津本陽のレビュー一覧

  • 身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎

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    戦国の主人公たる主君を支えた有能な家臣。先ずは安藤帯刀。徳川家康の傍らで主君を支え、また紀伊の頼宣の傅役として幼い主君を補佐、教導した。激しい気性の頼宣は、安藤帯刀なくしては、紀伊藩主としては成り立たなかたかもしれない。
    片倉小十郎景綱。伊達政宗の傅役を命ぜられ、伊達政宗の参謀として奥州の覇者に押し上げた。
    特に安藤帯刀の話は興味深かった。
    有名な望遠鏡の一節。
    頼宣は望遠鏡をもって天守閣に登り、城下町を覗いては、見た事を言いふらしたので、城下の人間は、戦々恐々、町から笑い声が消えてしまった。このままでは殿様の評判がガタガタになると危ぶんだ安藤直次が、望遠鏡をへし折り、「この望遠鏡で殿に見られていると思って、城下町の人間たちは今思うような暮らしもできないのです」と諫めた。
    昔から、異国の聖賢と言われた人は、冠の下に紗でこしらえた目すだれをかけ、物を見ぬようにいたし、耳には耳金というものをつけ、人声を聞かぬようにした、と言い、頼宣を諌めた。
    非常に面白かった。

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    2019年02月02日
  • 泥の蝶 インパール戦線死の断章

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    日本軍が大敗を喫したビルマのインパール作戦。この戦闘での日本司令部の無策、無能ぶりを批判し、その犠牲となった最前線部隊の悲劇を連作で描いた短編小説集。

    著者としては、この作戦のお粗末さを強調したかったのだろうが、どこまでが事実で、どこまでが想像なのかがわかりにくい。その結果、小説としての面白さ、ドキュメンタリーとしての正確さ、いずれもが中途半端。

    多くの歴史小説を発表してきた著者だが、昭和時代となると調子が狂うのか。司馬遼太郎が昭和時代を描かなかったのは正しい判断だ。

    なにはともあれ、インパール作戦というのは日本軍が個々の兵士の精神主義に頼り切ったダメ組織であったことがよくわかるお手本だ。

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    2018年12月30日
  • 椿と花水木 万次郎の生涯(下)

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    さらに深くジョン万次郎について知りたくなり、こちらに挑戦。かなりの長編。文体的に読みやすくはなく、正直けっこう読み飛ばしました。でも大まかには理解。やっぱりアメリカに渡って未知の世界と出会うあたりは面白かった。そして日本に戻って逆カルチャーショック気味になるところも。この頃の日米の差は歴然。万次郎さん、その後の日本において重要な存在でした。すごい時代を生き抜いた、すごい人生。

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    2018年05月28日
  • 伊賀忍び控え帖

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    津本陽の独特の雰囲気は好きです。
    方言なんかも。
    ゆえに理解の浅いことも。
    自分の実力不足。(笑)

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    2017年12月28日
  • 薩南示現流

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    示現流はもとは自顕流という流派からの派生だとは思わなかった。薩摩で、東郷がその流派を確立させるには、相当な力も要ったであろう。だからこそ、幕末、その示現流が明治維新の良くも悪くも回天させる着火剤的な役割を果たすまで、薩摩で蒸留されてきたのだと思う。

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    2016年01月31日
  • 宮本武蔵

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    バガボンドの影響で、知っている登場人物が
    全部マンガの人物像になってしまった。
    えーそんな話だったっけか...と、
    なんかこう話についていけなかった。

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    2015年10月24日
  • 独眼龍政宗 上

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    津本さんの著書は初めてよんだが、まるで歴史の教科書である。キャラクターの魅力は伝わらない。これを読んで、「うわー、政宗ってかっこいい」とはならないかも。。。
    そして、大きいことも小さいことも同じくらいの力の入れ方で書くので、戦争シーンが誰が一番で、誰の首をとってなどの描写が長々と続き、飽きてしまう。
    政宗がズーズー弁を話すのも、事実かもしれないが、イメージと合わない…。

    政宗が様々な環境下で読み上げた和歌などが多数紹介されており、そういった面に興味をもっている方にはいいと思う。それでも、事実のみに着目するためか解釈は載っておらず、自分で理解するしかない。

    史実を重要する方にはいいでしょう。

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    2015年08月25日
  • 吉田松陰 異端のリーダー

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    今年(2015)の大河ではもう死んでしまったが、実際にはどう云った人物だったのかと云うことで。
    まあ、この本に書かれてることが史実かどうかは分からないけど、参考にはなる。
    今の時代に龍馬や松蔭って声はあるけど、違うね。彼らはあの時代だから活きたんだね。今いると、多分全く受け入れられないわ、松蔭君。
    ただ、いろいろなところに学ぶべきことは多い人ではある。

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    2015年05月30日
  • 吉田松陰 異端のリーダー

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    20150218 有名過ぎて、何をした人かかえって分からなくなっていた。大河ドラマの影響もあってあらすじを、知りたかった。淡々とした記述が丁度良いさめ加減。この後、ドラマを、求めて別の本を読むかどうかは各自の判断だろう。

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    2015年02月18日
  • 吉田松陰 異端のリーダー

