津本陽のレビュー一覧
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幕末、なぜ、薩摩主導で討幕をなしえたのか?江戸時代、太平の世の中にあって、武士の性質も変わってきた。当時、武士の気風を残していたのは薩摩藩と会津藩だけだったと言われている。(一方、長州藩は奇兵隊によって武士だけに頼ることを諦めた)
本著は、この何故薩摩が強かったのか?薩摩隼人の精神構造、価値観、生き様は如何に?、これらに答えてくれるものであり、興味深い。
何よりも薩摩隼人に男気を感じる。
「チェスト!」のかけ声と猿のような奇声で白兵戦に圧倒的な強さを誇った薩摩隼人、その力の源泉が示現流といっても過言ではない。
本著は、その示現流が生まれた歴史・経緯と、それを薩摩に広げた東郷重位について取り上 -
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---こののち天下の体勢は、門望(声望)と名分に帰せず、かならず正に帰すであろう。
私に帰せずして、公に帰するにきまっている。これはわずかな疑いもいれないことである。---
---麟太郎は市井の無頼、侠客の名誉心をかきたててやれば、幕臣よりはるかに頼りがいのある、義侠の徒となるのを知っていた。---
無頼漢の扱いをよく知っていて、上手く利用する采配…すごい。人の動かし方を本当に心得ています。
---おれは自分の胸をさして兵隊にむかい、いずれ今明日中には何とか決着すべし。決定しだいにて、あるいは足下らの銃先にかかって死ぬることもあろうから、よくよくこの胸を見覚えておかれよ、といいすてて、西 -
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<本の紹介>
本願寺率いる一向一揆との泥沼の戦いが信長を待ち受けていた。将軍・足利義昭は、信長を失脚させようと陰謀をめぐらす。敵対勢力の拠点と化した比叡山延暦寺を焼討ちにより殲滅するが、三方ケ原では徳川家康との連合軍が武田信玄に大敗。信玄の急死で辛くも窮地を脱した信長はついに義昭を追放し、浅井・朝倉討滅を果たす。戦いに明け暮れる信長の胸中に、暗い猜疑心が次第に大きく渦巻いていく…。日本の歴史文学史上に輝く傑作。
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パレートの法則じゃないけど、目的を達する為に最初の80%をどれだけうまくやっても、最後の20%を完遂するのは本当に困難だなと、そう思いました。領地を増やして、兵力を蓄えて -
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超王道の水滸伝の下巻。
水滸伝には70回本と120回本の2種類の結末があるが、こちらは70回本を訳した物語のようで宋江の元に運命に導かれた男たちが集い梁山泊が結成されるまでを描く。
後編は武松と藩金連の話。
水滸伝と同様に中国3大奇書の一つにかぞえられる「金瓶梅」に出てくる、
藩金蓮と西門慶を武松が殺してしまう話から始まる。
宋江もまた女を殺し、梁山泊へ。
流石に108人も居ると、国と戦う理由や、日常を捨てる理由も重複することもある。
こちらも読みやすく、また面白いが、70回本の物語の悪いところは、終わり方がジャンプ漫画の打ちきり最終回のようになってしまうということ。
これから面白くなりそ