津本陽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻は万次郎の少年時代から、遭難、アメリカ捕鯨船による救助〜アメリカでの暮らし、再び捕鯨船に乗り込み副船長としてまたアメリカに帰るまで。2028年のNHK大河ドラマの主人公がジョン万次郎とのことで再読しました。とにかく冒険譚としても伝記としても面白くてページを繰る手が止まらない。
『白鯨』のごとき捕鯨の迫力ある描写はどんなふうにドラマ化するのだろう。CGでもなんでもいいからドキドキわくわくさせてほしいなあ。
作品の端々に、封建的で不自由な日本の体制と、民主的で自由なアメリカの対比がなされていて、この頃の島国根性やお上への無条件で不条理な服従感覚は今も錆びついたように残っているよな、と思ったりして。
それにしても万次郎の素直さ、実直さ、勤勉で謙虚でありながらも積極性や好奇心に溢れているところが終始眩しかったです。出会った人たちにも恵まれていたのですね。さて、下巻に続きます! -
購入済み
利家を深く知るきっかけ
前々から賤ヶ岳合戦の裏切り、秀吉死後に起こる家康との確執の内幕など腑に落ちないところが多々あって本書を手にした。前半は信長、秀吉の動きを詳細に語られるばかりでややストレスを感じた。しかし、ただの傾奇者、武辺者ではなく、主、それらを取り巻く武将たちに利家は学んでいたことが明らかになる後半には引き込まれてしまった。当時の資料も多々引用されているためやや時間はかかったが、逆に説得力もあり存分に楽しめた。
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Posted by ブクログ
ジョン万次郎。名前は知っているが、詳しいことは知らない。彼も土佐から漁船が流されて鳥島にたどり着く。鳥島は漂流で読んだより、過ごしづらそう。ただ捕鯨船が近くに来てくれて救助される。アメリカ人の船長に可愛がられ、マサチューセッツまで付いていき、教育を受けさせてもらい再度の航海に出て帰国するまでを書く。アメリカに。当時のアメリカの様子やグアム、ホノルルが鯨漁で潤っていた事もよく分かる。勉強する事がすごい贅沢で大切な時間だと改めて思い知る事ができる。常に謙虚で人に感謝する性格だったし、何より好奇心が旺盛な性格が素晴らしかったのだろう。ルーズベルトからの書簡も面白い。まだ上巻だが、これから日本とどう関わって行くのかを知るのが楽しみ。読後感も素晴らしい。
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購入済み
歴史の教科書には長篠の戦いで敗れた武田家が、あっという間に滅亡したように書
かれているが、実際は敗勢を立て直そうとする武田方と領土拡大を図る徳川方の間
で壮絶な戦闘が何度も行われている。うのたち少数精鋭の忍者集団が、徳川方にさ
まざまなゲリラ戦を仕掛けるところは痛快だが、これは現代戦における特殊部隊の
不正規戦と何ら変わらない。
それにしても当時の忍者は本当にそんなに凄い能力を持っていたのだろうか?すさ
まじい修練や訓練を積めば、超人的な能力も備わるのだろうか?
常に死と隣り合わせで生きていた戦国時代の人たちは、やはり現代人とはどこか違
っていたのかもしれないが、それでも愛する人と一緒に、何とか生きのびたい、平
和に暮らしたい、という思いは今も昔も同じだろう。幾多の修羅場を生きのびつつ
も、恋人の源次郎を思ううのの気持ちはよくわかる。忍者仲間の甚与茂もいい人だ
った。落城目前の高天神城。死を覚悟した人々のそれぞれの気持ちがよく描かれて
いる。きっと実際もこんな感じだったのだろう。そんなことを考えると無性に高天
神城に行ってみたくなった。 -
購入済み
面白かった。津本陽の作品は、いろいろな資料を丹念に読み込んだ上で書かれている
ので真実味がある。また、他の作品と違って家康、勝頼、信長など、登場人物がそれ
ぞれの方言で話しているのも面白い。たぶん実際はこんな話し方をしていたのだろう
なあ、と考えると余計に現実味がわく。あっという間に読み終えてしまった。家康に
父親を殺された女忍者の復讐劇ということだったが、上巻は殆ど武田と徳川の合戦ば
かり。激戦につぐ激戦で戦闘の様子も生々しく、それはそれでなかなか迫力があって
よかった。上巻の後半でようやくヒロインうのの登場。はたして彼女は家康を討てる
のか、下巻が楽しみ。 -
Posted by ブクログ
時代小説は縁遠く 津本さんのコーナーはパスしていた が 気付けばあまりにもたくさんの本が並んでいる その魅力を知りたくてとりあえずこの自伝的なものを手にとってみておどろいた
この方の時代小説はどこかでしっかり今とつながって活き活きと描かれているにちがいない この人のチャンバラは机上の空想ではなく実践の上で書かれているもので なので読者をひきつけているのだと思った
TVのちゃんばらで 切られて絶命しても立ちつくし しばらく後に倒れる様子は 大げさな演出だと思ったが それは間違いであった
猛烈なスピードで袈裟懸けに刀を振り下ろすと 人の高さに縛った藁づとの上部も落ちないという 60本の藁づとを立てておいて 一気に袈裟懸けに切っていくと そのうちの数本は切った上部がすぐには落ちないとか
根本さんの刀を振り下ろすスピードがいかに速いかということらしい 机にへばりついて ただ頭の中で作文しているのではなく実際に剣道合気道など武術の技をきたえておられ このスピード感を作家が実際に持っておられるのだ! 今のこの現代でも合気道などの道場はあり 師匠の中には警視庁や自衛隊で また市井の道場で活躍しておられるという 構えをしていないように見えて かかってくる敵を簡単に遠くになげとばす業の持ち主もおられるとか
終戦後の無茶苦茶な時代 二十歳前の根本さんが勤めた会社は軍隊帰りの猛者たちがやりたい放題で今じゃ考えられない乱暴な経営がまかり通っていて読むにはおもしろい
日本一のお給料がを出していたらしいが 将来性を考えて辞めた後 収入を得るため 帰省し 老いた父親が放ってあった土地家屋を占拠している人達を追い出そうとする これが一筋縄ではいかず 出世している親戚に助言をたのむと「県政を敵に回す気か」とどなられ 孤立無縁
徹底的に法律を調べつくし 弁護士の助けをかりて全部追い出してしまったという話は胸がすく ここに駐車場を作ってその収益でくらしをたてつつ 小説を書き始める まったく小説など書いたことがないというがただ読書家ではあったらしい
アルバイトする必要がないので 以後は存分に取材し本が書けたということらしい
なにか時代物を読んでみたいと思う