津本陽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「早く返却して下さい」って電話がかかってきて、急いで読んでました。^^;
<本の紹介>
尾張を統一した織田信長は、宿敵・斎藤氏を滅ぼし美濃を攻略した。木下藤吉郎が次第に頭角を現す。心の安らぎであった愛妾・吉野が世を去り、岐阜に居を移した信長は楽市・楽座など画期的政策を導入、「天下布武」を鮮明にする。近江の浅井長政に妹・お市を嫁がせると、明智光秀の要請を容れ、ついに足利義昭を奉じ上洛を果たす。信長の軍略・政策を明らかにした津本歴史文学の最高傑作。
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信長って、やっぱ只者じゃなかったですね。
なんか、大将というか、人の上に立つ人がどうあるべきかってものを考えさせられた一冊でした。彼が頭良かったのもそうですけど、「目的を達成する為に何をすべきか」ってのをしっかり考えて、周りをうまく巻き込みながら、問題点を見つけて、対応として打てる手をどんどん打ちながら、部下の才能をしっかり見出して発揮させてやれる場所を提供していく。
「勇将の下に弱卒なし」って言葉は、勇気の有る将軍の部下には臆病な兵士はいない。直訳するとそうなるけど、結果的にそうなるもんだってことなのかなと思いました。はじめからそうだったわけではなく、数々の戦いを経るうちに弱い部下がやられ強い部下が残る、そういう淘汰が常に発生していることがまず1つ。そして、空いたポストに据える部下を年功序列にせず、部下の才能によって実力主義で抜擢する大将がいることが1つ。そして、そういう大将には大将を選んで仕えるような有能な部下(諸葛孔明や豊臣秀吉、明智光秀、黒田官兵衛)が集まる可能性が高いことが1つ。
そういう意味で、相手に「仕えるに値する大将」と思われ続けることが一番難しいはずで、そういう意味で信長ってそういう要素を持ってた稀有な日本人だったんだろうなと思いました。
仕事も、1人でしているわけじゃない。
どんだけ「この人と仕事がしたい」と思ってもらえる自分でいられるかは、見られてるとこ、問われてるとこなんだろなと思います。
これは、仕事なら上司と部下だけど付き合う場合でも同じか。「自分がどんだけ惚れるに値する男か」を相手に示してあげられると、違うんだろうなぁ。。。まだまだ頑張らないとですね。なんて。^^; -
Posted by ブクログ
<本の紹介>
長篠で武田騎馬隊を撃破した信長は、一向一揆を率いる石山本願寺攻めに取りかかる。安土城を拠点に、諸国からもたらされる情報を分析し、天下政権の確立に向けて次の作戦を練り上げてゆく。中国路で戦果を挙げた羽柴秀吉が寵を集める一方で、信長の猜疑心深い暗黒の性格は、次第に制御を失いつつあった…。信長の思考、行動に、緻密なままでの分析を試みつつ壮大なスケールの戦国小説として描ききった歴史文学の最高傑作、完結。
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「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け滅せぬもののあるべきか」
この一節を覚えたのは、中学くらいの頃かな。信長の野望にはまって、ずーっとやってたら戦国時代の武将はもちろん日本地図まで書けるようになってたし、「九十九茄子」とか有名な茶器の名前までも気づけば覚えてた。
でも、ここまでちゃんと織田信長って人物のことを深く知ったのは初めてでした。鋭すぎる切れ味の日本刀に接しているようなイメージだったんだろうけど、力を持ってた人だったんだろうなと思いました。
そして、夢半ばで潰えたとは言え、一旗上げるとかそういうレベルでの話でなく、この国をもっと安定させるには、繁栄させるにはどうしたら良いかってことを考えてた。領民(=国民)がもっと安心して農業に精を出せるようにするのに必要な制度は、とか、商売をもっと活性化する為に荘園や土豪の設置したうじゃうじゃある関所が邪魔だから撤廃する、とか、都市を行き来する為の間道の整備が必要、とか。お金を稼いで使って終わり、でなく、この人が作った楽市楽座の制度や、道路なんかのインフラは後世にしっかり残ってった。
織田信長のしたことは良かったのか悪かったのか、それをゼロイチで判断するのはあんまりしたくないですが、俺は何も残せなかった人たちがたくさんいた中でこれだけのことを残してった人ってとこだけでも評価されて当然なのかな、と思います。
何が違ったんだろう。
「頭領としてのハロー効果」とか、「ブレない志」とか、「現地現物主義(ト○タ風に言えば)」とか、「変化への柔軟性」とか、考えられる要素はたくさんある。それらは全て結果論だけど、必要な要素だったと思います。せっかく、こういった本を読んでこういう気づきを得られたんだから、これからの自分にちゃんと活かしていけるといいなぁと。そう思います。
いや、いい作品だったなぁ。楽しめました。 -
Posted by ブクログ
■読みたい理由(2010年4月29日)
「勝海舟」を読み比べよう祭開催!ってことで
■読み終わった!(2010年5月8日)
正直なところ、「あれれ?『村上版勝海舟』とは印象がずいぶん違う」と第一に思った。
村上版は「欠点はあれど家族思いで熱い魂を持つ、清廉潔白な男」という印象が強かった。津本版は愛人はいるは(こっちが史実に近いのかもしれないが)、かくまってくれとお願いに来た人を冷たく帰すわ(もちろん逃走の軍資金は渡してるんだけれど)、船酔いでぐでぐでだわっていう「ただ強い態度なだけ」という感じがしてしまう。そうそう。こちらは「出世しようという野心」が強く見えるのだ。これだけを読むと「勝海舟ねぇ。ふーん。エリート役人でしょ」で終わってしまうかもしれない。苦労ばかりの幼年期を中心に描いた村上版と異なり、幼年期よりも実際の活躍期をこと細かく書いていることも影響している。
でも、津本版が村上版よりもページ数が多い(こちらは上下巻)のは、勝の周辺だけではなく、そのときの社会情勢についても描いているためでもある。臨海丸に乗った人数、訓練に要した時間、その他その時代の特性が記載してあるので、幕末と言う時代をいっぺんに知るにはいい本だと思う。
■次に読む本は
勝海舟 下巻。 -
Posted by ブクログ
必ず返事を出すんだ。結果があいての希望通りでなくても聞いてはくれたんだ、となる。大切なことだよ。
教養、非教養のいずれの側の人間でも自分が置かれた立場を理解し、国民が最も必要としている対策に猛然と取り組むことが政治家に最も必要な資格といえる。
田中政治とは一言で言えば合理主義。そして得意技は再建。世論を重視する。どんなに小さな情報をも大切にする。
ここしかないという着地点を見つける。それで痛手を蒙る人を如何にして九歳していくかが政治の処理の全て。
生きていくためには、徹底的に気を配る人の身辺には利運が巡ってくるのかもしれない。いるも人生の特別席に収まっていた佐藤、福田には窺い知る機微ではない。
角栄が税制のプロになったのは政界では権力を奪取、維持するためには多額の資金が必要としたから。