津本陽のレビュー一覧
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千葉周作を たんたんと 描く。
独立して 門下生を集めるために
様々な工夫をする。
起業家でも あったんですね。
千葉周作は。
「敵をただ討つと思うな身を守れ、自ずから洩る賤が家の月」
試合に際し 疑い、惑い、ためらい、おそれが 禁物である。156ページ
千葉周作は 剣の達人だけでなく
人を見抜き、そして、教える教師としての力量もあった。
度量が 大きいと言うか 懐も大きい。
宮田 に対する 対処の仕方が いいね。
脇坂伴次郎への 教育の仕方も 目的が鮮明である。
また、伴次郎が 強力な意志を持っている。
いい話だ。
千葉周作は 4人の息子に恵まれ
栄次郎と言う天才が うまれる。
しか -
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千葉周作は 天性の勘のよさがあり、
柔軟だった。
間違いを指摘されれば すぐさま訂正する。
それにして、6尺もあった というから
背が高かったんですね。
相撲さんといわれるほどだった。
にもかかわらず 身体が柔らかく 器用だった。
とにかく、稽古が好きで
理詰めの剣に徹する。
負けたときのほうが 学ぶことが多いとおもっている。
池波正太郎の 時代物と 津本陽ではかなり違うね。
雰囲気が。
女の子との関係。
試合のときのシーンなど、どうも、津村陽のほうが
剣道用語を 使い過ぎかもしれない。
恵まれた環境を 拒絶して 剣を普及する道にいこうとする
千葉周作。
さて、下巻は どうなるのか。 -
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ネタバレたぬきじじいというイメージだったけどただひたすらに「善意の人」。色々失敗している部分も、その清さゆえに感謝されているところがあるんだろうな。晩年まではただ忙しく、金にあかしたというわけでもなさそうなので、そのモチベーションがノブレスオブリージュということでもなさそうだ、というところが一番気になる。そこの部分はその「時代」の空気とは全く切り離せないだろう。この時代にしかでなかった人なのだと思う。渋沢栄一に学ぶなどという本が出ているようだけれど、この時代に栄一翁がするとしたら慈善事業・NPOのようなもののような気がしてならない。私たちが学ぶべきはもっと別のところのような気がするが。
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田中角栄ほど、日本的な政治家らしい人はいない。
『金権政治家』というレッテルも貼られている。
貧しい農村の競馬馬にかける父親とひたすら健気にはたらく母親。
今回読んで見て、小学校卒という話であったが、
建築に関して、独学的に勉強する姿が浮き彫りとなった。
抜群の記憶力、仕事に対する集中力があったが、
また、以外と諦めの早いオトコでもある。
次々にチャンスをものにする人懐っこさ。
ひとくくりで、その姿を明らかにすることは、困難なオトコである。
信長的であるが、残忍ではない。
秀吉的な感じが強い。
それに、現場の苦情を基礎に、政策化する能力がある。
清濁 あわせ呑む という感じではなく、
泥 -
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明治の起業王
明治時代の起業王、近代日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の伝記小説を手にした。数百の会社を作りながら、財閥をなすことなく、私利私欲に走らなかった人という言い伝えだけは聞いていたが、その人の人生について知る機会となった。前半生は以外にも、豪農の家に生まれながら、幕末に起った危機感から志士を志す。しかし運命のいたずらから最後の将軍・徳川慶喜に仕えることとなり、さらに慶喜の弟の訪欧に随行していく。ヨーロッパ滞在において若き日の攘夷の義憤がいかに世間知らずの若気の至りであったことを悟って行くことになる流れの必然と、その運命を自身の才覚により切り開いていく様は、江戸~明治期の時代がなせ -
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明治の偉人 渋沢栄一
渋沢栄一の半生を描いた小説の下巻。
明治期に入って、渋沢は明治政府の先駆けとなる仕事を行い、その後野に下り、江戸期の最下位階級にいた商人こそが国を作る原動力になると、会社組織を次々に立ち上げていく。
その数数百にのぼりながら、財閥を築くことなくまさに日本の産業界を作り上げてきた。
その卓越した手腕は、今の世の中であれば当たり前と思われている手法に試行錯誤してたどり着いてゆく。
またに現在の日本の繁栄の根底には、渋沢の勇躍があったといわざるを得ないのだろう。
今の世の中でこれほど国家に対する革命的な手腕を発揮する場所は無いかもしれないが、当時にあって同じ境遇にいたならば、