【感想・ネタバレ】異形の将軍 田中角栄の生涯(下)のレビュー

あらすじ

炭管疑獄事件で法務政務次官を辞任した角栄は、その時すでに党内の地歩を固めていた。やがて池田勇人を大蔵大臣に推し、再び政界の中枢へと昇りつめてゆく。カネと女、権力を高らかに肯定し、高度成長を演出した情念の宰相の人間力、その権謀術数。小泉政権が打ち倒そうとする巨大な幻影の源とは何か?戦後最大の栄光と汚辱を描いた一大叙事詩。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

戦争終戦を経て高度経済成長時代に運(人と機会)
を掴み取りながら、日本という国を復興繁栄させた稀有なリーダー像が描き出されている。清濁合わせ飲み国を国民を導く、政治家としての判断力と実行力が発揮される、これぞ異形の将軍角栄であろう。本を読むと自分の人生と重ね合わせ、自分もこうありたいなと夢想するものであるが、角栄のようには生きられないなと一歩後ろ引きながらの読後感である。今の令和の時代にはどのようなリーダーが求められるのであろうか?

0
2022年05月04日

Posted by ブクログ

タイトルの通り「田中角栄の生涯」が、時系列に綴られている。本書下巻では、角栄が閣僚入り、自民党三役、首相就任、そしてロッキー事件に至り、首相辞任、竹下氏の経世会創設など、人生の最盛期から終焉期までが綴られている。読み終わったときに、何故か虚しさと淋しさを禁じ得ない。

0
2012年12月24日

Posted by ブクログ

世の中の田中角栄ブームに乗って読んでみた。

僕が物心つく頃にはもうロッキード事件で悪いことをした人という感じだったんだけど、それまでの政治活動の部分を知ると本当に型破りな人だったんだなと。

他の田中角栄本を読んだわけじゃないけど、とりあえずきっかけにするには上手にまとまってる本なのかなと思う。

0
2016年09月25日

Posted by ブクログ

日本の政治家らしいといえば、田中角栄である。
それを、津本陽は、様々な資料を使い、
金権政治家を暴くというより、人間としてどうなのか
を明らかにしようとした。
田中角栄に対する評価はたくさんあるが、
人間味があるというところを、明らかにしようとする。
困った人に対して、とことん対応する。
政治家とは何かを心得ていた。

政策立案能力、アイデア、現場解決能力など、
様々な場面で、田中角栄の凄さを語る。

資源に関して、積極的に動いたことが、
アメリカより、睨まれる。
それが、ロッキード事件の発端とも言える。
小佐野賢治との関係ももっと明らかにしてもいいが、
サラッとしている。
佐藤昭子で浮かび上がらせようとしているからだ。

田中角栄を歴史小説の手法で明らかにしようとしているが、
なぜか、物足りなさを感じる。

0
2013年01月14日

Posted by ブクログ

結局のところ、金を集める政治家というのが政治家の力の尺度だったと。
それが違法でなくても倫理がない、と世論が変わり尺度が折れた。
新しい尺度はないままに大衆迎合の政治に陥っている。
実際に何かをやると批判を浴びるために、政治家は保身に走って何もしない。
民主主義の国アメリカは正論に弱いが、いざとなれば裏から裏へ手を回してくる。
逆らわないものまた保身。
先送り、知らしむべしが蔓延。

金権に過ぎたが、力のない成り上がりの角栄にはそれしかなかった。
しかし角栄以前に強行突破できる政治家はいなかったし、角栄以後にも現れていない。
今の閉塞感を打破するには角栄復活しかない。
そんな感じか。

そう言われると金にまみれただけで何もしない今の政治屋達は、未来を見てないのか見れないのか。
結局地方分権か?
いやしかし国が崩壊すれば日本人は一致団結する民族だと言われれば、現状維持で崩壊を待つしかないのか。

0
2012年10月07日

Posted by ブクログ

必ず返事を出すんだ。結果があいての希望通りでなくても聞いてはくれたんだ、となる。大切なことだよ。
教養、非教養のいずれの側の人間でも自分が置かれた立場を理解し、国民が最も必要としている対策に猛然と取り組むことが政治家に最も必要な資格といえる。
田中政治とは一言で言えば合理主義。そして得意技は再建。世論を重視する。どんなに小さな情報をも大切にする。
ここしかないという着地点を見つける。それで痛手を蒙る人を如何にして九歳していくかが政治の処理の全て。
生きていくためには、徹底的に気を配る人の身辺には利運が巡ってくるのかもしれない。いるも人生の特別席に収まっていた佐藤、福田には窺い知る機微ではない。
角栄が税制のプロになったのは政界では権力を奪取、維持するためには多額の資金が必要としたから。

0
2009年10月07日

「ノンフィクション」ランキング