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Posted by ブクログ
---こののち天下の体勢は、門望(声望)と名分に帰せず、かならず正に帰すであろう。
私に帰せずして、公に帰するにきまっている。これはわずかな疑いもいれないことである。---
---麟太郎は市井の無頼、侠客の名誉心をかきたててやれば、幕臣よりはるかに頼りがいのある、義侠の徒となるのを知っていた。---
無頼漢の扱いをよく知っていて、上手く利用する采配…すごい。人の動かし方を本当に心得ています。
---おれは自分の胸をさして兵隊にむかい、いずれ今明日中には何とか決着すべし。決定しだいにて、あるいは足下らの銃先にかかって死ぬることもあろうから、よくよくこの胸を見覚えておかれよ、といいすてて、西郷に暇乞いをして帰った。---
薩摩屋敷で江戸城攻め中止の話し合いに出掛けた勝さんが、屋敷に詰め掛けている官軍の兵隊に取った言動です。惚れる…っ
フィクションで見かけたりしますが、これを本物の武器を持った兵隊の前で出来てしまうのが凄い…これが明鏡止水の境地なのか。
上下巻共に読みました。勝さんの細かい足跡や言動を知れたので良かったです。航海で死にそうになったり、何度も暗殺されかけたりしながらも激動の時代を生き抜いたのはやはり凄いと思います。幕臣達を無能だと思いながらも徳川家に最後まで尽くしたり、敵味方隔てなく相談に応じたりと、その人柄にも惹かれました。
Posted by ブクログ
■読みたい理由(2010年4月29日)
「勝海舟」を読み比べよう祭開催!ってことで
■読み終わった!(2010年5月8日)
正直なところ、「あれれ?『村上版勝海舟』とは印象がずいぶん違う」と第一に思った。
村上版は「欠点はあれど家族思いで熱い魂を持つ、清廉潔白な男」という印象が強かった。津本版は愛人はいるは(こっちが史実に近いのかもしれないが)、かくまってくれとお願いに来た人を冷たく帰すわ(もちろん逃走の軍資金は渡してるんだけれど)、船酔いでぐでぐでだわっていう「ただ強い態度なだけ」という感じがしてしまう。そうそう。こちらは「出世しようという野心」が強く見えるのだ。これだけを読むと「勝海舟ねぇ。ふーん。エリート役人でしょ」で終わってしまうかもしれない。苦労ばかりの幼年期を中心に描いた村上版と異なり、幼年期よりも実際の活躍期をこと細かく書いていることも影響している。
でも、津本版が村上版よりもページ数が多い(こちらは上下巻)のは、勝の周辺だけではなく、そのときの社会情勢についても描いているためでもある。臨海丸に乗った人数、訓練に要した時間、その他その時代の特性が記載してあるので、幕末と言う時代をいっぺんに知るにはいい本だと思う。
■次に読む本は
勝海舟 下巻。
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