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    事前の松陰のイメージは知的で落ち着きと信念を持った人物であったが、そうではなく短絡的で猪突猛進な事実が沢山。
    学者としては優れた才覚があるのかもしれないが、軍略家や経営者としては才に乏しいように感じる。
    ・玉木文之進の教育は吉田家の山鹿流兵法師範の大助の危篤をきっかけに開始
    ・松陰の明倫館の授業はさほど人気がなかった。皆勤者は無。

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    2015年01月02日
  • 伊賀忍び控え帖

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    危機はなく、でも、その時代のことがよくわかる。
    後半、信長が出てくると俄然話がおもしろくなるのは、(それでも危機は少ないけれど…)なぜだろう。

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    2014年10月14日
  • 大わらんじの男(三) 八代将軍徳川吉宗

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    20140425 時代小説というよりビジネス書のような感じ。多少眠くなる所もあるが理解できれは役に立ちそう。

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    2014年04月25日
  • 千葉周作 下

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    千葉周作を たんたんと 描く。
    独立して 門下生を集めるために
    様々な工夫をする。
    起業家でも あったんですね。
    千葉周作は。

    「敵をただ討つと思うな身を守れ、自ずから洩る賤が家の月」

    試合に際し 疑い、惑い、ためらい、おそれが 禁物である。156ページ

    千葉周作は 剣の達人だけでなく
    人を見抜き、そして、教える教師としての力量もあった。
    度量が 大きいと言うか 懐も大きい。
    宮田 に対する 対処の仕方が いいね。
    脇坂伴次郎への 教育の仕方も 目的が鮮明である。
    また、伴次郎が 強力な意志を持っている。
    いい話だ。

    千葉周作は 4人の息子に恵まれ
    栄次郎と言う天才が うまれる。
    しかし、いずれも 生きている時間が短く
    時代が大きく変わって 北辰一刀流は 変化せざるをえなかった。

    千葉周作の弟 定吉の息子 重太郎に 坂本龍馬は
    師事した。

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    2014年04月17日
  • 千葉周作 上

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    千葉周作は 天性の勘のよさがあり、
    柔軟だった。
    間違いを指摘されれば すぐさま訂正する。

    それにして、6尺もあった というから
    背が高かったんですね。
    相撲さんといわれるほどだった。
    にもかかわらず 身体が柔らかく 器用だった。

    とにかく、稽古が好きで
    理詰めの剣に徹する。
    負けたときのほうが 学ぶことが多いとおもっている。

    池波正太郎の 時代物と 津本陽ではかなり違うね。
    雰囲気が。
    女の子との関係。
    試合のときのシーンなど、どうも、津村陽のほうが
    剣道用語を 使い過ぎかもしれない。

    恵まれた環境を 拒絶して 剣を普及する道にいこうとする
    千葉周作。
    さて、下巻は どうなるのか。

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    2014年04月15日
  • 大わらんじの男(二) 八代将軍徳川吉宗

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    20140402 善政の説明が少しくどく感じてしまう。波乱が隠れたところでしか起きないのでつい飽きてしまう。この先の展開に期待。

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    2014年04月03日
  • 大わらんじの男(一) 八代将軍徳川吉宗

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    20140330 大河ドラマ風で安心して読める。この先の展開も史実にどこまでドラマを出せるか。楽しみ。

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    2014年03月30日
  • 龍馬の油断 幕末七人の侍

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    タイトルは『龍馬』だけれども、取り上げられているのは、坂本龍馬の他に以下6人にまつわる短編集。
    ・陸奥宗光
    ・中村郁蔵
    ・山岡鉄舟
    ・高橋泥舟
    ・勝海舟
    ・吉田松陰

    著者は剣術に詳しいことで有名で偉人の若い頃の剣術修行についての内容が興味深い。
    個人的には高橋泥舟と山岡鉄舟の短編が印象に残る。

    剣の道は心を極めることで成し遂げられ、それを実現するのは唯一厳しい鍛錬から。心技体の大切さを改めて気づかされた。

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    2013年11月27日
  • お庭番吹雪算長 上

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    この手の時代小説は、津本陽派と隆慶一郎派に分かれますが…
    私は隆慶一郎の少しじめっとした作風が好きです。

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    2013年06月29日
  • 戦国武将の脳―乱世を勝ちぬくブレインパワー

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    今まで言われてきたことを脳のメカニズム的にはこうだとまとめたもの。脳科学者と作者が対話形式で話を進めていくが時々会話がかみ合ってないこともある。
    同じ文章がコピペのように別の章であたかも今始めて語るかのようにある。

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    2013年06月24日
  • 小説 渋沢栄一(上)

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    ネタバレ

    たぬきじじいというイメージだったけどただひたすらに「善意の人」。色々失敗している部分も、その清さゆえに感謝されているところがあるんだろうな。晩年まではただ忙しく、金にあかしたというわけでもなさそうなので、そのモチベーションがノブレスオブリージュということでもなさそうだ、というところが一番気になる。そこの部分はその「時代」の空気とは全く切り離せないだろう。この時代にしかでなかった人なのだと思う。渋沢栄一に学ぶなどという本が出ているようだけれど、この時代に栄一翁がするとしたら慈善事業・NPOのようなもののような気がしてならない。私たちが学ぶべきはもっと別のところのような気がするが。

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    2013年04月26日