津本陽のレビュー一覧
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ちょっとネタバレになりますが…ジョン・マンは日本へ帰国する決意をし金鉱で旅費を工面し琉球へ。しかし罪人扱いされるが言語取得能力に長けていたため次第に琉球弁・仮名を覚え少しづつ住民と親しくなり、そして薩摩の島津斉彬公が海外事情に聡明だったため厚遇されたのが大きかったのだろう、紆余曲折を重ね無事故郷へ。この2人のやりとりが楽しい。そして幕臣へと…。やはり外国を知っている中浜万次郎の日本への影響力はすごいですね。万次郎のアメリカ生活を記した河田子竜の『漂撰記略』により坂本竜馬に開国への道を進む影響を与え、土佐藩の山内容堂・吉田東洋といった重鎮にも会っているんですね。しかも親しく。なのにね〜…。勝麟太
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"覇王"とは信長のことだ。
昨夜、テレビ東京の「新説!?日本ミステリー」という番組で、『長篠の戦いは無かった!?』というのを見た。
この番組は、いわゆる通説である学校の教科書に載っている歴史を否定し、新説を説明する番組で、いくつかの証拠を元にまとめられているので歴史好きには格別のおもしろさがある。
例に漏れず、織田信長が鉄砲隊を率いて武田家を破った長篠の戦いやそもそも戦国最強と言われた武田騎馬隊は無かった、と日記の文章等の証拠を用いて説明され、ショックを隠せず。。
しかし、
歴史は、解釈である。
引用した場面。これでこそ信長!と勝手に満足。
その彼の、途方もない -
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「早く返却して下さい」って電話がかかってきて、急いで読んでました。^^;
<本の紹介>
尾張を統一した織田信長は、宿敵・斎藤氏を滅ぼし美濃を攻略した。木下藤吉郎が次第に頭角を現す。心の安らぎであった愛妾・吉野が世を去り、岐阜に居を移した信長は楽市・楽座など画期的政策を導入、「天下布武」を鮮明にする。近江の浅井長政に妹・お市を嫁がせると、明智光秀の要請を容れ、ついに足利義昭を奉じ上洛を果たす。信長の軍略・政策を明らかにした津本歴史文学の最高傑作。
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信長って、やっぱ只者じゃなかったですね。
なんか、大将というか、人の上に立つ人がどうあるべきかってものを考えさせられた一冊でした。彼が -
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<本の紹介>
長篠で武田騎馬隊を撃破した信長は、一向一揆を率いる石山本願寺攻めに取りかかる。安土城を拠点に、諸国からもたらされる情報を分析し、天下政権の確立に向けて次の作戦を練り上げてゆく。中国路で戦果を挙げた羽柴秀吉が寵を集める一方で、信長の猜疑心深い暗黒の性格は、次第に制御を失いつつあった…。信長の思考、行動に、緻密なままでの分析を試みつつ壮大なスケールの戦国小説として描ききった歴史文学の最高傑作、完結。
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「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け滅せぬもののあるべきか」
この一節を覚えたのは、中学くらいの頃かな。信長の野望にはまって、ずーっとやってた -
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■読みたい理由(2010年4月29日)
「勝海舟」を読み比べよう祭開催!ってことで
■読み終わった!(2010年5月8日)
正直なところ、「あれれ?『村上版勝海舟』とは印象がずいぶん違う」と第一に思った。
村上版は「欠点はあれど家族思いで熱い魂を持つ、清廉潔白な男」という印象が強かった。津本版は愛人はいるは(こっちが史実に近いのかもしれないが)、かくまってくれとお願いに来た人を冷たく帰すわ(もちろん逃走の軍資金は渡してるんだけれど)、船酔いでぐでぐでだわっていう「ただ強い態度なだけ」という感じがしてしまう。そうそう。こちらは「出世しようという野心」が強く見えるのだ。これだけを読むと「勝海舟ね -
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必ず返事を出すんだ。結果があいての希望通りでなくても聞いてはくれたんだ、となる。大切なことだよ。
教養、非教養のいずれの側の人間でも自分が置かれた立場を理解し、国民が最も必要としている対策に猛然と取り組むことが政治家に最も必要な資格といえる。
田中政治とは一言で言えば合理主義。そして得意技は再建。世論を重視する。どんなに小さな情報をも大切にする。
ここしかないという着地点を見つける。それで痛手を蒙る人を如何にして九歳していくかが政治の処理の全て。
生きていくためには、徹底的に気を配る人の身辺には利運が巡ってくるのかもしれない。いるも人生の特別席に収まっていた佐藤、福田には窺い知る機微ではない。