を振り下ろすと 人の高さに縛った藁づとの上部も落ちないという 60本の藁づとを立て