佐野洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて佐野洋子さんを知った1冊
絵本を読んでもらった記憶がないので
「100万回生きたねこ」も知らんし
絵本の殿堂?とも言われる「ぐりとぐら」すら
大人になってから知った私…
活字びっしりの本が苦手な私なので
雰囲気のあるイラストとエッセイ風の文字で書かれたこの本はすごく読みやすく、あっという間に読めたけど、短い言葉のなかには胸がきゅっとなるものや
ぷぷぷっと笑えるものもあり素晴らしかった!
淡谷のり子さんになる!というお話は何度読んでも悲しく泣けてきて、私の世代ではものまね王座の時に厳しい採点するおばあちゃんとしか認識なかったから、あらためて淡谷のり子さんを知りたいと思った
今更なが -
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Posted by ブクログ
おじさんは、とてもりっぱな傘を持っていて、でかけるときは必ず持って行く。
少しの雨ならぬれたまま。
たくさん降るとあまやどり。
急ぐときは、しっかり抱いてはしる。
雨がやまないときは、人の傘に入る。
大ぶりの雨なら出かけない。
ある日、公園でいると雨が降ってきて、小さな男の子が傘に入れてってとおじさんに言ったけど聞こえないふり…。
ともだちの女の子がきて、いっしょに帰るときに
「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン。」とうたう。
おじさんは、ほんとかなあと思い、とうとう傘を広げ雨の中へ。
傘に雨があたると音がして…。
上からも下からも楽しい音がする。
やっと傘 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本文中で「夫婦」について書かれた件、タイトルにもなっている、その8「わけがわからん」が、心に染みた。
友人夫妻を「社交上の礼儀にある程度武装されている」という表現した文言も、
「自分の夫婦の関係を他者に理解させようとするとこれも実に困難である。」
「夫婦は中からは容易に壊れるが、外からつっついて壊そうとしても決して壊れない。
それは、愛ではなく情だからである。
愛は年月と共に消えるが、
情は、年月と共にしぶとくなる。」
「実にわけがわからん。
夫婦はわけがわからんのが
いいのである。」
すごく、わかりやすく、
すごく、ステキな文章でした。
そして、終盤にかかれた、
イングリッシュグ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです。日本のも海外のも入り混じった世界の御伽噺を自由なアレンジで。
野心的なシンデレラ、自身の外見は醜いけど世界の美しさを感じられる白雪姫、ダンヒルのライターを携帯している「カチカチ山」のうさぎ。こぶとり爺さんの婆さんは爺さんのこぶを愛していて、花咲か爺さんの婆さんは正直者の爺さんをとんまでうすのろだと思っている。
「親指姫」は壮絶で心が痛みました…こうくるのか。「あほうどり」は元のお話を存じ上げなかったですが好きなお話です。
何年も前に読書会でおすすめしていただいた本。岸田今日子さんと村田沙耶香さんによる巻末エッセイも面白かった。村田さんから見ても「とんでもない」のは相当とんでもな -
Posted by ブクログ
ネタバレ切れ味のいい文章。冒頭の「ふふふ、痛いのよー」がまず強烈。子供嫌いの著者が、出産した瞬間から自分の子供が愛しくてしかたなくなる。圧倒的なリアリティ。
「それよりも不気味だったのは、スッポンと生まれた瞬間に、オギャーという泣き声と共に、おー赤ちゃん、私のかわいい赤ちゃんという気持ちが、爆発したことである。 (中略) 私は生涯でただ一度、世の中の光が唯一私に集中したような歓喜にあふれたのである。」
また、「ことばは通じなくても」の一節。
「ことばをおぼえれば、おぼえるほど、ことばが通じるようになって、ことばが通じることだけで満足したりして、そして、ことばでないものを感じたりわかったりすることを投 -
Posted by ブクログ
ネタバレぽんぽんとリズム良い文章に、赤裸々でありながらユーモラスな優しさも感じ、あっという間に読み終えた。
時代背景もあるだろうが、厳しい母との葛藤、互いに素直になれない哀しみ、家族の情、生きる厳しさなど、印象深い。
そして、呆けた母への思いの変化が熱をもって綴られ、美しい。
『 母が私との関係を高校の担任に、「嫉妬でしょうか」と云った時、私は見当違いの事を何云っているのだろうと思った。
そして、わかった。もしかしたら本当だったのだ。私は父にそっくりだったのだ。・・・・・
母は本当に私に嫉妬していたのだ。』
『もしかしてこの人、本当には強くない人なのだろうか。』
"謙虚" -
Posted by ブクログ
佐野洋子の対談集。本書の発行は2011年2月。佐野さんが亡くなられたのが2010年11月なので、佐野さんの死後の発行であり、人生の最晩年の対談。対談の相手は、西原理恵子とリリー・フランキー。佐野さんを含め、3人ともが武蔵野美術大学、いわゆる「むさび」のご出身。リリー・フランキーとの対談では、佐野さんはベッドでということだったようなので、体調も相当悪くなっていた時期だったのだろう。ただ、対談内容は、佐野さんの他の対談集と変わらず愉快なものであった。
西原理恵子は、デビュー作の「まあじゃんほうろうき」をたまたま愛読していた。とても面白い漫画だったし、何よりも作品中に出てくる本人が面白かった。その後